おめでとう!NKさん念願の光岳達成!& gがあせった20年目の初体験
- GPS
- 15:57
- 距離
- 24.0km
- 登り
- 2,568m
- 下り
- 2,583m
コースタイム
- 山行
- 8:06
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 9:07
天候 | 雨、雨、強風、ちょっぴり晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
便ケ島駐車場 100台以上駐車可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は長いが不安はない。易老渡からの往復は、gは2度目。 gにとっては、ハプニングの連続だった。感想欄にまとめたい。 |
その他周辺情報 | 登山後は、遠山郷神楽の湯 |
写真
感想
20年間の山旅でも初めての経験だった。
1.最初にいうことは、何と言っても、遠山郷への感謝の言葉です。
私たちが登山ができているのは、林道を整備しているお蔭です。
今回のことで、身をもって実感しました。
2.経緯
(1)聖岳から茶臼岳と廻る予定で便ケ島にいた
実は、gとNKさんは、便ケ島の聖光小屋の駐車場に18日の15時頃に入り、就寝してました。
3連休、山の天気予報では、土曜日は雨気味か曇予想、日月は晴れ
の予想。NKさんの念願の聖岳を目指すべく、土曜日を移動日にして、浜松を午前11時に出発した。水窪から兵越峠を越え、遠山郷に入った。
下栗の里を経過して、便ケ島の聖光小屋のまえの駐車場に入ったのは、18日、土曜日の午後3時近くだった。曇ってはいたが、雨は無かった。19日日曜日の朝から西沢渡から聖岳、聖小屋にテント泊、月曜日に茶臼小屋へ、火曜日に易老岳から易老渡に下山の予定だった。駐車場には、5台、キャンプ場施設のある方の駐車場には10台以上の車があった。キャンピングカーのおじさんとお話をした後、ひたすら車中泊で眠るのみだった。
(2)聖岳は諦め、初めての経験
19日午前2時30分頃、激しい雨に目を覚ました。
すかさず、頭をよぎったのは、林道が通過不能になる恐れがあるということだった。聖岳は諦めて、とにかくここを出ようと決断した。NKさんに提案し、合意を得た。車で林道を戻りはじめた。飯田方面に移動して他の山を歩くつもりだった。そこで、この現場で前方を塞がれたのです。
便ケ島から易老渡までの間は、来るときと同じで、相変わらず林道に水がながれ、浅い川のような状態だ。それでも深さは全くないので運転に支障は無い。
易老渡の駐車場を通過した。駐車場には30台ほどの車があった。そこから約1km下で、前方の光景にびっくりして車を留めた。林道に落石ならぬ落木が横たわっていた。全く、車通過は不能だ。
光景をみて、戻るしかないと腹をくくった。初めての経験で気は動転していたが、思考は良く回ってすぐ落ち着いてきた。
道路は狭い。バックで戻る自信はない。やってみたが、回転は出来なかった。15mほどバックして、少し巾が広いところで、20回以上切り返してやっと方向転換をした。易老渡の駐車場に戻り、なんとか1台分のスペースを見つけ、後は眠るのみだった。その後、暫くして空に星が見えた。日曜日の朝がきた。単独歩いて、落木の現場にいって、写真に収めた。夜に見た状況より、はっきり見えた。3本の大木、一番奥のものは、20mの長さ、太さは80cm位はあった。駐車場に戻って、起きていた他の登山者に事の次第を告げた。10人位でどけられないかという意見も有ったが、とても無理だと言った。撤去して貰えるまで待つしかない。その後、下から登山者が上がってきた。落木のところより下に駐車して、現場を通過してきたという。彼らには動揺はない。その通りだ。自分も、落石があっても越えていくのは普通のことだ。閉じ込められたものとそうでない者では、明らかに認識が違う。私は、通過しようとして出来なかった当事者だ。そして、易老渡の駐車場の登山者も事情を知らないまま、どんどん、登山を開始して上がっていく。
