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Yamareco

記録ID: 656766
全員に公開
ハイキング
栗駒・早池峰

焼石岳 中沼登山口から往復

2015年06月07日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
09:45
距離
16.0km
登り
931m
下り
926m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:22
休憩
2:24
合計
9:46
3:22
30
中沼登山口
3:52
4:00
20
4:20
4:22
20
4:42
0:00
27
5:09
0:00
59
6:08
6:27
5
6:32
6:38
27
7:05
7:27
25
7:52
8:03
37
8:40
8:51
34
9:25
10:02
10
10:12
10:33
19
10:52
10:56
52
11:48
0:00
19
12:07
0:00
17
12:24
12:27
13
12:40
0:00
28
13:08
中沼登山口
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2015年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
宿泊した北上のルートインから胆沢広域農道、国道397号、尿前林道経由で中沼コース登山口へ。
コース状況/
危険箇所等
◎中沼登山口
焼石岳南東部にある、焼石岳のメイン登山口。
水沢ICから約32キロ45分。
尿前林道は未舗装でバスや車高の低い車は通行困難。
登山道入口に駐車場があり、砂利、区画ありで54台駐車可能。
尿前林道は登山口の先約100メートルで終点になっており、林道終点のスペースおよび路肩にも駐車可能。
6月上中旬の花のシーズンの週末は駐車場は満車になり、あぶれた車で林道の路肩もいっぱいになる。
7日は山開きも重なり、登山口のかなり手前の路肩まで車が並んでいた。

駐車場わきにトイレがあり、非水洗、水道なし、ペーパーあり。

◎登山口〜銀明水
この時期コースの半分程度は雪が残る。踏み抜きや、ガスや荒天時の道迷いには注意したい。
雪のない区間も、融雪により登山道は半ば沢状になっており、足元の防水は抜かりがないよう心がけたい。
東北の残雪期の登山道は、一般ルートといても東京近郊の登山道とは全く別物である。
東北の山に慣れた方は問題ないが、初めてこのエリアを歩く方はくれぐれも準備に怠り無きよう。

◎銀明水〜焼石岳
銀明水を過ぎると急斜面の雪渓歩きが続く。
普通のレベルならアイゼンは必要ないが、冷え込んだ早朝などは凍結することもあるので注意したい。
夏道は基本、沢をたどるので雨天や雨後は増水に注意したい。

☆展望スポット
焼石岳は奥羽山脈のほぼ中央部に位置するため、1500m半ばの標高にもかかわらず、眺望は絶大である。
東は早池峰から七時雨、安家森
北は岩手山から八幡平、秋田駒、八甲田
西は鳥海
南は栗駒、高松、神室、月山
と奥羽山脈北中部の山々が一望できる。

