上ノ廊下
- GPS
- 37:14
- 距離
- 68.0km
- 登り
- 3,565m
- 下り
- 3,714m
コースタイム
- 山行
- 6:14
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 7:34
- 山行
- 7:22
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 7:30
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 8:38
- 山行
- 8:08
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 9:08
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
上ノ廊下 ・水量は少なめ(多分) ・口元ノタル沢のゴルジュは右岸からアプローチして左岸へ渡渉。そのまま右壁をトラバースで突破。 ・金作谷出合いあたりで右岸から左岸への泳ぎが1か所。 伊藤新道 ・湯俣川渡渉はたくさんあり。平水がわからないが多分多くはない。深くても腿くらいまで。 ・ガンダム岩も下部を簡単に歩けた。 |
その他周辺情報 | 高瀬ダムから七倉温泉までは落石の影響でタクシー乗り継ぎ。2300円。 高瀬ダムから乗って途中で降ろされて15分くらい車道を歩いてその先のタクシーに乗車するシステム。 |
写真
感想
4年前に敗退した上ノ廊下へ再訪。
台風の進路によっては天気が荒れそうだったけど、その頃には核心は超えてて下山だけなら問題ないと判断。
8月8日(木)
仕事終わってそのまま大町へ。パートナーと合流して七倉温泉へ行き車1台をデポ。
それから扇沢へ。この日はここで車中泊。
8月9日(金)山行初日
5時過ぎに準備して扇沢駅へ。お盆休み1日前のおかげで混雑はほぼなし。
7:30の始発のバスで黒部ダムへ。ダム出口を間違ってまさかの展望台へ登るというミス。無駄な時間と体力を消費した。
平の小屋少し手前で小屋から来た登山者から小屋周辺に熊が居座っているという話を聞きちょっとビビる。
結局姿は見えなかったが、小屋に行って話を聞くと小屋のすぐ目の前でウロウロしていて爆竹鳴らしても居座っていたらしい。
12時の船で対岸へ、と思っていたらまさかの定員オーバーで待ちぼうけ。10分ほどで第2便に乗船。
奥黒部ヒュッテで話を聞くと数日前の雨の影響がまだあり、水量も多いんじゃないかとの話。この日の上ノ廊下入渓パーティーは先行している単独行者、ここまで前後しながら歩いてきた4名組、そして自分たちの3パーティ。4人組はこの日は奥黒部ヒュッテ泊とのこと。自分たちは釣りもしたいので入渓する。
あまり先へ進むと朝一番で口元ノタルゴルジュになるし、釣りの時間も取れなくなるので、この日は下の黒ビンガ手前の河原で行動終了。
テン場を整地して装備を片付けてから釣りへ向かう。あまり時間もいいポイントもなかったが何とか3匹キープ。
虫もいなくて夜は満天の星空。寒くもなく快適に眠れた。
8月10日(土)山行2日目
今日が上ノ廊下核心の日。
のんびり朝食食べて準備してたら出発は6時前という体たらく。
出発するころには既に後続のパーティーも来ていた。
出発前にログ取り忘れるほど頭もボケている…しっかりせねば。
20分ほど歩くとすぐに下ノ黒ビンガが正面に見えてくる。出発が遅いおかげで既に上部は朝日に照らされていた。
4年前の遡行時はここから口元ノタル沢までの間に泳ぎ含めて面倒な渡渉が2回あったけど今回は2人でスクラム組んだら楽々渡渉できたのでやはり水量は少ないんだろう。
6:40頃に口元ノタル沢出合い着。4年前はここが超えられずに敗退したのでちょっと緊張する。
取りついてみると前回は簡単に右岸をへつりながら奥まで進めたり、右岸・左岸へ行ったり来たりは割と楽にできたと記憶してるが、今回はそれがちょっと面倒になってたので流れが変わってるんだろう。
泳ぎが苦手な自分にはやはり右岸突破は難しそうなので右壁に取りついてみる。
腰〜胸位まで水に浸かるも水圧はそれほどでもなくホールドも悪くなかったので思いの外すんなりと突破出来た。
そのまま右壁をペタペタと歩いていくと降り口は3〜4m程高さがありホールドも乏しい。残置支点があったので懸垂で降りて無事に核心突破。
この先は未知の領域。ルーファイを楽しみながら進んでいく。
何度も渡渉を繰り返すも、ほとんど腰下程度。所々で胸位までの深さがあったりするがスクラム渡渉で不安なく渡れた。
1か所だけ左岸から右岸へ泳ぐところがあったが、泳ぎが苦手な自分でも空身でなんとか渡れた。荷物とパートナーはロープで引っ張り無事に突破。
それ以外は難所もなく景色を楽しみながら遡行していく。
12:50頃には立石奇岩へ到着。ようやく見れた景色に写真を撮りまくる。
このまま進むと登山道も合流して人も多くなりゆっくり釣りもできなくなりそうなので適当なところで少し早めに行動終了とすることに。
