ニセコ連峰(小イワオヌプリ〜岩内岳)《北海道百名山》
- GPS
- 11:14
- 距離
- 27.0km
- 登り
- 1,985m
- 下り
- 2,559m
コースタイム
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 11:14
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
下山口:グリーンパークいわない |
写真
感想
ANAのマイレージ特典航空券で今年2度目の北海道に渡った。午前便の設定が無く千歳には夕方到着し、トヨタレンタリースでPassoを借りてニセコ連山の登山口とする大谷地の駐車場に向かった。20時に到着し夕食後車の中でシュラフに潜り込んだ。
今日の日の出は5:18、4時前に起きて牛丼を食べ明るくなった5:07に歩き出した。大谷地湿原は中の川上流の平原に広がっている。整備された木道を1卍行くと大沼への登りとなりワイスホルンとニトヌプリの鞍部(約870m)を越えた。坂道を下り出すと大沼が姿を現したが笹が隔てて全景が見えない。一ヶ所だけ水面に近づける場所があり南西方向を見ると、霧の立ち昇る大沼の水面にイワオヌプリの荒々し山容が映り、幻想的な雰囲気を漂わせていた。池畔を進み共和町と倶知安町の堺の峠を越えて視界が広がると火山のエリアに入ったことを硫黄の臭いが教えてくれた。白い砂礫地には良く見ると硫黄の結晶が混じっている。標高800mまで下り硫黄川を飛び石で渡りイワオヌプリと小イワオヌプリの鞍部へと進んだ。
小イワオヌプリは登山地図に登路が描かれていないので平成21年に縦走した時はスルーしてしまった。Webの情報によるとイワオヌプリとの鞍部から登れる事を知り悔しくて仕方がなかったので今回の山行では第1の目的とした。硫黄質の山肌を見せるイワオヌプリの懐は赤や白の砂礫地が樹林帯に交じる火山帯独特の風景を醸していた。右手に小イワオヌプリ(1,039m)の山裾が見えて来ると這松の隙間を縫って取り付いた。朝露をたっぷり持った笹やハイマツは忽ちズボンを濡らした。スパッツをして来たが足元だけで済まなかった。微かな踏み跡をテープが導いてくれ、南に巻き込むようにして昇ると山頂部は岩場になり最高所に達した。山頂を示すものは何もないが山頂からは今日は登らないイワオヌプリと右肩から顔を覗かせたニセコアンヌプリが朝陽を受けて輝いていた。西側に目を転じればこの後行くニトヌプリの双耳峰が素晴らしく、南の方には明日行く昆布岳が単独峰で裾野を長く広げていた。
来た道を下って鞍部に戻り小イワオヌプリの南側に進んだ。見上げると小イワオヌプリがドンと聳えている。登山道沿いにはエゾオヤマリンドウが咲き、前方にはニトヌプリ(1,080m)の山肌をジグザグに登る登山道がしっかり見えていた。この登山道を登り返してニトヌプリの肩に到ると右手直ぐに山頂標識があるが最高点は20m程先の這松の藪の中、山頂に立たなければ意味がないと這松を漕いでピークに立った。最高点には何もなく此処まで来る人はいないのか踏跡の痕跡すらなかった。
次は今回の2つ目の目的ニトヌプリ南峰への分岐を探すが全く見当たらない。10年前の昭文社地図には赤点線道が描かれているのだが強引に這松の藪に突入し鞍部まで下ってみたが藪は益々酷くとても南峰まで辿り着けそうにない。全身露でずぶ濡れになりながらやむなく断念しパノラマライン登山口へと下って行った。帰ってWebの記録を調べてみるがどれも雪のある時期に登頂したものばかりで無積雪に行った人はいないようだった。
ニセコと岩内を結ぶパノラマラインに飛び出し200m余り行くとチセヌプリの登山口があった。傍らの除雪車回転場に車を止められそうだが1台もいなかった。チセヌプリへの登り返しは300m、ニトより50m高い。山頂の手前で今日初めて人と出合った。男性が2名パノラマラインへと下って行った。2等三角点「袴腰」のある山頂で暫し休憩。北側に沼があるが藪で近づくのは容易ではなさそうだ。此処まで来るとニセコアンヌプリに隠れていた羊蹄山が姿を現し背後に聳える雄姿が素晴らしい。西の方はシャクナゲ岳に到る登山道が緑の中に一筋くっきりと刻まれているのが見えた。