☆花
中沼のミズバショウは終わっていたがリュウキンカは満開、
上沼から銀明水に至るまでは折に触れてミズバショウが見られ、シラネアオイが点在する。
銀明水の上の雪渓を抜けるとイワカガミが続く。
しかしほかの山ではメインディッシュとなるこれらの花々も、焼石ではただの前菜に過ぎない。
姥石平から東焼石にかけて広がるハクサンイチゲの大群落は、本州最大規模を誇り文字通り見渡す限りのお花畑となる。
お花畑にはミヤマシオガマ、ミヤマキンバイ、チングルマ、ユキワリコザクラ、ヒナザクラ、ミヤマダイコンソウなどが彩りを加え何時間いても飽きることのない天上の楽園である。
中沼
本来なら逆さ写しの撮影スポットだが・・・
なにぶん4時前では…
2015年06月07日 03:57撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
11
6/7 3:57
中沼
本来なら逆さ写しの撮影スポットだが・・・
なにぶん4時前では…
中沼を振り返る
ちょうど陽が昇り始めた
2015年06月07日 04:04撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
5
6/7 4:04
中沼を振り返る
ちょうど陽が昇り始めた
上沼と焼石
2015年06月07日 04:16撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 4:16
上沼と焼石
2015年06月07日 04:24撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
3
6/7 4:24
銀明水まではミズバショウロード
2015年06月07日 04:38撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
13
6/7 4:38
銀明水まではミズバショウロード
ムラサキヤシオ
2015年06月07日 05:04撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
10
6/7 5:04
ムラサキヤシオ
銀明水
ここからは雪渓を登る
2015年06月07日 05:04撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
6/7 5:04
銀明水
ここからは雪渓を登る
振り返ると銀明水避難小屋
2015年06月07日 05:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
8
6/7 5:09
振り返ると銀明水避難小屋
雪渓を登るみきーたさん
2015年06月07日 05:15撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
12
6/7 5:15
雪渓を登るみきーたさん
朝の冷え込みで雪は凍り付いていた
2015年06月07日 05:19撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
10
6/7 5:19
朝の冷え込みで雪は凍り付いていた
イワカガミ
2015年06月07日 05:35撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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6/7 5:35
イワカガミ
ミヤマキンバイ
朝は風が強く撮影するのに苦労した
2015年06月07日 05:43撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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6/7 5:43
ミヤマキンバイ
朝は風が強く撮影するのに苦労した
正面に山頂が見える
2015年06月07日 05:47撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
5
6/7 5:47
正面に山頂が見える
イワカガミ
2015年06月07日 05:50撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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6/7 5:50
イワカガミ
ハクサンイチゲ登場
2015年06月07日 06:00撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
29
6/7 6:00
ハクサンイチゲ登場
姥石平
2015年06月07日 06:12撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
3
6/7 6:12
姥石平
ヒナザクラ
朝は葉を閉じていた
2015年06月07日 06:20撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7
6/7 6:20
ヒナザクラ
朝は葉を閉じていた
山頂とお花畑
白いのはすべてハクサンイチゲ
2015年06月07日 06:22撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 6:22
山頂とお花畑
白いのはすべてハクサンイチゲ
山頂とイチゲ
2015年06月07日 06:23撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 6:23
山頂とイチゲ
泉水沼
潜水沼ではないので、決して潜らないように…
2015年06月07日 06:37撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
5
6/7 6:37
泉水沼
潜水沼ではないので、決して潜らないように…
鳥海山
2015年06月07日 06:44撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
15
6/7 6:44
鳥海山
ミヤマダイコンソウ
2015年06月07日 06:52撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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6/7 6:52
ミヤマダイコンソウ
何スミレ??
2015年06月07日 06:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
6
6/7 6:53
何スミレ??
ミヤマダイコンソウ
2015年06月07日 06:56撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
4
6/7 6:56
ミヤマダイコンソウ
振り返ると栗駒山
栗駒の右手は高松虎毛、さらに神室山
2015年06月07日 07:01撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
19
6/7 7:01
振り返ると栗駒山
栗駒の右手は高松虎毛、さらに神室山
左は西焼石
右は三界山
昔この鞍部は牛の放牧場だったらしい
2015年06月07日 07:14撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
7
6/7 7:14
左は西焼石
右は三界山
昔この鞍部は牛の放牧場だったらしい
左は三界山
右は南本内岳
2015年06月07日 07:15撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
7
6/7 7:15
左は三界山
右は南本内岳
正面は牛形山
奥は右が早池峰、左は岩手山
2015年06月07日 07:15撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 7:15
正面は牛形山
奥は右が早池峰、左は岩手山
南本内岳
奥は右から岩手山、八幡平、秋駒
2015年06月07日 07:16撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 7:16
南本内岳
奥は右から岩手山、八幡平、秋駒
栗駒山
2015年06月07日 07:17撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 7:17
栗駒山
望遠で鳥海山
シマシマがいいねえ
2015年06月07日 07:18撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
34
6/7 7:18
望遠で鳥海山
シマシマがいいねえ
岩手山から八幡平
2015年06月07日 07:19撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 7:19
岩手山から八幡平
焼石岳山頂
2015年06月07日 07:22撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9
6/7 7:22
焼石岳山頂
足元にチングルマ
2015年06月07日 07:46撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
6
6/7 7:46
足元にチングルマ
ハクサンチドリ
2015年06月07日 07:48撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9
6/7 7:48
ハクサンチドリ
マイヅルソウ
