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Yamareco

記録ID: 655184
全員に公開
ハイキング
奥武蔵

皆伐で荒れるにまかせた和名倉山。(二瀬尾根ルート往復)

2015年06月07日(日) [日帰り]
 - 拍手
クロタン その他1人
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
09:31
距離
17.9km
登り
1,821m
下り
1,822m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
8:49
休憩
0:32
合計
9:21
7:00
7:04
36
7:40
7:41
9
7:50
7:50
111
9:41
9:45
16
10:18
10:30
41
11:27
11:28
74
12:42
12:48
7
12:55
12:58
32
13:30
13:31
56
14:36
ゴール地点
最近、二瀬尾根のルートは秩父山岳連盟によって適切なポイントに全て道標が新設されています。
(ソース)埼玉県警山岳情報。5/18更新。
http://www.police.pref.saitama.lg.jp/d0010/kurashi/sangakujyoho.html

また、GPSデータですが(稜線でない)電波の補足が天空の衛星のみで地上波の補正(Wifiやセルラー)が無い為に、同じルートのピストンでも山林部でほぼ30m平行にログずれが起きています。
使用機器:HOLUX M-241
天候 早朝から正午まで微風なりの晴天。午後からガスに包まれながらの曇り。
過去天気図(気象庁) 2015年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
自家用車で、三峰神社路途中の埼玉大学山寮の付近に駐車。
コース状況/
危険箇所等
山腹の2次林は作業路への交差多数あり。行き違い・ルートロスしないように。
過去の営林トロッコ軌道跡から山頂まで痛々しいワイヤーロープ(結構な数)が露出しており躓きに注意。
過去に遭難が多く発生した身丈を超えるスズタケの藪は今では枯れ果ててその殆どが消失しルートも明確に出来ております。

