鈴鹿セブンマウンテン縦走
- GPS
- 56:00
- 距離
- 45.4km
- 登り
- 4,522m
- 下り
- 4,467m
コースタイム
天候 | 1日目 曇り時々晴れ一時雪 2日目 曇り時々晴れ 3日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
[下山] 椿大神社前より鈴鹿市コミュニティバスでJR加佐登駅まで(50分弱、200円)。毎時14分にバスがありとても便利。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ピークそれぞれは難しくないが、縦走路は色々問題があり、注意が必要。以下気づいた点。 ・藤原岳より治田峠手前までは所々道が崩れており、危険箇所も多くわかりにくかった(ここが全体で一番危険だった)。 ・石榑峠から三池岳への登山道は看板がない。立ち入り禁止の車道をガードを越えて登ってゆくが、とても罪悪感がある。 ・釈迦ヶ岳〜ハト峰は特にハト峰峠手前が迷いやすい。ハト峰のピークは踏まず、巻き道を行った方が良い。 ・御池鉱山跡周辺も迷いやすい。杉峠への登りは沢の左岸に巻き道があるので、その登り口を見逃さないようにする。 ・沢谷峠付近は踏み跡が錯綜していて分かりにくかった。 ・鎌ヶ岳前後はかなり危険だが整備状態は悪くない。鎌尾根はそれほど危なくなかった。 ・入道ヶ岳の手前のイワクラ尾根は意外と悪い。足元注意。 全般に看板が少なくて、地形も複雑なので、読図をきっちりやらなければならなかった。西丹沢の廃道尾根に近いかもしれない。有名な山域だが、難易度は高い。 |
その他周辺情報 | 鈴鹿さつき温泉 550円。 地元の爺さんばかりで混んでたが、安くてお湯も良い。一応かけ流しだった。JR加佐登駅から歩いて20分。隣にうどんが食える焼き肉屋あり。 |
写真
感想
本来なら毎年恒例?の深南部の季節ですが、鈴鹿セブンマウンテンにチャレンジしました。標高の割に難しくて遭難が多いと聞く鈴鹿ですが、歩いてみて納得で、油断ならない地域だと感じました。
■11/23 1日目 曇り時々晴れ一時雪とみぞれ
前日は音楽仲間と横浜で23時近くまで飲んで、横浜駅から夜行バスに乗り込んだ。桑名まで。第2東名の事故渋滞で遅れたため、近鉄の始発に間に合わず、1本遅れて西藤原の駅に着いた。そのまま登山口まで歩き、水をくんで登り始めた。
藤原岳山頂からの下りは石灰岩のガキンガキンの尾根を下り、いきなりバリエーション的な冒険。頭を切り替えて、野性感を働かせて進む。その後の巻き道も崩れていて危険なところがあった。尾根通しで歩いたほうが良かったかもしれない。
治田峠を過ぎて銚子岳と静ヶ岳は雰囲気が良くて気に入った。この辺りは人がいなくてセブンマウンテンでも静かなところだが、竜ヶ岳の手前まで来るとまた人が多くなる。竜ヶ岳の山頂は暴風で寒くて1分と留まっていられなかった。
石榑峠の三重県側に1分ほど下ると沢があり水が取れる。北部稜線では貴重な水場だ。その後、三池岳への縦走路が分からず、登山者に聞いたら、立ち入り禁止の車道を歩いていけばいいとのこと。もう3時だけど今から登るんですかと怪訝そうな顔なので、テントです、ちょっと登ってすぐに張りますと答えたが、それでも心配そうな顔だった。
ちょっとと言いつつ1時間も登って900mを越えたピークでテントを張った。ちょうど張ってるときにみぞれが降ってきて色々濡れてしまった。風も強くて震えるほど寒かったが、テントに入ってお茶を入れてようやく落ち着いた。
烈風で時々ガスに覆われてみぞれも降る悪天の夜だったが、前日夜行バスだったのでぐっすり眠れた。夜中に一度起きて外を眺めたが、四日市の夜景がギンギラギンに明るくて驚いた。ワイルドな鈴鹿の山だが、街はとても近いのだ。
■11/24 2日目 曇り時々晴れ
9時間も寝てしまった。朝ごはんを食べていたら急に明るいライトの光が見え、登山者が1人横を通過していった。あいさつを交わさなかったので分からないが、足の軽やかさから日帰りの方だと思われた。
風は昨日と同じで強いままだが、天気はだいぶ回復していた。ありがたい。三池岳でようやく明るくなった。そのあと八風峠に到着すると風がピタリとやんだ。ここで幕営できたら最高だった。セブンマウンテンの縦走では1泊目を八風峠でする人が多いが、かなりハードにもかかわらず頑張るのはやはり幕営にはいい場所だからなのだろう。地形的に尾根が西に張り出して風を遮っているからだと思われる。
