焼石岳 中沼登山口から往復
- GPS
- 09:45
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 931m
- 下り
- 926m
コースタイム
- 山行
- 7:22
- 休憩
- 2:24
- 合計
- 9:46
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◎中沼登山口 焼石岳南東部にある、焼石岳のメイン登山口。 水沢ICから約32キロ45分。 尿前林道は未舗装でバスや車高の低い車は通行困難。 登山道入口に駐車場があり、砂利、区画ありで54台駐車可能。 尿前林道は登山口の先約100メートルで終点になっており、林道終点のスペースおよび路肩にも駐車可能。 6月上中旬の花のシーズンの週末は駐車場は満車になり、あぶれた車で林道の路肩もいっぱいになる。 7日は山開きも重なり、登山口のかなり手前の路肩まで車が並んでいた。 駐車場わきにトイレがあり、非水洗、水道なし、ペーパーあり。 ◎登山口〜銀明水 この時期コースの半分程度は雪が残る。踏み抜きや、ガスや荒天時の道迷いには注意したい。 雪のない区間も、融雪により登山道は半ば沢状になっており、足元の防水は抜かりがないよう心がけたい。 東北の残雪期の登山道は、一般ルートといても東京近郊の登山道とは全く別物である。 東北の山に慣れた方は問題ないが、初めてこのエリアを歩く方はくれぐれも準備に怠り無きよう。 ◎銀明水〜焼石岳 銀明水を過ぎると急斜面の雪渓歩きが続く。 普通のレベルならアイゼンは必要ないが、冷え込んだ早朝などは凍結することもあるので注意したい。 夏道は基本、沢をたどるので雨天や雨後は増水に注意したい。 ☆展望スポット 焼石岳は奥羽山脈のほぼ中央部に位置するため、1500m半ばの標高にもかかわらず、眺望は絶大である。 東は早池峰から七時雨、安家森 北は岩手山から八幡平、秋田駒、八甲田 西は鳥海 南は栗駒、高松、神室、月山 と奥羽山脈北中部の山々が一望できる。 ☆花 中沼のミズバショウは終わっていたがリュウキンカは満開、 上沼から銀明水に至るまでは折に触れてミズバショウが見られ、シラネアオイが点在する。 銀明水の上の雪渓を抜けるとイワカガミが続く。 しかしほかの山ではメインディッシュとなるこれらの花々も、焼石ではただの前菜に過ぎない。 姥石平から東焼石にかけて広がるハクサンイチゲの大群落は、本州最大規模を誇り文字通り見渡す限りのお花畑となる。 お花畑にはミヤマシオガマ、ミヤマキンバイ、チングルマ、ユキワリコザクラ、ヒナザクラ、ミヤマダイコンソウなどが彩りを加え何時間いても飽きることのない天上の楽園である。 |
写真
感想
6月7日は今回の山行のメイン焼石岳へ。
焼石岳は91年8月に初めて登ったが、その時はアヤメも終わり稜線はすでに秋の花、天気も悪く風雨の中逃げ帰るように下山してしまった。
翌年6月にリベンジを果たし、本州随一の規模を誇るお花畑に遭遇した。
以来、腰痛で登山を中断するまで毎年2~3回通い通算では30回近く、個人的に最も多く登った山が焼石岳となっている。
登山再開後も、焼石に登りたいという気持ちは強かったが、我が家のBMWでは尿前林道を走ることが困難でなかなかその機会はなかった。
しかし、ヤマレコでアップされる稜線のお花畑を見るにつけこの山への思いを断ち難く、尿前林道用に現地でレンタカーを借りて登ろうと決めた次第だ。
毎年6月の第一日曜が焼石岳の山開きとなるため、できれば山開きとは違う日に登りたいという気持ちはあったが、天気予報では7日がどピーカン、8日は午後から下り坂ということで、山開きの皆さんと重ならないよう早朝の出立で登ることにした。
6日午後に北上駅前のルートインにチェックインし、駅のレンタカーで四駆のヴィッツを調達。
この日は7時に就寝して、7日1時に起床、1時半にチェックアウトして3時前に中沼登山口へ到着。
既に10台近い車が止まっていたが、がさごそしてるのは我が家だけ。
小屋泊まりの方の車か?仮眠中なのか??
