南ア伝付〜笹山旅2015

2015年08月12日(水) ~ 2015年08月14日(金)

• GPS: 56:00
• 距離: 22.6km
• 登り: 2,435m
• 下り: 2,191m

コースタイム

1日目

• 山行: 6:55
• 休憩: 0:55
• 合計: 7:50

6:20 新倉のヘリポート
6:55 0:00 田代発電所
8:25 8:40 八丁峠
10:10 10:35 保利沢東電小屋
11:50 12:05 二俣出合
14:10 伝付峠

2日目

• 山行: 7:55
• 休憩: 1:05
• 合計: 9:00

9:00 伝付峠
12:20 13:10 奈良田越
14:20 14:35 白剥山
18:00 南峰直下biv

3日目

• 山行: 5:20
• 休憩: 0:40
• 合計: 6:00

6:35 笹山 （黒河内岳）南峰
7:55 8:35 2256
12:35 ゴール地点

天候

毎日が晴れ〜曇り〜雨天のローテーション。2000mテン場の朝6時の気温は15℃。翌朝の2700mテン場の気温は10℃。この日は標高の割に高めだった。

アクセス

利用交通機関：

バス 自家用車

帰路：奈良田湖発〜身延駅行きバスは9：40発の次が13：50。本数がないので注意が必要。

コース状況／危険箇所等

■この物語は、ある男の「100座制覇」を記録するものである。記念でも祝福でもない。なぜなら、男の山旅はまだこの先も続いてゆくからだ。

＜プロローグ＞
蝉時雨のヘリポートに降り立ったMAT隊員3名は、互いの装備チェックを終えると、発電所奥の八丁峠に向かって歩き出した。陰と陽。強いコントラスト模様の道を縫うように、高度を上げてゆく。清流の心地よいBGMを聞きながら、はやる心を落ち着かせる。南アの源流に近いこの場所、幸い人間の姿は他にない。

「やっぱヤマはいいよね！」 束の間の静寂を破る声。森に木霊(こだま)して反響する大きさに鳥たちが飛び立ち、虫たちも警戒を強める。声の主は、M隊員…彼の口癖である。自然の懐に入り込むと叫びたくなるという。突発性P症候群…抑えきれない衝動(バカ笑い、号泣他)を発散する行為だという。しかし非常時には冷酷なまでの判断力を即座に下せる男だ。脳内妄想癖や空想力にも長けているが、こちらは実戦では役に立たない。ましてやこれから待ち受ける運命など、まだ隊員の誰もが知る由もなかった。 to be continue…

その他周辺情報

＜危険箇所＞
八丁峠取りつき〜激登りは、黄ワイヤーが随所にあるが過信は禁物。要注意ルートである。渡渉〜内河内川沿いには青ペンキが印してあるのでわかりやすい。
白剥山を抜けて､笹山直下のハイマツ帯に入る頃になると、道が一気に不明瞭になる。岩場やガレの隙間を縫うように続くも、すぐロスト。目印も小さく見落としがちである。天候悪化や視界不良の時には注意を…夕方通過するのは危険が伴う。