西稜線を下るとシャクナゲ岳との鞍部より南側で湯本温泉への道が分岐した。平成21年の縦走のときは此処から湯元温泉に下った。今日の縦走路は北西へと進み10分足らずでビーナスの丘と呼ばれる鞍部に達した。平成24年に神仙沼から歩いて来た道が北から合流した。シャクナゲ岳(1,074m)の東斜面の登路となり100m程登ると山頂への分岐に達した。標高差100m程でシャクナゲ岳山頂に立てるが、過去2回登っており、今日は先が長いのでシャクナゲ岳はパスして稜線を乗越しシャクナゲ沼へと下った。東西に長細く透きとおった水を湛えた静かな沼で先の方に目国内岳が顔を覗かせていた。沼の北側のピークに登るとシャクナゲ岳を背負ったシャクナゲ沼が俯瞰できた。
縦走路は樹林帯に下りコンパスが東を指すようになると全く逆方向となり不安に駆られるが地図を見て納得、縦走路は複雑に北上しやがて西に向きに戻る。東側にP931を従えた白樺山(959m)も存在感のある山で振り向くとシャクナゲ岳の姿が美しい。山頂には小学生の子供を連れた5人のFamilyがお食事中、11時を過ぎたので昼食にして一緒に景色を楽しんだ。岩内の街、積丹半島を俯瞰でき、最後に登る岩内岳はまだ十分に距離感があった。
新見峠への下山路では9人のパーティーを始め数組の人々に出会った。新見峠の登山口付近には駐車場があり車道にまで溢れて車が止められていた。白樺山で会った人の数よりかなり多いようだ。半分以上の人が反対側の目国内岳(めくんないだけ)に登っているようだ。今日の最高峰で標高差は500m近くある。合目表示がしっかりあり、先ずは前目国内岳(980m)を目指した。山頂には3等三角点「五国内」があるが発見できなかった。目国内岳への道は未だ半ばに満たず、5合目にも到っていない。
登りは更に続き汗が噴出した。草原の道を只管登り続け山頂域に近づくと岩稜となり多くの人達が休憩しているその横を左に分岐し岩を攀じて山頂に到った。目国内岳の最高点(1,202m)は積み重なった岩の上で、辛うじて立つことができた。しかし殆どの人はその下の山頂標識までしか行かないようだ。山頂付近には登山口の車の数だけの人が来ていた。殆どの人は新見峠へと帰って行き縦走路を西に進む人はいない。
独り山頂から西に下りパンケ沼に到った。沼を中心とした湿地帯で足元は汁い。自然保護の為には木道を設置した方が良いのだろうが、殆ど人が来ないので整備は全くされていない。自然を壊さないように細心の注意を払い湿原を進んだ。P1073の山麓を北上し950m位まで下り登り返しが始まると岩内岳と幌別岳への分岐点に達した。平成24年の縦走時は岩内岳へのピストンをパスして幌別・雷電方面に向かった。今日の3つ目の目的、処女ルートに踏み出し岩内岳(1,085m)に登った。
岩内岳は縦走路からはみ出し北に突出している。山頂には3等三角点「岩内岳」があり展望は素晴らしい。ニセコ連山の向こうに聳える羊蹄山(1,898m)の山頂部に雲が掛りだした。岩内の街並みは益々近くなり、北の外れに北電の泊原子力発電所が見えている。何時になったら再稼働するのだろう。展望を楽しんだ後は北西尾根を下った。等高線の詰まった急傾斜が続き岩混じりの登山道は歩き難い。
2.5万図のリフト上部に達するがリフトの営業は相当前に廃止されたとみえ朽ち果てていた。スキー場跡なのだが最早痕跡すらなく樹林帯に還っている。この山も合目表示がしっかりしていてリフト上部は六合目となっていた。只管下り続けるが久しぶりの長距離縦走で足が疲れてきた。二合目に達するとスキー場方面とキャンプ場方面に道が分岐しているが直線的に下るスキー場ルートを選んだ。
車道に達し、いわない温泉へと歩くが途中にある円山(232m)に立寄った。東屋のある山頂は山と云うより公園の丘と云った風情だった。いわない温泉“グリーンパークいわない”に到着し長い縦走を終えた。入浴料500円で汗を流しタクシーを呼んで貰って大谷地の駐車地点に戻った。独りで乗ると運賃の高さが応えた。(5,990円) 前にも行ったことのあるニセコのレストランでたんぱく質の夕食を取り明日の昆布岳登山口の豊浦町上泉の登山口に向かい2泊目の車中
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