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Yamareco

記録ID: 76220
全員に公開
ハイキング
奥秩父

三ツドッケ-長沢背稜(酉谷小屋泊)-雲取山-飛龍山-禿岩-(間違って竜喰山付近)-前飛龍-熊倉山(ビバーク)-丹波

2010年08月28日(土) ~ 2010年08月30日(月)
 - 拍手
GPS
48:10
距離
41.9km
登り
3,486m
下り
3,474m

コースタイム

1日目:7:53登山口-9:54一杯水小屋-10:19天目山-11:20七跳山-12:16酉谷小屋-13:32酉谷山-酉谷小屋(泊)
2日目:6:02酉谷小屋-7:31長沢山-8:44芋ノ木ドッケ-9:18大ダワ-10:52雲取山-11:21三条ダルミ-13:15北天のタルミ-13:55飛龍山-14:12禿岩-15:20竜呑山付近-16:28飛龍山分岐点-16:56前飛龍-17:39熊倉山(ビバーク)
3日目:6:17熊倉山-6:47サオラ峠-7:11通行止めっぽいところ-8:50丹波
天候 晴後曇
過去天気図(気象庁) 2010年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
往路:奥多摩-東日原(バス)
復路:丹波-奥多摩(タクシー)
コース状況/
危険箇所等
水松山〜長沢山〜芋ノ木ドッケのルートは踏み後が怪しいので1/25000地図とコンパスは必携だと思います。
ただ埼玉側の電波拾うので最悪の場合、携帯電話で連絡できるかもしれません。

天平を行かず、サオラ峠から丹波への直接下山ルートはかなり危険です。
崩落の巣みたいな箇所が何箇所かあるので、場合によっては通れないかもしれません。
その場合分岐点まで戻る登りは相当きついので、体力に余裕がない場合はこのルートは通らない方がいいと思います。
途中ロープが張られてる箇所があって通行止めっぽいですが、ちょっと下って岩の裏から登山道が続いてます。
下山後丹波の役場で消防の方と話しましたが、最近は獣道が結構できてしまっているので登山道と間違って入ってしまう人が多いとのこと。
先日も70m滑落してヘリで運ばれた方がいたり、獣道に迷い込んでしまい斜面から下山して途中まで消防の方が迎えに行ったということが起きているそうです。
ここから登ります
2010年08月28日 07:53撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 7:53
ここから登ります
たくましい…
2010年08月28日 08:53撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 8:53
たくましい…
ヘビわかりますか
2010年08月28日 09:15撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 9:15
ヘビわかりますか
三ツドッケから
2010年08月28日 10:21撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 10:21
三ツドッケから
七跳山山頂
なにもありません
しかたないので7回跳ねてみました
2010年08月28日 11:20撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/28 11:20
七跳山山頂
なにもありません
しかたないので7回跳ねてみました
酉谷避難小屋
2010年08月28日 12:16撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 12:16
酉谷避難小屋
ここが水場
ではありません
2010年08月28日 12:18撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 12:18
ここが水場
ではありません
こちらが水場です
2010年08月28日 12:20撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 12:20
こちらが水場です
地図のTIPSは日記に書きます
2010年08月28日 13:11撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 13:11
地図のTIPSは日記に書きます
空身で登りました
2010年08月28日 13:32撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 13:32
空身で登りました
酉谷避難小屋の窓から
2010年08月28日 14:49撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 14:49
酉谷避難小屋の窓から
夕方雲取山方面
2010年08月28日 15:42撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 15:42
夕方雲取山方面
僕のイチオシアイテム
300gないんです
2010年08月28日 15:49撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/28 15:49
僕のイチオシアイテム
300gないんです
暇なんで4時くらいから飲み始めました
2010年08月28日 17:31撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 17:31
暇なんで4時くらいから飲み始めました
貸切り確定なんで干します
2010年08月28日 17:38撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 17:38
貸切り確定なんで干します
貸切り確定なんで縦に寝ます
2010年08月28日 17:42撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 17:42
貸切り確定なんで縦に寝ます
アメニティ関係のTIPSは日記に書きます
2010年08月28日 17:43撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 17:43
アメニティ関係のTIPSは日記に書きます
ガスってきました
2010年08月28日 17:45撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 17:45
ガスってきました
虫除けキャンドル
全然効果ありません
やっぱり蚊取り線香です
2010年08月28日 18:30撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/28 18:30
虫除けキャンドル
全然効果ありません
やっぱり蚊取り線香です
夜明けです
2010年08月29日 04:49撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 4:49
夜明けです
夜明けの富士山です
2010年08月29日 05:08撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 5:08
夜明けの富士山です
だいぶ明るくなりました

