姥湯温泉〜人形峠〜明月荘〜東大巓〜烏帽子山〜兵子
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- GPS
- 61:18
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 1,540m
- 下り
- 1,540m
コースタイム
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 8:58
天候 | 1日目:曇り 2日目:雨一時曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
昨年の浄土平から東大巓まで,今年8月の西大巓から西吾妻山までの山行を経て,吾妻山縦走を完成すべく,西吾妻から東大巓の縦走をメインに計画を立てた。夜明け頃に歩き始められるように,自宅を0時40分に出発する。常磐道,磐越道,東北道と高速を走り,下道に入る。ここまでは調子良かったが,山道に入り急坂を上り始めたころから車のエンジンが時々,変な音を立て始め,ついにはエンジンオイルの警告ランプが点滅し始めた。これはまずいと思いながら,こんな山道の中で停まるわけにもいかず,何とか持ってくれと祈りながら走り続ける。何とか,予定していた登山口まで辿り着いて一安心。明日,JAFに助けてもらうしかないなと思いながら,準備をする。
予定よりも若干遅く出発し,姥湯温泉までの道を辿る。駐車場から直ぐの橋を渡り,少し行った処でおかしいと気づく。温泉に気を取られて,登り口を見落としていたようだ。先ほどの橋まで戻ると,渡った直ぐの所に登山路が付いていた。標識は何もないが,地図で確認すると間違いない。いきなりの階段状の急登を登る。この頃には,ずっとしょぼしょぼと降っていた雨も止んでいた。淡々と登山路を歩き,沢を2つ越えて行く。気のせいか,硫黄の臭いもしたような気がする。やがて潜滝に着くが,滝の全貌は見えなかった。しばらく歩くと木道が出てきたが,これがこれまでに経験したことがないほどによく滑る。とてもではないが,滑り止めの横木が付いていないところではまともに歩けないので,脇の路を使いながら登る。
出発してから3時間余りで金名水に到着。ここで,これからの水として4ℓを補給する。小屋の近くに水があるのは本当に助かる。ここまでは,ずっと下草が刈られて整備してもらっているが,何か所か路が崩れ,靴幅程度の路しかない処もあり緊張する部分もあった。
金名水の辺りからは東大巓が見え始め元気が湧く。ここまでの樹々は余り色が変わっておらず,紅葉を愛でるには少し早すぎたかなと思った。水場から20分ほどで明月荘に到着。未だ誰も居らず静か。2階建ての立派できれいな避難小屋で嬉しくなる。取敢えず必要なもの以外を小屋にデポして出発する。
小屋からは殆どが木道だったが,金明水手前とは違い殆ど滑らないので快適に歩ける。東大巓への分岐を過ぎ,弥兵衛平を過ぎた辺りからすれ違う人が出てきた。結局,人形峠に着くまでに10パーティー以上とすれ違った。この頃は時々,雲がかかるものの,割と見通しがきき,これから向かう中大巓や西吾妻山,東には東大巓や一切経山,中吾妻山などが手に取るように見て取れた。ただ,遠方の山は雲に隠れて殆ど見えなかった。路は木道が殆どだが,時々,水の溜まった路も出てくる。水の上に顔を出した石の上など,できるだけ避けて通るが,靴の中も湿ってくる。
幾つかの湿原を過ぎ少し登り始めると,周囲の見晴らしが良いちょっとした岩稜帯に出る。明日予定している烏帽子山などが良く見えた。そこから僅かで人形峠に到着する。ここで御握りなどの昼食。ここまでほぼ予定通りの時間だが,疲れ具合と明日は藪漕ぎが予想されることを考えて,この先を断念する。ここから西吾妻までのルートは次回に回そう。多分リフトで登って来たであろう人達が続々と来ていたので,人形峠は結構賑やかであった。
景観を楽しんだ後,明月荘まで来た路を戻る。次第に雲量が増えてきており,時たま雨がポツポツと顔に当たる。事前に複数の天気予報で確認していたので,雨の可能性はほぼ無いと思っていたのに,残念。明日の晴天を祈るのみ。
