釜ノ沢東俣(紅葉と氷)


- GPS
- 14:45
- 距離
- 18.7km
- 登り
- 1,751m
- 下り
- 1,753m
コースタイム
- 山行
- 6:46
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 7:40
天候 | 両日文句無しの晴れ。2日目の朝7時の気温がマイナス3度!沢靴凍った。山頂到着時で2度、駐車場で14度。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
沢納めとして釜ノ沢東俣へ。
新人のfujiko123さんに泊まり沢体験をしてもらうべく声をかけた。
(所属会入会からかなり時間が経ちこの時期になってしまったが…)
寒さが懸念されたため最初はなんちゃって泊まり沢のパターンにしようかと思ったが、せっかくなので行ったことのなかった釜ノ沢へ。
メジャー沢とは言えこの時期なら人も少ないだろうと予想。
当日、道の駅みとみで準備。
気温は5℃くらいでもうすでに寒く、フリースとレインウェアを着込みスタート。
アプローチは悪いと聞いていたので場所によってはセルフを取れるよう最初からハーネスを装着したが、慎重に行くべき所が数箇所あったくらいで結果的にハーネスは使わなかった。
まあ初同行だったfujiko123さんの歩き方が予想通りしっかりしたものだったことも大きいか。
入渓までに数パーティと遭遇。
いたとしても1〜2パーティだと思っていたので驚いた。
入渓してからは基本的に川原歩き。
でも乙女滝や東のナメ沢、魚止めの滝、千畳のナメ、両門の滝と見どころがちょくちょく出てきて面白い。
特に千畳のナメは大規模で紅葉も相まって見事としか言いようがなく、思わず歓声を上げた。
あと、tartletさんが相変わらずのエンターテイナー性を発揮し、体を張って我々を和ませてくれたのも記録に残しておこうw
それにしてもこの沢は開けていて滝はスケールが大きめのものばかりで、かつ巻き道が看板やピンクテープ付きで用意されておりめちゃくちゃ気持ちよくて楽に遡行できる。
一箇所、ヤゲンの滝の次の8m斜瀑はそれらがなく右岸の岩を直登したが、やや高度感があったため一応補助ロープを出した。
最初はゴボウで登ってもらおうとフィックスしたが、両手が使えた方がいいと考え直してムンター引き上げに変更。
まあfujiko123さんはなんの苦労もなくスルスルと登ってきたので本当に必要だったかどうかは分からないw
1700m二俣を越えると急に水が姿を消す。
その先をテン場にしようと考えていたのでまさか水がないなんてことないよな…?と少しだけ不安に。
すぐに水は復活したので伏流していただけのようだが、その後も数回伏流と復活を繰り返していた。
最終的に1780m付近に幕営。
台地すぎず沢のすぐ横で焚き火ができ、何より大量の薪が半径10mほどに備えられており完璧に近い場所だった。
宴会はいつものように大量に酒を飲み焚き火の光と熱を浴び星を見て楽しく過ごす。
翌朝、寒いは寒いけどダウンを着ていれば問題ないな〜と思っていたら-3℃とのことで驚く。
濡れた靴下と靴は見事に固くなっていた。
大きなミスは、靴下を履く前にガスヘッド類を片付けてしまったため靴下を温めるお湯を作ることができず、テルモスのお湯を少し使うもひどく冷たいままの靴下を履くことになったこと。
個人的には今回の山行で1番ダメージを負った…
2日目は行程短くガンガン高度を上げていく。
2000mの手前くらいだろうか?水飛沫を浴びた枝が凍りついているのを発見!
沢が凍るのを初めて見た…
そこからは氷をいかにかわすかの戦い。
ヌメリなんて生やさしいレベルではなく、マジで摩擦係数ゼロ。
大ナメに薄く張った氷なんて凶悪さの塊で、同じナメなのにこちらでは悲鳴しか出ない。
草付きやちょい尾根に入ってかわしながら進む。
ちなみに途中で抜いていった別パーティはチェーンスパイクで氷を踏み割りながら歩いていた。
そういう使い方もあるのか…
ポンプ小屋についてからはハーネスを解除。
詰めもなく、氷を除けば最後まで本当に楽な沢だった。
荷物をデポして甲武信ヶ岳を往復後、山荘で一息。
山荘で淹れてもらったコーヒーが過去最高に美味しかった。
下山は長かった。以上。
初泊まり沢にも安心な、メジャー沢たるポテンシャルが随所に見られる良い沢だった。
fujiko123さんまた行きましょう!
