七ツ石山・雲取山・飛龍山
- GPS
- 31:30
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 2,243m
- 下り
- 2,158m
コースタイム
天候 | 8月12日 昼前より降雨 三時過ぎより晴天 8月13日 朝より霧 昼より土砂降り 後、曇りの中少雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下り口は丹波 下り口の丹波バス停の隣には蕎麦屋風居酒屋があって、6時過ぎの最終バスが来るまで時間がつぶせます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
雨が降っていて地面が濡れていたため、飛龍山へ向かう道の途中途中にある桟道が滑りやすく、肝を冷やしました。またそれよりも、飛龍山から前飛龍にかけて、道があまり良くなく、コースがわかりにくい部分もあり苦労しました。前飛龍の最上部の岩でコースがふさがれており、岩をよじ登らないと向こう側のコースを見つけられませんでした。 丹波バス停はバスが少なく、バス待ちの間隣の蕎麦屋でビールを飲める。安い! |
写真
感想
奥多摩 七つ石山、雲取山、飛龍山、縦走一泊二日
一日目
お盆休み、山を何日もかけて歩きたいと思っていた。いわゆる縦走だ。
ところが、しゃくに障ることに台風四号がやってきた。
「とりあえず、ふもとまで行ってみることに」した。
5時47分の電車で出発。
8時40分、奥多摩着。バスには並ばずに乗れた。こんなに登山者の少ない西東京バスは初めてだ。
9時二十五分に、鴨沢到着、自分を含めて降りた登山者は三人だけ。
水の準備をし、トイレをすまし、9時半登り始める。
十時半。
一時間ほど歩いたら、雨が降ってきた。
11時25分。
雨が少しやんできた。場所は杉林が切り倒され丸太がちょうどよくベンチになってるところ。
ここを上がったところの道のわきが広場みたいになっている。普段なら弁当を食ってる人が必ずいるところ。今日は誰もいない。
ここに、手書きで新しい看板ができていた。
「ここは標高1150m
雲取山まで約二時間45分ブナ坂まで約一時間30分七つ石小屋まで約一時間10分
鴨沢バス停まで約一時間五分」
とのこと。
12時五分。
堂所についた。大休止。。
12時55分。
歩き出してしばらくしたところで、「七つ石小屋への近道!」と書かれた手製の標識を見つける。指しているのは、以前初めてこの山に来た時、入り込みそうになった急登。せっかくなのでこの「近道」を選んでみた。
予想通り急登だった。小刻みに曲がりを繰り返す急登が続き息がきれること約15分。
1時十分。
七つ石小屋へ続く坂に出た。
1時半、七つ石小屋到着。
近道が近いかどうかは、後日検証したい。
七つ石小屋の敷地内に入ると、看板に付け加えられた内容があった。
「記念バッジ500円」
もし七つ石山のバッジがあるなら、ぜひ欲しい。「こんにちは〜」と引き戸を開けたが、中は無人だった。ガッカリ。台風だからか。
水だけを汲み、また歩き始める。頂上はすぐそこだ。
1時47分。
尾根に出たところで、モヤの中黄色い花がいくつも咲いていて、幻想的で驚いた。何の花だろう?フキみたいな葉っぱ。いや、僕の知識ではフキにしか見えない。
フキって黄色い花だっけ?たしか、フキノトウが花だと思ってたけど。
それとも、フキに似た葉っぱの別な植物か?
これを帰宅後ネットで調べてみた結果、フキに良く似た植物マルワダケブキ(丸葉岳蕗、学名: Ligularia dentata )キク科メタカラコウ属の多年草。という植物であるとのこと。
雨がまた降ってきた。そして次第に強くなって来た。レインウェアのフードをかぶり、ザックにぶら下げていた携帯の太陽光充電池をポケットにしまう。
二時ちょうど。雨が降りしきる中、七つ石山頂上に到着。
いつもなら見晴らしがいいのだが、今日は雲とモヤで囲まれているようで眺望は0に近かった。また、雨もどんどん強くなってきて、休む場所も無いので長居はできなかった。
写真だけを一枚撮り、雲取山方面に向かう。
3時二分。
ヘリポート到着。
この先がテン場。
テントを張る。
張り終わって三時半。
靴を脱ぐと気持ちが良い。少々横になる。雨音も気持ち良い。
少し休んだ後、奥多摩小屋に行き、テン場使用料400円を払い、ビール500円を二本買った。
腹が減ったので、テントに戻りすぐ、前室を使い焼き肉を始める。
やってるといきなり晴れて来た。太陽もでて、暑く感じるほど。明日は晴れかな。
四時半。
太陽が出たせいだろうか、急に風が強くなってきて驚く。
5時を過ぎ、静かになる。なんか今日はペルセウス流星群が見られるそうな。
食後ウトウトとし、少し眠った。暗くなった後、ふと目が覚めた。何かの気配。音もする。足音もだ。
