奥久慈男体山正面岩壁基部失敗記(バリエーションルート)
- GPS
- 08:01
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 743m
- 下り
- 747m
コースタイム
- 山行
- 6:47
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 8:01
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
参考山行 奥久慈男体山 正面岩壁基部 祠直登ルート (筆者勝手に命名。バリエーションルート) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3943330.html 奥久慈男体山 清掃登山(山頂直下) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3956727.html 昨年12月の失敗登山 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6305168.html やせ尾根ルート(筆者勝手に命名。バリエーションルート) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-791947.html 登はん要素の強いバリエーションルートです。 鎖場が始まるところの谷を詰めていきます。筆者は今回もルートミスをしてしまい、鎖場よりの谷を詰めてしまい、その結果、一番行きたかった岩の殿堂をスキップして岩稜に乗ってしまいました。座禅岩(筆者勝手に命名、展望台岩から良く見える巨大な岩塔)方面の谷を詰めて途中で少し方向を修正するのが正しいようです。もっともこの岩の殿堂に取り付くと進退窮まるのですが、、、。 ホールドは豊富ですがすっぽ抜けやすいのでどこを使うかはよく考えます。つかむというよりは押し付けるようにして取れるところが良いようです。 下山に使った健脚コースは登山道の崩落が進んでいて滑落と落石の危険が増しています。昨秋には痛ましい死亡事故もあり、難度は低いけど危険度は高いという侮れない登山道です。 |
写真
装備
備考 | ヘルメット、ザイル30m1本、ハーネス、エイト環、安全環付きカラビナ3枚、ワイヤーゲートカラビナ4枚、スリング(120cm2本、60cm2本)、アプローチシューズ、ピッケル、ピッケルリーシュ、防寒手袋(商品名「防寒テムレス」)、ゴム引き軍手(商品名「タフレッド」。タフレッドでピッケルを握ると、低温下では凍傷の危険があるので用心します)、雨具(藪こぎ用)、スマホGPS、タオル、目だし帽、靴下ミトン(筆者の山ノート参照)、行動食、水(コーヒー500ml(何と今回水を持つのを忘れました) ところどころホールドのない土の急斜面を攀じるので、季節に関係なくピッケル必須です。行き詰ったときの懸垂下降による撤退や、自分自身や荷物の確保に必要なので登攀具も必須です。つま先の蹴りこみ、狭いホールドへの立ちこみが必要なのでつま先のそりあがって、靴底のしなりやすいハイキングシューズでは進めません。クライミングゾーン(固いつま先)のついた靴底の硬い登山用の靴を使用します。 |
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感想
一応祠に直登したものの、最大の目的だった正面岩壁基部の岩の殿堂をスキップして直接岩稜に乗ってしまった。岩に遊んでもらうという目的は今回も達成されなかった。
ーーー以下は自分のためのメモーーー
■目覚めた瞬間が一番の難所
寒いから布団から抜け出すのに相当のエネルギーが要る。山に行きたいというエネルギーとの戦いだが、夜明け前は布団エネルギーが優勢、好山病が優勢になったのは水郡線の始発が常陸太田駅に入選してきた午前6時。出発はすでに7時を過ぎていた。
寒さに負けてしまうことは必ずしも悪いことばかりではない。暗いうちにアプローチすることは運転時間の節約には便利だけれども、せっかく奥久慈という秘境をドライブするなら景色を堪能しながらのほうがいい。今日のようにキレイに晴れ上がった冬の朝、118号を北上するとすぐ、右前方の視界に盟主男体山が飛び込む。ハンドルを握りながら一人歓声をあげる。
山方トンネルを過ぎて山に囲まれた道を走ると登山が始まるぞという気持ちがぐんと立ち上がる。左には盛金富士、そして右に下高塚山の前衛峰の弓反りの稜線の数々(前衛峰が二つある)は筆者の血圧をさらに上げる。
■岩の殿堂にはまたもやたどり着けず
多少練習が必要だろうということで、昨年の暮れに見事にルートをミスしたところに再挑戦した。前回の失敗の教訓がまるきり活かされていなかった。前回は一応成功したときに通過した巨岩までは同日2回目の挑戦で通過することができた(そのあと結局健脚コースに行ってしまって凹んだのだが)。しかし今回は巨岩を見ることもなく高度を上げてしまった。
一応右へ右へとトラバースしていけばいつかは正面岩壁の基部に到達すると思っていたのだが、そもそもこのトラバースというのが曲者だった。相手は正面岩壁ではないものの土付きの急斜面。完全な土付きならピッケルとつま先の蹴りこみで進めるのだが、大概は岩壁の上に薄く土がかぶっているだけの状態だ。ピッケルは利かないし、足もともずり落ちやすい。潅木が割りと多いところが救いで、木の根や幹を取れるところを捜しながら高度を上げた。
目の前に松の木が並んで生えている場所が見えて来た。祠に直登できるルートだ。今日は健脚コースには飛び出さないだろう。しかし同時に、遊びたかった正面岩壁基部の岩の殿堂で遊ぶこともできないことがほぼ決定した。遊び場所は松の木の岩稜のさらにその先だからだ、クライムダウンしてまで足を運ぶには少々遅くなってきた。
■山頂直下では再びゴミが増殖中
岩稜から祠のある岩のドームまでは厚い薮を進む。途中岩の緩斜面が現れるので薮を嫌うなら登はんする手もある。そして薮がまばらな樹林帯の緩斜面になると目の前が岩のドームだ。
このあたり、おびただしい瓶や缶が落ちていたので、ルートを導いてくださったお礼に一度清掃登山をした。そのときには目に付くゴミはほとんど拾ったつもりだったのだが。今回もHI-Cオレンジの空き缶、割れた、コーラや酒の空き瓶という、今日まず見ることのないゴミが大量に落ちていた。
筆者は遭難よけのおまじないに、こういうゴミを拾うことにしているのだが、ヤッケの胸のポケットに割れた瓶を入れるのは、抜き身のナイフを入れるようなものだった。もっとも缶が出てくるとポケットはすぐにパンパンなので、ビニール袋を出してザックにしまう。また落ちていてポケットに、またまたパンパンになってザックの中にということを2、3度繰り返した。最後はとうとう降参してしまって、ごみ拾いに再訪することに決めて、登山を優先した。
岩のドームの直登はフリーでは危険すぎるので迂回し、前回男体山の神様が導いてくださったところの、祠を正面から見たときに右45度の後ろへ飛び出す緩斜面を詰めた。祠の柵をつかんでひと安心だ。いいお天気だ。厳冬期だというのに五語1時半とはいえ、日陰の山頂温度計は5度を指していた。おひさまのおかげだろうか。
祠に手を合わせたあと、装備を解いた。健脚コースで下山しよう。例によって緩斜面でびびってフットホールドに立ち込もうとせず、靴底をペタンと完全について立つことを心がけた。「汝の靴底を信じなさい」と独り言を言いながら降りていく。今シーズンは余り山歩きしていないが、だいぶ動けるようになってきた。
■エピローグ
翌日曜日は筋肉痛と、目の違和感(異物混入?)のせいにして(ようするにさぼって)登山はお休みにした。
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