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Yamareco

記録ID: 7319702
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
磐梯・吾妻・安達太良

姥湯温泉〜人形峠〜明月荘〜東大巓〜烏帽子山〜兵子

2024年10月05日(土) ~ 2024年10月06日(日)
 - 拍手
GPS
61:18
距離
21.9km
登り
1,540m
下り
1,540m

コースタイム

1日目
山行
7:16
休憩
1:42
合計
8:58
6:05
68
兵子登山口
7:13
7:15
21
大滝沢の渡渉地点
7:36
18
滑川温泉への分岐
7:54
8:00
83
9:23
9:41
17
9:58
10:23
27
10:50
10:51
37
11:28
11:33
4
11:37
40
12:17
12:19
4
人形石手前の1930m付近
12:23
12:50
55
13:45
13:50
43
藤十郎分岐
14:33
6
弥兵衛平分岐
14:39
14:50
13
1850m付近
15:03
明月荘
2日目
山行
6:24
休憩
1:35
合計
7:59
5:05
26
明月荘
5:31
5:46
14
弥兵衛平分岐
6:00
6:01
20
東大巓
6:21
6:29
50
大倉新道分岐
7:19
7:33
54
8:27
8:45
42
9:27
9:40
21
10:01
10
10:11
10:13
53
11:06
11:30
94
大日岳
13:04
兵子登山口
天候 1日目:曇り 2日目:雨一時曇り
過去天気図(気象庁) 2024年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
兵子登山口駐車場:無料。10台ほど。トイレ,水なし。この少し先に,姥湯温泉の駐車場もある。
兵子登山口の駐車場。山側にある梯子が登り口。
2024年10月05日 06:03撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
1
10/5 6:03
兵子登山口の駐車場。山側にある梯子が登り口。
姥湯温泉の駐車場。10台近く停まっていた。
2024年10月05日 06:07撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 6:07
姥湯温泉の駐車場。10台近く停まっていた。
直ぐに橋を渡る。
2024年10月05日 06:10撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 6:10
直ぐに橋を渡る。
橋を渡った処に登山口があったが,気付かずに一度通り過ぎてしまい,戻ってきた。
2024年10月05日 06:13撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 6:13
橋を渡った処に登山口があったが,気付かずに一度通り過ぎてしまい,戻ってきた。
滑川温泉への分岐。
2024年10月05日 07:36撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 7:36
滑川温泉への分岐。
潜滝の辺り。沢を対岸に渡渉する。
2024年10月05日 07:54撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 7:54
潜滝の辺り。沢を対岸に渡渉する。
木道を歩くが,兎に角やたらと滑りやすい。
2024年10月05日 09:00撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 9:00
木道を歩くが,兎に角やたらと滑りやすい。
金名水で水を確保。
2024年10月05日 09:36撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 9:36
金名水で水を確保。
東大巓が見えてくる。
2024年10月05日 09:40撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 9:40
東大巓が見えてくる。
シラタマノキ。彼方こちらで見かけた。
2024年10月05日 09:45撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 9:45
シラタマノキ。彼方こちらで見かけた。
木道の先に明月荘の屋根が覗く。
2024年10月05日 09:58撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 9:58
木道の先に明月荘の屋根が覗く。
立派な造りの避難小屋。2階建てで20人は楽に泊まれそうだったが,この日は15人程度だった。
2024年10月05日 10:24撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:24
立派な造りの避難小屋。2階建てで20人は楽に泊まれそうだったが,この日は15人程度だった。
不要な荷物を小屋にデポして出発。
2024年10月05日 10:24撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:24
不要な荷物を小屋にデポして出発。
ミヤマネズの実。
2024年10月05日 10:26撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:26
ミヤマネズの実。
木道の先に東大巓が見える。
2024年10月05日 10:27撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:27
木道の先に東大巓が見える。
紅くなったミズゴケ。
2024年10月05日 10:28撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:28
紅くなったミズゴケ。