2010年08月29日 05:42撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 5:42
だいぶ明るくなりました

さて出発
2010年08月29日 06:02撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 6:02
さて出発
ここ危険
2010年08月29日 06:14撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 6:14
ここ危険
建設中ヘリポート
登山者にこれを非難する資格はないと思う
2010年08月29日 06:35撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 6:35
建設中ヘリポート
登山者にこれを非難する資格はないと思う
いよいよ長沢背稜の深部に入ります
2010年08月29日 07:31撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 7:31
いよいよ長沢背稜の深部に入ります
長沢山
ここ前後は結構やばいです
落葉とか雪とかあったら迷う可能性大
2010年08月29日 07:57撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 7:57
長沢山
ここ前後は結構やばいです
落葉とか雪とかあったら迷う可能性大
突然開けます
でも暑い
2010年08月29日 08:31撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 8:31
突然開けます
でも暑い
ここから大ダワまでの坂は相当キツイです
こちらからは下りでしたが、上りはきついだろうなあ
2010年08月29日 08:44撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 8:44
ここから大ダワまでの坂は相当キツイです
こちらからは下りでしたが、上りはきついだろうなあ
大ダワ到着
飯にします
2010年08月29日 09:18撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 9:18
大ダワ到着
飯にします
今日下山なので、軽くするために全部食べる
(しかしあとで後悔することに)
食事のTIPSは日記に書きます
2010年08月29日 09:25撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 9:25
今日下山なので、軽くするために全部食べる
(しかしあとで後悔することに)
食事のTIPSは日記に書きます
敬意を表してレリーフに
2010年08月29日 10:28撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 10:28
敬意を表してレリーフに
敬意を表してレリーフに
2010年08月29日 10:40撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 10:40
敬意を表してレリーフに
24時間ぶりに人にあいました
2010年08月29日 10:52撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 10:52
24時間ぶりに人にあいました
本当は三条の湯に下るつもりでしたが、体力に余裕があったので飛龍山へと向かう
2010年08月29日 11:21撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 11:21
本当は三条の湯に下るつもりでしたが、体力に余裕があったので飛龍山へと向かう
やたら広い場所
キャンプするのに最適ですが禁止です
2010年08月29日 11:55撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 11:55
やたら広い場所
キャンプするのに最適ですが禁止です
かなり疲れているが、ここから行くことに
2010年08月29日 13:43撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 13:43
かなり疲れているが、ここから行くことに
これの前にも測量の石があったが
2010年08月29日 13:53撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 13:53
これの前にも測量の石があったが
こっちが山頂?
2010年08月29日 13:55撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 13:55
こっちが山頂?
シャクナゲ地獄
2010年08月29日 13:59撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 13:59
シャクナゲ地獄
禿岩
2010年08月29日 14:12撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 14:12
禿岩
パノラマで撮ってみた
2010年08月29日 14:15撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 14:15
パノラマで撮ってみた
パノラマで撮ってみた
2010年08月29日 14:16撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 14:16
パノラマで撮ってみた
単調な道を行きます
この時点でおかしい
日が左から来ているってことは時刻的に西に向かってる
2010年08月29日 14:41撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 14:41
単調な道を行きます
この時点でおかしい
日が左から来ているってことは時刻的に西に向かってる
気づかず漫然と進む
崖崩れっぽいところも乗り越える
2010年08月29日 14:53撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 14:53
気づかず漫然と進む
崖崩れっぽいところも乗り越える
こういう岩も乗り越えるが…
2010年08月29日 15:02撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 15:02
こういう岩も乗り越えるが…
禿岩に引き返す
2010年08月29日 16:28撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 16:28
禿岩に引き返す
もう登りはやめて
2010年08月29日 16:31撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 16:31
もう登りはやめて
足よがんばれ
この方向でいいのだ
2010年08月29日 16:56撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 16:56
足よがんばれ
この方向でいいのだ
前飛龍
だからどうした
2010年08月29日 16:56撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 16:56
前飛龍
だからどうした
この坂きつい
2010年08月29日 17:06撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 17:06
この坂きつい
ここもきつい
2010年08月29日 17:08撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 17:08
ここもきつい
もう日が暮れるのでビバーク決断
2010年08月29日 17:39撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 17:39
もう日が暮れるのでビバーク決断
日が暮れる直前に設営完了
2010年08月29日 17:56撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/29 17:56
日が暮れる直前に設営完了
一応熊鈴を取り付ける
2010年08月29日 18:22撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/29 18:22
一応熊鈴を取り付ける
内部
2010年08月30日 05:08撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 5:08
内部
破って出られるようナイフを側に
2010年08月30日 05:11撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/30 5:11
破って出られるようナイフを側に
夜が明けました
2010年08月30日 05:34撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 5:34
夜が明けました
半分だけ食べます
2010年08月30日 05:43撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/30 5:43
半分だけ食べます
撤収後
2010年08月30日 06:17撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 6:17
撤収後
サオラ峠分岐点
丹波に直行
2010年08月30日 06:47撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 6:47
サオラ峠分岐点
丹波に直行
この角度やばいです
2010年08月30日 06:56撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 6:56
この角度やばいです
ロープに閉じ込められました
2010年08月30日 07:11撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 7:11
ロープに閉じ込められました
足よあれが丹波村だ
2010年08月30日 08:37撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 8:37
足よあれが丹波村だ
人里がこれほどありがたく思ったことはありません
2010年08月30日 08:50撮影 by  uTough-8010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/30 8:50
人里がこれほどありがたく思ったことはありません

