沢尻岳〜貝吹岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,495m
- 下り
- 1,355m
コースタイム
- 山行
- 9:05
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 9:25
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 8:50
天候 | 26日 曇りのち晴れ 27日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
延々と続く雪庇 |
感想
約10年前の記録で忘れられない山行がある。なかなかヤマレコにアップできなかったが、今ケガのため山に行けないので、この機会にと思い、昔を思い出しながらアップすることにした。なお、この山行は盛岡山友会が岩手県境の487kmを完全踏破したものの一部であり、「県雇用の風」として2020年12月に盛岡山友会が自費出版した60ページには、リーダーのFRKW氏の記録が掲載されている。以下の記載は、当時私がメモした記録をそのまま引用したもので、忘れられない山行の一つである。
今年から山スキーを始めた。きっかけは、昨年12月に銀世界の皆さんから誘われたからである。若いころは、休みの度にスキー場に行っていたが、それは30年も前の話である。大丈夫だろうかという不安もあったが、先輩諸氏のアドバイスを受けながら、1月に山スキーを購入した。そんな折、沢尻岳〜貝吹岳までの県境縦走の計画が出てきた。どうしても行ってみたいという強い思いから、すぐに申し込んだ。22キロの県境尾根をスキーで歩くことが楽しみで楽しみで、当日が待ち遠しくて仕方がなかった。当初、メンバーは9人だったが、最終的に4人での山行となった。計画当初から、県境グループのODさんが、ルートの高低差から距離、エスケープルートの資料収集から事前の現地確認をしてくれた。この事前調査が、山行当日大きく役に立った。
さて、山行1日目である。
5時30分、繋温泉駐車場に集合。KIZM君と犬伏トンネル入り口で合流後、貝沢登山口まで雪の少ない道を進む。
6時20分、登山口着。準備をし、記念撮影後、6時40分、縦走組4人とサポート隊11人の総勢15人で出発。7時06分、夏道分岐。7時12分、スキーを外して沢を渡渉。その後、順調に進むが、9時30分ごろ、夏道との合流点手前あたりから、雪が重くなり始めるとともにシールに雪が付き始める。シールにコブのように雪が付くとは思っていなかった。そういえば、「ワックスを持っていかなければならない」という記録を読んだことがある。迂闊であった。MURさんからワックスを塗ってもらう。11時22分、沢尻岳山頂着。皆で記念撮影。
先行していた4人のパーティーのうち3人(一人は沢尻岳で留守番?)が大荒沢岳山頂から羽後朝日岳に向かっている。何時か行ってみたい強い思いに駆られる。11時40分、サポート隊が引き上げてくれた荷物を受け取り、CLFRKW、SLKIZM、シェフFJMT、FNKSの4人で16キロ先の貝吹岳を目指す。行く先に嫌な雲がかかっているが、天気は晴れ。風少しあり。
沢尻岳から一旦下り、1277mのモッコ岳を目指す。青空と、前日降った雪と、木々の霧氷に感動。沢尻岳からの下りでは、サポート隊に見送られながら、シールを付けたまま、へっぴり腰で鞍部へ滑り降りる。気持ち良い。
12時00分、定時の無線交信したFRKWさんから、サポート隊から食糧のラーメンを受け取っていないことを告げられるが、すでに鞍部まで来ているので、戻るわけにもいかない。予備食、非常食で対応することとして、前に進む。雪質は、クラストした雪の上に新雪が積もっている状態。新雪がなければ、前に進むことは困難であったと思われた。前日の雪は我々に味方している。
12時43分、モッコ岳着。モッコ岳は大きな山であったが、全員足並み揃えて登ることができた。小雪まじりで少し暗くなる。