ルート的には(お花や眺望など)楽しませる要素少ない分、精神的には辛い。しかし別の意味では非常に感慨深い。
その他周辺情報 アフター
道の駅大滝温泉 遊湯館
埼玉県秩父市大滝4277-2 tel.0494-55-0126 
今回はBC(ベースキャンプ)スタイル。よって今まで計画して残った食料を一気に処分。(餅やらカレーやら。)
2015年06月07日 04:51撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 4:51
今回はBC(ベースキャンプ)スタイル。よって今まで計画して残った食料を一気に処分。(餅やらカレーやら。)
起点は埼玉大学山寮から。
2015年06月07日 05:06撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 5:06
起点は埼玉大学山寮から。
一見フツーの樹林帯に見えるけども・・・。
2015年06月07日 05:12撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 5:12
一見フツーの樹林帯に見えるけども・・・。
山麓付近はしっかり管理されたスギの2次林。
2015年06月07日 05:39撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 5:39
山麓付近はしっかり管理されたスギの2次林。
たまに垣間見るお隣「三峰〜雲取」の稜線。
2015年06月07日 06:30撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 6:30
たまに垣間見るお隣「三峰〜雲取」の稜線。
営林起点に近づくと・・・こういうのが散見。
2015年06月07日 06:56撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 6:56
営林起点に近づくと・・・こういうのが散見。
ココは、かつてトロッコ列車の起点。
そして電波の反射板置場。
で今ではその反射板跡地。
2015年06月07日 06:59撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 6:59
ココは、かつてトロッコ列車の起点。
そして電波の反射板置場。
で今ではその反射板跡地。
鋳鉄製の部位に染みわたるようなコケ。
一升瓶は営林小屋に従事していた人達が呑んでいたのでしょうか。
2015年06月07日 07:02撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 7:02
鋳鉄製の部位に染みわたるようなコケ。
一升瓶は営林小屋に従事していた人達が呑んでいたのでしょうか。
こういうワイヤーロープが至る処に掛ったまま。
2015年06月07日 07:44撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 7:44
こういうワイヤーロープが至る処に掛ったまま。
コレってきっと材木を移動させる牽引装置の一部だと思います。
2015年06月07日 07:47撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 7:47
コレってきっと材木を移動させる牽引装置の一部だと思います。
制御するハンドル。
しかし70年経過してもそう経年を感じさせません。
2015年06月07日 07:48撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 7:48
制御するハンドル。
しかし70年経過してもそう経年を感じさせません。
レールもしっかり。
2015年06月07日 07:49撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 7:49
レールもしっかり。
ココはかつて入ったら迷宮入り・遭難多発の身丈を超えるスズタケの藪帯。
ここ数年間に寿命で全滅した模様。
2015年06月07日 08:40撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 8:40
ココはかつて入ったら迷宮入り・遭難多発の身丈を超えるスズタケの藪帯。
ここ数年間に寿命で全滅した模様。
かろうじてバイケイソウ。が見られる位。
2015年06月07日 08:43撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 8:43
かろうじてバイケイソウ。が見られる位。
ギョリンソウ。
かつてはとても豊かな森であった証。
2015年06月07日 08:57撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 8:57
ギョリンソウ。
かつてはとても豊かな森であった証。
北ノタル。に入ると
皆伐になった前の原生林の面影。
2015年06月07日 09:41撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 9:41
北ノタル。に入ると
皆伐になった前の原生林の面影。
小さい・小さい。
2015年06月07日 09:43撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 9:43
小さい・小さい。
この辺は、まるっきり「スタジオジブリ」の世界ですなぁ。
2015年06月07日 09:46撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
4
6/7 9:46
この辺は、まるっきり「スタジオジブリ」の世界ですなぁ。
結構な大きさで身丈1.5m幅3m超はあります。
2015年06月07日 09:50撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 9:50
結構な大きさで身丈1.5m幅3m超はあります。
どぉーん。と倒れて70年超。
2015年06月07日 09:51撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 9:51
どぉーん。と倒れて70年超。
皆伐されてそのままの地。
千代蔵休ン場。
2015年06月07日 10:05撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 10:05
皆伐されてそのままの地。
千代蔵休ン場。
痛々しい皆伐作業の跡。
2015年06月07日 10:16撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 10:16
痛々しい皆伐作業の跡。
で、PHでっす。
廻りに眺望一切なし。
2015年06月07日 10:19撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6
6/7 10:19
で、PHでっす。
廻りに眺望一切なし。
しかし、何にもない。(泣)
やる事ないので、小石を持って帰りました。
2015年06月07日 10:26撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 10:26
しかし、何にもない。(泣)
やる事ないので、小石を持って帰りました。
千代蔵休ン場。
かつての原生林に皆伐をしてそのままの地。
70年経ってもハゲ山同様。
2015年06月07日 10:57撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 10:57
千代蔵休ン場。
かつての原生林に皆伐をしてそのままの地。
70年経ってもハゲ山同様。
その辺をウロウロして水場を発見。
シカの足跡が多数あり。
2015年06月07日 11:02撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
1
6/7 11:02
その辺をウロウロして水場を発見。
シカの足跡が多数あり。
一昨日の雨が溜まっています。
2015年06月07日 11:04撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 11:04
一昨日の雨が溜まっています。
かつて、一般道から山頂目指して二瀬尾根に迷い込み遭難者が結構出た事で付いた道標。
2015年06月07日 11:10撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 11:10
かつて、一般道から山頂目指して二瀬尾根に迷い込み遭難者が結構出た事で付いた道標。
例のジブリの世界に戻ってきました。
2015年06月07日 11:27撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 11:27
例のジブリの世界に戻ってきました。
そのうちガスに包まれ。
2015年06月07日 11:51撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 11:51
そのうちガスに包まれ。
かつては沢山の登山者が迷ったスズタケの藪。
2015年06月07日 12:10撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
3
6/7 12:10
かつては沢山の登山者が迷ったスズタケの藪。
マップにもある水場。
営林小屋から1分。
2015年06月07日 12:38撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 12:38
マップにもある水場。
営林小屋から1分。
かつての名残。
2015年06月07日 12:40撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 12:40
かつての名残。
対尾根は三峰神社。
2015年06月07日 12:55撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 12:55
対尾根は三峰神社。
この辺もシカの食害が酷い。
2015年06月07日 13:07撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 13:07
この辺もシカの食害が酷い。
道標はしっかり付いています。
2015年06月07日 13:21撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 13:21
道標はしっかり付いています。
人工樹林に戻ってきました。
2015年06月07日 14:10撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
6/7 14:10
人工樹林に戻ってきました。
起点のつり橋です。
けっこう揺れます(笑)定員5名
2015年06月07日 14:29撮影 by  FinePix F200EXR, FUJIFILM
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6/7 14:29
起点のつり橋です。
けっこう揺れます(笑)定員5名

