カムイエクウチカウシ山
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- GPS
- 22:32
- 距離
- 40.1km
- 登り
- 2,069m
- 下り
- 2,052m
コースタイム
- 山行
- 4:00
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 4:22
- 山行
- 12:35
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 13:11
天候 | 13日:曇りときどき雨 14日:曇りときどき雨 15日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ここから先は七の沢出合まで道道111号線を歩いていくが、自転車やバイクも利用できそう。 ただし、札内川ヒュッテのゲートから先は公的には立ち入り禁止となっているので自己責任で。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
札内川ヒュッテ〜七の沢出合:問題なし。ただし落石には注意。 七の沢出合〜八の沢出合:数回の渡渉がある以外は問題なし。渡渉も沢登りをやっていれば問題ないレベル。 八の沢出合〜999m三俣:ゴーロと巻道を歩く。巻道をいちいち探すよりもゴーロを歩く方が早いような気がする。 999m三俣〜山頂:踏み跡は明瞭。八の沢カールで踏み跡が入り乱れているので、それだけ注意。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
タイツ
ズボン
防寒着
ザック
行動食
飲料
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ロールペーパー
携帯
時計
ストック
カメラ
ヘルメット
沢靴
|
---|---|
共同装備 |
ツェルト
|
感想
1 記録
(1)札内川ヒュッテ〜七の沢出合
今回は札内川ヒュッテまで自動車で入れた。
ここからは道道111号線の未開通区間を歩いていく。
ただし、公的には立ち入り禁止のため、通行は自己責任で。
なお、ゲートの看板には荒れている旨の記載があるが、実際には通行に支障はなかった。
一部舗装区間があるが、殆どは砂利道。
しかし、自転車やバイクの通行も問題ないと思う。
札内川と同じレベルまで降りたあたりが七の沢出合。
道は坂を登って七の沢上流方向に向かうが、そちらには進まずここから札内川に入渓する。
(2)七の沢出合〜幕営地
数回の渡渉のほかは、札内川沿いを歩いて行く。
林の中に踏み跡が多数あり、それを示すテープも多数ある。
若干のヤブこぎもあるが、踏み跡はしっかりしており、
忠実に辿れば迷うことはないと思う。
この区間は札内川の本流であるため、やや水量はある。
沢登りをしていれば特に問題はないが、
そうでない人にとっては苦労するかもしれない。
渡渉が苦手な人は、上流を向いてストックをついて、一歩ずつゆっくり渡渉すべき。
七の沢の次に右岸から流入する大きな支流が仲の沢で、
その次に右岸から流入する大きな支流が八の沢である。
踏み跡を忠実にたどっている場合、仲の沢出合では左岸を歩いていることになるが、
見逃さないように注意されたい。
八の沢に入り、少し進むと左岸に幕営適地が広がる。
今回は行きと帰りとで2泊した。
(3)幕営地〜999m三俣
幕営地から999m三俣までは、八の沢はゴーロが続く。
左右のヤブの中に踏み跡があり、テープも多数あるので、
それをたどって歩くことも可能である。
それらを適当に歩いて行くと999m三俣である。
数回の渡渉はあるが、当然ながら札内川本流に比べて水量は少ない。
したがって、渡渉は容易であるが、渡渉経験に乏しい人は十分に注意されたい。
参考にしたトポでは、三俣付近には遅くまで雪渓が残るとあり、
実際に結構な雪渓が残っていた。
必然的に、巻き/雪渓歩きが必要となる。
今回は使わなかったが、軽アイゼンを持って行くとよいと思う。
(4)999m三俣〜八の沢カール
この区間は、ほぼ全区間に明瞭な巻道がついている。
