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Yamareco

記録ID: 605117
全員に公開
アルパインクライミング
日光・那須・筑波

日光白根山 西面3ルンゼ-北西稜下降 入門者にオススメなバリエーションルート

2015年03月22日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:51
距離
5.8km
登り
844m
下り
841m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
3:54
休憩
0:50
合計
4:44
距離 5.8km 登り 846m 下り 850m
11:30
12:20
70
13:37
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
無料駐車場とトイレ有り。センターハウス正面の駐車場のみ有料(500円)
コース状況/
危険箇所等
登山道は圧雪されたトレースが有り歩きやすい。登山道を外れ樹林帯の中を西面ルンゼへアプローチするが通常トレースが無い為ワカンかスノーシューが必要。西面ルンゼから3ルンゼ内はクラストしており所々モナカ雪状。ルンゼ上部でのミスは200m以上滑落する可能性があり要注意。下降の北西稜下部は腐れ雪の急斜面でアイゼンが効かない。滑落の初動で確実に停止できる技術が無い場合は一般ルートで下山した方が良い。
丸沼スキー場のロープウェーで入山。トレースバッチリでツボ足でも踏み抜きません。
2015年03月22日 09:18撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
3/22 9:18
丸沼スキー場のロープウェーで入山。トレースバッチリでツボ足でも踏み抜きません。
途中から登山道を外れて西面ルンゼの取り付きへ。ここでメットやハーネス、ガチャ類を身に付けます。
2015年03月22日 10:00撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
3/22 10:00
途中から登山道を外れて西面ルンゼの取り付きへ。ここでメットやハーネス、ガチャ類を身に付けます。
西面ルンゼを登ります。3ルンゼは上部左側のルンゼです。
2015年03月22日 10:30撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 10:30
西面ルンゼを登ります。3ルンゼは上部左側のルンゼです。
3ルンゼに入りました。雪は締まっておりアイゼンが良く効きます。
2015年03月22日 11:06撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 11:06
3ルンゼに入りました。雪は締まっておりアイゼンが良く効きます。
3ルンゼ内部の様子。細かい落石が落ちて来るのでメット必須です。
2015年03月22日 11:15撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 11:15
3ルンゼ内部の様子。細かい落石が落ちて来るのでメット必須です。
3ルンゼ真ん中辺りから見下ろし。所々氷の部分が有ります。
2015年03月22日 11:19撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 11:19
3ルンゼ真ん中辺りから見下ろし。所々氷の部分が有ります。
こんな感じの氷のギャップはダブルアックスが有れば楽しく登れます。
2015年03月22日 11:30撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 11:30
こんな感じの氷のギャップはダブルアックスが有れば楽しく登れます。
3ルンゼ抜けた辺りからの見下ろし。
2015年03月22日 11:33撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 11:33
3ルンゼ抜けた辺りからの見下ろし。
山頂〜。
2015年03月22日 11:45撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 11:45
山頂〜。
今日は霞んじゃって景色はいまひとつ。日光方面もぼんやりです。
2015年03月22日 12:19撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
3/22 12:19
今日は霞んじゃって景色はいまひとつ。日光方面もぼんやりです。
晴天の日曜日。多くの人が山頂を楽しんでいました。
2015年03月22日 12:19撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
3/22 12:19
晴天の日曜日。多くの人が山頂を楽しんでいました。
降りは北西稜に向かいます。左のピークが北西稜です。右の岩から右へ降れば弥陀ヶ池への一般ルートです。
2015年03月22日 12:28撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
3/22 12:28
降りは北西稜に向かいます。左のピークが北西稜です。右の岩から右へ降れば弥陀ヶ池への一般ルートです。
北西稜。なかなかカッコイイです。
2015年03月22日 12:30撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 12:30
北西稜。なかなかカッコイイです。
左側は3ルンゼに向かって切れ落ちているので慎重に。
2015年03月22日 12:31撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 12:31
左側は3ルンゼに向かって切れ落ちているので慎重に。
北西稜から見た西面3ルンゼ。右下から左上に雪が繋がっているルートを辿ります。
2015年03月22日 12:35撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 12:35
北西稜から見た西面3ルンゼ。右下から左上に雪が繋がっているルートを辿ります。
北西稜は最初のピークを越えてしまえば穏やかな尾根になります。
2015年03月22日 12:39撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
3/22 12:39
北西稜は最初のピークを越えてしまえば穏やかな尾根になります。
北西稜下部。稜線を真っ直ぐ降りると藪に捕まるので西側に向かって下ります。
2015年03月22日 12:52撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 12:52
北西稜下部。稜線を真っ直ぐ降りると藪に捕まるので西側に向かって下ります。
北西稜見上げ。下部は雪が腐った急斜面でアイゼンが効きません。5〜6回スリップしましたが、確実に滑落停止出来ないと危険です。
2015年03月22日 12:53撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 12:53
北西稜見上げ。下部は雪が腐った急斜面でアイゼンが効きません。5〜6回スリップしましたが、確実に滑落停止出来ないと危険です。
登山口の二荒山神社に到着。無事に帰ってきた御礼をします。お疲れ様でした〜。
2015年03月22日 13:33撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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登山口の二荒山神社に到着。無事に帰ってきた御礼をします。お疲れ様でした〜。
丸沼スキー場ゲレンデトップから白根山。
2015年03月22日 13:37撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 13:37
丸沼スキー場ゲレンデトップから白根山。
今日のルートはこんな感じです。オレンジが西面3ルンゼ。グリーンが北西稜です。
2015年03月22日 13:37撮影 by  DMC-FT25, Panasonic
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3/22 13:37
今日のルートはこんな感じです。オレンジが西面3ルンゼ。グリーンが北西稜です。
撮影機器:

感想

日光白根山西面3ルンゼは無積雪期は落石の巣になっていて近づけませんが、積雪期なら氷雪でコンクリートされているので登れます。1〜2月は休日と天候条件が合わず入ることが出来ませんでしたが、好天が多くなる3月はチャンスが多くなります。去年も3月に登りました。

そんな訳でこの時期恒例化した感のある3ルンゼ。教薜幣紊瞭颪靴気鰐気い任垢山頂に至るルートの合理性や集中力の継続を要求される緊張感は、自分にとってアルパインクライミングの原点となるルートです。降りは北西稜を使いましたが、こちらは下部が腐れ雪の急斜面で緊張しました。

丸沼高原スキー場のロープウェーを利用してロープウェー山頂駅へ。最近は入山者が多くなり登山道はトレースがしっかり残っています。有り難くトレースを辿り七色平を過ぎて程なく標高2140mで東へトレースを外れますが、今日は登山道から分岐した西面ルンゼへ向かうトレースがはっきりと刻まれています。ルンゼ方向へのトレースは一般ルートではないので一応目印に枝を×印型に置いておきました。

分岐から東へのトレースを暫く辿りましたが、方向が微妙に異なるのでトレースを東へ外れます。ここからは膝上〜腰のラッセルになる事も多いのですが、今日は雪が締まっていてツボ足でも沈みません。スノーシューを担いできましたが全く出番が有りません。

樹林帯を抜け標高2230mで西面ルンゼの取り付きとなります。立ち上がる雪面に荒々しい岩壁が青空をバックに聳え登攀意欲が掻き立てられます。

ここでアイゼンを装着し、メットやハーネス等の登攀装備を身に着けます。一応ロープはすぐ取り出せるよう雨蓋に移します。3ルンゼ内は日陰で下から強風が吹き上がって来ます。体感温度が低くなるので厚めに衣類を調節します。

ここからは急な西面ルンゼ内を3ルンゼに向かって登ります。荒々しいルンゼ内の景色を楽しみながら高度を上げて行きます。

息を整えるため立ち止まると、足元からは西面ルンゼの急斜面が遮るもの無く続き気持ちのよい高度感です。雪は締まっており滑落すればかなりの距離を落下することになり気が抜けません。

標高2370mで3ルンゼの入り口に入ります。ここからルートは氷雪でコンクリートされたザレに加え、一部にアイスと岩が現れます。クラストした雪面はアックス、アイゼン共に良く効き快適に登る事ができます。一応凍って安定しているとはいえ、3ルンゼ内は落石が多く足元にも落ちてきた石が転がっており、ヘルメットの着用が有効です。

3ルンゼ内の斜度はフラットフットがキツイ程度には立っているのでアイゼンを蹴りこんで登りますが、一息付く時や写真を撮る場合はアックスにセルフビレイするのが手っ取り早いと思います。岩の部分は溶岩質でハーケンが入りそうなリスは有りませんし、アイス部分は氷が薄くスクリューは使えません。