足音なら人だろう、誰かが外で星でも見てるのだろうと思った。
こっちは目が覚めたついでに、トイレに行きたくなってきた。めんどくさいなと思いながらも、ヘッドライトをつけ外に出て見て驚いた。
暗闇に浮かび上がる何対もの輝き。驚きのあまり声を出しそうになった。鹿だ、鹿がいる。しかも何頭も。ものすごく近い距離だ。十メートルも離れてないところに、少なくとも1、2頭おり、こちらのヘッドライトの明かりに反応して無表情でこちらを見返している。携帯のカメラモードで写真を撮ろうとするが、暗くて写らない。
そんなことをやってると、慌て者の一頭がものすごい蹄の音を立てて、ドカドカッと逃げた。その音につられてか、二三頭逃げた。
それでもほとんどは遠巻きにこちらを見ている。こいつら、肉食獣じゃなくって本当に良かったよ、とか思う。
なんとなくトイレへ行く道が開かれたので、いそいそとトイレへ向かう。トイレから戻る時、もうひとつ凄い光景を見た。富士山だ。
登山道をヘッドライトをつけて列になって登り続ける登山者たちのひかりが、闇に光る一本の線になって浮かび上がっている。その光が、富士山をも浮かび上がらせていたのだ。
夜も富士山が見えたのは、今夜が初めてだ。
その幻想的な眺めは、携帯のカメラではまったく捉えることができなかった。
8月13日
7時45分、出発。
途中、地図を落とし、拾いに戻り、10分ほどロスするが、9時ちょうど、雲取山登頂。
三角点の場所に行くが、人っ子一人いない。誰もいない頂上はこれが初めてだ。
天気が悪いので、当然眺めは無い。
一枚だけ写真を撮り、西側の尾根を下る。
9時25分、三条ダルミ到着。
ソイジョイを食べる。食べ終わり、9時50分、再始動。
飛龍山方面へ向かう。
11時56分。
ようやく北点のタルに到着。昼食。
そうしてると、いきなりパラパラと大粒の雨が降り出した。
あわてて荷物をまとめ、開けて明るい「北天のコル」から暗い道が続く森の中へ逃げ込んだ。強い雨だ。森の中でも雨粒がバラバラ当たってくる。
少し歩いたところでレインウェアを出し、着込んだ。
しばらく行くと、桟道が出てくる。おそらく、濡れてさえいなければ、それほど危険に感じるものではないだろう。それが、土砂降りの雨の中では、ぬるぬる滑るために本当に恐ろしい。
歩き出して20分ほどたったころ、「飛龍山頂上への近道」と書かれた白い看板が目に入った。方向に対して右側の山側にそれがあり、急登を指している。いちおう地図上にもこのルートはあるのだが、「踏跡程度の道」と書かれており、この雨の中では安全な道とは思えず、遠回りの道をそのまま進んだ。
12時59分、飛龍権現到着。ありがたいことに雨は止んだ。
頂上への道を駆け上がった。
頂上についてホッとすると、荷物をデポした標識のところまで戻った。
次いで、禿岩。
1時25分。
飛龍山頂上下の標識を後にした。
1時59分には前飛龍に到達。
前飛龍につくまでが、自分的には尋常ではなかった。
巨大な岩の手前でコースを見失い、右も無い左も道が無い、ここは間違いか、道を探すために戻らなければならないかと思ったとき、一か八かで目の前の岩をよじ登ってみたら、そこが道だった。
前飛龍を過ぎて、次のチェックポイントのサオラ峠(サヲウラ峠、サヲラ峠とも)まではコースタイム一時間二十分。
ピークがいくつもあった。
前飛龍から次のチェックポイントのサヲラ峠まで一時間二十分。そのコースの真ん中に、「熊倉山」というピークがある。そこにもうついていて過ぎてしまっているのか、まだついていないのかが判断できなかった。無名のピークがいくつもあり、ピークを前にするたびに、「これが熊倉山か!?」と思って登るが、てっぺんには何も無いのだ。そんなことがいくつもあったが、14時57分、あるピークを登りきると白い看板が見えた。
「熊倉山」と書いてある。
15時37分。
サヲラ峠に到着した。
丹波山村方面に下りだす。
4時24分、看板が見えてきた。
ゴールかと思ったが、丹波を指す看板だった。まだ歩く。
しばらく歩き、川を渡る。
鹿避けらしい高圧電線にかこまれた畑があり、「通り抜け自由。入口は必ず閉めてください。丹波バス停ここから直線10分」とか書いてある。
本当にいいのかどうか不安に思いながら、鉄線に囲まれた入口を開けて畑の中に入り、入口を閉める。
そんなことを二回か三回繰り返し、工事現場を過ぎ、車道についた。
ついて左に曲がってすこし行くとバス停が見えてきた。
手前に手打ち蕎麦とかいた店がある。
バス停で時刻を確認すると、次は六時50分。
この時点で五時前後だった。
ビールでも飲ませてもらおうと、蕎麦屋に入り、僕は文明のありがたさに涙した。
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