68.塩見岳「霧で見えない」鳥倉駐車場からテント泊
- GPS
- 67:08
- 距離
- 26.3km
- 登り
- 2,702m
- 下り
- 2,660m
コースタイム
- 山行
- 3:41
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 4:42
- 山行
- 10:11
- 休憩
- 2:16
- 合計
- 12:27
天候 | 一日目:曇りのち雨 二日目:一応晴れなれど山頂は霧で視界悪し |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
鳥倉駐車場は30台駐車でトイレ、水場もあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
鳥倉登山口から三伏峠小屋までは、桟橋が頼りなく感じて、雨天で湿ってる場合は注意が必要と感じました。 三伏峠小屋から塩見小屋までは泥状のぬかるんだ箇所もあります。 全体的に目印が随所にあって迷うことがありませんでした。 天狗岩から山頂までは岩場があって、雨天や濃霧の時は滑りやすい上に落石に注意です。現にヘルメットをかぶって山頂を目指す登山者とすれ違いました。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
テント
テントマット
シェラフ
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感想
第68座 「霧で見えない」
7月に入って、今まで使っていたパソコンのCドライブがデータが一杯のために不具合が生じて買い替えを迫られた。データの引継ぎやら、操作に慣れるためにバタバタしてしまって梅雨明けに登る予定だった登山を見送らざるを得なかった。
8月に入って、ようやく落ち着いて登山に行ける見通しも立った。今回登る山を塩見岳に定めたのは自宅からのアクセスが比較的近いという予算上の問題もあったし、この山をちゃんと登って、今後の登ることになるだろう南アルプス南部の4座、悪沢岳、赤石岳、光岳、聖岳の登山に弾みを付けたいという思いがあった。
登る時期は仕事の性質上、盆休みがないので、世間が盆休みの直後が比較的、駐車場も登山者も空いているだろうと思って、盆休み後の週末に設定。週間天気予報で週末の天気が良いことを受け、21日に有休を取って登山の準備を進めた。
今回の登山から、プラティパスの3リットルの水が入るハイドレーションを購入。約一年振りにテントや寝具をザックに詰めて20日の夜にクルマで鳥倉駐車場に向かった。23時頃に到着したが、停まっているクルマは10台程度で余裕で駐車場に停めることが出来た。
一夜をクルマの中で仮眠を取って、空が明るくなった6時10分に駐車場を出発。約45分車道を歩いたが、60リットル20キロ超のザックが重く感じた。6時55分に鳥倉登山口に到着。ここから山道になるのだが思いのほかの急勾配で、さらに辛く感じた。登り始めて30分が経過、三伏峠小屋まで2/10地点(標高約1990メートル)でたまらず一本を立てた。この時点で30分間隔で一本立てて、ゆっくりながらも三伏峠小屋にたどり着いてやろうと思った。
4/10地点を過ぎたあたりで、山道がやや緩やかになったような気がするが、それでも辛く感じた。随所に桟道があって滑り落ちないように慎重に通過した。6/10と7/10の中間に「ほとけの清水」という水場があって、細々と水が丸樋を通って流れていた。バテバテだった僕は当然のことながら、ここで一本を立てた。何杯もここの水を飲んで後半の登りに備えた。
重い荷にも挫けずに「三伏峠小屋まで あと200歩」の看板までたどり着いた。「鳥倉駐車場からここまで何千歩登ったのであろうか? でもあと200歩!」とどこかで聞いたことがあるような言葉を吐いて、10時50分に三伏峠小屋に着いた! 60リットル20キロ超のザックを背負って日本一高いところにある(といわれている)峠に着いたのだ! この時点で霧が濃かったのでテント設営後に登る予定だった烏帽子岳登山は諦めた。
テントを設営するために、三伏峠小屋の受付に向かった。受付には女性スタッフがおられた。
「あのぅ〜、テントを設営したいのですが・・・・」
所定の用紙に必要事項を記入して、何泊するかというところで、僕の計画通り二泊と記入しようとしたら、女性スタッフが、
「明日は塩見岳ピストンですよね」
「ええ、そうですが・・・・」
「テントに泊まる殆どの方が、塩見岳に登られた後に下山されてますよ。二泊で受付けた後に、予定変更で一泊にしますといっても、返金は致しかねますよ」
「いや〜、塩見岳ピストンが8時間前後と解って自信が持てなくて・・・・」