木道の脇の樹々は一部が色変わりしていた。
2024年10月05日 10:29撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:29
木道の脇の樹々は一部が色変わりしていた。
赤茶けた湿原の向こうに明星湖の方向が見通せる。
2024年10月05日 10:42撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:42
赤茶けた湿原の向こうに明星湖の方向が見通せる。
東大巓との分岐点。
2024年10月05日 10:50撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:50
東大巓との分岐点。
中大巓が見える。その南側はやや雲量が多い。
2024年10月05日 10:51撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:51
中大巓が見える。その南側はやや雲量が多い。
弥兵衛平の湿地の向こうに顔を出す中大巓。
2024年10月05日 10:54撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 10:54
弥兵衛平の湿地の向こうに顔を出す中大巓。
西吾妻山も雲から出てきた。
2024年10月05日 11:07撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 11:07
西吾妻山も雲から出てきた。
登山路にも水が流れている。
2024年10月05日 11:10撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 11:10
登山路にも水が流れている。
藤十郎の少し手前の池塘からの眺め。
2024年10月05日 11:13撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 11:13
藤十郎の少し手前の池塘からの眺め。
藤十郎。
2024年10月05日 11:30撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 11:30
藤十郎。
イワカガミ。
2024年10月05日 11:39撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 11:39
イワカガミ。
中吾妻山,継森方面の眺め。
2024年10月05日 11:40撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 11:40
中吾妻山,継森方面の眺め。
紅葉の向こうに西吾妻山。
2024年10月05日 11:43撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 11:43
紅葉の向こうに西吾妻山。
後を振り返ると藤十郎手前の池塘の中を走る木道が良く見える。
2024年10月05日 12:02撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:02
後を振り返ると藤十郎手前の池塘の中を走る木道が良く見える。
明日,登る予定の烏帽子山が見える。その右側には家形山や一切経山も。
2024年10月05日 12:02撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:02
明日,登る予定の烏帽子山が見える。その右側には家形山や一切経山も。
東大巓方面の眺め。
2024年10月05日 12:07撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:07
東大巓方面の眺め。
左から東大巓,烏帽子山,家形山,一切経山,東吾妻山。
2024年10月05日 12:19撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:19
左から東大巓,烏帽子山,家形山,一切経山,東吾妻山。
更に右には,継森,中吾妻山。
2024年10月05日 12:19撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:19
更に右には,継森,中吾妻山。
目を転じると西吾妻山の雲が取れている。
2024年10月05日 12:19撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:19
目を転じると西吾妻山の雲が取れている。
人形石が見えてきた。
2024年10月05日 12:22撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:22
人形石が見えてきた。
間近で見る人形石。
2024年10月05日 12:23撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:23
間近で見る人形石。
人形石から東方向を望む。
2024年10月05日 12:39撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:39
人形石から東方向を望む。
西方向の眺め。
2024年10月05日 12:40撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:40
西方向の眺め。
池塘の向こうに梵天岩の辺りが見える。
2024年10月05日 12:59撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 12:59
池塘の向こうに梵天岩の辺りが見える。
再び,来た路を戻る。
2024年10月05日 13:14撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 13:14
再び,来た路を戻る。
赤く染まったドウダンツツジ。鮮やかさが今一つ。
2024年10月05日 13:34撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 13:34
