編笠山・権現岳
- GPS
- 08:25
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 2,397m
- 下り
- 2,397m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山梨県の中央自動車道小淵沢ICを下りて、県道11号に入りました。大平交差点を過ぎ、県道618号線へ左折して進み、標高1560mの観音平駐車場に着きました。7時前だというのに50台収容できる広い駐車場はすでに満車状態で、手前の車道にも数台ほどが駐車してありました。 駐車場横から広葉樹林の中の道幅が広い、なだらかな登山道を登り始めました。やがて道幅は狭くなりやや上りになり、標高1880mの雲海展望台に着きました。残念ながら濃いガスで風景は何も見えませんでした。富士見平から登って来る登山道と雲海展望台で合流していました。 ここにはベンチが2基あり、最初の休憩をとっている登山者もいました。雲海展望台からは登山道の勾配は急になり、木の根が地表に現れていました。加えて大きな石や岩がある登山道になりました。 さらに登って行くと針葉樹林の中に水の音が聞こえて、標高2110mの押手川に着きました。水量が少ない小さな沢で、押手川が流れていました。水はあまりきれいでなく、飲む気にはなりませんでした。ここは分岐になっていて、編笠山を巻いて青年小屋へ通じています。少し休憩してから編笠山へ向け再び出発しました。 登山道は岩場の急勾配になり、ハシゴを登る直登になりました。編笠山の山頂に近づいてくると、ハイマツ帯になり振り返るとガスの切れ間から南アルプスが見えました。森林限界を過ぎ、岩がたくさんある広い標高2523.7mの編笠山に着きました。 山頂には二等三角点があり、展望は大変良く360°が見渡せました。ガスの切れ間からは富士山から北岳 ・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・南アルプス、視線を遠くに移すと中央アルプスも見え、これから向かう権現岳方面が目前に迫って見えました。 山頂から北方向へ、背の低い針葉樹の中の登山道に入りました。登山道の日陰にはところどころに残雪があり、さらに進んだ急勾配の登山道を下がって行くと、岩だらけになりました。眼下にはこれから進む水色のトタン屋根の青年小屋が見えました。さらに岩場を下がって標高2380mにある青年小屋に着きました。少し休憩して背の低い針葉樹の中を登り標高2530mの、のろし場に着きました。ここからは森林限界を超へて、岩場の登山道になりました。東ギボシを巻いて急勾配のザレ場やクサリ場を登り尾根に出て、標高2700mの権現小屋の横を通り過ぎました。権現小屋のすぐ上はコブになっていて、数人の登山者が休憩していました。ここは、分岐にもなっていて長いハシゴを下りて旭岳からキレットさらには赤岳へ通じていました。 標高2715mの権現岳山頂には、大きな岩の上に鉄製の剣が立っていました。北側の岩場は鋭く切れ落ちていました。山頂から見えた北斜面や沢筋には雪が残って見えました。 三ッ頭への登山道も、山頂を少し下がったところから伸びていました。権現小屋の上のコブまで戻り、昼食を採りました。ここは八ヶ岳の最高峰である赤岳の展望が良く、大同心や小同心の荒々しい岩壁が赤岳と阿弥陀岳の稜線奥に、さらに目の前には長いハシゴが架かっている稜線や登山者が下がって行くのが見えました。登って来た編笠山南西方向も見えました。 昼食後、慎重にクサリ場を下がって青年小屋まで戻り、編笠山を巻いているトラバース道に入りました。小ぶりの針葉樹林の中を緩やかに下がって行くと、岩の間を流れている小さな沢がありました。登山道の周囲は苔むした岩と松林になり、岩の奥には凍りついた雪もありました。樹木の背丈が高くなると、登山道は急勾配の下り坂になりました。小さな滝状の沢過ぎ、再度暗い針葉樹林に下がり押手川分岐に着きました。ここからは今朝、編笠山に向かった登山道を戻り観音平駐車場に到着しました。 |
写真
感想
毎年夏山に備えてこの時期までには標高2500m程の山に登り、体を高所にならすようにしています。今回は勾配が急で岩場やクサリ場もある、八ヶ岳の最南端に位置する山編笠山から東峰(2,715m)と西峰(2,700m)から成る双耳峰の権現岳のルートを楽しむことにしました。
休憩ポイントが設定しやすく、メリハリがある山行になりました。押手川分岐から編笠山への岩場の急登は、かなりきつくて大汗をかきました。そのぶん編笠山山頂に着いた時は、展望が360°開けて感激しました。ガスの切れ間から見えた南アルプスの、仙ヶ岳‐甲斐駒ヶ岳‐北岳はこの夏に登頂を予定している山です。たとえ遠くからでも残雪の状況を見る事ができたことは大きな収穫です。編笠山から青年小屋への下り坂から、見上げた権現岳は高く見え、はたして山頂を踏めるか不安を感じるほどでした。
山小屋の名前は山の場所から名付けられた山小屋がほとんどと思われます。青年小屋は若者が多く泊まり登山を楽しんだからなのか、編笠山のコルにある山小屋の「青年小屋」のネーミングの起こりが気になりました。
森林限界を超える、のろし場からは、岩壁がそびえて高山の雰囲気を感じました。権現小屋の上のコブから見えた阿弥陀岳から赤岳に伸びている稜線を見ると、昨年雨と風の中を通過した時のルートがよみがえりました。ガスで見え隠れする八ヶ岳最高峰赤岳は、魅力がありました。キレットを越して赤岳へのルートも登ってみたい誘惑にかられました。
権現岳山頂では、自称70才という青年のような若々しい老人に出会いました。岩場での身のこなしも良く、覇気がありとても羨ましく思いました。観音平付近にはレンゲツツジが咲き始め、ミツバツツジも雲海展望台付近で咲いていました。高山植物の花は時期的に早いのか、あまり見られず残念でした。青年小屋からのトラバース道は、岩が苔むした針葉樹林帯の中を進む静かなルートで鳥のさえずりも至近距離で耳に入りました。苔むした岩の奥にはまだ雪が凍って残っていて、岩の隙間をぬって水が流れ出ていました。手で酌むと、とても冷たく火照った体には最高の清涼剤でした。
予定していた、ルートを歩き高所に身体を慣らすという目標も達成して無事山行を終了しました。
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