3時20分にヘッデンをつけて出立。15年ぶりに焼石に足を踏み込む。
中沼からは雪道と夏道が交互に繰り返し、登山道わきにはミズバショウが続く。
銀明水の雪渓を上がるとイワカガミやミヤマキンバイが現れるが、焼石ではこれらの花は前菜に過ぎない。
姥石平に着くと、15年ぶりにイチゲの大群落との対面だ。
朝日に輝く花々が美しい。
このまま東焼石のお花畑に向かいたいところだが、太陽の位置が低く偏光フィルターが効かないのでまずは山頂へ向かうことにする。
山頂への登山道わきにはミヤマダイコンソウが咲き、南には栗駒、西には鳥海山が望める。
山頂で小屋泊まりの男女二人組と歓談したのち、いったん北の焼石神社へ下り山頂東山麓を回り込んで東焼石へと向かう。
東焼石周辺は姥石平よりもさらに広大なお花畑が広がり、見渡す限りハクサンイチゲの群落が続く。白いイチゲに真紅のミヤマシオガマが彩りを加え、足元にはチングルマやユキワリコザクラがイチゲに遠慮するようにひっそりと咲いている。
まさに天上の楽園。
10時を過ぎ太陽が天空近くに昇り、偏光フィルターも効き始める。
時にシャッターを切りまくり、時に花をのんびり眺めつつ2時間近くをここで過ごす。至福の時間だ。
11時になり山開きに参加した皆さんが続々と上がって来るようになったところで入れ替わるように我が家は下山開始。
いつまでものんびりしたいのだが、レンタカーの返却時間もあり後ろ髪引かれる思いで花畑を後にする。
太陽が天空まで昇り、朝とは違う光の中で新緑と緑と雪のコントラストを楽しみながらのんびりと下って行く。気温が上がり雪を踏み抜かないように気をつけながら、午後1時過ぎに無事登山口へと帰還。
40台ちょっと止められる駐車場は満車で、登山口のかなり下まで路駐が続く大盛況。
花の盛りと山開きが重なった晴天ということもあり、今シーズン最大の人出となったようだ。
15年ぶりの焼石はキスゲがややピークを過ぎた感はあったものの、お天気にも恵まれ期待以上の大満足。山開きということで混雑が心配されたが、時間をずらし3時過ぎに出立したこともあり、10時ごろまではほとんど人にも会わず静かな山歩きができた。
長いブランクがあったものの、やはり焼石は「My favorite mountain」だ。
今でこそ、全国的にも名前が知られるようになったが、私が登り始めた90年代初めは、中沼の登山口は駐車場もなく車を10台止められるかどうかで、銀明水の避難小屋もボロボロだった。
もちろん地元では知られた山だったが、100名山から外れていることもありハクサンイチゲの盛りに登っても、静かな山歩きができたものだ。
多くの皆さんにこの山の素晴らしさを知ってほしいという気持ちの一方で、いつまでも東北の『知る人ぞ知る名山』にとどまっていてほしいという気持ちも強い。
少なくとも、尿前林道は大型バスが乗り付けられるような道にはせず、今のままのダートの状態でおいていてほしい。
ついでに言うなら、一筆書きのどなたかのような急ぎ足で山頂だけを巡るハイカーにはそぐわない山である。
姥石平や東焼石でまったりと時間を過ごす、そんな空間だ。
下山後は北上に戻ってヴィッツを返却、M3に乗り換え、予約していた水沢のルートインへと向かう。
下り坂とはいえ翌日も晴れ予報。
予定では秋田駒に登るつもりだが果たして??
◎参考書籍
新・分県ガイド2『岩手県の山』(山と渓谷社)
ヤマケイアルペンガイド2『東北の山』(山と渓谷社)
東北百名山地図帳(山と渓谷社)
東北登山口情報(無明舎)
マッチさん、こんにちは。
まさに息を呑む風景ですね〜
写真を見てるのに息するの忘れてました〜
写真が75まであったら倒れていたところです
マコトさん、いつもコメントありがとうございます。
今回は歩いていても息をのむ景色や花が連続していました。
写真で倒れていたら、実際に焼石に登ったら窒息死してしまいますよ!!笑
matchさん、こんばんは。
早朝からの登山、お疲れ様でした。
BMWでの尿前林道、心配してました
さすが行き慣れているmatchさん、用意周到ですね (*^∀゜)v
えっ!( ̄□ ̄;) 30回近く登られていたんですかぁ。
しかし、本当に素晴らしい天気の日でしたね
こんなにも遠望が利くなんて、羨ましいです (≧∀≦*)
それと、タダ青い空だけではなく、薄雲も綺麗
>助ける前に写真を撮るのはヤマレコの性か??
以前 私は霜が降った木道で滑って転んだ時に、
自ら「撮って、撮って」と言ってしまいました
のっかってしまった植物の皆さん、ごめんなさいです f(^_^)ポリポリ
あれ?駐車スペースは46台でしたかぁ?
