東天狗岳
- GPS
- 08:34
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 976m
- 下り
- 969m
コースタイム
- 山行
- 3:02
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 3:44
天候 | 1日目 快晴 2日目 曇りのち晴れ、稜線上は強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
茅野駅 9:25発 渋の湯行き 1600円 ・帰り 渋の湯 14:55発 茅野駅行き 1600円 ※現金orアルピコ交通の乗車券が利用可能 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1日目 〇渋の湯〜高見石古屋 雪は踏み固められてはいたがやわらかく、ツボ足で対応した。 〇高見石古屋〜中山 この区間もツボ足。中山まではだらだらと緩い登り。地味に疲れる。 〇中山〜中山峠 樹林帯の緩やかな稜線歩き。樹林帯ではあるが、東側は切れ落ちているので注意が必要。ツボ足。 〇中山峠〜黒百合ヒュッテ 緩やかな樹林帯。ツボ足。 2日目 〇黒百合ヒュッテ〜中山峠 森林限界越えの雪稜歩きを控えているので、出発時からアイゼン装着。中山峠まではストック。 〇中山峠〜天狗岳分岐 樹林帯を出る前にゴーグルとピッケル、バラクラバを装備。天狗岳分岐手前の急登はパウダースノーだったので、トレースを外すと時折踏み抜いた。また、強風によりトレースが不明瞭な箇所もあり。 〇天狗岳分岐〜東天狗岳 視界不良と強風の雪稜歩き。途中、間違えると岩稜帯に入ってしまう分岐がある。今回は先行者が引き返してきたので間違いに気づけたが、一人ではそのまま進んでいたかもしれない。緑のテープが目印になるので、見失わないように注意。 |
その他周辺情報 | ・下山風呂 渋の湯 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
黒百合ヒュッテの予約が運良く取れたので、1泊2日で東天狗岳へ。
樹林帯のまったりスノーハイクはもちろん、東・西天狗岳の雄大な姿が見れて最高の2日間でした。
また、2日目には強風&視界不良での雪稜歩きを体験したので、雪山のステップアップという意味でもいい経験になりました。
〜以下山行記録〜 ※長いです
一日目 渋の湯〜高見石小屋〜黒百合ヒュッテ
10時半、渋の湯に到着。駐車場の横にトイレがあり、行動前に済ましておく。渋の湯からは入山者が多いので、トレースはほぼ確実に期待できた。さらに、昨日の降雪によって雪質は柔らかいことが予想されたので、ツボ足で入山した。今日は緩やかな樹林帯なので、フリクションとステップキッキングで対応できると思った。
バスはひどく混雑していたけれど、大半の人は黒百合ヒュッテに向かったらしい。高見石小屋へのルートは静かだった。自分の足音と息遣いのほかは何も聞こえず、足を止めると一瞬で静寂に包まれた。先々週は北横岳、先週は谷川岳と、人の多い山が連続していたから、久々の雪山らしい静けさに嬉しくなる。
賽の河原付近に差し掛かると、一気に視界が開ける。天気は快晴。青空と樹氷のコントラストに目を奪われた。再び樹林帯に入り、少し歩くと高見石小屋が見えた。
入口で注文を済ませて中に入り、きなこと抹茶の揚げパンを食べ、ホットチャイを飲んだ。揚げパンの甘みとホットチャイの温かさが、疲れた身体に染みた。
小屋を出発し、中山に向かう。だらだらとしたゆるい登りで、少し疲労を感じた。中山を過ぎてから少し下ると、明日登る東天狗岳と西天狗岳が見えた。雄大な双耳峰に、ますます明日が楽しみになった。
