楽しい尾白川渓谷道から日向山下りは楽ちん矢立石
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- GPS
- 08:20
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 1,193m
- 下り
- 1,203m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
80台以上駐車可能な大きな駐車場です。 朝5時過ぎ時点で数台の駐車あり。 トイレ、売店あり。売店は帰り(午後2時)には開いていました。尾白川渓谷、日向山、駒ケ岳の登山バッチあり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【尾白川駐車場〜黒戸尾根登山口】 駐車場から山に向かって歩いていくとキャンプ場があります。 売店の前を通り過ぎると駒ケ岳神社。 神社の左手に吊橋があり、渡ると登山口です。 【黒戸尾根登山口〜不動滝】 少し登ると甲斐駒に向かう黒戸尾根と、尾白川渓谷ハイキングコースとの分岐となります。 のっけから傾斜がそこそこあります。 尾白川渓谷ハイキングコースは沢に沿って登る道で、所々にある滝や淵を見ることができます。 険しい渓谷であるため、鉄の橋や階段が何ヶ所も出てきます。 傾斜を登り切ると、次の滝や淵に向かって急下降、滝や淵を過ぎるとまた急傾斜を登って沢から離れ……の繰り返しです。 アップダウンに富み、要所要所で美しい沢の景色を楽しめる、とても面白いコースです。 ただし右側が切れ落ちた崖となっている箇所が多く、滑落には十分に注意して歩く必要があります。 最初の景勝・千ヶ淵を過ぎると尾根の鼻筋の急登となり、登りきった辺りで尾根コースとの分岐があります。尾根コースは下り時の安全を考慮して設けられているコースらしく、おそらく渓谷コースよりは傾斜が厳しくないのだろうと思われます(未確認)。 不動滝が見えてきたら吊橋を渡り、沢の左岸に抜けます。 不動滝へは吊橋を渡って左手方向に道があります。 日向山へは吊橋渡って直進方向です。 不動滝のすぐ下まで行くには大岩をロープで登る必要があります。足掛かりがほぼ無い上に、濡れていて滑ります。大岩を登る場合は注意です。 【不動滝〜錦滝】 踏み跡不明瞭となるため、ピンクリボンを辿ります。 すぐに急登となり、崩れかけた木段や鉄の階段を辿って登ります。 標高1200m付近で小さな尾根の鼻先に乗り、急傾斜の尾根道となります。 これを登り切ると廃林道です。 林道は崩落が進んでおり、倒木や落石に注意しながら歩きます。 錦滝直前の崩落箇所は岩がゴロゴロしていて特に危険そうに見えました。 錦滝前には東屋があり、休憩できます。 【錦滝〜日向山】 不動滝以降に続いて急登です。 白砂のザレた傾斜が出てくるのでスリップ注意です。滑りやすい箇所にはロープや鎖があります。 鉄の階段も健在。 突然下りに転じたら雁ヶ原の目前です。 雁ヶ原は白砂の尾根で、足が沈むため登るのに苦労します。 登る途中、背後に鳳凰三山が現れ、その左手に富士山、右手に甲斐駒の姿が見えてきます。 雁ヶ原から東方に少しトラバースすると日向山山頂です。 【日向山〜矢立石駐車場】 ぬるい下りです。 今までの急登は何だったのかと愕然とするほどぬるい道です。 穏やかな樹林帯の中をゆるゆる下っていく道はよく整備されていて歩きやすく、迷うこともありません。 【矢立石駐車場〜尾白川駐車場】 30〜40分程度の樹林帯の下り道です。 矢立石駐車場までの道と比べるとやや傾斜があり、ザレて滑りやすい箇所があったり、踏み跡が薄いところがあって迷いそうなポイントもあります。 間違えそうな箇所は木で通せんぼされてたりするので、よく確認して進めば大丈夫かと思います。 |
その他周辺情報 | 【白州・尾白の森名水公園べるが(温泉・食事)】 駐車前に大人200円支払いレシートを受け取る。 入浴料は620円。おすすめ。 10:00〜21:00まで。 【シャトレーゼ工場】 工場見学でアイス食べ放題。 https://www.chateraise.co.jp/enjoy/02factory/01_info.php 【ひさの食堂】 山梨県北杜市白州町白須300 TEL:0551-35-2434 営業時間:11:00〜21:00 定休日:日曜日 |
写真
感想
[img]http://www.yamareco.com/uploads/photos/2945.gif[/img] [color=ff8c00]満点ハイク[/color]
連休最終日は尾白川渓谷を登って日向山へ行ってきた。
日向山は矢立石から登るとわずか1時間半で登頂できてしまう上に、甲斐駒や鳳凰三山といった南アルプスの“顔”が間近に拝めるという、初心者向きの山である。
が、さすがにそれは味気ない。
