北ア 涸沢岳西尾根(積雪期)
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 2,047m
- 下り
- 2,047m
コースタイム
- 山行
- 7:32
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 7:50
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 11:30
テント場は1800m付近、2400m付近に平坦地。その途中も小さなテントなら張れるところがところどころにある。
樹林帯には赤テープがところどころにある。(下部は随所にある)
稜線に出てからは、フィックスロープがかなりの部分である。(雪が深いと埋まっている可能性あり)
ルンゼ以降の稜線は強風で、雪面はクラストしている。しかしアイゼンの歯は問題なく刺さる。
樹林帯の登りはつぼ足でOK
稜線以降、蒲田富士やルンゼの登高も12アイゼン+シングルアックスでOK
ルンゼの登りはダガーポジション+フロントポインティング。
ルンゼの下りもロープなし、シングルアックス、ダガーポジション+フロントポインティングでOK
視界がよければ、赤旗をたてるのは南稜と西尾根の合流地点1か所でOK
(他にも、立てたほうがよい場所は何か所かあり)
降雪後でトレースがなければ、樹林帯ではかんじきがあったほうがよい。アイゼンで下るのでも可能かも。
天候 | 27,28日 晴れ、無風 28日夜から降雪、29日は曇りときどき小雪(みぞれ?) 27,28日 朝 -10℃、昼間 -5℃ 29日 日中0℃前後 と、3日間とも暖か |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
12アイゼン
ピッケル(バイル)
ストック
スコップ
わかん
ハーネス
ヘルメット
カラビナ
スリング
テルモス
ビーコン
雪用ビニール袋
GPS
アタックザック
|
---|---|
共同装備 |
8mmx30mロープ 1
スノーバー or デッドマン1
コッヘル(大2)
ICIテント・スノーフライ・雪用ペグ20一式
ライター
ガスカートリッジ250g 3
ガスバーナー22
赤布10
旗竿10
無線機2
プローブ1
スノーソ―1
|
感想
年末年始は天候が崩れるとの予報から、出発を当初より1日早めて27(土)未明とした。
これが幸いし、アタック日を含めたはじめの2日間は快晴、無風、しかも比較的暖かいという最高の天候に恵まれた。
下山日から徐々に天候が崩れ始め、曇り時々雪だったが、風もなく暖かく、行動に全く支障はなかった。
また、おそらく10パーティー近く西尾根にはいっており(別途中崎尾根を目指すパーティーも複数いた)トレースは全ルートにわたり明確、全くラッセルなしのベストコンディションだった。
1日目、新穂高温泉Pを遅い出発。駐車場は8割がた埋まっている。
穂高平避難小屋へのショートカット道は急登のうえトレースがないため断念し、正規の登山道を迂回する。
積雪はふくらはぎくらいか。2〜3日前に降った雪と思われるが、パウダースノー。
トレースがあるので終始つぼ足で歩く。アイゼン、かんじき不要。
蒲田川右俣林道は沢だが、上部斜面があまり高くない&樹林帯のためよほどでなければ雪崩の心配はなさそうである。
涸沢岳西尾根のとりつきは白出沢出合を渡ったつきあたりの斜面を左上したのちにある。
左上するところも、とりつき(太い木がある右の斜面)も赤テープ(リボン) がありわかりやすい。
その後の西尾根下部もところどころに赤テープがある。
西尾根はかなりの急登。
トレースがあり登りやすいはずだが、随所でステップを踏み抜いて時間をかけてしまう。
このため幕営予定の2400m平坦地まで行くのをあきらめ、2198mの小ピークより手前で幕営する。17時過ぎ。
平坦部分はあまり広くなく、一部斜面となった上に設営。
2日目、テントに荷物をデポし、アイゼンとハーネス、ヘルメット、ガチャ類、ロープを持って出発する。