どれほど待ったら出られるのか分からない。
落木の大きさを見た時、私の気持ちは決まった。
予定が分からないまま待つより、光岳に登山をしよう。
そうして出発した。
(現状分析)
1)閉じ込められたのは、幸運だったかも。通過より先に落木があったということだ。(入って来た人の時間を考慮すると、多分、18日午後10時から19日午前2時の4時間の間に落ちたと思われる)これで、落木の瞬間に遭遇しないで済んだ。遭遇したら確実に死亡事故になったろう。そして、50台ほどが閉じ込められていると思えば、あせらないが、自分の車だけだったら、落ち着いてはいられないだろう。
2)閉じ込められたお陰で、光岳登山になったともいえる。
3)安全を考慮して、便ケ島を出たのは果たして安全な決断だったのか。駐車場にそのままいた方が安全だったことは事実だ。ただし、閉じ込めれれると、他の山にも行けず、ひたすら時間待ちということも予想される。その時に判断では、飯田方面に出て、戸倉山などに変更することを選んだのだ。
4)これは、結果であるが、そのままいれば、聖岳から茶臼岳への登山が出来ただろう。
(3)光岳へ
天気は良かった。然し、易老岳への途中から雲が尾根にはりだした。
易老岳では結構激しい雨になった。光小屋までは、ガスと雨でほとんど写真をとる余裕もなかった。小屋に午後2時頃に到着してテントを張った。
一日中ガスと雨の繰り返しで19日の夜は更けた。
明日は晴れてほしい。一縷の望みだ。
20日になったが未だ暗い。テントの外は、台風のような激しい風音が荒れていた。時折、風が弱まるような気がする。期待していると、また激しくなる。何度か期待は裏切られた。昨日の朝に登るときは、晴れだった。易老岳の手前で雨に裏切られた。そして、この朝も、台風並みの風だ。
踏んだり蹴ったりの繰り返しだ。このまま、展望もないままでは、山頂を踏んでも気は晴れない。苦しいだけの想い出になる。
朝になった。雲がすさまじい速さで移動していた。
日が漏れてきたように明るさが揺らいだ。
テントを畳みながら、明るい方に目やった。
少し明るい。
雲が流れる。
トイレのある方向の台に移動してみた。
雲が流れる。
来た。富士山がほんの少し見えている。
雲が流れる。
東西側に大根沢山から信濃俣、百俣の頭がすっきり見える。
単独で歩いた尾根の感覚が蘇る。充実した山旅だった。
カメラのシャッタを無差別に押した。
ザックを小屋にデポし、山頂に向かった。富士山も聖岳も池口岳やら不動岳やら、たった40分ほどの間、女神がほほ笑んで、再びガスの世界に包まれた。イザルガ岳もガスの中だった。
それでも、女神の頬笑みは、努力して上がってきたgとNKさんへの御褒美だったと思う。NKさんは、聖岳と光岳を元気な内に行きたいと4年越の念願だった。先ず、光岳でも達成できた。いろいろあったが、いいツアになった。この次は聖岳から茶臼岳の縦走を雨の心配のない時期にこようと約束した。
疲れはしたが、無事、易老渡に帰還した。車で林道を移動する。落木のあった崖の下の林道は、跡かたもなく片付けられて、何事もなかったようだ。感謝だった。遠山郷のお陰で、登山が守られている。
「ちりじりに こいやくるやと 光だけ ひとごころしる 遠つ山あり」
おせわになりました。
想い出深い、いいツアになった。(g)
祝 光岳登頂!
