南ア北部 黒戸尾根〜甲斐駒ヶ岳〜早川尾根〜地蔵岳〜ドンドコ沢

- GPS
- 52:53
- 距離
- 30.1km
- 登り
- 4,133m
- 下り
- 3,778m
コースタイム
駒ヶ岳登山口08:20→笹ノ平分岐点10:40→(昼食)→刀利天狗13:35→14:25五合目14:50→15:35不動岩15:40→16:08七丈小屋(幕営;テン場はゲキ混み)
7/18(日)
テン場05:10→06:00八合目06:10→07:12駒ヶ岳神社本社→07:18甲斐駒ヶ岳山頂08:00→(何度も団体登山者とのすれ違い待ちあり)→09:04駒津峰
駒津峰09:14→10:09仙水峠(昼食)10:30→12:10栗沢山12:25→(子連れ家族を心配し,アサヨ峰手前で20分ほど様子見)→13:41アサヨ峰13:55→15:40早川尾根小屋(幕営;混雑)
7/19(月)
テン場04:45→05:40赤薙沢の頭05:45→05:58白鳳峠06:08→07:00高嶺07:20→赤抜沢ノ頭08:00→08:40鳳凰小屋(骨折者ヘリ救助&昼食)09:40→13:00薬師岳分岐→13:05駐車場着
| 天候 | 7/17(土) 曇りのち一時雨(晴れていなくて助かりました。晴れていたらもっとバテていたかも。) 7/18(日) 晴れ(甲斐駒ヶ岳山頂からは,360度の絶景でした。) 7/19(月) 晴れ(早川尾根の高嶺山頂から,北岳・甲斐駒・鳳凰三山など南アの名峰の眺めを堪能しました。) |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・ 薬師岳登山口駐車場は狭く,3〜4台しか駐められないのですが,幸い,当日はまだ2台しか駐車していなかったので,クルマを置けました。 ・ 駒ヶ岳神社入口の駐車場は80台収容とありますが,満車に近い感じでした。 ・ 帰りにバイクを回収したあと,近くの「尾白の湯」(700円)で汗を流しましたが,きれいで広い快適なお風呂でした。露天風呂は二つ。寝湯やサウナもあります。館内には食事処があり,運転する方用に,キリンのノンアルコールビール(400円)も売っていました。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
【第1日目】 ○甲斐駒ヶ岳登山口〜刀利天狗 ・ 吊橋を渡った先にある登山口の標高は770メートル。ここから標高1,420メートルの笹の平分岐までの標高差650メートルの急登「十二曲がり」がいきなり始まりますが,樹林帯の中の登山道はよく整備されており,歩きやすいです。 ・ テント装備の重荷では,最初は体を慣らすため,意識的にペースを落として歩いたほうがよいと思います。 ・ 歩き始めの標高が低いので,曇っていても暑いです。すぐに汗が噴き出してきたので,濡れたタオルを首にかけ,汗を拭きながら登りました。 ・ 笹の平分岐を過ぎると,その名の通り道はいったん平坦になりますが,すぐに次の急登「八丁坂」が始まります。標高差450メートルほど登ると,前屏風の頭を過ぎ,「刃渡り」の岩場となります。 ・ 刃渡りには,しっかりしたクサリがかけられていて,それほど緊張感もなく通過できます。 ・ 刃渡りを過ぎるとハシゴやクサリ場が出てきて,いよいよ重荷には厳しい登りとなります。途中,雨が降り出したので,雨具を着用し,祠のある刀利天狗には13:35,歩き始めて5時間少々で到着しました。 ・ 刀利天狗には,ベンチも置かれているので,休憩にはもってこいです。 ○刀利天狗〜七丈小屋 ・ 刀利天狗を過ぎてもしばらくは登りが続きますが,黒戸山山頂北側を巻くところから平坦になり,少し下ると五合目小屋跡に出ます。 ・ 五合目小屋跡で,雨宿りを兼ねながら昼食休憩を25分ほど取りました。平坦地なので,緊急時にはテントを張ることもできます。 ・ 五合目小屋跡を過ぎると,すぐに屏風岩に出ます。