感想

長いです。

1日目
いきなりヘビに会う。
尻尾バタバタして威嚇してる。
登山道の山側1mくらいのところなので、微妙に恐い。
跳ねたら届くかも。。。
枝を拾って投げてみたが、動じない。
しょうがないから一気に駆け抜けた。
帰ってから確認したらシマヘビだった。
毒ないし。子供の頃よく捕まえたのに。
全然わからなかった。
しかしこれって前途を予兆したサインだったのだろうか…

七跳山は何もありません。
しかたがないので、七回跳ねてみた。

酉谷避難小屋は貸切りになってしまい、まったり過ごして最高でした。

2日目
多分、水松山の分岐点あたりで昭文社の「奥多摩」地図を落とす。
ザックの脇のポケットに入れたつもりでしたが、外側のバンドに挟んだだけだったようです。
一応1/25000地図を武蔵日原、雲取山、丹波と持っていたので大事に至らず。

水松山〜長沢山〜芋ノ木ドッケあたりで北に巻く登山道はかなり怪しかったです。
1/25000地図とコンパス必携だと思います。
しかし、上にも書きましたが、なぜか携帯は圏内なので緊急の場合は北側斜面に出た方が連絡できる可能が高いと思います。

飛龍山から下りたところがいきなり禿岩前だったので、そのまま禿岩に直行しました。
景色は最高。しばらくまったりして戻ってから、なぜか左に奥秩父縦走路に入ってしまう。
いまだになぜ左に入ったのか理解できないですが…
この時点ですでに8時間歩いていたので疲れていたのかもしれないです。