ゆるゆるに緩んでいるとは言え、一応登山歴3年目の黒パグ隊としては、もう少し歩かないと世間体にも響く。
「ゆるゆるなんですって」
「まあ!」
なんて噂話がご近所の間で流れるのも面倒だ。
そんなわけで尾白川渓谷を登るルートを選択したのである。
ここは日本三大急登の1つ、黒戸尾根のお隣に位置する道である。
すなわち、適度な難度が期待できるルートであろう。
例えば横綱白鵬の隣に住んでいる爺さんである。白鵬を倒すことはできなくとも、隣の爺さんなら何とかなろうというものだ。
それでいて爺さんは白鵬から技とか教えてもらっていて、意外に強い可能性も否定できない。
そんな微妙な感じの難度こそ我々には丁度良かろうという奇妙な推測の元、いつもの調子で尾白川駐車場を出発した。
駒ケ岳神社脇の吊橋を渡り、山に入ってわずか30秒後には、
「キツイっす……」
早くも不摂生の効果が現れた。
それもそのはず、尾白川渓谷ハイキングコースの最初の部分は黒戸尾根コースと被っている。
いわば白鵬に一言断らないと爺さんに挑戦できないようなものだ。
白鵬の一睨みを受けただけで我々の尻尾が垂れてしまうのもやむを得まい。
が、幸いにも早々に白鵬の前を辞し、爺さんの家の門を叩くことが出来た。
黒戸尾根コースと尾白川渓谷コースは分岐し、道は沢沿いに続いていく。
ところが爺さんはやはり只者ではなかった。
若い頃は全米を武者修行していた空手家で、今でもビールを飲むのに栓抜きを使わない。手刀で十分ですよと言い放つくらいの力が残っていたのである。
尾白川渓谷コースに入っても、きつい傾斜は変わりなかった。
「あれ?沢沿いじゃあないのか?」
思わず地図を確かめたくなるくらいの勢いで、ぐんぐん沢から離れて上昇してゆく道。沢の水音はどんどん遠ざかる。
きつい傾斜ながらも、道は鉄の階段や橋の連続で、のっけから楽しくて仕方が無い。
猿の軍団が現れたりなんかもして、歩き応え十分なのである。
「でも、そんなに登っちゃって良いの?道沿いに滝とかあるはずなのでは……」
と思うや否や、今度は沢に向かって急降下が始まる。
一体何がどうなっているのかよくわからないうちに千ヶ淵に到着。
ダイナミックに流れる沢と、深い青緑に沈む淵の穏やかさのコントラストに魅せられる。
と、思いきやまた激しい急上昇だ。
そしてまた急降下だ。
尾白川渓谷ハイキングコースは、変幻自在の上下攻撃を繰り出してくる老空手家なのである。
道は古く、木段や橋は朽ちたり破損したりして弱点となってはいるのだが、ポイントを押さえた攻撃は的確だ。
千ヶ淵の次に出てくる三ノ滝は、その水しぶきを浴びるくらい、すぐ近くまで下りることが出来る。
その次の旭滝は、かつて女行者が住んでいたと言われるどこか幻想的な滝だ。
ちょっと頑張って近づかないと滝を見ることすら出来ない。しかし実際に滝の前に立つと、朝日に照らされて虹が浮かび上がるという、凝ったギミックになっている。
神蛇滝は遠めから眺める様子がとても美しく、それっぽい伝説がくっついているし、不動滝はその名から想像がつく通り巨大で圧倒的な滝だ。この滝も近くまで行ける。
錦滝は周囲に花が咲いていて、それが名前の由来なのかどうか知らないが、錦に飾られている風情がある。
どの滝を見ても個性的で、実に面白い。
不動滝以降は下りは無いが、急上昇にさらに拍車がかかる。
これだけの急登は久しぶりだった。
もここの心の折れる音が聞こえた程である。
登山道としては整備が十分にされているわけではなく、朽ちていくに任されているようにも思えた。
このまま老朽化が進んだり、大きな崩落が起きたりすれば、この道は使えなくなる可能性が高いのではないかと懸念された。
もったいない。とても面白い道なのに。
もっと評価されても良いコースなんじゃないだろうか、とも。
その一方で、この道は混雑しない方が良いとも思う。
道幅は狭く、無理なすれ違いはとても危険だ。
その点ではほとんど人が歩かない現在の状況は好もしい。
取っておきの秘密の登山コースにしたい気もするので、いっそレコ書かずに済まそうかとも思った程だ。
そんな楽しくも険しい道程を経て、雁ヶ原の直下に立つ。
唐突に出現する異空間だ。
甲斐駒や鳳凰三山を思わせる白砂の尾根。
ズブズブ沈む砂地に苦労しつつ登っていくと、すぐ近くに甲斐駒と鳳凰三山の姿が見える。
この日は富士山も見えたし、反対側には八ヶ岳も見えた。
なんとも気持ちの良い場所だ。
この風景は矢立石から1時間半登るだけで見ることができる。
何も苦労して尾白川渓谷を登ってこなくても、まったくおんなじ場所に立てる。
しかし、例えるなら一本30万円の高級ワインだ。
このワイン、いつ飲んだって同じワインであることに変わりは無い。
ごく普通の日に仕事から帰って晩酌に飲んでも、あるいは何かの記念日にお祝いとして飲んでも、同じ30万のワインである。
しかし、飲む側の気持ちは違う。
どうせ飲むなら、美味しく飲める状況で飲むほうが良い。
