記録ID: 68913
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳
南アルプス
2010年06月09日(水) ~
2010年06月13日(日)
- GPS
- 104:00
- 距離
- 44.3km
- 登り
- 3,368m
- 下り
- 3,325m
天候 | 概ね晴れ、午後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
6/8(火) いよいよ錬成合宿だ。Lとして最後の錬成となることを考えると、しっかりとやり遂げたい気持ちでいっぱいだ。17:00高田馬場集合である。 慧が実験の為遅れてくるとのことなので、今日の流れの確認をして待つ。他の隊は全て出発してしまったので寂しいが、池田さん、穂高さん、恵一朗が見送りに来て頂けた。ありがとうございます。小山のザックの重さが尋常じゃないが、大丈夫だろうか。不安がよぎる。17:40頃慧と合流し装備チェックだけして新宿へ向かう。 新宿からは高速バスで松川インターへ。錬成で高速バスを使うのは新鮮だが、なかなか快適である。バスの中で差し入れを頬張る。うたた寝をしていたらまつ松川インターからはタクシーを使い鳥倉林道ゲートへ。個々での星は2年前とても綺麗だったので楽しみにしていたが、今回は少しガスがあって星は少なめ。宇宙の神秘について考えている間に24時就寝。 6/9(水) C1 6時起床。起床係は吉村であったが、遅れることが無く完璧に6時起床だ。始まりは良好である。始めはコンクリートの上を歩きながら読図指導をしていく。地図は昔のものである為、舗装された部分が長くなっている。道路が終わると傾斜のキツイ道になる今日はひたすら登りだ。新人吉村の調子が悪く、置いていかれる。間を空けるなと檄が飛ぶ。返事は良い。まだまだ先は長いぞ。 ところどころ読図のチェックを行いながら進む。大分地図とルートが異なっているので正確な等高線地図読みが必要となる小山が歌をたくさん歌ってよい盛り上げだ。それに釣られてほかのものも歌う。よい雰囲気だ。途中の水場でダブルポリタンにして三伏峠小屋に向かう。吉村は終止遅れていた。小山はよくあの重いザックを持ち上げたものだ。 三伏峠小屋に11:30着となる。夕食は早めの15時。設営は問題なくてきぱきと進む。上ミ、T.P.を経て錬成一日目は終了となる。今日はまだまだ序の口であることを新人たちは知る由も無い。 6/10(木) C2 今日は長い行程になるのでサシゴで起床。吉村がパッキングで遅れたので喝を入れる。今日は水の補給の為に三伏峠小屋から今は使われていない山伏小屋へと向かう。三伏小屋の手前で小さな小屋があるが、それはフェイク。さらに下に瓦礫と化した三伏小屋がある。その脇から本谷山へ向かう。ここから残雪が顔を出し始める。 本谷山から少し下ると、一昨年権衛門山へ向かう道に間違って入ってしまったため、今年は絶対にそうならないように気をつけて進むようにする。しかし気をつけて進んでいたのにも関わらず、正規のルートが見つからない。残雪によってルートが見えないのでしょうがないのだろうか。すこし悔しい。仕方が無いので薮の薄い場所から沢に下りることにする。 薮が薄いところを狙っていったのであまり沢に下りるまで時間は取られなかった。沢は開けていて歩きやすい。そのまま登山道と合流するまで沢を歩くことにする。しばらくしてもまだ登山道は現れない。尾根に上がるにはびっしりとついた残雪を急登しなければならないのでそのまま傾斜の緩い沢を詰めるようにする。沢は開けていて緩いのでこの判断は正しそうだ。 しばらく歩くと小山がバテ出した。2年としてだらしがないぞ。トップを佐久間に変更し、塩見小屋へと向かう。残雪の上を歩くのはなかなかきつかったが、塩見小屋で休憩・タッパー飯を食べることにする。塩見小屋は雪に埋もれていて、小屋番のひとがせっせと雪かきをしている。塩見小屋の人からキャンプ予定地の北荒川はキャンプ禁止だよと言われたがここまで来てしまったら仕方が無いのでゴミは絶対に落とさない条件で行かして頂けることに。 タッパー飯も食らい、塩見岳へと向かう。Lとしてなんだが、一昨年の塩見岳の記憶が全然無い。塩見岳を登っているうちに徐々に思い出していく。なかなかの岩場だ。吉村は体力がつきかけている。3000m付近に来ているので軽く高山病の症状も出ている感じだ。重い足取りだが何とか塩見岳を登頂する。この時点で時間は14:40分…。なかなかまずい感じだ。塩見岳では長居せず即座に行動に入る。 北面の下山ルートは雪が例年に比べてびっしりと付いている。アイゼン・ピッケル装着の指示を出す。吉村がアイゼンのネジが無いと言い出す。こんなに時間の無いときに!運よく袋の中からネジが出てきたので早く付けさせる。ナイフリッジの場所も数箇所あり、かなり緊張の連続である。小山のアイゼンが外れる。喝を入れる。しかし喝を入れてる場合でもない。全員がしっかりと渡りきるまで目は離せない。結局2回ほどザイルを出す。 新人や小山は通過で時間が掛かる。時間は刻々と過ぎていく。16:40分頃雨が降ってくる。最悪の状況。通過後はアイゼンの必要性は少なそうなのでアイゼンを外させ雨具を出させる。吉村がもたついている。早くしろと喝を入れ、すばやく下山する。 北荒川岳の一つ手前で幕営をする。着いた時間は17:50。まさかと思いつつも一昨年と全く同じ状況である。残雪やメンバーの体力もあるが、様々なことを読みきれなかったLの判断ミスである。