数回の渡渉はあるが、殆ど巻道を歩けば沢を登る必要はない。
ただし、2箇所小さい支流を直登する区間がある。
1つめは、支流の直登といっても、水量は少なく、
ガレた登山道を歩くのと質的に殆ど変わりはないが、
踏み跡ではないので、見過ごす可能性がある(テープがある。)。
実際、一人の登山者が見過ごして進んでしまったようであった。
2つめはナメた涸れ沢を登る区間である
(当然ながら、ピストンの場合は下山時にここを下降することになるが、
ラバーソールのフリクションは能く利いた。
フェルトソールのメンバーも滑ってはいなかったので、それなりに利くのだと思う。)。
あと、岩場といっていいのか迷うくらいの小さな岩場が数か所ある。
残置のロープがあるので、自信がない場合はそれも利用されたい。
そうこうするうちに、傾斜が緩やかになってくると、八の沢カールである。
(5)八の沢カール〜山頂
八の沢カールに入り、踏み跡を忠実にたどると
福岡大学ワンダーフォーゲル部の事件の慰霊碑にたどり着く。
このあたりは踏み跡が入り乱れているが、山頂にまっすぐ向かうのではなく、
南側から巻くように登るのが(正しい)ルートである。
このルートも踏み跡は明瞭である。
テープの数はぐっと少なくなるが、踏み跡を忠実にたどっていけば、
問題なく稜線にたどり着けるであろう。
稜線に着くと、ハイマツのヤブこぎが待っている。
もっとも、これまでと同様踏み跡は明瞭である。
ただし、北側斜面(八の沢カール側)は切れ落ちている。
北側に滑落すると大怪我は免れないと思われるので、
ハイマツに足を引っかけて転ばないよう十分に注意されたい。
また、ごくわずかの区間であるが、やせた稜線上を通過する箇所がある。
同様に滑落しないよう十分に注意されたい。
そのような箇所(踏み跡は稜線の南側または稜線上にある。)を通過すると、
程なくして踏み跡は稜線の北側に移る。
そこから先は危険箇所はとくになく、もう一頑張りでカムエクの山頂である。
(6)下山
今回はピストンなので、同じルートを戻る。
したがって、ルートについての主観的説明は省くが、
なかなかの長丁場であるため、疲労もたまってきていると思われる。
岩場や支流、雪渓の通過、渡渉には十分に注意されたい。
また、体力に不安があるようであれば、無理せず八の沢出合で2泊するスケジュールにすべき。
2 感想
(1)沢だけど沢登りじゃない
いろいろとお世話になっている方で、計画するたびに天候不良で
カムエクだけ登れない300名山ハンターがいらっしゃった。
今年も計画されていたので、それに便乗して登ることになった。
あまり難しくない八の沢がルートと聞いていたので、
ヘタレのnamemaniaにはちょうどよいかと思っていたが、
実際には沢登りの要素は皆無であった。
八の沢を直登することもできるのであるが、
300名山ハンターの方が沢登りをやらない関係で、
今回はずっと巻道を歩いたためである。ちょっと残念。
ただ、巻道を歩いたら5mくらいしか進んでいなかったとか、
どう見ても沢沿いを歩く方が簡単なところとかが散見された。
沢登りをやっているメンバーばかりであるならば、
巻道は基本的にスルーして八の沢を直登する方が早いと思う。
また、札内川本流でも、テープを追いかけて渡渉を繰り返したり林の中で迷ったりするより、
ひたすらへつっていく方が早いのではないかと思われる箇所が散見された。
こちらも、沢登りをやっているメンバーばかりならば、
巻道は基本的にスルーする方がいいのではないかと思う。
(2)200名山としてのカムエク
カムエクは200名山とされているためだと思うが、
見た感じあまり山(もちろん渡渉も)に慣れていないような登山者(しかも単独行)がいた。
途中であった登山者のうち3人は、ようやく20時ころ幕営地に降りてきた。
話を聞くと、かなり遅くなった登山者2人(それぞれ単独行)を、
山に慣れた登山者がサポートして、何とか全員で無事に降りられたようであった。
無事(一人は足を少し痛めたようではあったが。)降りられたとはいえ、
一歩間違えれば遭難につながっていた。
この2人はこの経験が十分身に染みたようであり、今後はこういうことはないと思うが、
今後カムエクにアタックする登山者には、簡単な山ではないことを十分に意識し
