南アルプスの水源と難関岩稜帯をたどる旅(一級水系源流完全制覇の旅29/109富士川水系源流・鋸岳)
- GPS
- 14:07
- 距離
- 26.5km
- 登り
- 1,991m
- 下り
- 1,991m
コースタイム
- 山行
- 10:59
- 休憩
- 3:07
- 合計
- 14:06
天候 | 曇後晴、一時雨(復路の釜無本川工事用道路5km地点から釜無川駐車スペースまで) |
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過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
一級水系源流完全制覇の旅第26夜、富士川水系源流の南アルプス・鋸岳へ行ってきました。
富士川は、その源を山梨県北巨摩郡白州町と長野県諏訪郡富士見町境の 鋸岳(標高2,685m)に発し、途中多くの支流を合わせながら山間渓谷部を抜け、甲府盆地を南流し、盆地の南端山梨県西八代郡市川大門町において笛吹川を合わせて再び山間渓谷部に入り、静岡県富士市と庵原郡蒲原町の境において駿河湾に注ぐ、幹川流路延長128 km、流域面積3,990km2(沼川流域含む)の一級河川です。
本川である釜無川の他に大きな支川である笛吹川があり、笛吹川は奥秩父の甲武信ヶ岳が源流で、釜無川は南アルプスの鋸岳が源流となっています。甲武信ヶ岳は第4夜で訪ねており、今回鋸岳山行を計画していた友人と予定を合わせ、いよいよ本川源流へチャレンジすることとなりました。
今回計画したのは、釜無川沿いに富士川水源を経由して横岳峠へ詰め、そこから三角点ピーク、角兵衛沢のコルを経由して鋸岳第一高点までをピストンするもの。鋸岳を目指すルートの中でグレーディングが低いものになります。途中の旧大昭和製紙ログハウスや横岳峠でビバークする泊行の方法もありますが、今回は日帰りピストンとしました。
釜無本川工事用道路ゲートの手前の駐車場スペースに到着したのは午前3時半過ぎ。すでに数台の車が停まっており、ほぼ同刻にバラバラとみなさん出発となりました。我々も午前4時に駐車スペースを出発。釜無本川工事用道路ゲートをくぐり、延長9km強の工事用道路歩きへ。中川出合(中ノ川工事用道路との分岐)までは、現在国土交通省富士川砂防事務所が施工中の工事があるため工事用道路がしっかりしていますが、その先は次第に道が悪くなり、悪沢ダム付近のゲートから先は崩落箇所多数で、3回ほど河川敷に降りて河原歩きを余儀なくされました。その間、渡渉が2回ほど。河原へ降りるポイントには赤テープがありますが、分かりにくいものもあるので見落としに注意が必要でした。
工事用道路は0.5kmごとに距離標があり、ラストは9.2km地点。その先に仮橋がかかっていて渡るとすぐ左手に旧大昭和製紙のログハウスがあります。ログハウスを超えると、釜無川源流部のガレ沢沿いに樹林帯で高度を上げつつ、沢の渡渉も2回こなし詰めていくと「富士川の水源こちら」の標識とその先に岩の隙間から滔々と流れ出す水。富士川の水源の水は、特に下りの時冷たく疲れた身体には沁みました。山と高原地図では、このあたりに「富士川の水源」と書かれた標柱があるとのことでしたが、それは行きも帰りも見つけられず残念。2019年の台風で大きな被害のあった流域でもあり、もしかしてその時に流されたのかな?と想像しています。
富士川の水源を過ぎると、沢から離れて尾根伝いに急坂を登り詰めて横岳峠へ。いくつかの急登のうち、ここの急登が最初の関門。倒木もあって一筋縄にいかない踏み跡をたどり、水源から約300m弱を一気に引き上げ、2,000m近い稜線に出ます。
横岳峠はビバーク適地で尾根でありながら比較的広いなだらかな場所です。ここからさらに三角点ピークへは標高差約600m。単調な急登で富士川水源から横岳峠と同様に倒木もチラホラ現れる急登で樹林帯をところどころ休みながら進みます。このあたりからはただの樹林帯ではなくシャクナゲとハイマツの薮も登場して行く手を阻みます。三角点ピークの少し手前あたりで、ザレ斜面とともに南西方向の見晴らしが開けると、目の前には南アルプスの女王・仙丈ヶ岳。さらに高度を上げたところで、稜線伝いに鋸岳も姿を現します。
三角点ピーク(2,607m)は、本物の三角点には我々では到達が難しそうだったので、ルートから一歩入った岩場のスペースにて一時休憩。ここからは一旦急坂&岩稜帯下りで標高を下げつつ、岩稜帯とハイマツの藪漕ぎをアップダウンを繰り返しながら角兵衛沢のコルまで進むのですが、少しルートから外れると北東斜面も南西斜面も崖に直面するので、そこそこのルートファインディング能力を求められました。角兵衛沢のコルで角兵衛沢ルートと合流し、最後の急坂で120mの標高差を詰めると、そこは360°の視界で南アルプスから中央アルプス、伊那谷、甲府盆地が一望できる鋸岳第一高点。
山頂はそんなに広くはないですが、10人弱までなら休憩できるスペースがあり、そこで記念撮影のあと、南アルプスの山々を眺めながら昼食としました。天気はそこまで期待していなかったものの、甲斐駒ヶ岳や北岳、間ノ岳、蝙蝠岳、仙丈ヶ岳が一望でき、暑いくらいに陽も当たったので大満足の登頂となりました。
下りは同じルートをたどるのですが、やはり厄介だったのは、角兵衛沢のコルから三角点ピークまでの岩稜帯、そして体力をジワジワ削られる三角点ピークから横岳峠、横岳峠から富士川水源、釜無本川工事用道路の各区間でした。
山頂では戸台河原からの周回で甲斐駒ヶ岳から鋸岳へ縦走されたご夫婦にもお目にかかりましたが、憧れはあったものの縦走コースは第一高点から眺めるだけでも厳しさを感じたものが話を聞くとさらに確信に変わり、なかなか手は出せないなぁと思った次第です。
帰りも要所要所で休みを取りつつ、18時ちょうどに釜無本川工事用道路ゲートを通過。無事に帰りつきました。
復路では道の駅信州蔦木宿のつたの湯で入浴しましたが、これまでで一番気持ちよかった山行後の温泉でした。
これで当面の目標に記載していた山を1つクリア。次に向かって準備していきたいと思います。
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