「では、今日だけ手続きをして、明日、塩見岳に登った後に体調と相談の上、もう一泊するという場合、改めて手続きするというのはどうでしょう?」
「そうですね、気が変わるかも知れませんしね。取りあえず、今日だけ手続きをお願いします」
と今日の一泊だけの手続きをした。この時点で、体がヘロヘロだったので、塩見岳ピストンの上に下山が出来るなんて夢にでも思わなかったが。
テント場に行くと、既に一張テントが張ってあるだけで余裕でテントを張ることが出来た。テントを張った後に、歩いて15分のところにある水場まで歩いて水汲みに出かけた。水場までの道のりが案外長くて、登山靴を脱がなくて良かった、軽く見てサンダルで出かけなくて良かったと思った。水汲みの帰り道に雨が降って、上衣は雨具を着忘れたので、すっかり濡れてしまった。
昼頃になると次々と登山者が到着。この日は10張前後のテントが張られた。僕はというとテントを叩き付ける雨音を聞きながら本を読んだり、明日の塩見岳への道のりを予習したりと過ごしていた。17時頃には夕食を済ませて、明るいうちに寝てしまったのだが、目が覚めたのが22時頃で、再び眠れないままに22日の朝を迎えてしまった。
まだ暗い3時頃に朝食を摂り、ウォーミングアップがてら、水汲みも行った。昨日がヘロヘロだったので、今日は大丈夫だろうか? という不安を抱えながら4時45分に三伏峠小屋のテント場を出発した。この時はさすがに30リットルのザックを背負っていたが、重荷から解放されて体が軽く感じた。三伏山に着く前に先行していたツアー客のパーティーに追いついてしまった。
三伏山を登った時点で、いつも持って来ていたカメラの三脚をテントの中に忘れて来たのを思い出した。いい感じで登れているのに、取りに行くために引き返すのも勿体なく感じて、山頂に着けば誰かがいるだろうから、撮ってもらえばいいやと思って、そのまま登山を続けた。
一旦降って、お花畑を登っていくと本谷山山頂だ。そこから塩見岳を見たのだが、山頂を覆っていた薄い雲が上から下へと山肌を滑るように流れる現象を目の当たりにして不思議なものを見たなと思った。本谷山を降ると、立ち枯れの林の中を歩くのだが、この辺りはほとんど平坦な道が続いた。樹林帯に入ると勾配がきつくなり、樹林帯はやがてハイマツが茂る山肌と変わっていった。この地点で霧が濃くなっていた。
7時30分に現在工事中の塩見小屋に到着した。改築工事中のため宿泊は出来ないが
、売店は営業していた。僕はここで使っていたポールをザックの横ポケットにしまって、天狗岩から始まる難所越えに備えた。
7時45分に塩見小屋を出発。霧のため、どれが天狗岩なのか気付かないまま、岩場に突入。三点確保で岩を攀じるようにして登り、ペンキの印を見失わないようにして登った。そして、8時50分に三角点がある西峰を、9時に最高峰である東峰を登頂した。この当時、風が強くて寒かったので長く留まる登山者は少なかった。西峰はたまたまいた男性登山者に写真を撮って頂き、東峰は誰もいなかったので自撮りで撮影して、さっさと下山することとなった。
10時5分に塩見小屋に戻り、売店で山バッチを購入。来た道をたどる様にして本谷山、三伏山と通って、12時45分に三伏峠小屋に戻った。テント撤収が約1時間、ここから鳥倉登山口を通って駐車場までは約3時間かかることを考えると、明るいうちに下山が出来ることを確信した僕はテントを撤収、ついでながら昼食もその後に摂った。
14時15分に三伏峠小屋を出発。この時点では再び60リットル20キロ超のザックを背負っていたが、16時25分に鳥倉登山口を通過、17時15分に鳥倉駐車場に到着して、何とか明るいうちに戻ることが出来た。この日だけでも約20キロを歩き通せて、こんな僕でも、3日間の予定が2日間で済むことが出来て、俺って今日、よく頑張ったなぁ〜と思った。
(同じ日に日帰りで鳥倉登山口から塩見岳ピストンをした登山者の方々が、早々とヤマレコにアップされていたのを読んだのだが、上には上がいるものだなぁ〜と素直に凄いと思った)
でも、二日間で27.6キロを歩いたことは、下界では暑くて、多くの距離を走ることも歩くことも容易ではないので、貴重な経験をしたと思っているし、大きな自信にもなったと思う。一日目の三伏峠小屋の女性スタッフの進言のお陰で一日早く下山出来て本当に良かった。小屋を後にする時に挨拶をしたら別の女性スタッフで直にお礼が言えなかったけど、本当にありがとうございました。
こうして、南アルプスの百名山で残っているのは悪沢岳、赤石岳、光岳、聖岳となった。この4座は登頂が難しいというイメージがあって手は付けていなかったのだが、今回の塩見岳の登頂で、その権利を得たと思っている。いずれは、これらの山々に挑戦出来るように、さらに精進して挑みたいと思っている。
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