漫然と何も考えず登山道を歩いていました。
1時間も歩いたでしょうか。
しかし行けども行けども単調な巻道で、どうもおかしい。
急に不安になって、ここで初めてコンパスを取り出す。
なんと、西南西に向かってるじゃないですか!
丹波とは逆方向です。この時点で禿山から反対に来てしまったことは確定しましたが、ではこの道はどこに続いているのか。
1/25000地図で見ると、ぼくの歩行速度からおそらく竜喰山のすぐ手前まで来ていると思われましたが、確信は持てませんでした。
そこで携帯を見てみると圏内だったので、付属のiアプリの「地図アプリ」とかいうのでGPSから地図表示ができたと思うので、起動してみました。
すると、なぜか丹波中学校の裏くらいに居ることになってます。。。
地図アプリが正しいとすると、この登山道は奥秩父縦走路ではなく別のルートになります。
しかし1/25000地図には奥秩父縦走路以外の登山道の破線はない。
禿岩以降道標が一切ないので、もうわからなくなりました。
また、仮りに将監峠方面に向かっているとしても、手持ちの地図では将監峠が出ていないため、将監小屋まであとどれくらいあるのかがわからない。

この時点で水は1リットル切っていましたし、食糧は非常用のスニッカーズ小3個とキャラメル1箱、雲取山荘で出会った方に偶然いただいたビスケット1個だけだったので、もしこのルートが将監峠方面に向かう奥秩父縦走路でない場合、明日下山できなければかなりやばいので引き返すことにしました。
この時点で16:40過ぎていたと思います。

途中梯子橋から沢に下りて、ちょろちょろ流れている水を15分ほどかけてプラパスに2リットルほど充填。
泥とかごみとかも入ります。
すでに空腹で腹がグーグー鳴っていたので、スニッカーズとキャラメルを食べながら禿岩へと急ぐ。
最後の登りをなんとか越えて禿岩にたどり着く。
もう11時間歩いている…
1/25000地図を確認すると、ここからはもう激しい登りはなさそうなので、とにかく丹波に急ぐ。
しかし飛龍山分岐点〜前飛龍〜熊倉山まで意外と登り降りを繰り返すので、参ってしまいました。

熊倉山に到着が17:39で、これ以上歩いても日のあるうちに丹波にはたどり着けないのは確実だし、この下の状況がわからないので、テント張るにはちょうど良いくらいの広さがあるのと高台になっているので、熊倉山山頂でビバークすることにしました。
幕営と同時に日が暮れました。。。

疲れきっていたので、19時前にはうとうとしてましたが、鹿がうるさい。
本当に近くまできて「キョン」だの「キョーン」だのうるさい。
あまりうるさいので、大声を出したりしましたが、全然効き目なし。
それに、なんだかわからないけど歯をならしてるのかわからいないけど、「カウカク」音を出す小動物らしきものがテント近くまできて、うろうろしてて気になって眠れない。
どうしたらいいか悩んだ末、試しにiPodを取り出して音楽を鳴らすと(イヤフォンでも静かな山の中では結構な音量になるので)それっきり寄り付かなくなりました。
ただそこからは空腹で眠れそうになかったので、最後のキャラメル1個とお湯でしのぎました。
ビスケットは最後の最後までとっておかなければ。

またうとうとしていると、23時頃でしたか、今度は結構大きい動物が、ザザーっとすぐ近くの薮をかけ下りて行きました。。。
多分猪だと思うんですが、山の名前が悪い。熊倉山。熊かもしれない。
もしもの場合に備えて、ナイフを右手の脇に置くことにしました。
またごみ袋の食べ物の匂いにつられてくると困るので、蚊取り線香を炊いてごまかしたりしましたが、効果のほどはわかりません。
※蚊取り線香は携帯式のぶら下げて使えるやつのミニタイプ