装備

個人装備
長袖シャツ ソフトシェル ズボン 行動食 飲料 地図(地形図) ヘッドランプ GPS 携帯 時計 カメラ マーキングテープ

感想

この山はかつては”奥武蔵の秘境”とされ、身丈を超えるスズタケの藪が行く手を阻み、ルートファインディングと地形読みで進み抜く。
至る処、林業の作業道との間違いが発生。

足を踏み外せば(岸が無い為に)秩父湖にそのまま真直ぐ湖へドボン。(ロープで引き上げて貰わないとムリ。)
といった”強いイメージをもった山”で、実際に行ってみました。

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私の持っているガイドマップでは、一般道は山梨県側の仙波尾根よりのルートで今回行く二瀬尾根は全線破線ルート。その他のヒルメシ尾根と仁田小屋尾根はルートの表記すらない状況です。

で、行ってみて、感じた事・思った事。

元々は雄大な古木が覆い茂る膨大な森の山であったと思われます。特に「北ノタル」付近の凄いコケ蒸した切り株を見ればその規模が伺えます。

和名倉山は県境を除けば埼玉県内最高峰。お隣の雲取山に比べ山容がっちり膨大な姿で標高も雲取山より高い。

時の田島勝太郎氏の著『奥多摩』では、「私は奥多摩の流域その附近で、他にこんな立派な森林を見出せない。 山ノ神ドから白石山までの森林は実に国宝と云ってよかろうと思う。」と和名倉山の原生林に感嘆しています。

にもかかわらず、この山は戦前まで米栂・シラビソ等の鬱蒼とした原生林。戦後昭和20年代から高度成長期復興の木材需要のその殆どの部分を”皆伐”と呼ばれる伐採で丸裸になったと言う事です。

その後、2度にわたる大規模な山火事の難事にも遭い荒廃は進む一方。荒れた丸坊主な平地にスズタケが覆い茂り、鬱蒼とした原生林から明らかにヒトの手が入りすぎて、今日まで足元には花・山菜などの類は一切ない。寒々しい地面。

一方で残っているのは”荒んだ営林生活物語る酒の沢山の一升瓶。薬缶やドラム缶。数知れない程のワイヤーロープ。”そういったヒトの業をそのまま残して現在に至っている。

そのうちに登山者達の足も遠のきルートも消える。スズタケは威勢を増し、そのうちに身の丈を超える大きな藪になり、遭難者が多数発生する。といったダークなイメージが定着してしまう。


さすがに数百年という歳月の原生林が元の通りに再現するにはそれなりに時間がかかるのでしょうが、ここ30年位の植林と営林のお陰で原始の姿とは全く異なるとはいえ、自然らしい姿が戻ってきています。

自然ってやっぱ素晴らしい。時には荒々しくもしっかり地道にその姿を再生しようとしています。やっぱり、自然が必要なのは人間の側であって、自然の側には人間なんて必要ないのでは???

と思わず感じてしまった。ある意味考えさせられた山行になりました。


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