2015年06月07日 07:49撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
8
6/7 7:49
マイヅルソウ
東成瀬コース9合目
焼石神社
2015年06月07日 07:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
5
6/7 7:57
東成瀬コース9合目
焼石神社
牛形山と早池峰山
2015年06月07日 08:19撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
9
6/7 8:19
牛形山と早池峰山
ミネザクラ
2015年06月07日 08:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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6/7 8:21
ミネザクラ
小池塘と焼石岳
太陽が上がりフィルターが効き始める
2015年06月07日 08:25撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
11
6/7 8:25
小池塘と焼石岳
太陽が上がりフィルターが効き始める
ハクサンイチゲと
2015年06月07日 08:33撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 8:33
ハクサンイチゲと
ミヤマシオガマの赤がアクセントになる
2015年06月07日 08:55撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
8
6/7 8:55
ミヤマシオガマの赤がアクセントになる
チングルマと焼石
2015年06月07日 09:02撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
30
6/7 9:02
チングルマと焼石
ユキワリコザクラ
2015年06月07日 09:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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6/7 9:09
ユキワリコザクラ
焼石と横岳
見渡す限りのお花畑
2015年06月07日 09:15撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 9:15
焼石と横岳
見渡す限りのお花畑
上空には飛行機雲
2015年06月07日 09:16撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
13
6/7 9:16
上空には飛行機雲
まだまだお花畑
2015年06月07日 09:25撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
11
6/7 9:25
まだまだお花畑
とにかくお花畑
2015年06月07日 09:32撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
8
6/7 9:32
とにかくお花畑
東焼石山頂
2015年06月07日 09:37撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
6
6/7 9:37
東焼石山頂
ユキワリコザクラとハクサンイチゲ
2015年06月07日 09:41撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 9:41
ユキワリコザクラとハクサンイチゲ
ユキワリコザクラ
2015年06月07日 09:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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6/7 9:57
ユキワリコザクラ
たまにはイチゲを切り取って
2015年06月07日 10:04撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
12
6/7 10:04
たまにはイチゲを切り取って
ミヤマシオガマ
2015年06月07日 10:12撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
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6/7 10:12
ミヤマシオガマ
本日のベストショット
2015年06月07日 10:38撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
23
6/7 10:38
本日のベストショット
望遠で切り取り
2015年06月07日 10:39撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
15
6/7 10:39
望遠で切り取り
このまま下山したくない!!
2015年06月07日 10:55撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
23
6/7 10:55
このまま下山したくない!!
銀明水への雪渓
2015年06月07日 11:38撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
5
6/7 11:38
銀明水への雪渓
横岳の斜面
2015年06月07日 11:41撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
8
6/7 11:41
横岳の斜面
悲鳴が聞こえ、振り返るとこけてる
助ける前に写真を撮るのはヤマレコの性か??
2015年06月07日 11:44撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
28
6/7 11:44
悲鳴が聞こえ、振り返るとこけてる
助ける前に写真を撮るのはヤマレコの性か??
銀明水手前のミズバショウ
焼石ではミズバショウはおかず
2015年06月07日 11:45撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7
6/7 11:45
銀明水手前のミズバショウ
焼石ではミズバショウはおかず
雪にも負けないダケカンバ
2015年06月07日 11:52撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
6
6/7 11:52
雪にも負けないダケカンバ
2015年06月07日 11:57撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
5
6/7 11:57
朝は閉じていたシラネアオイ
2015年06月07日 12:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
21
6/7 12:07
朝は閉じていたシラネアオイ
リュウキンカ
2015年06月07日 12:12撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
8
6/7 12:12
リュウキンカ
上沼と焼石
午後になり新緑がまぶしい
2015年06月07日 12:26撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
13
6/7 12:26
上沼と焼石
午後になり新緑がまぶしい
中沼のリュウキンカの群落
2015年06月07日 12:37撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
15
6/7 12:37
中沼のリュウキンカの群落
2015年06月07日 12:38撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
4
6/7 12:38
中沼から
さすがにこの時間では逆さ写しは無理
2015年06月07日 12:41撮影 by  Canon EOS 5D Mark III, Canon
10
6/7 12:41
中沼から
さすがにこの時間では逆さ写しは無理
無事駐車場に帰還
今回は駅で借りた四駆のヴィッツ
2015年06月07日 13:08撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
6
6/7 13:08
無事駐車場に帰還
今回は駅で借りた四駆のヴィッツ
駐車場は満杯
路駐も多数
しかし、このクラウンで尿前林道を走ったのか??
2015年06月07日 13:14撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
6
6/7 13:14
駐車場は満杯
路駐も多数
しかし、このクラウンで尿前林道を走ったのか??
胆沢ダムのダム湖
崩落は工事ではなく宮城県中部地震によるもの
2015年06月07日 13:32撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
4
6/7 13:32
胆沢ダムのダム湖
崩落は工事ではなく宮城県中部地震によるもの
若柳から焼石連峰
来年も来るよ!!
2015年06月07日 14:03撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
17
6/7 14:03
若柳から焼石連峰
来年も来るよ!!