13:30にはテン場に着いたのでのんびり釣りを楽しむ…と、後ろからソロの人が上がってきた。昨日の先行者もそうだがソロで遡行できるのは凄い。
肝心の釣りは尺釣りたいと粘ったものの、最大は27冂度と一寸届かず。数は15匹だったがチビばかりだった。
この日も満天の星と焚火で最高の夜。朝までぐっすりと快眠だった。
8月11日(日)山行3日目
今日も朝はのんびり。空が明るくなってもまだダラダラしていたら上流からソロの人が降りてきた。話を聞くと今朝0時に折立から歩いてきて今日中に奥黒部ヒュッテまで行くらしい。上ノ廊下に単独で来る人はやはり常人の思考の外にいる人ばかり。
快晴の空の下、今日も6:00出発。
特に難所もなく1時間ほど歩くと対岸に人が見えた。どうやらここが大東新道のようだ。
左岸を進んでいたが降り口が3〜4mほどありホールドが乏しい。クライムダウンも出来そうだったが残置支点もあったので相談の末懸垂で降りる。
この先から右岸沿いの登山道にはちらほらと登山者の姿が見えるようになる。
渓相も穏やかになり素晴らしい景色が広がる。
やがて前方に吊り橋と人影が見え始めるともう上ノ廊下のゴールが近い。
8:30頃に薬師沢小屋に到着。大勢の人で賑わっていた。
天気も良かったので装備を乾かしたりと大休止。結露したツェルトもあっという間に乾いた。
休憩後に遡行を継続。ここから先が奥ノ廊下になるのかな。
赤木沢出合いは噂に違わぬ見事な景観。その後もほぼ平坦な河原歩きが続く。
途中では釣り師2人のテント泊パーティが釣りをしていた。
確かに魚影は濃いので途中から竿を出しながらの遡行に切り替える。
ポイントも魚影も多いが、思ったよりもシビアでフライを見に来るが食わない、口先だけでつついているのかフッキングしないパターンが多く、なかなか釣れない。
あまり釣りばかりしているわけにもいかないので20匹釣ったところで納竿。遡行に専念する。
傾斜のある登りは疲れた体と重荷にはしんどい。
14:00頃に登山道に合流。余裕があれば岩苔乗越まで行きたかったが、体力的にも時間的にも余裕がないのでこのまま三俣山荘へ。
山荘は予想通りの大混雑。テン場ももはやスペースはない。
花が咲いている平らな草地もあったが、さすがに植生保護の観点からNGだろうと登山道脇の猫の額のようなスペースに無理やりツェルトを張る。
その後もテント泊者は増え続け、結局張る場所がないので一人が草原にテントを張ると次々へと草花の上へテントが張られていた。中には張るのを躊躇してガレ場の斜面へ張りに行った人もいて感じ方は人それぞれなのだと感じた。
8月12日(月)山行4日目
早朝に目が覚めて空を見るとこの日も満天の星。
鷲羽岳に登る登山者のライトが次々に連なっていく。
台風の影響でこの日の天気が心配だったが、いい天気になりそうだ。
テン場を撤収して三俣山荘前で最後の出発準備。北鎌尾根のシルエットが見事だった。
5:00に山荘を出発。
伊藤新道へ入ると槍ヶ岳と硫黄尾根の絶景。刻一刻と変わる景色になかなか足が進まない。
尾根に入ってからは樹林帯の中、一気に標高を下げていく。所々で硫黄尾根と槍ヶ岳の絶景が見えるのでまた足が止まる。
急な下りが終わると緑のホースがある赤沢渡渉点。
本来のルートはここで赤沢を渡渉して対岸へ続いているようだが、それに気づかずにそのまま赤沢を下降していく。
赤沢出合いでルートミスに気付くも水量もそれほど多くなく渡渉できそうなのでそのまま湯俣川を下降。
渡渉は深くても腿程度。岩伝いに渡れるところが多いのでラインを選びで難易度も変わりそう。
ここから先はとにかく絶景が続いて写真ばかり撮ってなかなか進まない。
噂のガンダム岩は水量が少ないので脛くらいまでしか浸からず下部を楽々通過できた。
噴湯丘が近くなると観光客の姿もちらほらと見えてくる。
足元からはそこら中から温泉が湧き出ていて岩が黒くなっているところは超熱湯。
川の岩も真っ白になっていて水温もぬるい。
湯俣川のシルキーブルーと赤茶けた岩壁、空の青と山の緑でとにかく素晴らしい景色だった。
11:15 伊藤新道分岐に到着。素晴らしい登山道だった。
あとは黒瀬ダムまで消化試合的な歩きが続く。ここが結構長い。
14:08 高瀬ダム着。七倉温泉まで歩こうかと思ってたけど、パートナーの希望もありタクシー利用。ちょうど前後して歩いていた2人組と相乗りで七倉まで2300円。
落石事故の影響で七倉までの乗車はできず、途中で一度降ろされて15分ほど車道を歩き向こう側のタクシーに再び乗るという謎システム。
当然道路上にはもう落石もないが乗客を乗せての通行はNGということだろうか。
崩落個所には係員がいてヘルメットの貸し出しをしている。が、着用は任意とのこと。本当に謎システム。
心配した天気もこれ以上ない前日快晴、心配した体力も前週、前々週のトレーニング山行のおかげで割と余裕があり、文句なしの山行。
4年前に敗退したときはもう来るチャンスは無いかなと思っていたが、今回無事に遡行できたのは本当に嬉しかった。
上ノ廊下も奥ノ廊下も伊藤新道も全て素晴らしく、最高の思い出になった。
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