稜線に出て、中山峠に向かう。樹林帯ではあるが東側が切れ落ちているので、近づかないように気をつけた。中山峠の分岐から少し歩き、黒百合ヒュッテに到着した。
受付を済ませ、本棚近くの席に座り時間を潰した。漱石の三四郎があったので、懐しくなってパラパラと読み進めた。しばらくすると近くに団体客が座り、途端に賑やかになった。肩身が狭そうにしている自分に話しかけていただき、ゆで卵や焼酎を御馳走になってしまった。単独行を好んではいるけれど、こんな風に小屋で楽しそうにしてる様子を見ると少し羨ましく感じてしまう。
夕食はメインがハンバーグに、ご飯、味噌汁、サラダなどがついた定食だった。赤の他人同士で同じテーブルを囲むのは気まずかった。こんな時、テント泊の方が気楽だなぁと思うけど、何もしないで美味しいご飯が食べられるのはありがたい。
小屋の人が、保温ボトルに100円でお湯を入れておいてくれると言うのでお願いした。夕飯の後は早々に布団に入ったけれど、3階は思いの外暑くて、なかなか寝付けなかった。
2日目 黒百合ヒュッテ〜東天狗岳〜渋の湯下山
4時に起床。色々と準備を済ませ、5時半ごろ、昨日渡しておいたボトルを受け取った。外に出ると弱い雪で、昨日の晴天とは打って変わり、一面が雲に覆われていた。
とりあえずアイゼンをつけてみた。ただ、一向に天候が回復しないので、小屋に戻って様子を見ることにした。終バスの時間には余裕があるので、遅くとも9時までに出発できればいい。
7時半頃になると空が明るくなり始め、時折、青空が顔を覗かせるようになった。急いで支度を済ませて出発する。
中山峠まで緩やかな樹林帯を登り、中山峠から少し南下すると森林限界になる。樹林帯を抜ける前にバラクラバとゴーグルをつけ、ピッケルに持ち替えた。歩けないほどではないが風が強く、雪煙がシェルに当たりパラパラと音がした。
雲の流れが早く、晴れと曇りを目まぐるしく行き来していた。途中、展望の開けたところでタイミング良く雲が晴れ、切れ間から東・西天狗岳が現れた。昨日よりもさらに近く、たまらず何枚も写真を撮った。
標高2455mを過ぎたあたりから急登が始まる。昨夜の降雪で雪質は柔らかく、トレースを外すとしばしば踏み抜いた。短い急斜面を登る途中にアイゼン同士が絡まり、身動きがとれなくなった。ひとまず冷静になろうと言い聞かせ、アイゼンを動かすうちに、ようやく外れてくれた。バランスを崩せば滑り落ちてもおかしくない箇所だったので、本当に恐ろしかった。
天狗岳分岐からは多少緩やかになり、30分ほど歩いて東天狗岳に到着した。雲の流れるスピードが速く、時折切れ目から西天狗岳が見えた。つい行きたくなったけれど、すぐに視界が悪くなったので断念した。風も強く、体が冷えてきたので速やかに下山を開始する。
天狗岳分岐、中山峠を経て、10時半ごろ黒百合ヒュッテに到着した。カフェスペースに入り、ビーフシチューを食べた。肉が大きくて食べごたえがあり、美味しかった。食べ進めるうちに雲が晴れてきて青空が見えるようになった。なんだ、これならもう少し遅く出発すればよかった。
ビーフシチューを食べ終え、チェーンスパイクを装着し、名残惜しさを感じながらも小屋を出発する。下っているうちにますます晴れてきたので、今朝、焦って早く出発したことを悔やんだけれど、まあまた来ればいいと思い直した。それに、強風と視界不良の雪稜歩きは、いかにも雪山という感じで面白かった。またひとつ雪山の経験が増えた気がして嬉しい。
12時16分、渋の湯に下山した。すぐさま着替えだけ持って入浴の受付を済ませ、浴場に急いだ。檜造りの湯舟がいい雰囲気を醸し出していた。寒い中をさんざん歩いた後の温泉は格別だった。
渋の湯を出た後はバスまで時間をつぶし、14時55分発の便で茅野駅に戻った。
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