尾根歩きだが、念のためビーコンをつける。
最初はつぼ足で、途中からアイゼン、ハーネスを装着。
2400mの幕営適地は他の人の山行記にあるように、平坦な部分がかなり広く8張くらいは可能である。
この日は3~4張くらいのテントがあった。10人以上入山していることになる。
その先の広い斜面をさらに登り稜線にでると、南稜と西尾根の合流点である。
帰路でまちがえて直進し南稜に入ってしまいやすい箇所なので、目印に赤旗を立てておく。
稜線を左へ進む。ここから山頂まではほぼ稜線伝いとなる。
ほぼ真西に進むルートで、北側(滝谷側)は雪庇があるので、南寄りを歩く。
稜線上はかなりの部分にフィックスロープがはってあったのでルートはわかりやすい。
どこが山頂かよくわからない蒲田富士(がまたふじ)を通過すると、狭い雪稜のナイフリッジ。
最初に歩いた人は勇気が必要だったかもしれないが、ここもすでにトレースがあるので歩きやすい。
1歩1歩靴の形の穴に合わせて足を置く。
ナイフリッジの先にはF沢のコルがあり、その先にわかりやすい三角形の黒っぽい岩場がある。
コルから三角形の岩の右下の雪のついた小ルンゼ(フィックスロープあり)をのぼり、さらに右の広いルンゼに出る。
ここもフィックスロープがある。
このルンゼは急なので、ハイダガーポジションでアイゼンのつま先をけりこみつつ登る。
ダブルアックスに越したことはないが、1本でも他方の手指をさしこみながら登れる。
(ルンゼではなく、その右の小尾根を登るほうが容易との記録もあった)
ルンゼをのぼりきるとまた稜線に出るが、このあたりから風が強くなり、ところどころ雪面が凍っている。
アイゼンの歯をしっかり食い込ませることに注意する。
涸沢岳山頂に近づいたあたりで、北側(左側)の谷に落ちるロープ、そこをアッセンダーで登ってくる人あり。
北穂高岳を往復してきたとのこと。
涸沢岳から奥穂高往復はよく聞くが、北穂に行く人もいるのだ。
左に槍ヶ岳から大キレット、右にジャンダルムを臨みながらひたすら稜線を歩くと、ようやく涸沢岳山頂に到着。3310m
富士山も見える。冬季しか見られない無人の涸沢を見逃したのは残念。
下山。往路を戻る。
F沢のコル手前のルンゼの下りは思ったほど難しくなく、後ろ向きでピッケルとアイゼンのつま先蹴り込みで降りる。
ロープは最後まで出さずに済んだ。
南稜との合流点で赤旗を回収し、右の斜面に降りる。
テント場到着。いままで我々のテントだけだったが、今日入山してきたパーティーのテントが3張くらい増えている。
明日から天候が崩れるのに入山してくる人が結構いるのには驚いた。
翌日の天候悪化を見越して少しでも降りておくことにする。
荷物をまとめ、テントを撤収して暗くなった道を下る。
1800m付近の平坦地まで降りる予定だったが、1900m付近に良いテント跡地があったので、そこで幕営。
張り終えたくらいの時間から降雪となる。
3日目、
一晩で30cm程度の降雪も朝には小降りに。
当初トレースは全く消えていたが、のんびり出発したため、上のテント場からの下山者でトレースはしっかりつけられていた。
雪が深いので最初わかんで歩く。 が、トレースがしっかりしているのですぐにはずしてつぼ足で下る。
しかし、新雪で重いザックのためしりもちの連続(註:私だけ)。歩くより転んでいるほうが多いのでは。
樹林帯なのでころんでも危険はないが、いったいいつ到着するのかわからないペースとなる。
最後はシリセードで下る。
徐々に斜度がおちてきて、どうにか普通に歩けるようになると、しばらくして西尾根取付きに躍り出た。
白出沢以降は登山道を歩く。気温は0℃くらいで、ぱらつく雪もほとんどみぞれに近い。
穂高平小屋からはトレースがあったため林道を少しショートカット。
新穂高温泉Pに戻り。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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