朝日連峰 朝日川 黒俣沢ガンガラ沢 ゴルジュ突破
- GPS
- 19:50
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 2,765m
- 下り
- 2,771m
コースタイム
- 山行
- 7:32
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 8:09
- 山行
- 9:58
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 11:32
天候 | 14日 曇り時々晴れ時々雨 15日 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最上川水系 朝日川 黒俣沢ガンガラ沢 体感4級(ゴルジュ突破)ラバー◯ 水量やや多い 雪渓1100m付近にブリッジあり 魚影濃い アブウザい ■アプローチ 朝日鉱泉から登山道で朝日俣沢と黒俣沢の出合いまで歩き、黒俣沢に架かる吊橋の袂から入渓。 歩き出しから入渓まで2時間弱。 ■黒俣沢ガンガラ沢遡行 1日目 入渓してしばらくは、朝日らしい白い岩盤とグリーンの釜処を持つ素晴らしい渓相の中を穏やかに進む。 1ヶ所だけ水流が強くて泳ぎで突破出来ない淵があり左岸巻き。 積極的に水線に入りながら楽しく遡行して行くと、あっという間にガンガラ沢の出合いに着く。 ここまでは難所はなく魚影も濃い。 ガンガラ沢の出合いに架かる7m滝は右岸巻き。 懸垂なしで降り立つと5m2条が立ち塞がり、ここからガンガラゴルジュの始まり。 5m2条滝の右岸には尾根の末端があり、通常はここからゴルジュの大高巻きが始まると思われるが、5m2条をあっさり直登してゴルジュ帯に突っ込む。 ゴルジュ帯はまさに圧巻の一言。 記録がまったくないので何が出てくるかわからないが、側壁は絶望的に高く、突破出来なければ戻るしかない。 ゴルジュの詳細は写真に載せるのでここでは省くが、みんなで力を合わせて全身全霊で突破した。 こんな素晴らしいゴルジュを巻くのは非常にもったいない。 朝日でもトップクラスのゴルジュだと思われる。 ゴルジュを抜けると河原が広がり、少し行くと15mの大滝。 滝のほぼ真下に近い左側を少し整地して幕とした。増水したらアウト。 2日目 朝イチで大滝の登攀なので一応ザイルは出したが、滝の右壁から卦蘢度で登れる。 大滝上の河原に少し整地すれば泊まれる場所が何ヶ所かあった。 その後も滝を越えて行くと次第に視界が開けてきて、開放感の中に現れる滝を直登したり巻いたりしながら進む。 950m二俣に崩れた雪渓あり。チェンスパを履いて雪渓の残骸の上を越えると、その先1100m付近についにブリッジ登場。 右岸から巻きに入り、あまり上がりすぎないでニラ岩トラバース。雪渓が切れる辺りを目掛けて懸垂で雪渓をクリア。 雪渓はここだけだったので助かったが、それでも巻きに1時間弱はかかった。これが2回3回ともなれば時間はかなり押すだろう。 因みにこの雪渓は9月にもなれば崩れると思う。多分。 その先の登れない滝を右岸から巻いた後はさらに開放感が増し、小屋がある方向の詰め上げる稜線が見えて素晴らしい景色だ。 あとは難所はないが、標高差であと500m辺りからとにかく辛いゴーロ歩きが続く。 源頭付近になると草付きのお花畑になり、いつ終わるんだろと黙々と高度を上げると、突然小屋が目の前に現れ感動のフィニッシュとなる。 ■下山 一般登山道の中ツル尾根を利用。 鶏氏は3時間ちょいで下山。 モーリー、タカシーはバテバテで5時間越え。 沢の素晴らしさより下山の辛さが勝った。 |
その他周辺情報 | 五百川温泉 150円 中華料理 新華棲 |
写真
装備
個人装備 |
登攀具一式
泊り装備一式
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感想
Y字雪渓と言えば大朝日の顔ともいうべき存在。そのY字雪渓を抱くガンガラ沢は沢登を始めたころから気になってました。そのガンガラ沢黒俣沢を今回念願かなって登ることが出来ました。
台風が東北地方を直撃したかとおもうと続けざまに東北地方を襲うように発生する台風。直前までヤキモキしたものの、決行日が丁度台風と台風の狭間にはまって一安心。青空ものぞく時間帯もあって最高の沢登となりました。
みんなでワイワイ楽しく突破した滝を肴に焚火で飲む酒。これぞ朝日という最高の沢登り。仲間に感謝です。ただ何か所も刺されたアブだけは泣きが入ります。逃げるように歩いたせいで帰り道にカッパのズボン落としたのにも気が付きませんでした。
朝日連峰の主峰、大朝日岳。