赤く染まったドウダンツツジ。鮮やかさが今一つ。
ヤケノママ分岐。しかし,ヤケノママへの路は完全に藪に隠れている。
2024年10月05日 13:39撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 13:39
ヤケノママ分岐。しかし,ヤケノママへの路は完全に藪に隠れている。
藤十郎を過ぎた辺りでは,ガスが出始め,ポツリポツリと雨が当たる。
2024年10月05日 14:10撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 14:10
藤十郎を過ぎた辺りでは,ガスが出始め,ポツリポツリと雨が当たる。
秋枯れの木道を行く。空はどんより。
2024年10月05日 14:21撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 14:21
秋枯れの木道を行く。空はどんより。
明月荘の近くにある池塘の一つ。
2024年10月05日 16:32撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/5 16:32
明月荘の近くにある池塘の一つ。
1年数か月ぶりに訪れた東大巓の山頂。
2024年10月06日 06:00撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 6:00
1年数か月ぶりに訪れた東大巓の山頂。
赤く色づいたチングルマ。
2024年10月06日 06:10撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 6:10
赤く色づいたチングルマ。
大倉新道との分岐。
2024年10月06日 06:21撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 6:21
大倉新道との分岐。
かなり多くの道標が設置されている。路は笹で覆われているが,掻き分ければ踏み跡ははっきりしている。
2024年10月06日 06:55撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 6:55
かなり多くの道標が設置されている。路は笹で覆われているが,掻き分ければ踏み跡ははっきりしている。
笹薮の中を続く路。
2024年10月06日 07:01撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 7:01
笹薮の中を続く路。
昭元山頂。
2024年10月06日 07:24撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 7:24
昭元山頂。
ゴゼンタチバナの赤い実が鮮やかだった。
2024年10月06日 07:46撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 7:46
ゴゼンタチバナの赤い実が鮮やかだった。
水路になった路の中をジャバジャバと進む。随分と前から,靴の中までグッショリ。
2024年10月06日 07:55撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 7:55
水路になった路の中をジャバジャバと進む。随分と前から,靴の中までグッショリ。
烏帽子山頂。
2024年10月06日 08:28撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 8:28
烏帽子山頂。
ニセ烏帽子山頂。雨が止まず,直ぐ近くの木陰で小休止。
2024年10月06日 09:27撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 9:27
ニセ烏帽子山頂。雨が止まず,直ぐ近くの木陰で小休止。
兵子への分岐。
2024年10月06日 10:01撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 10:01
兵子への分岐。
兵子山頂直下の登り。岩が雨に濡れて滑りやすかった。
2024年10月06日 10:07撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 10:07
兵子山頂直下の登り。岩が雨に濡れて滑りやすかった。
山頂はガスに包まれて景色は何も見えない。楽しみにしていたのに残念。
2024年10月06日 10:11撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 10:11
山頂はガスに包まれて景色は何も見えない。楽しみにしていたのに残念。
大日岳へと続く路。雨と風とで寒いので早々に歩き出す。
2024年10月06日 10:11撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 10:11
大日岳へと続く路。雨と風とで寒いので早々に歩き出す。
黄色い道標が短い間隔で続いている。番号が振ってあったが,途中で番号は無くなっていた。
2024年10月06日 10:18撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 10:18
黄色い道標が短い間隔で続いている。番号が振ってあったが,途中で番号は無くなっていた。
大日岳を過ぎた1500m辺り。この辺りでJAFとの連絡で暫くの停滞。谷を挟んだ高倉山がガスの中から姿を出してきた。
2024年10月06日 12:15撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 12:15
大日岳を過ぎた1500m辺り。この辺りでJAFとの連絡で暫くの停滞。谷を挟んだ高倉山がガスの中から姿を出してきた。
駐車場手前の最後の急な梯子。自車だけが停まっていた。
2024年10月06日 13:03撮影 by  KODAK PIXPRO WPZ2 , JK Imaging, Ltd.