本当に危なかった…。 この日は13時間行動だった。明日は熊ノ平小屋で幕営することを決め、23:30就寝。 6/11(金) C3 今日は熊ノ平小屋で幕営することを決めているので6時起床。あまりアップダウンも少ない。しかし一昨年は道が分かりずらく、ロストした覚えがあるので気は抜けない。 北荒川岳では地図と実際の道が全く違うので注意が必要だ。実際の道は北荒川岳の山頂に行っているので注意だ。下りは残雪が再び顔を出す。危険ではないが足が取られる。ルートも分かりずらいので広い視野が必要だ。さくさくと新蛇抜山を通過しこのとき11時30頃。見覚えのある道を進む。吉村が遅れがちだが、あまりアップダウンが無いのでハイペースでなんとか進む。安倍荒倉岳付近でルートが分かりずらくなるが、一昨年のようにロストする気配はない。優秀なトップと3年だ。安倍荒倉から熊ノ平小屋までの分岐はやはりルートが分からないが、コンパスを合わせて進む。多少熊ノ平小屋より下りすぎてしまったが、あまり大惨事にならずに済んだので、よしとする。到着は15:15。 幕営地で吉村がコケて手を切ってしまったので、応急処置を施す。その後は問題はなかった。吉村は日ごろの疲れからか、飯が喉に入らない。少し休憩してもらう。その後は怜によってT.P.を行い、3日目も終了。 新人達もかなり疲れが溜まってきているようだ。しかし、山の中での基本行動が身についてきている気がする。明日は北岳だ。ここまでの残雪具合から、北岳山荘で12:30というリミットを新たに設け、就寝。明日、頑張ろう。 6/13(土) C4 今日は長い一日なので、サシゴで起床。パッキングに遅れはなかった。優秀です。熊ノ平小屋からの登りは急で、朝からきつい。朝なので氷も張っていて、一瞬アイゼンを装着する。朝の透き通るような空気のなか、富士山が見え一堂歓声を上げる。しかしまだまだ先が長い現実にすぐ引き戻される。 三峰岳まではかなりのガレ場だ。慎重に歩く。吉村が段々と付いていけなくなる。檄が飛ぶ。三峰山頂ではこれから予測される残雪のためにハーネス・ピッケルの装着の指示。小山がパッキングに遅れる。厳しく叱る。南アルプスに声が鳴り響く。 吉村の水を解除し、LとSLが持つこととする。間ノ岳へのルートは氷が硬く、アイゼンを装着し、ザイルを出す。なかなかスリルのあるトラバースだ。時間は掛かってしまったが、3ピッチで間ノ岳山頂へ到着。間ノ岳では素晴らしい眺望をのぞむ事が出来た。いつ来ても間ノ岳はいいなぁ。 しかしあまり時間も無いので北岳へ続く稜線へと歩き出す。ところどころ残雪でルートが埋まっているが、気温も上がり緩んできているのでキックステップで通過する。北岳山荘への下りは少し雪が残っていて行きづらいが、キックステップを多用し通過する。 北岳山荘へは11:55着。リミットの12:30以内ということで北岳越えを目指す。北岳山荘の小屋番の人から情報を少し頂く。雪は緩んでいるので残雪を通過することは出来そうだ。 北岳山荘では去年、青木のお姉さんがバイトしていたらしく、小屋番の人も覚えていてその話で盛り上がった。世間は狭いものだ。 タッパー飯を食べ北岳へ向かう。北岳の登りは今までの疲労が蓄積し、みんなとてもきつそうである。途中残雪でルートが埋まっているので迂回ルートを取りつつ山頂を目指す。残雪が残る中少ない足場で登っていく。山頂の標識が見えてきた。あと少しだ!小山に例の言葉をかける。紺碧の空を歌いながら標識を目指していく。Lとしては始めてこれを行った。不思議な気分だ。 フィナーレである北岳山頂に到着する。吉村と内山は感極まって泣いている。私ももらい泣きしそうになったが取り留めた。式典を行い、写真を撮り、雪を食べ、みんなおおいに喜んだ。 最後に肩の小屋への下りでザイルを出す。肩の小屋まではかなり雪が付いていて時間が掛かった。肩の小屋到着は16:40。肩の小屋の人に挨拶に行く。すると料金は要らないので雪かきをして欲しいとのこと。食当をしている間に3,4年は雪かきをしにいく。今までの疲労で力が入らない。しかし楽しく出来た。 最終夜ということで盛大にパーティーを行う。吉村も内山も良く頑張ってくれた。ありがたいお言葉を2人に浴びる。Lはあまりにも神経を使ったせいかかなりの疲れが出てアルコールを摂取した瞬間眠くなってしまった。宴会は内山の小話で盛り上がったようだ。 6/13(日) 下山日 この日は肩の小屋より歌宿まで。難所「草すべり」がある。肩の小屋をでるとすぐに草すべりが出現。ザイルを4ピッチ行い、草すべりを通過する。なかなか時間がかかった。 あとは最後までひたすら下りだ。慧が靴擦れでひどいらしくスピードが上がらない。広河原に11:40頃着となる。歌宿の最終バスは16:15なのでみんなひたすら走る。慧は靴からサンダルにするととてつもなく早くなった。 この最後の走りが妙に錬成らしく、気持ちよかった。歌宿についたときはかなり疲労したが、とても心地よい疲れであった。4年として錬成合宿を無事終えられることが出来て本当に嬉しい。隊員のみんなには感謝したい。ありがとう、お疲れ様でした。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
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写真
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