その大朝日のY字雪渓と言えば、沢登りをしない方でも広く知られている朝日連峰のシンボルである。
東北の山ヤには、朝日や飯豊に強い憧れを抱く方が多く、何か特別な存在を漂わせている、そんな山域である。
私もその内の一人であり、沢登りをする前から一般登山でも雪山でも、朝日に入る時はギアを一段回上げて挑んできた。
大朝日のY字雪渓がガンガラ沢と云う名前だと知ったのは沢登りを始めてから。
あの有名なY字雪渓を持つガンガラ沢のはずが、沢登りの記録は極端に少なく、登山大系やガイド本には紹介されているものの、ネットの記録は数えるくらいである。
そして昔は遅い時期までY字雪渓を見る事が出来たが、近年の少雪のせいで8月にはY字雪渓も消え去り、登山道からは中々見えない中間部に悪い雪渓が残るのみとなった。
ガンガラ沢の遡行計画を立てる上でまず最初に悩んだのは、時期である。
雪渓の処理が1番の核心であり、その通過が成功の鍵を握っている。
8月や9月に中途半端に残る悪い雪渓を処理するより、寧ろ雪渓が多く残る7月中盤辺りの方がスムーズに行く可能性もある。
そして私の中でもう1つ気になったのはガンガラ沢出合いから始まるゴルジュである。
大系を含め、数少ない全ての記録ではゴルジュ帯は突破不可能として全巻きしている。
巻き時間は2時間越え。
雪渓がビッシリの時期にそれを利用して遡行するより、夏の一番暑い時期にゴルジュに突っ込む方が何倍も魅力的に私には思えた。
他のメンバーはハナからゴルジュ帯は巻くもんだと思ってたらしいが、私は密かに本気で突破するつもりでいた。
これも雪が少ない時期だからこそ可能な計画である。
雪渓の残り方はその場に行かないとわからない。
あとは出たとこ勝負だ。
ガンガラ沢出合いの滝をクリアしてゴルジュの入口の滝の前に立った時、
「とりあえず行けるとこまで行こうか」
なんて言っていたが、いざゴルジュ帯に入り、滝を2〜3個越えた時にはもう引き返せないと誰もが思っただろう。
そして巻きは許されないその渓相に、みんな覚悟を決めたはずである。
ガンガラゴルジュはとにかく素晴らしかった。
東北では鳳鳴ゴルジュや安栖ゴルジュももちろん素晴らしいゴルジュだが、ゴルジュ帯のみの突破ではなく、朝日の大渓谷の中で泊まり装備で突破して行く難しさもあった。
距離としては300mくらいだと思うが、このゴルジュはとにかく楽しくて厳しくて心躍る空間だった。
そして仲間達のチームワークが何より素晴らしかったのが突破出来た何よりの勝因だろう。
「ゴルジュに突っ込んで良かった。突破出来て良かった。」
みんな心から楽しんでいた顔が印象的だった。
黒俣沢ガンガラ沢の遡行充実度は、このゴルジュを突破するか巻くかでだいぶ変わってくると思う。
遡行グレードも、ガイド本通り巻くなら3級上、ゴルジュ突破なら4級はある。
雪渓処理でまた難易度は大きく変わるが、今回は巻いた雪渓は1ヶ所。
それでもニラ壁トラバースや雪渓末端に懸垂下降など、気の抜けない巻きだった。
源頭のY字雪渓では雪の欠片もなく、ただひたすらゴーロで高度を稼ぐだけだったが、今まで遠くから見ていたY字雪渓の真っ只中を遡行していると思うと感慨深いものがあった。
朝日連峰の沢には八久和川や荒川、三面川など難易度や充実度でいったらまだまだ難渓と呼ばれる流域はたくさんあるが、自分の中ではこの黒俣沢ガンガラ沢の遡行が朝日の中では何より一番価値があった。
厳冬の大朝日岳からY字雪渓をスキーで落としている鶏氏もおそらく同じ気持ちで、夏と冬にガンガラ沢を制覇した喜びは大きいだろう。
下山では足も終わり、熱中症とアブ地獄に泣きが入ったが、それもまた朝日。
最高の2日間を与えてくれたガンガラ沢と、素晴らしい仲間に只々感謝である。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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それだけです!(^^)!
いや〜、素晴らしかった!只々それだけです!👍😁
本当に素晴らしかった!
それ以外言葉が出ない。🤩
素敵ですね😍
行きたいと思っていた沢なので参考にさせてもらいます(* 'ᵕ' )☆
ホントに素敵な沢で鶏的評価イチオシです。ばにこさんにもぜひ突っ込んでその感動を分かち合えたらと思います。ただアブがマダマダ元気なのでそちらの対策だけは怠りなくご計画ください。
9月になればブリッジは多分崩れてると思う👍
幕は大滝越えた河原付近に何ヶ所かあったけど、少し整地が必要。
魚影はガンガラ出合いまでは濃かったよ。
ゴルジュに入らないなら、10月辺りでも快適だと思うよ〜。
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