ここから七丈小屋までは,ハシゴとクサリ場の連続となり,重荷には辛い登りです。七丈小屋の手前の最後のハシゴはほぼ垂直で,登るのはできても,降りるのはかなり勇気がいります。 ○七丈小屋情報 ・ さすがに海の日の3連休だけあって,小屋は大混雑。ビールは売り切れでした。テン場も16時の段階で利用者65人とのこと。2カ所のテン場はどちらもテント同士くっつき合ったような混雑でした。 ・ 水場は冷たい湧き水です。やわらかく甘い感じ。トイレもとてもきれい。 【第2日目】 ○七丈小屋〜甲斐駒ヶ岳 ・ 七丈小屋から八合目まではやや急な普通の登山道です。 ・ 八合目を過ぎると,急なクサリ場が何カ所も出てきます。ストックは仕舞っておいたほうが安全です。 ・ 八合目から上は,晴れていれば展望が一気に広がります。特に山頂方向に加え,早川尾根〜地蔵岳,八ヶ岳方面の展望が良いです。 ・ 甲斐駒ヶ岳東峰に本社があります。私はここでお祈りや登頂御礼を済ませてから,山頂に向かいました。 ○甲斐駒ヶ岳〜仙水峠 ・ 山頂は遮るもののない大展望が広がります。南アの名峰はもとより,富士山,八ヶ岳,中央アルプス,御嶽,乗鞍,北アルプスなど中部山岳の主な山はすべて見えます。 ・ 山頂からの下りは,直登コースと巻道コースがありますが,直登コースは巨岩の上を歩くのでかえって時間がかかります。 ・ 北沢峠から山頂往復する登山者が多いので,団体客と交差すると待ち時間が取られます。登り優先とばかり,こちらの迷惑も顧みずのんびりしたペースで登られると,さすがにアタマに来ますね。 ・ 駒津峰は甲斐駒ヶ岳の良い展望台で,山頂も広いので休憩に向いています。 ・ 駒津峰から仙水峠までは樹林帯の中の急降下です。 ○仙水峠〜早川尾根小屋 ・ 仙水峠から栗沢山への標高差450メートルの登りがきついです。私の場合1時間40分かかりました。 ・ 栗沢山からアサヨ峰までのルートも遠くからは大したこと無いように見えますが,結構な岩場です。 ・ アサヨ峰から早川尾根小屋までは,いくつかのピークを越えるアップダウンで,距離があります。 ○早川尾根小屋情報 ・ なんと言っても,すごく冷たくおいしい水がたくさん出ているのが,うれしいです。小屋で買ったビールをここで冷やして飲むとさらにウマイでしょう。 ・ 1泊2食の代金は6,500円らしいですが,弁当箱に入ったおかずがすごくおいしそうでした。イカの刺身もあったらしい。テント料金も一人400円と格安です。 【第3日目】 ○早川尾根小屋〜地蔵岳 ・ 早川尾根は基本的に樹林帯の中を歩きますが,途中,赤薙沢ノ頭と高嶺の2つのピークは展望が良いです。特に,高嶺はさすがに地蔵岳より標高が高いだけあって素晴らしい展望です。 ・ 早川尾根は静かな歩きを楽しめますが,赤抜沢ノ頭に出ると,とたんに数多くの登山者に出合い,騒がしくなります。 ○地蔵岳〜鳳凰小屋〜ドンドコ沢 ・ 地蔵岳のオベリスク周辺も多くの登山者でにぎわいます。賽の河原からは甲斐駒ヶ岳を望むことができます。 ・ 鳳凰小屋への下りは,花こう岩の砕けた砂地の登山道で,靴が砂にめり込むような感じです。登りは辛いですね。 ・ 鳳凰小屋のトイレは垂れ流しなので,ひどく汚く,くさいです。テン場にトイレの匂いが漂います。昨秋一度利用しましたが,改善されるまでは,もう利用しないつもりです。 ・ ドンドコ沢は標高2,380メートルの鳳凰小屋から標高1,100メートルの青木鉱泉まで,標高差1,280メートルを下ります。 ・ 途中,登山道近くに4つの滝を見ることができます。夏の暑い時期,水しぶきが気持ちよいです。また,秋の紅葉の時期もきれいです。 |
| 予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
【この縦走コースについて】