台数はともかくとして、数えていたのは、私だけじゃなかったですね
秋田駒も計画していたんですか (・o・)オー
昨年、チングルマが終わりかけていた頃に行って、とても良かったので、
また行きたいねと言っていたんです
もう、残業は終わったでしょうかね? |д゚)チラッ
miki122さん、おはようございます。
焼石に登る前提としてレンタカーは不可欠でした。
正直焼石は『私の山』という感覚です。
山上で仲良くなった地元の方ともその話で盛り上がりました。
5日6日と寒気が入った後での晴天だったので、この時期にしては非常に空気が澄んでいたと思います。
9時ごろまでは雲一つない晴天でしたが、お昼にかけて筋雲が出てきて、これが写真的にはいいアクセントになってくれました。
>自ら「撮って、撮って」
やらせはいけませんよ!!笑
駐車場の数は数えたわけじゃなく、全国登山口情報という本によるものです。
実際に数えられたのならmikiさんの数の方が正しいと思いますよ。
当初は7日、8日両日もきれいな晴れマークだったので7日は山開きを避けて秋田駒、8日に焼石を計画していましたが、予報が変わったので7日に焼石としました。
でも8日に焼石ならmikiさんとお会いできたんでしょうね??
素晴らしいレコありがとうございます
前菜からメインまで充分堪能させて頂きました
姥石平に立った時の感動を思い出しました
ところで、東北百名山の本に”ハクサンイチゲが2度咲く姥石平”とありました。7月は一休みして8月に2度目の群落がみられると書いてあるのですが本当だろうか?確かめて欲しいような
ハナさん、おはようございます。
確かに本ではイチゲが2度咲くという話が載っていますが、現地では聞いたことがありません。
ただ、冷夏の年は夏の終わりごろにイチゲやチングルマが狂い咲きすることがあるようです。これは焼石に限ったことではなく東北全般ですが。
昔すごい冷夏で、米が不作になり海外からコメを緊急輸入した年がありましたが、あの年は9月に登った鳥海山や森吉でイチゲやチングルマが狂い咲きしていました。
matchさん こんにちは
アドバイスを頂き、僕も訪れたのですが・・・
ユキワリコザクラは終わってましたし、イチゲも少なかったです
駅まで送って頂いた方の話ですと、山開き参加者は180名だったそうです。
実際は、もう少し多いのではないかと仰ってましたが・・・
次回は 楽園を目の当たりにしたいものです
Stillさん、こんにちは。
レコを拝見しました。
強く薦めたのに期待に沿えず申し訳ありませんでした。
8日に歩いたmiki122 さんのレコでも花はほぼ満開だったので、たぶん9日の雨で散ってしまったんだと思います。
我が家は15年ぶりに登ったのを機に、来年からイチゲの盛りの焼石登山を定例化するつもりです。
来年は満開のお花畑でお会いしましょう。
拙者が訪れたのはいつかな?と思って調べてみたら、9月9日でした。
尿前林道をトロトロと走ったのを思い出します。
大人の休日倶楽部パスを利用してだったのですが、雨は降らずも曇天で、残念ながら眺望は今三つぐらい。
まだ夏草の生い茂る中に、背丈の高い秋の花が咲いていました。
でも、この季節は流石に花の百名山に選ばれるだけあって、チングルマやイチゲなどの群落が素晴らしいですね。
写真でこれだけ分かるのであれば、肉眼ではどんなに素晴らしいのでしょうか
隊長
隊長、こんにちは。
一面のお花畑が続き、逆に写真で撮るのが難しいんですよ。
画角の広い中判カメラでもあればうまく伝わるんですが…
実際に目の当たりにされれば感動の嵐だと思います。
来年はStillさんも含めて焼石をご一緒しましょう!!
花も然ることながら、残雪と抜けるような青空でまさに天上の楽園ですね。さすがに30回近く登られてるだけにピンポイントでベストシーズンに登られたようで何よりです。私は八ヶ岳の赤岳をオールシーズンで20回位登ってますが、いまだあそこで至福の時を過ごしたことはなく、どちらかというとキツかったり達成感だったりでした。
月日の流れとともに、山に対する嗜好の変化かなのか、単なるエイジングの仕業なのか自分では分かりかねますが、いつの日かこの美しき焼石岳を、できればこの時期に、吸い込まれそうな蒼空の下歩き、至福の時を過ごしてみようと思いました。
mtkenさん、こんばんは。
登山にはいろんなスタイルがあると思いますが、焼石は頂上を極めたり、ハードなルートを制覇することによる達成感を得る山ではないと思います。
私もそうですが、この山のお花畑を見て登山のスタイルが変わったという方は多いですよ。
ここの常連さんは山頂にはこだわっていない方が多いですしね。
もちろん、人それぞれ、自分にあった山との付き合いをすればいいと思いますが、ふと立ち止まって人生や生き方を見つめなおすにはいい山だと思います。
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