感想

6月7日は今回の山行のメイン焼石岳へ。
焼石岳は91年8月に初めて登ったが、その時はアヤメも終わり稜線はすでに秋の花、天気も悪く風雨の中逃げ帰るように下山してしまった。
翌年6月にリベンジを果たし、本州随一の規模を誇るお花畑に遭遇した。
以来、腰痛で登山を中断するまで毎年2~3回通い通算では30回近く、個人的に最も多く登った山が焼石岳となっている。

登山再開後も、焼石に登りたいという気持ちは強かったが、我が家のBMWでは尿前林道を走ることが困難でなかなかその機会はなかった。
しかし、ヤマレコでアップされる稜線のお花畑を見るにつけこの山への思いを断ち難く、尿前林道用に現地でレンタカーを借りて登ろうと決めた次第だ。
毎年6月の第一日曜が焼石岳の山開きとなるため、できれば山開きとは違う日に登りたいという気持ちはあったが、天気予報では7日がどピーカン、8日は午後から下り坂ということで、山開きの皆さんと重ならないよう早朝の出立で登ることにした。

6日午後に北上駅前のルートインにチェックインし、駅のレンタカーで四駆のヴィッツを調達。
この日は7時に就寝して、7日1時に起床、1時半にチェックアウトして3時前に中沼登山口へ到着。
既に10台近い車が止まっていたが、がさごそしてるのは我が家だけ。
小屋泊まりの方の車か?仮眠中なのか??

3時20分にヘッデンをつけて出立。15年ぶりに焼石に足を踏み込む。
中沼からは雪道と夏道が交互に繰り返し、登山道わきにはミズバショウが続く。
銀明水の雪渓を上がるとイワカガミやミヤマキンバイが現れるが、焼石ではこれらの花は前菜に過ぎない。
姥石平に着くと、15年ぶりにイチゲの大群落との対面だ。
朝日に輝く花々が美しい。
このまま東焼石のお花畑に向かいたいところだが、太陽の位置が低く偏光フィルターが効かないのでまずは山頂へ向かうことにする。
山頂への登山道わきにはミヤマダイコンソウが咲き、南には栗駒、西には鳥海山が望める。

山頂で小屋泊まりの男女二人組と歓談したのち、いったん北の焼石神社へ下り山頂東山麓を回り込んで東焼石へと向かう。
東焼石周辺は姥石平よりもさらに広大なお花畑が広がり、見渡す限りハクサンイチゲの群落が続く。白いイチゲに真紅のミヤマシオガマが彩りを加え、足元にはチングルマやユキワリコザクラがイチゲに遠慮するようにひっそりと咲いている。
まさに天上の楽園。

10時を過ぎ太陽が天空近くに昇り、偏光フィルターも効き始める。
時にシャッターを切りまくり、時に花をのんびり眺めつつ2時間近くをここで過ごす。至福の時間だ。

11時になり山開きに参加した皆さんが続々と上がって来るようになったところで入れ替わるように我が家は下山開始。
いつまでものんびりしたいのだが、レンタカーの返却時間もあり後ろ髪引かれる思いで花畑を後にする。

太陽が天空まで昇り、朝とは違う光の中で新緑と緑と雪のコントラストを楽しみながらのんびりと下って行く。気温が上がり雪を踏み抜かないように気をつけながら、午後1時過ぎに無事登山口へと帰還。
40台ちょっと止められる駐車場は満車で、登山口のかなり下まで路駐が続く大盛況。
花の盛りと山開きが重なった晴天ということもあり、今シーズン最大の人出となったようだ。

