巻機山東面・ブサノ裏沢周辺滑降
- GPS
- 112:00
- 距離
- 32.1km
- 登り
- 4,155m
- 下り
- 4,024m
コースタイム
- 山行
- 6:39
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 7:55
- 山行
- 7:58
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 9:35
- 山行
- 4:08
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 4:45
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
感想
以前から数回、この企画にチャレンジするものの、悪天や寝坊により利根川源流方面を覗くことができずにいた。『今回こそは!』と意気込んで出かける。塩沢石打ICで仮眠、翌朝はとてもいい天気だ。里でも結構雪が残っている。清水の行き止まり付近の橋に駐車し出パ。別の2人組は柄沢山狙いで沢を詰めるとのこと。ヌクビ沢がいいという話を聞き、帰りの条件が良ければ滑ってみよう。
いつも通りにトレース頼りの林道、夏の林道のどこをどう歩いているのか…晴れていれば米子沢沿いに登ると、正面に桜坂Pが見える。左にトレースがあるので辿ってゆくと、河原なのかだだっ広い平原状を井戸尾根に向かって、いくつものトレースが続いている。さらに沢を伝えばヌクビ沢方面だ。
正面の斜面に取り付き、井戸壁を目指す。雪がまだ固く、トラバースは板のエッジで登っている。平坦地に着いたのでキジに出かけるが、木の脇にできた穴にロールを落としてしまう!!スコップで1.5mくらい掘り下げ、ストックで引っ掛けて救出完了。こんな理由で敗退になってしまうところだった。
右寄りに進み井戸壁の下に合流、シールのきかない雪にてこずり、先行者を確認するも腹が減ったので休憩。井戸壁を越え、ルートを確認すると昔のガイドでは窪地を行くとあったが、西側の小尾根状も快適そうだった。
ただひたすら登り、米子沢上部が見えるところまで来る。気温上昇に伴い雪はビショビショだ。ブナの疎林から森林限界方向は素晴らしい眺め。天気も雲ひとつない。いつもは固いニセ巻までの斜面が、今日はゆるゆるで雪崩れるのではと気になってしまう。やっと登り切ったニセ巻から避難小屋までが遠く感じるほど疲れ切っている。足がつりそうで、しかも眠い…雪に埋没している小屋の上で休憩。若干、風も出てきて、御機屋にやっとこさという感じで到着する。五十沢源頭も面白そうだ。巻・牛ノコル(こうは言わないと思うけど…)で滑降準備する。
ブサノ裏沢は地図で見るほど急ではないものの、雪庇がデカくEPを探す。エビ尾根も緩やかだ。滑り始めると、日陰である右寄りはクラストモナカ、左は快適ザラメとなっていた。雪面が切れているところをかわし、70m大滝と思わしきところは、日陰となっているエビ尾根側をトラバるようにして入り込み、1300m位からグズグズの重雪となったので、雪崩を考慮して日陰の沢床へ滑り込む。目印の岩峰は顕著で分かりやすい。左岸のブナ林1145m地点で幕営。素晴らしいロケーションである。高柳氏のブナ切り付けはもう少し下のようだ。少し風が出てくる。
翌日、起床すると視界良好な曇り。明日が雨とわかっているので、帰宅準備するか決めかねるが、折角来たんだしと思い直し、当初の予定で進む。岩峰から沢に入るが、雪庇状のためさらに10mくらい標高を落としてから沢に入り、米子頭山の尾根に取り付く。
この尾根は疎林の快適斜度で、沢筋の条件良くなければこの尾根を滑るのも悪くない。1550mから上で平坦になり、尾根の両側を見ると、これまた捨てがたい斜面となっている。稜線手前はスキーをデポしてアイゼン歩行で米子頭到着。曇ってはいるものの眺めは抜群!
まずは北斜面を滑る。斜度、雪質(ザラメだけど)共にいうことなし。ワックスを忘れたことに気付き、とりあえずテントに戻る。ブサノ裏沢二俣付近左岸に沢が出ており給水、超ラッキー!
再びこの尾根を登り返すが、昼くらいになると雪もかなり緩んでくる。鳥のさえずりやキツツキのドラミングしか聞こえない。気温が高い。次に滑ろうと思っていた南側斜面は亀裂が入っており、そのためピークではなく1715mから滑降することにする。雪は当然ながらゆるい。1400mを切ってくるとスキーが走らなくなる。変則的な形の尾根を越えようかと考えたが、広くてきれいな沢筋を進んでみたくなる。S字状は雪がしっかりついてはいるものの、左岸から巻くようにして滑る。変則尾根から入ってくる沢は狭く、本流を進んで正解だった。ここから400アップだ。
かなり急傾斜の尾根は雪もゆるく、会津駒の旧ヘリポー
トまでの沢筋と同じくらいか?凹状をトラバり東寄りの尾根に取り付き斜登行する。ブサノ裏に合流するまで下った方が楽だったか・・この苦しい登りで急に晴れてくる。一つ小尾根を合わせるとやや楽になったと思ったら、これは錯覚だった。尾根上部が見えてくるとやる気が出てくる。上部の雪庇は問題なく、右から越える。BCまでは下りのみ。
ごわごわの雪だったが楽しい林間滑降で、再び水場へ向かい、給水後、BCに戻る。今日は最高の一日だった。
最終日、朝一は高曇り、青空もやや透けて見える。資料通りエビ尾根に取り付こうと思うが、どこから取り付くか迷う。尾根上を行くと遠くから見るほどやせてはいなかった。
上トトンボ沢から登り、合流できそうなところがいくつあるものの、滝壺と思われるすり鉢状があり、傾斜がきついのでエビ尾根から行くので正解だった。1450m辺りで上トトンボ沢が近くなり、尾根上部の亀裂が気になったところで、上トトンボ沢を詰めてみることにする。ところが思っていたより雪のすり鉢状がきつく、雪壁となり越えられず、国境稜線方面に滑り降り、南側から巻くように登る。始めからこちら側を選択しておけばよかった。稜線は風強く、ピークでシールを外すことができず、シラビソ樹林まで降りて滑降準備する。水場あたりでアラレが降ってくる。シートラで避難具屋へ。晴れていれば…
風は強いものの、雪面の雪質は滑りやすい。往路に確認できなかった亀裂がありビックリする。ニセ巻きからは米子沢寄りを滑る。米子沢に向かってシュプールが伸びていたが、下部はズタズタになっているように見えたので、雪庇下の重雪急傾斜をトラバース、井戸尾根に復帰する。ワックスを塗りましして樹林帯窪地の右側を滑る。井戸壁は右寄りの樹林帯を滑るが、滑った後は重雪が軽く雪崩れてゆく。この雪質で沢ルートは危険だったか??
桜沢橋から川沿いトレースnついてゆくと、これが失敗。林道も除雪が始まっており、この作業現場から帰りがわからなくなってしまう。とりあえず下へ下へと進むと、送電線を2か所越えたところで再びトレース発見。良しと意気込んでこれをたどると、なんと『雲天』の前に飛び出してしまった。訳が分からないが、荷物を置いて車を回収に行く。
温泉は最近はまっている五十沢温泉のとある施設に向かう。露天はないが、蛇口のお湯まで温泉というのが気に入っている。
次回は避難小屋付近にベースを取り、さらに南側のゴトウジ沢と北側の松永沢源頭を滑ってみたい。
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