尾白川渓谷の激しいアップダウンを乗り切ってきた後だからこそ、この風景はより素晴らしく見えたのだろう。
いや、ホント、こういう道は独り占めしちゃいたいんだけれども、やっぱり楽しかったこと、嬉しかったことは人に語りたくなるのが人情。
それをこうしてレコに残した次第である。
[img]http://f.st-hatena.com/images/fotolife/w/wicket/20140720/20140720165100.jpg[/img][b][color=228B22]どうやら一日上り累積標高1000mぐらいが丁度良いっぽい[/color][/b]
今日も自重に負けてヒーヒーハーハーな道のりだった。
mizは"心が折れた"とか書くだろうけど折れてたら上まで行かず途中の錦滝から「もう帰る!」とエスケープしている。
この登りで心が折れたんではなくて途中の会話でこれぐらいの登りが辛いなら黒戸尾根が無理だと言われてしまった事だ。
『今年の夏こそは黒戸尾根!』と毎年思っていたけれど今年も駄目だって事だ。
だから元気がなくなってしまった。
「俺、この山登りが終わったらシャトレーゼでアイス食うんだ」
「おいおい、何死亡フラグ立ててんだよ!」
と言われ…
『死亡じゃなくて脂肪フラグだけどな…』
と、つぶやき「ヒーヒーフーフー」と声出しながら歩いた。
きついなぁ〜と気持ちを盛り上げて登りきった時の達成感をアップさせた。
実際きつかったんだけどね。
登っていると以前に登った時とココが似ているとか…ふっと浮かぶ。
それがだいたいテント泊の装備の時の道のりだ。
今回は軽装なのに重い装備の時より辛い。
mizにどっちが大変だったかと聞くと今回よりも似ていると思う以前の方がきついと言う…。
やっぱり道の状態より自分の重さに負けているようだ。
山頂までの道のりは楽しかった。
新緑の渓谷、見どころのある滝、変化に富んだ道。
巨大な砂山を登り始めた時はあとちょっとで終わっちゃうよと寂しくもなった。
じっくりちびちびと砂踏んでヒーハーフーハーしながら上まで登って観た風景が「なんだこれ〜?!」だった。
今までゼーハーヒーフー言わされた山が皆見えた。
その山々の登った時の思い出なんかが全部よみがえって達成感が倍増した。
「なんだこれ?おもしろい」とずっと言ってる変な人になってたと思う。
下り道はゆるやかで木の根っこがうねうねしていたり石がゴロゴロしているような道じゃなくて非常に楽な歩きやすい道だった。
ちびっ子連れたファミリーやドライブのついでに歩いてきたみたいなカップルが難なくあるけるお散歩道のような感じだった。
下りはそういう道だと楽ちんで助かる♪
今のところ2015年No.1の山行が今回のコースだ。
とにかくmizが楽しそうだったのでなにより。
写真も色々撮って遊べて全て無事に終わった時の達成感が心地良いのは『上り累積標高1000m』ぐらいのこういう山みたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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黒パグ隊さん、こんばんは。
メリハリの効いた楽しそうな山行ですね。
「白鵬の隣の爺さん」という言葉が強烈過ぎて、勝手に爺さんの人生の一場面を想像(妄想)してはニヤニヤしてしまい、会社で「ちぃたろさんてば、最近ニヤニヤして...」「まさか変態...」「山で変な病気拾ってきたのでは...」と噂されるのも時間の問題です。
いつか私も白鵬の隣の爺さんに挑みに行けたらいいな。
それまで近所の丹沢でぶつかり稽古に励みます。
どもです。
丹沢を散歩庭にしているちぃたろさんなら楽々歩けるお山ですよ。
運動不足のおでぶさんには大変だったけど…。
登り道は本当に楽しかったです。
渓谷の大きな岩の上に座って鳥の囀りを聞きながら渓谷の風を楽しんだり。
飽きずに最後まで登れる。
写真撮るのにも時間かけたけど8割ぐらい失敗写真の墓場行きでした。
距離は10キロぐらいと短いけれど登り道は見所歩きどころ満載です。
下りはツツジ見ながら駆け下りる感じで歩ける歩きやすい道した。
楽しいお山です。
こんばんは〜
尾白川 林蔵(仮)氏は実に趣のある好々爺でした。
もここもchi-taroさんを爺さんに会わせたいとしきりに申しておりました。
しかしよくよく調べてみると、尾白川老は去年の大雪でかなり足腰を痛めたらしく、しばらくは危険な状態だったようです。
というか、未だに「錦滝〜千ヶ淵間は面会謝絶」との貼り紙がされているようですね。
年寄りだけに治りが遅く、悪化の一途を辿ってしまっているのかもしれません。
今回、そんな病状とも知らずに押しかけてしまった我々ですが、1日も早い快癒を願わずにはおれません
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