NKさんもいい経験と、いい思い出になったでしょうね。
gakukohさんも大木の落木にも落ち着いて対処され、さすが年の功だわ。
寅ならどうしてたかなぁ
でも不測の事態って、いつ起こっても不思議じゃないですね。
落木撤去された地元の方々に、寅も感謝しておこう。
今回のレコ、いいレコでした。
toradoshiより
toradoshi様
ご注目ありがとうございます。
実際の現場では、どうしようもなかったというのが事実です。
天候不順でいくところではなかったと思います。反省です。
(g)
二年前に畑薙ダムから入った時 北海道からの方が 便ケ島は通行止めだから 畑薙に来たと言ってました 便ケ島は 時間を有効に使えますが
これが難点ですね 私も聖岳に行きたいと思っていますが 何方から入ろうか思案です
災害現場は 見た事が 無かったでしたが
こういう物ですかね
いつも思いますが車で入る林道が怖いと??
ymor様
金曜日に林道の開通になったばかりでした。
何年か前から、この時期は、雨のため、予定が流れて、今回に至りました。
予報では、日月がいいということでしたので、つい入ってしまいました。
安全登山を標榜して、今までは、入らないで終わってましたが、毎日のように予報が変わるこの時期なのに、当てにならないことを忘れてしまったのは、魔がさした感じです。
落ちた後に遭遇したのは、安全の中で怖さを与える神様の計らいでしょう。
初心に帰って生きろということだと思います。
夜なかに出ようとしたのも、いい決断だったかは疑問で、反省がいっぱい。
聖岳は、雨の心配がない時期に訪問します。
書き込みありがとうございました。(g)
はじめまして。
ドキドキの経験でしたね・・・易老渡の林道はキョーフそのもの。一番の心配は閉じ込められることですね。土砂崩れでなく、倒木でよかった・・・林道が崩壊したら数カ月車を放置しておくことになっちゃいますもんね。幸いでした。
光さえ登れば、聖はなんとかなりますよ・・・きっと。
同じような経験をしているので、そのキョーフと林道脱出の安ど感はよくわかります。冷静な判断に感心しました。
akakiriusagi様
コメントありがとうございます。
林道崩壊なら月単位の封鎖になりますね。怖いですね。
以前、鳥倉林道では、岩が落ちて、ちょうど下を通過中の女性登山者が亡くなった事故もありました。どうなるかは偶然なので、やはり、危険の確率を減らすように、時期を選ぶ方がよかったと反省しています。(g)
gakukohさん こんにちは。
私は11、12日に易老渡〜光岳に行きました。gさん(失礼)のレコは写真がいっぱいでつい最近行ったのにいろいろ思い出しました。
梨本ていしゃばのHPで16日〜19日の林道への土砂流出やら倒木の情報が流れていましたので気にはなっていましたがまさかgさんがいたとは驚きでした。遠山川沿いの林道は林業衰退もありもはや聖、光岳の登山利用がメインだと思います。ゆえに整備予算や災害復旧予算やらも付きにくいのでしょう。
本当に遠山の衆の努力に感謝です。
光岳の変更はあっぱれです。
fujiyoshi様
コメントありがとうございます。
初めての経験で、あせりましたが、あせってもどうにもならず、結果落ち着いたような具合です。落木の最中に遭遇しなかったのが幸運なのですね。
極力、安心な時期に行きたいと反省しています。(g)
gakukohさま
いつもパワフルかつ詩情溢れるレコを楽しく、頼もしく拝見しています。小生も今年5月の黒法師山行で、麻布山野鳥の森手前の林道が直前の倒木で塞がれ、危うく閉じ込めに遭うところでした。直後は、これで只でさえ長いコースに余計な林道歩きが増えた、と身の不幸を憂える気持ちも強かったものの、すれ違った登山者の情報で倒木が小生遭遇の僅か数時間前に発生したことを知り、倒木の瞬間に居合わせたら命はなかったかも、と自らの幸運に感謝する気持ちに変わりました。麻布山林道の倒木も当日のうちに応急処置で復旧し、地元・旧水窪町の林道管理の関係各位に大感謝でした。(同日も地元の登山者の方に伺いましたが、林業の衰退・担い手不足に加え、市町村合併で森林管理の予算・人員が相当削減されて、登山アプローチの林道保全を取り巻く状況は益々厳しくなっている由。こうした中、数少ない登山者の便宜のため、林道メンテ・復旧に素早く、丁寧に対応下さっている地元関係各位には本当に頭の下がる思いです!)