アックスはシングルでも問題なく登れますが、ダブルアックスであればセルフを取る際にも便利ですし、アイス部分やちょっとしたギャップを登る時も楽しめ、アルパイン気分が盛り上がるのでお勧めです。

3ルンゼ上部では左側に向かって登りやすく雪が続いている部分がありますが、これを辿ると北西稜に乗り上げてしまい3ルンゼ完登とは成らないので注意が必要です。
ルンゼが広がったところで山頂と北西稜のコルに登り詰め3ルンゼを抜けます。南側の雪稜を登ると山頂が視界に入ります。

山頂で昼飯休憩。今日は春霞で遠方までは見えませんが、男体山や中禅寺湖の眺め、至仏山、燧ケ岳等、素晴らしい景色に癒されてから下山です。

今回の下山は北西稜を使いました。降り始めは北面の弥陀ヶ池への一般ルートと同様です。弥陀ヶ池へ向かうルートの目印となる大岩の左側に聳えるピークが北西稜です。このピークは良い感じに立っており、左側は西面3ルンゼに向かって切れ落ちているので慎重に通過します。このヤセ尾根を過ぎれば尾根は穏やかになり、北西稜の稜線を辿ることができます。

穏やかな北西稜を降って行きます。このまま真っ直ぐに稜線を辿ると七色平避難小屋のウラに出ることが出来ますが、北西稜は過去2回偵察した事により稜線下部は藪がウザい事が判っている為、標高2280mで尾根を斜め左へ外れ西へ向かいます。これより早いタイミングで西へ向かうと、西面ルンゼへ落ちる岩壁に阻まれ降りられません。標高2280mが岩壁を避けて雪面を降れる目安になると思います。

この雪面はかなりの斜度で登る分には良いのですが、降る場合は注意が必要です。この時期は降りの時間帯になると雪が腐り、アイゼンが効かなくなります。自分も5〜6回スリップしました。スリップを感じた瞬間に雪面にアックスのシャフトを刺すか、雪面に正対して滑落停止姿勢を作る事が重要です。木立や岩が有るので短距離の滑落でも怪我の危険が有ります。滑落の初動で確実に停止できる技術が無い場合は、一般ルートか旧登山道を下山する方がリスクが少ないと思います。

去年西面3ルンゼを登った際の下山ルートは旧登山道を使いました。 旧登山道のGPSログは以下をご参照ください。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-417792.html

急な雪面を標高2160m辺りまで降りてくると、西面ルンゼ下部の樹林帯に入ります。登る時に見た景色の中を少し降れば登山道にぶつかります。

登山道を丸沼高原スキー場のロープウェー山頂駅へ向かいます。二荒山神社に無事到着のお礼をしてロープウェー山頂駅の広場で装備を解きます。

ロープウェー山頂駅から見上げる白根山。西面ルンゼを見上げ登攀の余韻に浸ります。何回登ってもあそこを登ったと思うとやっぱり嬉しい。機会があれば来シーズンも、またここに帰ってくると思います。気持ちの良い達成感を感じながらロープウェーで下山します。

初めて3ルンゼを登ってから数年。自分のアルパインへの目覚めはここから始まったと思います。他の山域でのバリエーションルートと比べても見劣りしない良いルートです。

日光白根山のバリエーションはあまり入る人が居ないので人も少なく、メジャーなルートとは一味違い、自分と山だけの純粋な時間を楽しめると思います。

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コメント

参考にさせていただきました。
こんにちわ。今回、奥白根山の丸沼高原側にある第3ルンゼを登るに当たり、この記録を参考にさせていただきました。ルンゼ内は硬雪で氷はありませんでしたが、雰囲気は素晴らしく、アルプス的登山の雰囲気を堪能いたしました。今後も、夫婦揃って登攀を楽しんで下さいませ。ありがとうございました。
2018/3/30 17:26
Re: 参考にさせていただきました。
alpsommetさんお疲れ様でした!3ルンゼ自分は今シーズン3/11に登ったんですが、その時にはベルグラっぽい氷がはっていました。ついつい毎シーズン入ってしまう良いルートですよね。 自分もヤマレコの記録は参考にさせてもらっているので、こうして貢献できれば幸いです。お互い良い山との出会いが有りますように!
2018/4/2 18:01
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日光白根
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
1/5
体力レベル
2/5

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