写真

南ア山旅−MATの歴史はすべてここから始まった。

マツヨイグサ（待宵草）もお出迎えThanks！

6：20 装備チェックを済ませて曇天スタート。

内河内川の発電所手前の橋を渡って、八丁峠をめざす。

オオイヌタデがおいで、おいでと手招きをする。

八丁峠の取りつきに到着〜ここから短くも激登りの試練。

難所に立ち向かう、真剣そのもののまなざしに…キュン！

峠には作業小屋跡。沢水、電気も通っていた形跡が今も残る。

旧伊奈街道へ続く沢道に合流。台風後も橋は無事でした。

ここまでにソロ男性、男女組、ソロ女性と立て続けに遭遇。

行程の約半分を通過。渓流を渡る風が心地よい。

南アルプス天然水は、最高基準の軟水。間違いなく美味しい。

一歩間違えるだけで谷底まで…緊張感を持続する。

東電保利沢小屋のつり橋を渡って小休止。

M隊員のザック今昔。左は2013年撤退時、80Lの重圧。

翌朝、雨天強風により3時間遅れで伝付峠を出発。

涼しいミスト…朝靄の中を展望台には行かず、先を急ぐ。

シナノナデシコでしょうか？？特定できません。

路肩崩壊による巻き道。昨日の疲れと湿気と単調な登り。

一部紅葉に染まる葉もあり。暦の上では、すでに立秋。

原生林がつくりだす苔のガーデン。つい足を止めてしまう。

朝露に濡れるホタルブクロ。淡い紫が恥ずかしげな佇まい。

こちらは恥ずかしげもなく、忍者青影のだいじょーぶポーズ。

Y隊員の読み地図能力の右に出る者はいない…ことはない。

「霧」がこの豊かな森を形成している。常に自然と共にある。

月刊ハイキングの表紙を飾りたい男。自画爺さんショット。

左手に徳右衛門岳(2599m)、蝙蝠岳(2865m)が垣間見える。

オタカラコウ(雄宝香)に 元気をもらいます！

ナガオレの頭(2091m)　かなり日差しが強くなってきた。

13:16 奈良田越に到着。木材を運んだ集積場の遺構がある。

当時の作業員たちの小屋？ここから、また高度を上げてゆく。

悪沢岳(3141m)方面をのぞむ。静岡側エリアにも挑戦したい。

白剥山(2237m)到着。ヘロヘロ感を見事に演じきっている。

カワイイ植物たちのコラボが、至る場所で見ることができる。

単調な上り下りの連続に、疲労が少しづつ蓄積されてくる。

この森を抜ければ、笹山全景が見えるはず…前進するのみ。

突然、デザートプリンが出現した！黒蜜の甘い香りが…

間違いなく胡麻のバンズだ。まだ焼き立ての香ばしさ。

「幻覚症状」がでてきたら　休憩をこまめにとりましょう。

いよいよ姿を現わした笹山。しかし…ここからが遠かった。

偶然の産物がオブジェに。透明な額縁をここに飾りたい。

もう目の前が本日の最終目的地。霧に巻かれ始める山頂。

はやる心を落ち着かせて小休止。ハイマツとの闘いは続く。

目の前に蝙蝠岳〜後方に塩見岳(3047m)。いつかはきっと…

17:55 南ア深南部を背にひたすら前へ。Never give up、Never

そして夜明けの朝…無事生還した隊員たちの栄誉を称えたい。

ビパークポイントから、早朝の笹山北峰をのぞむ。

朝焼けが稜線を赤く染め上げてゆく。生きている実感！

南アルプス前衛の山々。雲海に浮かびあがる連山。

少々ご機嫌ナナメの富士さま。今日はシルエットだけでSorry…

深南部笊ヶ岳方面の全景。南アルプスの懐深さに感嘆。

塩見岳につづく稜線がクッキリと。人間の小ささがわかる。

ハイマツ地獄帯を懸命に乗り越える屈強な隊員たち。

笹山南峰(2718m)登頂。山梨百名山史上、最難関の山。

苔の森に癒されて、奈良田湖〜笹山直登ルートを下る。

7:55 テン場に最適なエリア。ここでようやく朝食タイム。

どう見てもねじれパンの耳にしか見えない。

こちらは変り種の餃子パン。焼き加減が絶妙である。

あんずのタルトって出されたら…ひと口だけ。

きのこ型の「どら焼き」です…間違いありません。

金太郎飴のオレンジフレイバー味？ちゃんと「顔」になってる。

サクサクチョコのミルフィーユ。冷やして召し上がれ！

たまには和菓子の塩豆大福もいかがでしょうか。

誰が見ても、わかりますよね〜あのチョコ菓子ですよ。ホラ…

スイーツ妄想巡り旅は終わりにして、決死の激下りへ。

水場入口。往復20分とある。何とかギリで水補給せず。

色づき始めているモミジの葉。そこは秋の風が吹いていた…

無事生還できたことを神に感謝します。奈良田バス停にて。