振り返っても、行く先はるか先までも、延々と大雪庇の稜線。雪庇はすでに崩れているところや、新雪で隠れているがクラックが入っているところも多くある。ここが核心部かと思われるところが何か所かあったが、トップのKIZM君は慎重にも果敢に進んでいく。
13時30分頃から青空が見え始める。五番森手前の鞍部をテン場とすることとして進む。P1074付近から自分のシールに雪が付き始める。FRKWさんからシールに付いた雪を取ってもらいながら、騙し騙し進むが、テン場手前の下りでどうにもならなくなり、スキーを外し担いでテン場まで下る。15時35分、テン場着。テントを張り、シールにワックスを塗って明日の山行に備える。17時頃から宴会が始まる。持ってきたうどん6人分のうち4人分で、FJMTシェフが「盛岡じゃじゃ麺」と「チータンタン」を作ってくれた。朝に2人分を回し、ラーメンは無かったが、メンバーの非常食で十分間に合った。非常食の準備は何時もしている。大勢に影響なし。
ここまで順調に進んだことから、「明日は、11時ごろには貝吹岳に着くだろう」などと、明日の厳しい山行を知らないまま、アルコールも入り、テンションも上がる。「多い、多い」と言いながら、いつの間にか、ビール6本、ワイン1本、焼酎1本をFRKWさん、FJMTさん、KIZM君の3人で全部飲み干してしまった。明日の朝は4時起床として、9時ごろ就寝。星空が綺麗だった。
27日、4時起床。快晴。
綺麗な朝焼けを見て、FJMTシェフが本職のカメラを構えた。ついでに自分も1枚撮ってもらう。朝飯を食べ、テントをたたんで、6時17分、テン場発。五番森まで、いきなりの急登。登りきったところで振り返ると、昨日歩いた稜線が雲一つない快晴の下、遥かかなたまで見渡せる。これ以上ないご褒美だ。
山頂手前にスノーシューの跡。山頂より先にはスノーシューの跡がなかったので、自分たちがエスケープルートにしていた新幹線停車場から登ってきたものと思われる。7時7分、五番森山頂着。360度のパノラマに「すんげ〜、すんげ〜」と自然に声が出る。写真を撮りまくる。
7時15分、五番森発。何度も登り下りを繰り返し、ここが核心部かと思われる個所ではスキーを担いだりしながら進む。はじめの核心部は、新幹線トンネル上部からの地森への長い急登。10時55分、地森山頂着。やっと登り切った先には、P1026の下地森へのヤセ尾根の急登。随分先から見えていた核心部中の核心部。
快晴、無風。山頂で一休みし、腹ごしらえした後に鞍部へ下る。地森からの尾根はブッシュ。鞍部まではスキーを使ったが、下地森への登りはヤセ尾根になり、途中からスキーを担いで登る。両サイドは切れ落ちていている。木のあるところは担いでいるスキーが枝に引っ掛かり苦労する。雪を踏み抜く、バランスを崩したりすれば、滑落必至。トップのKIZM君は重い荷物を担ぎながら慎重に、そして力強く登りきる。そのあとに3人が続いたが、2日前の30cm程度の雪が無かったら、越えることができなかったであろう。ここは、雪が有っても、雪が無くても越えることが難しいであろう。この条件で登れたのは、ラッキーとしか言いようがない。地森を出発してから約1時間後の12時20分、4人全員、下地森着。12時30分、下地森発。
下地森から貝吹岳までもアップダウンがあり、貝吹岳の手前でスキーを担いだが、13時35分、貝吹岳に到着。
貝吹岳からはツボ足のトレースに沿って進み、13時57分、仙岩峠着。ここからシールを外し、お楽しみのスキー滑降のはずであったが、足がクタクタで思うように滑れない。何とか、15時05分、全員無事に仙岩トンネル入口着。県境のメンバーが温かい蕎麦、フルーツ、お茶を用意して待っていてくれた。最高に感動。
良きメンバーに恵まれ、そして、沢山の方々のサポートで、2日間無事に歩ききることができました。皆さんに感謝、感謝、感謝です。ありがとうございました。
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