笠置山（京都/南山城） 巨石の歴史と今を巡る

2024年09月10日(火) [日帰り]

• GPS: 06:24
• 距離: 16.5km
• 登り: 554m
• 下り: 559m

コースタイム

日帰り

• 山行: 4:32
• 休憩: 1:51
• 合計: 6:23

距離 16.5km 登り 554m 下り 559m

8:30 笠置駅
9:09 9:20 笠置寺
9:28 10:19 笠置山
10:22 10:29 笠置寺
11:02 11:08 笠置山 三角点
11:33 鹿鷺橋
11:37 11:41 阿対の石仏
11:57 12:25 十兵衛杉
13:39 13:40 沈下橋
14:07 14:10 甌穴群
14:53 笠置駅

天候

晴れ 時々 曇り

アクセス

利用交通機関：

電車

スタート & ゴール 地点：　JR関西本線「笠置」駅

コース状況／危険箇所等

ハイキングコースなので、特に危険箇所は有りません。
区間別の印象を以下に記しておきます。

●「登山口」⇒「笠置寺」　最初は古道っぽい山径。舗装路が並行して延びているせいか、やや荒れた雰囲気も...　終盤に舗装路に合流すると、階段が多くなります。

●笠置寺「修行場巡り」　お寺の境内なので、歩き易くしっかり整備されていますが、アップダウンは結構多いです。　

●「笠置寺」⇒「P286」⇒「笠置山三角点」　山径に続き車道、作業道と、進むにつれて変化します。要所には道標が設置されていましたが、最後の作業道区間は悩ましい分岐点が若干有ったような...

●「鹿鷲橋」⇒「今川橋」　里中の小径もしくは舗装道路です。東海自然歩道（柳生街道）なので、歩き易く維持されています。

●「布目川」沿い　舗装路ですが道幅が狭めで、落葉や雑草等も多いせいか、車両に出会うことは全く有りませんでした。

●「布目川発電所」⇒「笠置橋」　JRの線路に沿った小径が続き、終盤は公園内の遊歩道となります。

その他周辺情報

●笠置町観光協会HP　https://kankou-kasagi.com/


●笠置寺について　https://kasagidera.net/about/

写真

9/10 8:24

JR関西本線の「笠置」駅。
1両のワンマンカーでやって来ました。
運賃は降車時に払います（ICカード可）

9/10 8:25

本日登る「笠置山」。
近いので気楽ですが、朝からかなり暑い...

9/10 8:27

何故か懐かしい？駅舎を出ると...

9/10 8:28

物騒な人形たちが...
予備知識がないと意味不明かも（笑）
「笠置山」は、1331年「元弘の乱」の舞台です。

9/10 8:32

駅前の道をお山へ向かい...

9/10 8:36

「登山口」標識から左へ

9/10 8:37

直ぐ出会うこの分岐から、右の山径へ進みました
（左の舗装路経由でも行けるようですが...）

9/10 9:00

鬱蒼とした道が続きますが、舗装路に合流するあたりは彩りも...
夏スミレですかね？

9/10 9:06

終盤は結構石段が多いです。
早くも現れる巨石の傍らを抜け...

9/10 9:10

上り詰めると「鹿鷲山 笠置寺」の「山門」。
「笠置山」の山頂周辺は「笠置寺」の境内です。

9/10 9:13

「解脱鐘」
戦乱で全山焼亡する中、この梵鐘だけが残ったとのこと。

9/10 9:16

拝観受付。
拝観料は自主的に納め、パンフ等をいただくシステム。
折角なので、一周800mの行場巡りへ...

9/10 9:18

お隣の「収蔵庫」では、仏像等の文化財が見学可能

9/10 9:24

順路に沿って進むと、風車の先に現れるのが...

9/10 9:30

「笠置石（かさおきいし）」
山名の由来とされている巨石です。
順路にせり出し、ド迫力のその姿は、弥生人が見上げて崇拝し始めたのも納得ですね。

9/10 9:31

「弥勒磨崖仏（みろくまがいぶつ）」
奈良時代に造立された本尊石仏。
15mの巨石に彫刻されましたが、火災で焼失したとのこと。

9/10 9:33

「正月堂」
「弥勒磨崖仏」の礼拝堂。

9/10 9:34

その建屋の下を進むと...

9/10 9:35

現れるのが「千手窟」。
巨石の間の龍穴は浄土へ通じるパワースポット。
その奥は、9mの仏像が刻まれた「虚空蔵石」。

9/10 9:38

「胎内くぐり」。
ここからが修行です。まず、滝で身を清める代わりに、巨石の間を抜けて生まれ変わる⁉　
バックパックが大きいと、通過は困難。

9/10 9:43

その後の順路はアップダウン多し

9/10 9:45

「ゆるぎ石」
「元弘の乱」の際、此処から石を落として防衛したようです。
石の向こうには景色が覗いてましたが...

9/10 9:54

少し上った「平等石（びょうどういし）」の方が、より優れた展望スポットになっていました。
少々ビビりながら巨石の上に上がると...

9/10 9:52

「木津川」の流れを綺麗に望むことができます。
晩秋から冬にかけて、雲海がよく発生するらしいです。

9/10 9:53

振り返ると、「笠置山」の山頂も間近に...

9/10 10:04

「貝吹き岩」
「元弘の乱」の際、此処でホラ貝が吹かれたようですが...

9/10 10:03

此処も展望が良く、今朝スタートした「笠置駅」辺りの街並みが覗いています

9/10 10:09

少し下って「もみじ公園」を散策し...