釈迦ヶ岳ではまた烈風になり手がかじかむほどだった。そのあと標高が下がると天気も晴れてポカポカになってきた。ただこの辺り、特にハト峰の周りは地形がわかりにくくて苦労した。はじめは稜線通しをいこうと思ったが、踏み跡が薄すぎて藪もあり、断念した。巻き道の分岐まで戻ったため、20分ほどロスしてしまった。
ハト峰峠の周りは花崗岩が大規模に露出しており面白い。石を並べて絵を作っているイタズラもあった。一応イタズラはやめて!の看板もあった。ハイキングにも面白い場所なのか、たくさんの方とすれ違った。
水晶岳、根の平峠と順調に進んだ。この区間はハイカーも多く道は良い。根の平峠から尾根を外れ沢に下りる。主稜線から外れている雨乞岳を登るためである。滋賀県内の沢地形はなかなかに複雑だった。沢を詰めてゆくと御池鉱山跡があり、こんな山奥に明治末期には300人も生活していたというから驚きだった。
杉峠から雨乞岳まではまた風が強くなり、笹原は風を遮る木も無いので、寒くて大変だった。昨日降った雪も解け残っており、気温がずっと低かったことが分かった。雨乞岳の山頂も一面の笹原の中にあった。この縦走の最高地点、セブンマウンテンの最高峰である。ガスで覆われていたが、山頂にいるときだけ少し晴れて嬉しかった。
再び沢に下り、水をくんで沢谷峠へと登ってゆく。沢谷峠は幕営には最適地形だったが、ここは人も結構通るので、もう少し登ることにした。峠付近は道が分かりにくいが気にせず登っていくと尾根に乗り、そこから上ははっきりした踏み跡があった。標高1000mの手前尾根の傾斜が緩み、幕営に適したテラスが2〜3個所あった。
風は少し当たるが、大きな問題はなく、昨日に比べて快適な一夜が過ごせた。日没後に、誰もいないはずの暗闇から突然蛍の光のメロディーがかすかに聞こえてきてなんじゃこりゃと驚く。しばらく考えて、どうも最終ロープウェイのアナウンスのようだった。最初ゾッとしてそのあと苦笑い。
■11/25 3日目 快晴
最終日にしてようやく快晴。1時間もかからずに御在所岳の山頂に到着した。ロープウェイの始発前なので誰もいない。ガチガチに凍って寒かったが、伊勢湾の向こうからの御来光は美しかった。逆方向には琵琶湖も見えた。
鎌ヶ岳は警戒していた山だったが、さすが整備はきちんとしていて安心だった。この山は人気で、月曜日にもかかわらず人は多かった。その後の鎌尾根もそれほど危険ではなく、順調に進んだ。
水沢岳の山頂で女性2人組とすれ違ったので、お二人の写真を撮って差し上げた。
女性「あの〜SOYJOYはお好きですか?」
私「は?」
女性「ここに来る途中でどうも落としてしまったみたいなんです。縦走でもう戻ってこないので、もし嫌じゃなければ拾ったら食べてしまってください。サツマイモのやつです。」
10分ほど歩いたところでSOYJOY発見。確かにサツマイモ(笑)。有り難くご馳走になった。
縦走路を左に外れて入道ヶ岳へ。もうすぐゴールで気ははやるが、途中のイワクラ尾根は名の通り岩場が続き悪かった。アップダウンも大きいのでなかなか進まずヤキモキ。入道ヶ岳の山頂が近づくと突然草原に出て鳥居が見えてくる。その奥は山はなく平野に落ち込んでおり、四日市のコンビナートと伊勢湾が光っていた。天気も良く感動のフィナーレだった。
実は入道ヶ岳だけは2回目で10年以上前に登っている。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-307218.html
その時にいい山だな、もう一度来たいなと思っていた。願いがかなってよかった。
二本松尾根をあっという間に下り、椿大神社に無事下山した。バスでJR加佐登駅に出て温泉に入り、名古屋経由で小田原まで帰った。
鈴鹿の県境稜線は街の近く、どこを歩いていてもすぐに里に降りれる安心感があるが、地形は複雑で、整備もあまりされていないので、ハイキングとは言えないほど難易度は高かった。面白い冒険がまた一つできた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する