前穂高岳北尾根 単独
- GPS
- 56:00
- 距離
- 36.5km
- 登り
- 2,070m
- 下り
- 2,059m
コースタイム
3日(月)
上高地5:30〜7:50横尾8:00〜10:40涸沢(泊)
4日(火)
涸沢 03:30〜05:00 5,6峰コル〜
07:50 2峰〜08:00 前穂高岳山頂
08:30 紀美子平〜10:05 奥穂高岳山頂 10:15〜
11:00 穂高岳山荘〜14:00 涸沢テント場(泊)
5日(水)
涸沢 07:20〜9:05 横尾 9:15〜11:50 河童橋
天候 | 3日☀ 4日:☀/☂/☀ 5日:☀ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
帰り:さわやか信州号:上高地(15:00発)〜新宿西口(20:10着) |
コース状況/ 危険箇所等 |
前穂北尾根は一般登山道ではありません |
その他周辺情報 | 上高地アルペンホテルにて入浴(¥600) |
写真
感想
バリエーションルートの北鎌尾根、北穂東稜に続いて、憧れの前穂北尾根。
今回も危険を承知での単独登山。
とにかく絶対事故を起こさず無事に戻ること(どんな山であれ同じだが)強く意識しての登山となった。
しかし、前夜にちょっとしたトラブルに見舞われる。
涸沢ヒュッテへお弁当を時間外に受け取りに行った時、食堂の階段を滑って左足と左肘を負傷(青あざ程度)してしまった。山の事故は緊張が解かれた後に多いと言うが、前日にこの調子では本番当日どうなるかと思った。
朝3時半の出発。月明かりに助けられてヘッドライトは無用となった。
カリカリの雪渓を6本爪の軽アイゼンで軽快に高度を上げていく。
5,6峰のコル手前で後ろを振り向くと、穂高山脈がモルゲンロートでオレンジ色に染まっていた。
やっとの思いでコルに着くと空から子虫の大群にしつこく襲われる。早々に此処を離れ5峰を目指す。5峰は踏跡を頼りに問題なく頂上まで一気に進んだ。
4峰は尾根を中心に逆S文字的にルートを辿れば難しくはない筈であった。しかし、左に巻きすぎてしまい痛恨のルーファイミス。
逆戻りの途中でルートを見つけたが、掴んだ岩場が信頼できない。慎重に慎重を重ねて両手足の体重分散を図りながら頂上を目指す。途中錆びたハーケンを見つけて、過去に誰かが昇ったルートだと知ると妙に安堵した。
4峰の頂上から3峰へ下るルートがはっきりしなかったが、しっかりした岩場を歩き進むと明瞭な踏跡が見つかった。
核心は3峰。ルートは分かり易いが、技術的にはボルダリング4級程度は必要な印象。パワーよりもムーブが要求される。
2峰手前で休憩中、後続4人組のパーティが見えた。相手もこちらを見つけたらしく、手を振ってくれた。こちらも挨拶代わりに手を振って答えた。遠くでもギャラリーがいると思うと下手なムーブでは登れない。かっこよく?(実はガチガチ下手なムーブ)先の2峰トップを目指した。
最大の難所2峰の下降地点。前方に前穂高岳山頂で記念撮影をしている登山者が見えた。と同時にこちらを見つけて指を指す姿が見えた。つい意識してしまう。
2峰の下降、通常ここはロープを使っての垂直下降が安全のようだが、ロープを持たないため、クライムダウンにて慎重に下降。ヘルメットは着用しているが、着地点までは6m程度ではあるが、高度3000m程の岩山のから滑落すれば命は無い。
岩の上から何度も下降ルートを確認して、慎重にホールドを選んで何とか無事に着地。
そして、1峰(前穂高岳頂上)へ。
頂上にいた登山者から話しかけられる。実はこの瞬間を待っていた。
別に誰かに褒められたいとか思っている訳ではない、達成感を味わうだけで十分なつもりなのだが、こんな険しい所を登って「すごいですね」何て言われると更に充実感はプラスされる。こんな50過ぎのオッサンになっても子供と変わらないなと思う。
バリエーション好きにはこんな承認欲求派の人が多いのか?
午前8時、本日の目的は8割方達成。後は無事テント迄戻るまで。
この日、東日本では連日の猛暑。ここ北アルプスも暑い直射日光が降り注いでいた。
奥穂高〜白出のコル(穂高岳山荘)〜ザイデングラード途中からペースが落ちる。
自分よりも年配の登山者に道を譲った。やばいと思った。頭痛と妙な気怠さ。熱中症の初期症状。途中、岩陰で休憩をとりながら体調が回復するのを待った。
これでは下山後の美味しいビールとワインはもう無理かなと思えてきた。
しし岩の影では約30分程休憩。上空が暑い雲で覆われて陽がなくなると徐々に体調は回復してきた。
そして、2時過ぎに何とか無事にテント場へ到着。と同時に大雨。
疲れた体を狭いテント内で労る。1時間後、あの大雨は何だったのかと言うほどに急回復し、いつもの爽やかな涸沢に戻った。嘘のように僕の体調も急回復した。
北アルプスの絶景をぼーっと眺め、自宅から運んできたビールとワインを黙って頂いた。
スマホで無事のメールを送った。
隣にさっきから黙って北穂高を眺めている青年がいる。話しかけようか迷ったが何か想いに耽ってる様子だった。
彼が立ち去り僕のワインも空になった。
単独だけど、街の単独とは違う。山では孤独さを感じない。
今日、生きているんだと実感した一日だった。。
パノラマ奥白又岩から5.6
泊の為涸沢に降りました
テント場の中央の道わきで4人でガヤガヤ飲んでいました
ソロとは勇気がありますね尊敬します
3峰は落ちる覚悟をするくらい緊張しました…汗
手を振って頂いたとき嬉しかったです
来年は八ツ峰に挑戦します
どちらかでお会いいすることを
楽しみにしています
see you
こんにちは
暑い一日でしたね。
此処も単独でやったので凄く達成感があります。
僕も皆さんから手を振って頂いたときは凄く嬉しかったです。
同じ山の仲間になった気持ちになりました。
来年は剣の八ツ峰ですか、岩の王様ですね。
レコで是非拝見したいですね。
またどこぞのお山でお会いしましょう。
有難うございました。
I'll see you then
SinNakajiさん、お疲れ様でした。
下山後のビールは最高でしたね。
私にはとても真似出来ない、単独バリエーションです。
やっと、時間が出来て、ヤマレコを拝見させて頂きました。
また、何処かの山でお会いできるといいですね。
下山入浴後、さっぱりした後でのビールと西糸屋の食事は格別ですね。
haseyama3の写真も拝見しましたよ。
お互い山好きですね。
シーズン中は北アルプス中心ですが、
再会出来るのを楽しみにしています。
北尾根行かれてたんですね。
私も今年こそはと思ってるんです。
懸案は2峰からの下降。
写真を見る限りでは何とかロープ使わず
クライムダウン出来るんですね。
ここがずっと気になっていました。
初めてのルートはルートファインディング難しいですよね。
でも登れそうなラインを見つけて登りきった時の充実感は
さぞかしいいでしょうね。
やれそうな気がします。
勇気をもらいました。ありがとうございました。
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