utag提案の新人向け沢企画にSL枠で参加。当初は日帰り×2回+そこらへんの河原でビバーク練習の「なんちゃって泊まり沢」と話をしていたのに、呼ばれたLINEグループのグループ名は「泊まり沢」。マジでこの時期に泊まり沢か!と内心思っていたのだけど、それに輪をかけて天気予報は「今年一番の寒気」。相当な寒さを警戒しつつの準備となった。
当日、6時過ぎに集合。それなりに寒いものの、耐えられなくはない。フラッドラッシュで出発したものの、すぐにラピッドラッシュに着替える状況。延々と作業道(それなりに悪い場所もある)を歩き、祠から先が沢登りの始まり。(ほら貝のゴルジュには一般ハイカーらしき人も見学に来ていた)
しばらくは危ないところもなく、ちょうど最高潮だった紅葉を愛でつつの沢歩き。山肌が赤と黄色に彩られるのを見て歩きながら「これだけでもこの時期に来た甲斐がある」と思う。濡れる個所もなく(いや、私だけすっころんでパンツ水没させたけど・・)、難易度的にも重い荷物を持ち込める(防寒着が必要という意味で)ので、この時期の泊まり沢納めにちょうど良いかもしれない。美しい滝、大きなナメと、飽きさせることがない。非常に良い沢だ。人気があるのも分かる。
広河原に着き、ビバーク地点を探すも、3テンを張れる場所かつ水がある場所を探すのにちょっと時間がかかる。ちょうど広河原がそろそろ終わる地点で、絶好なビバーク地点が見つかった。薪は無限といえるほどあり(この時期の人気沢なのになんたるポテンシャル)、しかも全てカラカラに乾いた上物。気温は下がってきたものの、焚火で寒さを感じることもなく、美味しい酒と食べ物を満喫。そうそう、やっぱり泊まり沢はこれだよね。なんやかんやで持ち込んだ酒は焼酎200mlを残してほぼ完飲。22時ごろ就寝。(飲みすぎて途中でトイレに行くときにテントの入口部分がutagの顔部分にあたり、なんかうなされてた。ゴメン)
翌日、私だけ5時40分起床して火を点けるつもりが、結局全員を叩き起こしてしまった。火はあっという間につき、暖かく朝食をとっていたので気が付かなかったが・・・片付ける前に沢靴を履こうとして、ガチで凍っているのに気が付く。ちょっと焚火にあてただけでは柔らかくならないレベル。温度計をみると、朝7時でマイナス3度。明け方はもっと寒かったに違いない。そりゃ凍るわ・・・早く気が付けばよかったと思いつつ、水で温度を下げたお湯で解凍させることに(汗)
歩き始めも結構寒くて、みんななかなか厚着がやめられない。目の前にお日様があたっているのに通るルートが東寄りで全然日に当たれない。このタイミングがすごく寒かったなぁ。途中でやっと太陽に照らされたけど、今度は標高があがったからか、沢自体が凍っている!ナメがスケートリンクに変わるとこんなに怖いものなのか・・・何パーティーかに抜かされつつ、ポンプ小屋に到着。そこからはほぼ一般道。甲武信小屋に立ち寄り、(誰もあまりモチベーションがないにもかかわらず)山頂をGETし、一般登山道で下山。
寒気が来ているタイミングでの泊まり沢納め、どうなることかと思ったけど、濡れない場所であれば十分可能と判明。でも、やっぱり朝は寒かったなw
またよろしくお願いします!
【備忘録】
・歩き始めからラピッドラッシュ+フラッドラッシュの重ね着を考えていたけど、思ったよりも暖かくて、1日目の行動中はほぼラピッドラッシュ+ペラペラパーカー。下はいつもの下が取り外れるハーフパンツ。行動中は問題なし。うっかり濡らしてしまったが(初日も二日目も)、問題なく乾いてくれた。
・ビバーク地点での服装。行動中の服にフラッドラッシュと薄いフリースを追加で着て、ちょうど良し。寝るときにウルトラライトダウン着用。足先以外は寒くなかった。靴下は3シーズン用を持ってきたが、冬用にするべきだった。寝具はクローズドセルのマットとモンベル#3(一応シュラカバも)。これにハクキンカイロ12時間分で、十分暖かく寝られた。
・夕食の食料、ちょっと多すぎた。メインの量を事前確認するべきだった。(多分私が持ってき過ぎ)
・行動食。食パン1斤+チーズ7枚を持ち込み。バウムクーヘンも食べたから、食パンが2枚余った(帰りの車中のオヤツになった)。多分夕食+朝食の量が多くてお腹が空きにくかった?甘いものが食べたくなったときのためにプチっとすると出てくるチョコクリーム&ピーナツバターを持ってきたら、チョコは完全に固まって出てこなくなった。。
・凍ったナメ滝で、チェーンスパイク+ポールで直上しているパーティーを見かけた。なるほどな―と思ったけど、滑ったらどこまでも滑っていってしまうシチュエーションで試す勇気はない。。
まだ場所を選べば無雪の一般道登山にも行ける季節だが、1人で普通に一般道を歩くモチベーションが消えていたタイミングで有難いことに泊まり沢にお誘いいただいた。
要所要所で現場のtipsを色々教えていただき、経験値が上がりました。
ダイナミックに火を上げるのは楽しいですね。
紅葉もさることながら、凍り始めの沢を見る事ができたのは個人的にポイントが高かったです。
企画、サポートいただき有り難うございました!
[備忘]
・地形図は縮尺をミスると地図読み時に使い物にならない。(当たり前。。)
・-3℃のテント泊 エアマット+モンベル#3+上半身ダウン、シュラフカバー無しで問題無し。
脚はちょっと寒かったのでダウンパンツがあったほうが快適そう。
・前の人が無事に進んだのと同じラインどりでも落ちる可能性はある。
「前の人が行けた」はそれだけで信頼する根拠にはならない。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する