15年ぶりの焼石はキスゲがややピークを過ぎた感はあったものの、お天気にも恵まれ期待以上の大満足。山開きということで混雑が心配されたが、時間をずらし3時過ぎに出立したこともあり、10時ごろまではほとんど人にも会わず静かな山歩きができた。
長いブランクがあったものの、やはり焼石は「My favorite mountain」だ。

今でこそ、全国的にも名前が知られるようになったが、私が登り始めた90年代初めは、中沼の登山口は駐車場もなく車を10台止められるかどうかで、銀明水の避難小屋もボロボロだった。
もちろん地元では知られた山だったが、100名山から外れていることもありハクサンイチゲの盛りに登っても、静かな山歩きができたものだ。
多くの皆さんにこの山の素晴らしさを知ってほしいという気持ちの一方で、いつまでも東北の『知る人ぞ知る名山』にとどまっていてほしいという気持ちも強い。
少なくとも、尿前林道は大型バスが乗り付けられるような道にはせず、今のままのダートの状態でおいていてほしい。
ついでに言うなら、一筆書きのどなたかのような急ぎ足で山頂だけを巡るハイカーにはそぐわない山である。
姥石平や東焼石でまったりと時間を過ごす、そんな空間だ。

下山後は北上に戻ってヴィッツを返却、M3に乗り換え、予約していた水沢のルートインへと向かう。
下り坂とはいえ翌日も晴れ予報。
予定では秋田駒に登るつもりだが果たして??

◎参考書籍
新・分県ガイド2『岩手県の山』(山と渓谷社)
ヤマケイアルペンガイド2『東北の山』(山と渓谷社)
東北百名山地図帳(山と渓谷社)
東北登山口情報(無明舎)

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コメント

苦しかった〜〜 (´д`) ハァ〜
マッチさん、こんにちは。

まさに息を呑む風景ですね〜
写真を見てるのに息するの忘れてました〜
写真が75まであったら倒れていたところです
2015/6/11 14:59
Re: 苦しかった〜〜 (´д`) ハァ〜
マコトさん、いつもコメントありがとうございます。
今回は歩いていても息をのむ景色や花が連続していました。
写真で倒れていたら、実際に焼石に登ったら窒息死してしまいますよ!!笑
2015/6/11 18:30
最高のお天気でしたね♪
matchさん、こんばんは。
早朝からの登山、お疲れ様でした。

BMWでの尿前林道、心配してました
さすが行き慣れているmatchさん、用意周到ですね (*^∀゜)v
えっ!( ̄□ ̄;) 30回近く登られていたんですかぁ。

しかし、本当に素晴らしい天気の日でしたね
こんなにも遠望が利くなんて、羨ましいです (≧∀≦*)
それと、タダ青い空だけではなく、薄雲も綺麗

>助ける前に写真を撮るのはヤマレコの性か??
以前 私は霜が降った木道で滑って転んだ時に、
自ら「撮って、撮って」と言ってしまいました
のっかってしまった植物の皆さん、ごめんなさいです f(^_^)ポリポリ

あれ?駐車スペースは46台でしたかぁ?
台数はともかくとして、数えていたのは、私だけじゃなかったですね

秋田駒も計画していたんですか (・o・)オー
昨年、チングルマが終わりかけていた頃に行って、とても良かったので、
また行きたいねと言っていたんです

もう、残業は終わったでしょうかね? |д゚)チラッ
2015/6/11 21:46
Re: 最高のお天気でしたね♪
miki122さん、おはようございます。
焼石に登る前提としてレンタカーは不可欠でした。
正直焼石は『私の山』という感覚です。
山上で仲良くなった地元の方ともその話で盛り上がりました。

5日6日と寒気が入った後での晴天だったので、この時期にしては非常に空気が澄んでいたと思います。
9時ごろまでは雲一つない晴天でしたが、お昼にかけて筋雲が出てきて、これが写真的にはいいアクセントになってくれました。

>自ら「撮って、撮って」
やらせはいけませんよ!!笑

駐車場の数は数えたわけじゃなく、全国登山口情報という本によるものです。
実際に数えられたのならmikiさんの数の方が正しいと思いますよ。

当初は7日、8日両日もきれいな晴れマークだったので7日は山開きを避けて秋田駒、8日に焼石を計画していましたが、予報が変わったので7日に焼石としました。
でも8日に焼石ならmikiさんとお会いできたんでしょうね??
2015/6/12 9:29
ゲスト
30回ですか!
素晴らしいレコありがとうございます
前菜からメインまで充分堪能させて頂きました
姥石平に立った時の感動を思い出しました