9/10 10:11

「行在所跡」への石段を上ります

9/10 10:13

「行在所跡」。
政治体制の刷新を謀った「後醍醐天皇」側は、京都御所を出て此処「笠置山」にこもり、幕府側と戦いました。

9/10 10:14

後醍醐天皇が詠んだ短歌がレリーフに...
「うかりける　身を秋風にさそわれて　おもわぬ山の　紅葉をぞ見る」　

9/10 10:15

この跡地は「笠置山」の最高点でもあり、幾つか標識も付いています

9/10 10:23

一周回って境内に戻ると、傍らに猫の石像を発見‼
「道案内猫　笠やん」と記されています。

9/10 10:22

お寺に棲みつき、観光客に愛された「笠やん」。
単なる野良猫ではなかったようですね...　😭

9/10 10:28

さて、「笠置寺」の拝観を終え、「笠置山三角点」へ足を延します。
「山門」を出て階段を少し下り、「柳生」方面の道標で左折します。

9/10 10:29

山径から...

9/10 10:40

車道へと繋ぎ...

9/10 10:41

「P286」から左へ分岐する作業道へ

9/10 10:50

途中、こんな分岐点が有りますが、赤テープの右方へ

9/10 10:59

どんどん進むと、左側の立木に小さな標識が...
『 ⇦ 笠置山三角点 この上 』
と記されています。

9/10 11:03

直ぐにこぢんまりとした広場に到着

9/10 11:01

立派な標識と...

9/10 11:02

三等三角点が有ります。
点名：笠置山

9/10 11:05

雑木林の中なので全く展望は有りませんが...

9/10 11:04

見慣れないキノコだけが出迎えてくれました 😀

9/10 11:22

「P286」へ引き返します。
時間が有るので、左折して「柳生の里」を歩いてみることに...

9/10 11:25

「かさぎゴルフ倶楽部」の脇を通過し..

9/10 11:35

府県境を越えて奈良市へ入ります。
「柳生街道」の道標に導かれて川沿いの小径へ...

9/10 11:38

間もなく川に面した巨石の前へ

9/10 11:38

「阿対の石仏（あたやのせきぶつ）」
阿弥陀如来が彫られており、流行病除けに御利益があるとのことです。

9/10 11:40

「柳生街道」の案内板。
今からの踏破は無理なので、取り敢えず「十兵衛杉」にお目にかかってから、笠置駅へ戻ることに...

9/10 11:47

「柳生」の里をのんびり歩いて...

9/10 11:56

この道標から斜面を少々上ると...

9/10 12:01

「十兵衛杉」です。
樹齢350年と立派ですが、落雷で枯れてしまったのが残念。

9/10 12:03

此処から見渡す「柳生」の里もなかなかです。
西国の旅へ出発する十兵衛が、此処にスギを植えたのも納得。

9/10 12:28

「十兵衛杉」の場所は見晴らしが良いので、お墓が沢山立ってました

9/10 12:30

「今川橋」から東方へ

9/10 12:35

キバナコスモスですかね？
車道脇にいっぱい咲いていました。

9/10 12:41

この分岐点から「布目川」沿いの道を歩き、「笠置駅」へ戻ることにしました

9/10 13:20

「布目川」にも、巨石が多く見られます。
所々で釣りを楽しんでいる人も...

9/10 13:26

ずっと舗装路ですが、道幅はそれほど広くなく、車両は通っていませんでした

9/10 13:30

此処から左方へ進むと「笠置駅」ですが、「木津川」に架かる「沈下橋」が近いので右方へ寄り道します

9/10 13:40

これが「沈下橋」。
増水時は渡れなくなるようですが、普段は何の変哲もありませんね...😅

9/10 13:48

引き返す途中、道端に咲くヤブラン

9/10 14:07

「布目川」の最下流へ来ると、「甌穴（おうけつ）」と呼ばれる観光スポットが...

9/10 14:10

川床へ下りると、大きな一枚岩が広がり...

9/10 14:10

このような「甌穴」が幾つか見つかりました

9/10 14:15

発電所の傍らを通り、「木津川」への合流部へ到着

9/10 14:17

「単線」のJR関西本線を横断し...

9/10 14:20

「木津川」の流れを楽しみながら歩きます

9/10 14:23

クズの花がいっぱい咲いてました

9/10 14:29

「笠置駅」が近くなると、渓相が変化し...

9/10 14:34

巨石群を通る遊歩道となります

9/10 14:35

此処はボルダリングの聖地にもなっています

9/10 14:41

「笠置橋」へ近付くと、カヌースクールのフィールドとなります

9/10 14:47

橋の向こうに広がる「笠置キャンプ場」。
車で出入可能なので人気があるそうです。

9/10 15:10

「笠置駅」に到着してレコを終了。
「笠やん」再登場‼
観光大使に出世してたんですね 😅

9/10 15:11

「元弘の乱」の説明文も発見。
スタート時に見ておけばよかった...😅

9/10 15:27

1時間に1本程度の発車を待って帰ります。
お付き合いありがとうございました。

撮影機器：

SC-53C samsung

装備

個人装備

日よけ帽子 サングラス 防虫剤 雨具 ヘッドランプ 食料 飲料 モバイルバッテリー スマホ

感想

pine-village

　京都府の南端、「笠置山」へ初めて行ってきました。

　標高288mの低山。正直、あまり期待していませんでしたが、周辺の地質が花崗岩であり、巨石や奇岩がいたる所に現れます。その姿が人の心を掴んだのか、はたまた奈良と京都という時代の中心地の間に所在しているせいか、「笠置山」は歴史上で何度か表舞台に上がり、また悲運の没落も味わってきたお山であることを学びました。

　現在、「笠置山」は残された自然と文化遺産を活かして、観光や趣味の分野で地域振興の柱になっています。咬むほどに味が出るお山。多くの人が来て、その楽しさを体感して貰いたいですね。