南岳新道・南岳〜槍ヶ岳・飛騨沢ルート 周回
- GPS
- 22:13
- 距離
- 35.0km
- 登り
- 2,876m
- 下り
- 2,885m
コースタイム
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 10:32
- 山行
- 10:22
- 休憩
- 2:18
- 合計
- 12:40
時折激しくなる雨が全く降り止まず、滑落や滑って転ぶのが怖くて、いつもよりもさらに慎重に下山した。早く着くよりも安全に帰還することを優先したが、かなり遅くなってしまった。
天候 | 晴れ、曇り、雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
2日目の南岳小屋からは、雨と風がひどく、視界が非常に悪かった |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
|
---|---|
備考 | アミノバイタルの飲み忘れでひどい筋肉痛になってしまった |
感想
登山天気では、南岳は14日から翌朝にかけては快晴、15日の午前中は曇り、午後3時頃から雨といった予報になっていたが、大きく外れた。
新穂高から槍平小屋までは長くて眺望もほとんどない樹林帯を無になって進む。
唯一、滝谷出合からの滝谷ドームが眺めのいいポイントだろうか。ようやく槍平小屋に到着して、休憩しつつ昼食にした。アルファ米を食べる気にはならず、持ってきたカップ麺にした。疲れている時は麺類が良い。
槍平小屋が有難いのは、飲料水が無料で補給できること。水は豊富で常時流れていて、冷たくて美味しい水を遠慮なく飲めるのが素晴らしい。
南岳新道に進むと、登山道はあまり手の入っていない状況となる。道は狭く、藪漕ぎになる箇所も多い。段差が大きかったり、不安定な木の階段だったり、鎖だったりで簡単には登れない箇所も多い。去年登った重太郎新道よりも整備状況の点では登りづらい印象だ。
樹林帯を抜けて、眺望が開けたところからは南岳新道ならではの気持ちよい登山道となる。南岳につながる尾根上を歩く形となるので周囲が見渡せて気分は爽快だ。ところどころに不安定な木道、段差のある階段、切り立った崖横に渡してある橋があり、少しスリリングなところも良いスパイスになる。
南岳小屋に到着した時には完全にガスの中で、眺望は一切無し。南岳小屋周辺から見える山がないという状態が悲しかった。大キレットに行く途中の階段で亡くなった妻の親族に手を合わせに行こうと思っていたがそれもできなかった。
テントも風雨にさらされて朝までずっとバタついて、耳栓をしていても音と揺れが伝わってきてほとんど寝ることができなかった。
15日は3時起きで4時に出ようとは思っていたが、雨が全然降り止まない。登山天気を見てみると6時から12時過ぎまでは曇りになっていたので、6時過ぎまでは待ってみることにした。結果、6時半になっても降り止むことは無く、諦めて雨が弱まったタイミングでテントを撤収し、約3時間遅れで出発した。
南岳から槍ヶ岳までは完全に強い風雨にさらされながら稜線を歩いた。晴れていれば槍ヶ岳を眺めながら気持ちよい縦走ができただろうに、これでは修行だ。それでもYamaRecoで挑戦している日本3000m峰が4つあるルートなので、ここまで来た以上は踏破せねばならない。槍ヶ岳はすでに登頂済みなので、今回で3座達成追加となる。
南岳山頂は南岳小屋からすぐで簡単に辿り着いた。
中岳は、看板は下に置かれ柱も倒されていたので、気が付かないで通り過ぎてしまった。「もうすぐ中岳です」というYamaRecoの音声案内がされてからもしばらくつかなかったので、おかしいと思って地図を確認すると、山頂をとっくに通り越していた。ここで写真も撮らないで進んでしまっては後悔するので、少し戻って山頂の看板の写真をスマホに保存した。
大喰岳は山頂周辺が広く、いくつかルートがあって山頂を通らないルートに進んでしまった。槍ヶ岳方面に進んでから山頂を通り過ぎてしまったことに気が付いたので、中岳同様に戻って山頂の写真を撮った。雨で視界が悪く、スマホも頻繁に確認できないし、写真も撮りにくい。雨天での登山は不便さとリスクが増すことを実体験として理解した。
飛騨乗越で双六方面から西鎌尾根経由で来た若者と情報交換をした。これから南岳まで行くか迷っているとのことだが、聞けば新穂高に下山したいそうだ。南岳まで行ってしまうと南岳新道を下るしかないが、この雨で下りに南岳新道を使うのはお薦めできないし、時間的にも厳しいので飛騨沢ルートで下山する方がいいと思うと伝えた。彼はどうなっただろうか?
予定では槍ヶ岳の山頂を目指すことになっていたが、この雨で何も見えないので当然パス。それでも軽く休んでお腹を満たそうと思ったのだが、飛騨乗越から槍ヶ岳山荘に行くのにもそれなりの登りがあったのを忘れていた。息を切らしながらテント場を通り越して着いたものの、山荘は大混雑。かろうじて空いていたデポスペースにザックをおいて、ラーメンを食べ炭酸飲料を飲んだが、雨で外のベンチで休むこともできないので、休憩は諦めてそそくさと下山することにした。
最悪なことに、槍ヶ岳までの稜線上のとこかで、防水のためのザックカバーが飛ばされてしまっていた。カバーのつけ方が甘かったのだろうか?その時点ではまだザックに水は進入していなかったが、雨が降り続くとしたら心配だ。
それと、雨の中一日歩いていたら、登山靴の中もびしょ濡れとなった。何とか下山中は持ったが、ふやけた足はそのまま歩き続けたら皮がむけて歩けなくなっていたかもしれない。SIRIO P.F.431 はゴアテックス層があるはずなので、一応防水機能はあるはずだが、足首の上からからしみ込んでくるのは防げない。ゲーターを装着すれば防水できたのだろうか?
飛騨沢の下山は南岳新道に比べればかなりラクで、飛騨沢千丈乗越分岐まではすいすいだが、そこから槍平小屋までは結構長く、歩きにくい道が続く。その後も滝谷出合、チビ谷、白出沢出合までは濡れた岩と石、水溜まりの連続で嫌になりながらも、滑って転んで怪我するのは避けたいのでかなり慎重に歩を進めた。クルマは新穂高第3駐車場に停めてあるので遅くなっても問題ない。
ようやく右俣林道に出て、やれやれこれでさっさと駐車場に行けると思っていたら、ザックカバーが飛ばされたことがだんだんと効いてきた。薄々気付いていたが、ザックがどんどん重くなっているのだ。林道をしばらく進んだところで、ザックの左右の重量バランスが崩れ、左側に妙に傾くようになり、上半身も知らず知らず左に傾いてしまっていた。そして林道の最後の辺りで腰が痛くなってしまい、少しずつしか歩けなくなってしまった。何とか新保高登山指導センターにたどり着いて、ザックを置いて、駐車場に向かった。センターまであとわずかだからよかったがこれが山中だったらまずかった。ザックの防水対策は必須ということを痛感した。
小鍋谷ゲートに着くまでには暗くなってしまっていて、その後に出てくる小さい「新穂高方面へ」の看板を見過ごし、左俣林道に行く橋を渡ってしまった。すぐに気が付いて戻ったが、暗い雨の中で防水ジャケットのフードまでかぶっていると視野が狭くなるので気を付けなければならない。
いつも天気がいい時ばかりに登山をしていて、一日中雨が降り続く中での経験は無かった。今回は、1日目の夕方以降は楽しい行程とはならず、修行のような登山となってしまったが、いろいろな点でいい経験にはなった。
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