10/6 13:03
駐車場手前の最後の急な梯子。自車だけが停まっていた。

感想

昨年の浄土平から東大巓まで,今年8月の西大巓から西吾妻山までの山行を経て,吾妻山縦走を完成すべく,西吾妻から東大巓の縦走をメインに計画を立てた。夜明け頃に歩き始められるように,自宅を0時40分に出発する。常磐道,磐越道,東北道と高速を走り,下道に入る。ここまでは調子良かったが,山道に入り急坂を上り始めたころから車のエンジンが時々,変な音を立て始め,ついにはエンジンオイルの警告ランプが点滅し始めた。これはまずいと思いながら,こんな山道の中で停まるわけにもいかず,何とか持ってくれと祈りながら走り続ける。何とか,予定していた登山口まで辿り着いて一安心。明日,JAFに助けてもらうしかないなと思いながら,準備をする。
予定よりも若干遅く出発し,姥湯温泉までの道を辿る。駐車場から直ぐの橋を渡り,少し行った処でおかしいと気づく。温泉に気を取られて,登り口を見落としていたようだ。先ほどの橋まで戻ると,渡った直ぐの所に登山路が付いていた。標識は何もないが,地図で確認すると間違いない。いきなりの階段状の急登を登る。この頃には,ずっとしょぼしょぼと降っていた雨も止んでいた。淡々と登山路を歩き,沢を2つ越えて行く。気のせいか,硫黄の臭いもしたような気がする。やがて潜滝に着くが,滝の全貌は見えなかった。しばらく歩くと木道が出てきたが,これがこれまでに経験したことがないほどによく滑る。とてもではないが,滑り止めの横木が付いていないところではまともに歩けないので,脇の路を使いながら登る。
出発してから3時間余りで金名水に到着。ここで,これからの水として4ℓを補給する。小屋の近くに水があるのは本当に助かる。ここまでは,ずっと下草が刈られて整備してもらっているが,何か所か路が崩れ,靴幅程度の路しかない処もあり緊張する部分もあった。
金名水の辺りからは東大巓が見え始め元気が湧く。ここまでの樹々は余り色が変わっておらず,紅葉を愛でるには少し早すぎたかなと思った。水場から20分ほどで明月荘に到着。未だ誰も居らず静か。2階建ての立派できれいな避難小屋で嬉しくなる。取敢えず必要なもの以外を小屋にデポして出発する。
小屋からは殆どが木道だったが,金明水手前とは違い殆ど滑らないので快適に歩ける。東大巓への分岐を過ぎ,弥兵衛平を過ぎた辺りからすれ違う人が出てきた。結局,人形峠に着くまでに10パーティー以上とすれ違った。この頃は時々,雲がかかるものの,割と見通しがきき,これから向かう中大巓や西吾妻山,東には東大巓や一切経山,中吾妻山などが手に取るように見て取れた。ただ,遠方の山は雲に隠れて殆ど見えなかった。路は木道が殆どだが,時々,水の溜まった路も出てくる。水の上に顔を出した石の上など,できるだけ避けて通るが,靴の中も湿ってくる。
幾つかの湿原を過ぎ少し登り始めると,周囲の見晴らしが良いちょっとした岩稜帯に出る。明日予定している烏帽子山などが良く見えた。そこから僅かで人形峠に到着する。ここで御握りなどの昼食。ここまでほぼ予定通りの時間だが,疲れ具合と明日は藪漕ぎが予想されることを考えて,この先を断念する。ここから西吾妻までのルートは次回に回そう。多分リフトで登って来たであろう人達が続々と来ていたので,人形峠は結構賑やかであった。
景観を楽しんだ後,明月荘まで来た路を戻る。次第に雲量が増えてきており,時たま雨がポツポツと顔に当たる。事前に複数の天気予報で確認していたので,雨の可能性はほぼ無いと思っていたのに,残念。明日の晴天を祈るのみ。
東大巓との分岐を過ぎ,下りにかかって暫くの所の木道でズッコケてしまい,右ひじを打撲。油断大敵。時間に余裕もあったので,途中,明星湖方面の景色を楽しんだりしながらゆっくりと明月荘まで戻る。この日の避難小屋は結構な盛況で,15人ほどが利用した。こちらが夕食を摂って寝袋に入っても,暫くは周囲で酒盛りが続いていたが,7時を過ぎたころには静まり返った。