東大巓との分岐を過ぎ,下りにかかって暫くの所の木道でズッコケてしまい,右ひじを打撲。油断大敵。時間に余裕もあったので,途中,明星湖方面の景色を楽しんだりしながらゆっくりと明月荘まで戻る。この日の避難小屋は結構な盛況で,15人ほどが利用した。こちらが夕食を摂って寝袋に入っても,暫くは周囲で酒盛りが続いていたが,7時を過ぎたころには静まり返った。
翌朝,3時30分過ぎに目覚め,朝食の準備をする。4時過ぎには周囲の人も動き始める。近くの窓から見える外は真っ暗。大まかに準備を整え,5時前に小屋の外に出ると予想外の雨。天気予報では晴れだったのにと,恨めしく思いながら,中に戻って雨具などを着用し,小雨の中,木道を上り始める。東大巓への分岐で小屋から来た人に追い抜かれる。高湯温泉まで行くとのこと。雨は少し小降りになり,霧雨程度になる。このまま止んでくれと祈る。
少しの歩きで東大巓に到着する。去年の6月以来の再訪だが,眺望もないので,写真を撮っただけで直ぐに移動。ここから先,浄土平までは去年,辿った路だが,うろ覚えだ。結構な藪漕ぎでルートファインディングも大変だったことだけが,記憶に残っている。気を引き締めて歩き出す。大倉新道の分岐を過ぎると木道は無くなり,水の流れる路が続く。もう靴の中まで水が入り込み,ぐしょぐしょだ。しかし,藪は思っていたほどではなく,ストックで掻き分ければ踏み跡が分かる程度だったので,ルートを見失うことは無かった。
雨は強くなったり弱くなったりを繰り返しており,景色も楽しめないのでひたすら歩く。頭の中ではブラームスの弦楽六重奏曲の一節がずっとリフレインしていた。昭元山,烏帽子山,ニセ烏帽子山とピークを踏んで行く。殆どが樹林の中の路で,風が弱まっているので助かるが,樹が途切れた処で風が強まると体の芯から震えが出る。それでも予定からそれほど遅くならずに兵子への分岐に到着する。覚悟していたほどの藪漕ぎもなく,一寸拍子抜けの感じもした。苦労したのはこの分岐から先だったのかな?
ともかく兵子への僅かの登りを辿る。兵子の少し手前で樹林帯から抜けて岩場になると,風と雨がもろに吹き付けてくるので,とにかく寒い。岩も雨に濡れて少し滑りやすいようなので,慎重に進む。山頂は360°の見晴らしが得られるはずだったが,霧に包まれて何も見えない。残念至極。早々に下山を開始する。大日岳までの路は良く整備されており,何の問題もない。大日岳に着く頃には雨もほぼ止んでいた。
ここでスマホを取り出し,電波を確認するとアンテナが2本立っている。駐車場まで降りると繋がらないかもしれないと危惧して,ここでJAFに連絡する。今はアプリで連絡するようになっており,街中では便利だろうが,ここでは時間がかかって仕方がない。何とか担当者から電話連絡が来て手配してもらえたようだが,今一つ要領を得ない。結局,電話連絡のために都合1時間ほど大日岳からの下りの途中で腰を下ろすことになった。丁度,雨が上がって,前方に高倉山などが見えたりしたので気晴らしにはなったが。最後の連絡で1時間ほどで駐車場に救援車が来てくれることになった。想定していたよりも短い時間で,ここから駐車場までまだ350m程の高度差を下る必要があり,急いで出発する。焦って転ばないようにと言い聞かせながら,できるだけ急ぐ。途中,1か所だけ足場の悪いところがあったが,30分程で下ることができた。
登山口駐車場には他の車はいないが,目の前の道路を10分に1台程度の頻度で車が通り過ぎる。かなりの山奥だが,温泉好きの人が多いのだろう。結構,待ちくたびれたころにJAFが来てくれた。やはり途中の狭く急カーブの多い坂道で難儀したようで,対向車とのすれ違いが一苦労だったとのこと。オイルを足してもらい,エンジンが正常動作することを確認してもらった。悪路をはるばると駆けつけて頂き,誠に感謝至極。
車の調子が心配だし,この時点で15時近くになっており時間的にタイトでもあったので,姥湯温泉に浸かることはあきらめて帰宅の途につく。再び5時間余り車を走らせ,20時過ぎに無事帰宅した。
今回は,余り天候に恵まれず,眺望の面では残念であった。また,予期していた藪漕ぎもそれほどではなく,少し拍子抜けの感があった。温泉もまた。来年に,少し変えたルートで再挑戦してみたいものだ。
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