三頭山(激急登のヌカザス尾根に挑戦!)
- GPS
- 07:17
- 距離
- 20.2km
- 登り
- 1,468m
- 下り
- 1,673m
コースタイム
- 山行
- 7:31
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 7:59
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
JR青梅線「奥多摩駅」 ↓ 西東京バス「小河内神社バス停」 【帰り】 西東京バス「上川乗バス停」 ↓ JR五日市線「武蔵五日市駅」 |
写真
感想
先週に続き、奥多摩指折りの急登に挑む。
奥多摩湖から三頭山へ伸びるヌカザス尾根だ。
奥多摩三大急登に選ばれたり選ばれなかったりしている。(そもそもあいまいな括りだ...)
三頭山からは槇寄山まで行き、そのまま笹尾根縦走路を歩いていく予定だが、槇寄山を通過した後のことはノープランである。
とりあえず行けるところまで行こうと思う。
【小河内神社バス停〜登山口】
午前八時、小河内神社バス停へ着く。
バスを降りると眼前には「麦山の浮橋」と言われる橋が奥多摩湖に浮かんでいる。
奥多摩湖の対岸へ繋がる橋で、ポリエチレン・発泡スチロールの浮子が敷かれており、その上に木の板が乗っかる形になっている。
元々はダム建設時に対岸への通行路の代替として使用していたようだ。
当時は浮子にドラム缶が使用されていたことから、通称「ドラム缶橋」と呼ばれている。
湖の水位が低下すると危険のため通行止めになることがある。
今年も冬からしばらく閉鎖されていて中々通ることが出来なかったが、つい最近になって解禁されるようになった。
僕の他に二人組がこのバス停に降りたが、浮橋には向かって行かなかった。
階段を下って浮橋に乗り込む。
足を踏み入れると、橋がグラグラと揺れ、ちょっと怖い。あまりドタドタと走ったりしないほうが良さそうだ。
橋を渡り終えると、遊歩道を少し歩いてから車道に着く。
平日の早朝なので車はそこまで通っていない。
三頭山登山口は、この車道沿いにある。
しっかり道標もあるため見逃さずに済んだ。
そして、登山口の先を見ると顔が引き攣ってしまうほどの急勾配がそこにある。
【登山口〜イヨ山】
登り始めから急登なのは今に始まったことではない。
この尾根の険しいところは、急登が絶え間なく続くということに尽きる。
しかも厄介なのは、ピークが幾つかあるという点。これはつまり急登に加えてアップダウンがあるということだ。
まずはヌカザス尾根の最初のピーク、イヨ山に着く。標高は979m。
短時間でずいぶんと高度を稼いだ。
ピークに着いたところで急登はひと段落する。
イヨ山の周辺で、キャンキャンと子犬のような声が聞こえてくる。
まさか子犬がこんなところにいるはずもない。
目を凝らすと、猿のようだ。
一匹だけではない。
尾根の脇でしばらく身構える体制をとっていたが、僕が接近するのに気付いたのか、急いで下って行った。
下を覗くと既に姿ないが、キャンキャンと吠える声が聞こえる。縄張り争いでもしているのか?
それにしてもニホンザルは、子犬みたいに甲高い声で吠えるのだな。
【イヨ山〜ヌカザス山】
イヨ山ピークからは一旦下り坂があり、それを超えると急坂が出現する。
いままでは急坂となだらかな坂が交互するような形だったが、ここからはフルスロットルで迎えてくる。
砂利道のつづら折に、岩場、トラロープ場と、さまざまな手法でハイカーを痛めつけるドSな奴らだ。
トラロープ場は特に勾配がキツく、今回最大の難所と言ってよい。
急坂ゾーンを抜けると次のピークであるヌカザス山に着く。
あっという間に標高1,175mである。
ベンチもなければ眺望も無い、ただのピークである。
奥多摩湖がチラッと見えるが。
【ヌカザス山〜三頭山】
ヌカザス山から少し歩くと、ムロクボ尾根の分岐がある。
奥多摩周遊道路に、今日入ってきた登山口とは別の登山口があり、そこからここまで伸びている尾根がそうなのだろう。
この尾根も相当険しい急登コースであることが伺える。
ヌカザス山からも急登ゾーンは続く。
標高が上がるにつれ、葉っぱの色も鮮やかになっていき紅葉を感じつつある。
ここから次のピークまでの坂は「ツネの泣き坂」と呼ばれる。
もともとネットで知ってはいたのだが、実際に登ってみると特に目印のようなものもない。
確かに泣きたくなる急坂だが、そういう由来でない。
室町期、今の奥多摩湖部分にあった川野城に奉公していた女性と、近場のお寺の僧侶との切ない恋愛話だったと記憶している。
そんな泣き坂を乗り越えると、次のピーク「入小沢ノ峰」に着く。
標高は1,302mで、いよいよ三頭山に近づいて来た。
急登ゾーンは終わり、ここからはゆったりとした登山道が続く。
標高もある程度に達したことで、木々も紅葉の色を出してきた。
落ち葉もカラフルになっている。
徐々に三頭山に近づいたところで、分岐点が現れる。こんなところで?
鶴峠というらしい。
ここから西側に伸びていて、奈良倉山など小菅村の山々に接続しているようだ。
入小沢ノ峰から四十分ほどで三頭山着く。
登山口から誰一人見えなかったが、山頂には大勢の人がいる。
ヌカザス尾根は不人気だが、三頭山は大人気だ。平日だろうが関係なく、都民の森は都民にとっての癒しの場なのだ。
険しいコースを乗り越えた後だったので、この山頂がオアシスのように思えてくる。
【三頭山〜】
山頂のベンチで昼食を済ませ、このまま西原峠へ向かう。
しばらく都民の森の経路を南へ進んでいき、
大沢山というピークでまた休憩する。
見晴らしは良く、ここからも富士山が見られる。
そこから少し歩いたところで分岐点に着き、ここで都民の森は終わりのようだ。このまま笹尾根縦走路を進んでいく。
ここの尾根は起伏は少なく、しばらくは平和な道が続く。
幾つか都道へ接続するエスケープルートが点在しているため、とことん進んでみることにする。
槇寄山、数馬峠、笛吹峠、日原峠と、数々のポイントを経て緩慢とした尾根を歩いていくが、
いかんせん距離が長いため、ジワジワと足にダメージが入ってくる。
時間も午後15時に近づいてきたところで、エスケープすることにした。
ちょうど浅間峠に着いたため、ここで下山を開始する。さすがに生藤山までは無理だったか。
一時間弱ほどで登山口に着き、車道を少し歩いたところで、上川乗バス停があったため、ここから帰路に着くことにした。
今日の目的はそもそも、ヌカザス尾根を越えて三頭山に登頂することにあったが、槇寄山から浅間峠までの笹尾根があまりにも長かったことも印象強くなってしまった気はする。
しかし、達成したことは素直に嬉しい。
奥多摩屈指の急登を二つ乗り越えたことは自信にもなるし、他の難所に挑戦するとっかかりにもなる。
そのうち、水根から六ツ石山までの急登ゾーンにも挑戦してみたいと思う。
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