・ 甲斐駒ヶ岳には,これまで2回登頂していますが,いずれも仙水峠〜甲斐駒ヶ岳山頂〜北沢峠のコースでした。標高差が実に2,200メートルに達する長大な黒戸尾根から登って初めて,本当の意味での甲斐駒ヶ岳登頂と言えるのではないか,とかねてから考えていました。
・ また,甲斐駒ヶ岳から南東に延びる早川尾根は,南ア北部の名峰を望める,絶好の展望コースであり,いつか歩いてみたいという思いもありました。
・ そこで,海の日の3連休を利用し,この黒戸尾根と早川尾根をつなぐ2泊3日のテント縦走をしてきました。
・ 幸い天候にも恵まれ,素晴らしい展望を楽しむことができました。
・ また,2日目の栗沢山以降は,同じコースを単独テント縦走していたアルジェリア人のNさんと下山までご一緒し,予期せぬ国際交流にもなりました。Nさん,お世話になりました。
【黒戸尾根について】
・ 黒戸尾根の登りは,さすがにきつかったです。特に,五合目小屋跡から七丈小屋までの登りは,ハシゴの連続で,テント装備の20圓離競奪でこれを越えたときは,息も絶え絶えになりました。北岳の八本歯ノコルへの登りに似ていて,重装備ではきついですね。
・ 七丈小屋から甲斐駒ヶ岳山頂までの登りでも,八合目を過ぎたところから続くクサリ場がきついです。特に,一カ所オーバーハングとなっている場所では,ザックを担いだままクサリにぶら下がって上部の岩の足場を確保しなければなりませんでした。
【甲斐駒ヶ岳について】
・ 以前,駒津峰側から登ったときには全く気がつきませんでしたが,山頂直下に「駒ヶ岳神社本社」があったのですね。お参りをするならば,こちらまで足を運ぶ必要があります。
・ 山頂では,携帯電話で話している方が結構目に付きました。登頂の喜びを伝えているようで,皆さんにこやかだったのが印象的でした。
・ また,以前に比べて,若い登山者の姿が目に付きました。中高年の私が言うのも何ですが(^^;),若い方が増えてくると山の雰囲気も明るくなって,活気が出てきますね。
・ 駒津峰への下りでは,相も変わらず中高年中心の20〜30名のツアーが他の登山者の迷惑も顧みず,続々と登ってきて,かなり待たされることが多かったです。本当に迷惑です。せめて10名以下にして欲しい。
【早川尾根について】
・ 早川尾根では,仙水峠から栗沢山への登りがきつかったです。そこからアサヨ峰山頂までの岩場もなかなか険しくて楽しめます。ただ,ガスで展望がなかったのが残念でした。晴れていれば,迫力ある甲斐駒ヶ岳の姿が目の前に見えるそうですね。
・ アサヨ峰から早川尾根小屋までは,距離が長く,アップダウンがあって意外に疲れました。
・ 尾根後半では,赤薙沢の頭,高嶺と2つのピークがあり,どちらも好展望が楽しめます。特に高嶺は素晴らしい展望ですが,白鳳峠から高嶺への登りは,かなりきついです。
・ 早川尾根は,歩く人も少なく,玄人好みの地味なルートかなと思っていましたが,南ア北部の名峰を望む,素晴らしい展望の尾根でした。ここから鳳凰三山を越えて夜叉神峠まで歩くのも楽しいでしょうね。
【地蔵岳とドンドコ沢について】
・ 早川尾根から赤抜沢ノ頭に出た途端,すごい数の登山者に出くわしました。そして甲斐駒以上に若い登山者が目につきました。
・ オベリスクは,本当に不思議な岩ですね。遠くからでもすぐにわかる,鳳凰三山のシンボルだと思います。
・ 鳳凰小屋では,肋骨を骨折したらしい登山者がヘリで搬送されていました。皆さん,けがをしないように気をつけましょう。
・ ドンドコ沢コースは,登山道近くを大きな滝が4つも流れ落ちていて,見事な景観を楽しめます。昨秋は,紅葉のきれいな時期にこのコースを登り,鳳凰小屋に幕営して夜叉神峠まで歩きましたが,夏のこの季節も,流れ落ちる水飛沫が涼しく,気持ちよかったです。
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りきまる













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