(我がパーティーの300名山ハンターも、一番きつかったとコメントされている。)、
必要な訓練を十分に積んでほしいものである。
また、無理に登頂せず(気持ちは分かるが。)、
適宜撤退する選択肢を常に持っていてほしい。
こんな駄文を読む物好きがどのくらいいるか分からないけど。
(3)その他
今回はnamemania以外のメンバーの年齢層が比較的高かったこともあり、
全体的にゆっくり歩いた。
体力のある人なら、七の沢出合まで自転車やバイクを使うことで日帰りできそう
(実際そのような記録も見かけるし、今回も日帰りの登山者に会った。)。
そこまで体力がない人でも、2日目に一気に札内川ヒュッテまで戻ることもできそう。
怖いけれど、八の沢カールで幕営というのもありかもしれない(幕営の跡はあった。)。
いずれにしても無理は禁物ではあるが。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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とっても詳細なレコですご〜く参考になり読み入ってしまいました、少し遅い夏休みとして、金曜から3日関東より帯広へカムエク目的のものです、三年越しくらいで、行きたいタイミングで日高地方が天気予報悪くて今年も8月も下旬に、、また見送りかな〜というところnamemaniaさんのレコ!決して良くない天候のなか無事登頂されて、なんだか励まされました、水位次第で決行しようかな、と思いました。ありがとうございました、沢歩き初心者なので慎重に決めたいと思います
takakotakakoさん
こんにちは。
カムエクは交通手段の問題や、登山道がないこと、さらには行動時間が長くなることから、
特に非北海道在住者にはなかなか登頂が難しい山だと思います。
今回同行させたもらった300名山ハンターの方も、5、6回計画しては
断念することの繰り返しだったようです。
そういうことから、チャンスがあれば挑戦してほしいとは思いますが、
踏み跡やテープが多いとはいえ、バリエーションルートであるため多くのリスクを伴います。
稜線に出るまでたぶん電波は届きません。
電波が届いても救助にはかなりの時間がかかります。
できれば単独行は避け、バリエーションルートをやっている人に
同行してもらうことをお勧めします。
単独行やバリエーションルートになれていない人だけの場合、
札内川本流の徒渉で難儀するようであれば、
そのときはあきらめる方がいいのではないかと思います
(疲れがたまっている下山時にも徒渉することとなるので。)。
300名山を達成することはもちろん偉業ですが、
一番大事なことは無事下山することです。
登頂しても下山時に事故に遭っては意味がありません。
山は逃げないので(年齢の問題があったりしますが……。)、
いい状況のときに挑戦すればいいのです。
状況が悪ければ眺望も得られませんし。
是非、いい状況のときにさくっと登って、無事下山してください。
真摯にお返事いただき、ありがとうございます、落ち着いて判断して行動します!
こんばんは。私も、300名山ハンターなのですが、カムエクには未だ登ってないので、非常に参考になりました。
このルートは、バリエーションであり、明らかに登山の領域であります。登山というのは、初級の岩、沢、雪の技術がなければ、成り立たないと思います。
20時ごろ下山したという方は、初歩的な判断ミスを起こしていると思います。個人的には、遭難の原因は判断ミス以外にないと思っています。その判断ミスをなくさない限りは、遭難する可能性は払拭できないと思います。
NYAAさん
こんにちは。
本文にはあえて書きませんでしたが、ご指摘には全面的に同意です。
200名山だからとか、友達の〇〇さんが行けたからとか、
踏み跡があるからとか、安易に考えて登ってほしくはないです。
NYAAさんはバリエーションもやっておいでのようですので、
悪天候でなければ特に困難なくクリアできるのではないかと思います。
いい機会を見つけて、さくっと登ってきてください。
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