ところで、東北百名山の本に”ハクサンイチゲが2度咲く姥石平”とありました。7月は一休みして8月に2度目の群落がみられると書いてあるのですが本当だろうか?確かめて欲しいような
2015/6/11 22:27
Re: 30回ですか!
ハナさん、おはようございます。
確かに本ではイチゲが2度咲くという話が載っていますが、現地では聞いたことがありません。
ただ、冷夏の年は夏の終わりごろにイチゲやチングルマが狂い咲きすることがあるようです。これは焼石に限ったことではなく東北全般ですが。

昔すごい冷夏で、米が不作になり海外からコメを緊急輸入した年がありましたが、あの年は9月に登った鳥海山や森吉でイチゲやチングルマが狂い咲きしていました。
2015/6/12 9:36
4日遅れが残念でした。
matchさん こんにちは

アドバイスを頂き、僕も訪れたのですが・・・
ユキワリコザクラは終わってましたし、イチゲも少なかったです

駅まで送って頂いた方の話ですと、山開き参加者は180名だったそうです。
実際は、もう少し多いのではないかと仰ってましたが・・・

次回は 楽園を目の当たりにしたいものです
2015/6/12 11:05
Re: 4日遅れが残念でした。
Stillさん、こんにちは。
レコを拝見しました。
強く薦めたのに期待に沿えず申し訳ありませんでした。
8日に歩いたmiki122 さんのレコでも花はほぼ満開だったので、たぶん9日の雨で散ってしまったんだと思います。
我が家は15年ぶりに登ったのを機に、来年からイチゲの盛りの焼石登山を定例化するつもりです。
来年は満開のお花畑でお会いしましょう。
2015/6/12 13:51
match1128さん
拙者が訪れたのはいつかな?と思って調べてみたら、9月9日でした。
尿前林道をトロトロと走ったのを思い出します。

大人の休日倶楽部パスを利用してだったのですが、雨は降らずも曇天で、残念ながら眺望は今三つぐらい。
まだ夏草の生い茂る中に、背丈の高い秋の花が咲いていました。

でも、この季節は流石に花の百名山に選ばれるだけあって、チングルマやイチゲなどの群落が素晴らしいですね。
写真でこれだけ分かるのであれば、肉眼ではどんなに素晴らしいのでしょうか

  隊長
2015/6/12 12:41
Re: match1128さん
隊長、こんにちは。
一面のお花畑が続き、逆に写真で撮るのが難しいんですよ。
画角の広い中判カメラでもあればうまく伝わるんですが…
実際に目の当たりにされれば感動の嵐だと思います。

来年はStillさんも含めて焼石をご一緒しましょう!!
2015/6/12 13:53
天上の楽園
花も然ることながら、残雪と抜けるような青空でまさに天上の楽園ですね。さすがに30回近く登られてるだけにピンポイントでベストシーズンに登られたようで何よりです。私は八ヶ岳の赤岳をオールシーズンで20回位登ってますが、いまだあそこで至福の時を過ごしたことはなく、どちらかというとキツかったり達成感だったりでした。

月日の流れとともに、山に対する嗜好の変化かなのか、単なるエイジングの仕業なのか自分では分かりかねますが、いつの日かこの美しき焼石岳を、できればこの時期に、吸い込まれそうな蒼空の下歩き、至福の時を過ごしてみようと思いました。
2015/6/12 21:42
Re: 天上の楽園
mtkenさん、こんばんは。
登山にはいろんなスタイルがあると思いますが、焼石は頂上を極めたり、ハードなルートを制覇することによる達成感を得る山ではないと思います。
私もそうですが、この山のお花畑を見て登山のスタイルが変わったという方は多いですよ。
ここの常連さんは山頂にはこだわっていない方が多いですしね。

もちろん、人それぞれ、自分にあった山との付き合いをすればいいと思いますが、ふと立ち止まって人生や生き方を見つめなおすにはいい山だと思います。
2015/6/12 23:21
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積雪期ピークハント/縦走 栗駒・早池峰 [日帰り]
焼石岳(冬季中沼コース)
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

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