【南ア】大井川田代沢遡行・西魚岳沢~明神谷下降
- GPS
- 10:30
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,188m
- 下り
- 1,235m
コースタイム
- 山行
- 9:27
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 10:30
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
明神湧水付近に駐車スペース有り。 明神谷沿いの車道終点に駐車スペース有り。 |
その他周辺情報 | 【他の記録】 ・田代沢の記録は登山大系のみを確認 ・明神谷は記録多数 |
写真
装備
備考 | ・田代沢は全体に滑るのでフェルト適。但しその場合は巻きのためにチェーンスパイクがあると良い。 ・40m以上のロープ持参推奨。 |
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感想
田代沢は南ア南部らしい暗さと悪さを持つ沢で、明確な見所はないものの、練習山行にはちょうど良い沢だと感じた。これが丹沢にあれば人気も出るだろうが、こんなにアクセスの面倒な場所にあっては、これまで殆ど登られていないのも妥当であろう。
明神谷は関東周辺の沢では随分な賛辞が書かれているが、概ね平凡な沢で、自分好みではなかった。沢登りよりも沢歩きを楽しみたい人向けだろう。
どちらもさほど遡行価値の高い沢ではなかったが、登山大系しか記録の見当たらない沢をまた1つ解明でき、ついでに明神谷の様相も分かったので、満足である。
[計画の経緯]
海外遠征に向けての顔合わせも兼ねてプレ山行。10月下旬となると行ける沢も限られる。比較的標高の低いところでtamoshimaさんの気になるリストから深南部が候補に。何本かあるのち、日帰りで行ける田代沢を選択。田代沢自体は流程が短いため、明神谷の下降を含めて行くことに決めた。
[記録]
○アプローチ
下山予定の明神谷へ車を置くことに。明神湧水付近に駐車スペースがあるも、林道に入れそうなので少し入ったところに駐車。もう一台は入渓地点の田代澤橋付近の2台程停められそうなスペースを利用。明神湧水付近の駐車スペースには2台ほど車が止まっていた。
○遡行
田代澤橋の右岸の踏み跡(ほぼ壊れ掛けの橋)をたどり、fixロープを使って、堰堤を越えていく。もしかしたら釣り師が入っているのかも。田代沢に入渓し、しばらくすると両岸とも傾斜が強くなり、ゴルジュ帯が始まる。小滝が連続し、どの滝もⅢ級ほどのクライミングを要求される。しかも、滑るためラバーソールには辛い。一度ゴルジュ帯から抜けると今回の目玉である登山大系による2段80m滝に当たるが実際には2段40mほどであった。登攀ラインがあるか検討するも滑りや傾斜もあるので厳しいと判断。少し戻り、左岸から落ち口まで大きく高巻き、再びゴルジュ帯となる。小滝も連続し、8m滝はtamoshimaさんがシャワーを浴びながら、フリーソロで右壁を登り、後続を引き上げる。続く11m滝は登攀ラインはなさそうなので左岸から高巻きをするが要所要所に悪さを感じた。しばらく歩くと大木の倒れた滝が現れるが高巻きは厳しいので左壁をtamoshimaさんがロープを出して突破。その後のゴルジュ帯入り口付近のCS滝も登れないので右岸から巻くが、傾斜が強く、悪い巻きを強いられる。これぞ深南部の谷である。ゴルジュ帯を抜けたところで小休憩。この時期の沢の水はとても冷たい。泳ぎの沢は無理だろう。ガレを過ぎると20m滝が現れ、tamoshimaさんが右壁からロープを出して登攀。下部が滑っていて悪いが上部は快適な登攀を楽しめる。その後、左の小沢を詰めれば、1700mのコルに突き上げる。
○下降
1700mコルで乗越し、明神谷西魚岳沢から明神谷本谷を下降していく。西魚岳沢は平凡な歩きで1時間ほどで本谷に合流する。関東周辺の沢には"“下流から中流にかけてゴルジュ状の所が多く、中に無数の淵、トロ、小滝が連続し、惚れ惚れするような渓谷美である”という謳い文句があるが、そこまでの期待感は感じられなかった。巨石が多く、水力もすごいので中流部のゴルジュ帯は巻きながら下降していく。人気沢だけたり、巻道も歩きやすい。下部ゴルジュ帯の7m滝は巻きながらの下降には時間がかかるので先行2人は打ち込んだハーケンととバックアップを使って懸垂。後続のtamoshimaさんはフリーで下降したが滑りがあってホールドも少なく、難しそうに見えた。ゴルジュ帯を過ぎると長い河原歩きとなり、堰堤につく。支流には何本も多段滝が見られた。
[感想・総評]
田代沢は、記録はほとんどなく登山体系にも少しの記載がされている程度である。流程は短いが、滝の多い悪沢と評される。深南部は地元ということもあり、2年前から通い始めた。ただ、田代沢はマークをつけていなかった。tamoshimaさんから田代沢を提案され、調べてみると確かにほぼ記録は残されておらず、冒険的な山行を楽しめそうだと感じた。確かに登山大系通り滝が連続し、高巻きも悪い。時期も10月後半ということで水に打たれると手が悴んでしまう。シーズンとしてはギリギリだろう。ウエットスーツは必須。全体的に程良い緊張感で楽しめる。下降に使った明神谷は田代沢とは対照的に全体的にひらけており、巨岩が連なる赤石沢に近い谷であった。
記録のない谷に行くことは冒険性があって楽しい。深南部に眠る谷を開拓していきたい。
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