gakukohさんがひたすら復旧を待たれるのでなく、冷静に判断されて光岳ツアーに切り替えられたのは、「転んでもただ起きない」さすがのしたたかさを感じました。とはいえ、これからも台風、豪雨のシーズンが続きますので、お互い直前の天候や林道の状況など勘案し、リスク要因の出来るだけ低い環境で、安全に夏山登山を楽しみたいものですね!またほのぼのと楽しいレコを期待しております。(長文メッセージ、失礼しました。)
satonao1jpnさま
レコ見ていただいてありがとうございます。
そうですか、同じ目に逢われているのですね。
初めてですから、どうしようと焦りますね。でもどうしようもないのです。
待つしかない。命が有っただけましと思うしかないのですが、私はリーダーとして来ている立場なので、相棒の御家族がどう心配するかも気に掛ってしまいます。すんなり片付けていただいて出られる結果になったのでよかったですが、数日出られないなどなったら、もう山にいくなということになりそうですね。
もうひとつ、しょっちゅう林道をメンテする町側では、経費が大変だなと思ってしまいます。登山者が落とすお金は多分微々たるもので、百名山というだけで、登山者が入ってくるのに、放っておくわけにもいかない、損得を考えたらやってられないでしょう。有りがたいですよ。少しはお金を落としてこないといけないですね。生かしてもらったので、安全登山に気を付けたいと思います。
時々、こういう試練を安全なまま与えているのに感謝です。(g)
こんな大変な体験を成されていたのですね。
確かに便に戻って小屋番さんに状況報告し、山行自体は計画通りという手もあったかもしれません。ですが森林限界の上を長く歩きかつザレ場である聖を荒天時に行くのは苦難だと思いますので結果的に森林限界をほとんどでない光の方で正解だった気がします。聖は好天なら天国、荒天なら地獄という極端なところかと。
易老渡への道はリスキーというのは確かですが、それを言い出すと静岡〜長野南部の南ア深遠部自体、至る所の道が土砂崩れで道がなくなることはザラだという印象があります。静岡県内ニュースではよくある話であり、このエリア自体がリスキーとなってしまう。一方で、そこまで気にするとどこにも行けなくなってしまうし…。ジレンマですね。
自分は5月末に修復工事が終了するということで、リスク回避という考えで道が使えているうちにと考えて6月中に光に行ってきましたが、同じ状況におかれた時に冷静になれるかは正直疑問です。
自分は最近行ってきた空木の池山林道や鳳凰の青木鉱泉への道も大差ない路面状態でした。登山口への林道が厳しいところは全国数多ありますので我が身にも降りかかりうる事象だと思います。そういう意味でも大変参考になりました。
麓の集落の方々への感謝、ほんとそう思います。極力現地の施設を利用したり、物産を購入したり、下山が早ければ食事したり、ひとまず何らかの形でお金落としていくのが一番のお礼になるのですかね。
とにかく日程どおりに下界に戻ることができてほんと良かったと思います。お疲れ様でした。
HHHさま
書き込みありがとうございます。
初めての経験でどうしようかと思いましたが、どうもできないので、安全なところに移動するのが、第一だと思いました。
土砂降りになったことで、閉鎖される前にその場を出ようと移動したら、すでに落木で塞がったいた。逃げるのが遅かったと言えばそれまでですが、逆に、遅かったから安全だったと思いえば超ラッキーでした。
鳥倉林道では、前に落石で女性の方が無くなったという話を聞いてましたが、
このような事故を自分が経験するとは思ってませんでした。
便が島までは途中の林道が川の状態でしたから、戻ることは全く頭に浮かばずに、一番安全と思えた易老渡の駐車場に自然に落ち着いて、後は、朝になって、
撤去を待ってでるか、何もしないで待つのも無駄かなと言うことで、光岳に登っていきました。
ベストかどうかは不明ですが、その場に出来る一番よいと自分に思われることをやっていたと思います。
安全に守られたことが一番の収穫でした。(g)
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