翌朝,3時30分過ぎに目覚め,朝食の準備をする。4時過ぎには周囲の人も動き始める。近くの窓から見える外は真っ暗。大まかに準備を整え,5時前に小屋の外に出ると予想外の雨。天気予報では晴れだったのにと,恨めしく思いながら,中に戻って雨具などを着用し,小雨の中,木道を上り始める。東大巓への分岐で小屋から来た人に追い抜かれる。高湯温泉まで行くとのこと。雨は少し小降りになり,霧雨程度になる。このまま止んでくれと祈る。
少しの歩きで東大巓に到着する。去年の6月以来の再訪だが,眺望もないので,写真を撮っただけで直ぐに移動。ここから先,浄土平までは去年,辿った路だが,うろ覚えだ。結構な藪漕ぎでルートファインディングも大変だったことだけが,記憶に残っている。気を引き締めて歩き出す。大倉新道の分岐を過ぎると木道は無くなり,水の流れる路が続く。もう靴の中まで水が入り込み,ぐしょぐしょだ。しかし,藪は思っていたほどではなく,ストックで掻き分ければ踏み跡が分かる程度だったので,ルートを見失うことは無かった。
雨は強くなったり弱くなったりを繰り返しており,景色も楽しめないのでひたすら歩く。頭の中ではブラームスの弦楽六重奏曲の一節がずっとリフレインしていた。昭元山,烏帽子山,ニセ烏帽子山とピークを踏んで行く。殆どが樹林の中の路で,風が弱まっているので助かるが,樹が途切れた処で風が強まると体の芯から震えが出る。それでも予定からそれほど遅くならずに兵子への分岐に到着する。覚悟していたほどの藪漕ぎもなく,一寸拍子抜けの感じもした。苦労したのはこの分岐から先だったのかな?
ともかく兵子への僅かの登りを辿る。兵子の少し手前で樹林帯から抜けて岩場になると,風と雨がもろに吹き付けてくるので,とにかく寒い。岩も雨に濡れて少し滑りやすいようなので,慎重に進む。山頂は360°の見晴らしが得られるはずだったが,霧に包まれて何も見えない。残念至極。早々に下山を開始する。大日岳までの路は良く整備されており,何の問題もない。大日岳に着く頃には雨もほぼ止んでいた。
ここでスマホを取り出し,電波を確認するとアンテナが2本立っている。駐車場まで降りると繋がらないかもしれないと危惧して,ここでJAFに連絡する。今はアプリで連絡するようになっており,街中では便利だろうが,ここでは時間がかかって仕方がない。何とか担当者から電話連絡が来て手配してもらえたようだが,今一つ要領を得ない。結局,電話連絡のために都合1時間ほど大日岳からの下りの途中で腰を下ろすことになった。丁度,雨が上がって,前方に高倉山などが見えたりしたので気晴らしにはなったが。最後の連絡で1時間ほどで駐車場に救援車が来てくれることになった。想定していたよりも短い時間で,ここから駐車場までまだ350m程の高度差を下る必要があり,急いで出発する。焦って転ばないようにと言い聞かせながら,できるだけ急ぐ。途中,1か所だけ足場の悪いところがあったが,30分程で下ることができた。
登山口駐車場には他の車はいないが,目の前の道路を10分に1台程度の頻度で車が通り過ぎる。かなりの山奥だが,温泉好きの人が多いのだろう。結構,待ちくたびれたころにJAFが来てくれた。やはり途中の狭く急カーブの多い坂道で難儀したようで,対向車とのすれ違いが一苦労だったとのこと。オイルを足してもらい,エンジンが正常動作することを確認してもらった。悪路をはるばると駆けつけて頂き,誠に感謝至極。
車の調子が心配だし,この時点で15時近くになっており時間的にタイトでもあったので,姥湯温泉に浸かることはあきらめて帰宅の途につく。再び5時間余り車を走らせ,20時過ぎに無事帰宅した。
今回は,余り天候に恵まれず,眺望の面では残念であった。また,予期していた藪漕ぎもそれほどではなく,少し拍子抜けの感があった。温泉もまた。来年に,少し変えたルートで再挑戦してみたいものだ。

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