夜寒かったので非常用の銀シート使いました。
100円均一で買ったものですが十分でした。

3日目
そうこうしているうちに寝てしまい、5時頃に目覚める。
森の仲間たちも0時過ぎると静かなようです。

朝起きたとき体調は思っていたより良かった。
ビスケットを半分だけ食べて、お湯を飲んでテント撤収後下山開始。
余計な体力を使わないようにゆっくりゆっくり歩く。

しばらく下るとサオラ峠の分岐点にきたので、迷わず丹波への直行道をとる。
しかしこれがかなりやばい。
かなりの急坂なので、もしどこかで崩落等で通行できなかったらもう尾根筋まで戻る体力はないかも。
などと考えながら下る。

25分ほど下ったところでいきなりロープが張られていました。
最初に谷側の古い黄色と黒の、いわゆる虎ロープを行きましたが、岩に突き当たってしまい新しい方の虎ロープの道へと誘導されます。
そこを登るとさっきの古い虎ロープのところに戻ってしまい、三角形のループに閉じ込められてしまいました。

踏み跡をみると、ロープを超えて続いているようなのでそちらに行ってみましたが途中から引き返していたので断念。
もう万事休すです。
水はもうほとんどないし、食糧はビスケットの残り半分。
尾根筋まで戻れてもそこから熱中症でもう動けない可能性大。
となると、ここを無理矢理下るか。
しかし相当な傾斜なのでかなり危険。
あるいは山頂に直登して丹波天平に出るか。
いや無理。
自分にもう一度問う。尾根筋まで戻って天平ルートを行けるか?
わからない。
もうほぼ1日食事してないし、水ももうすぐなくなる。
ザックは水、食糧が空でも18Kgほどある。

ここでザックを降ろして自分を落ち着かせる。
自分の今の位置は道が続いていれば、おそらく丹波まで30分くらいのところにいるはず。
もし本当に通行止めならもっと前に標識があるはず。
ならこのロープの結界はなにか。
もう一度獣道のような踏み跡を辿ってみる。
行けない。
直登してみるがやはり行けない。
通ってきた道をロープ伝いに下ってみるが、岩の向こうに登山道は見えない。
ザックのところまで戻って思案する。
結局なんとか電波の届くところまで出て、奥多摩役場の登山道管理している課に電話すればなにかわかるに違いない。
この斜面を無理矢理下れるか、他のルートがあるのか聞いてダメなら上まで戻って行けるところまで行こうと決める。

そのとき、はるか下の方から車の音とか聞こえてきた!
きっと人里はそう遠くない。

携帯電話を取り出して電源をいれてみるとやはり圏内。
でも携帯の電池が赤い。多分昨日から。

104で奥多摩役場の電話番号を聞いて電話をかける。
しかし、まだ7:30なので出ない。
しかたがないので15分待つ。
7:45まだ出ない。もしかして役場って9時始業か。

もう一度電源を落とした後、次はもう電池切れで立ち上がらない可能性もあるので電源は落とせない。
もう猶予はないので、110番に電話する。

「すいません、今奥多摩の丹波という村のすぐちかくの山にいるんですが、登山道の通行止めの情報とかありませんか?」
「えーと、どこですか?」
「奥多摩の丹波という村の裏の登山道でサオラ峠というところです。エスケープルートがあるか聞きたいのですが」
「えーとね、ちょっとまってね」
「はい…」

1,2分待たされる。
電池が気になる。

「あ、もしもし?」
「はい!」
「そこらへんの道は相模原の管轄なんで相模原の警察に電話してくれる?」
「はあ。何番ですか?」
「OOOOOOOです」
「わかりました」

相模原の警察に電話する。

「いま丹波の裏のサオラ峠ってところにいるんですけど、登山道の…」
「え、どこ?」
「丹波の裏のサオラ峠ってところです」
「丹波って奥多摩の」
「はい」
「なに峠?」
「サオラ峠って登山道ですが、通行止めの情報ってないですか?」
「登山道はこっちの管轄じゃないよ。役場にかけてみて」
「そうですか…」

このやり取りが終わったのが7:50頃。
役場にまた電話する。
でない。

電池が気になってしょうがないので119番する。

「どういたしました?」
「あのー、いま奥多摩の丹波っていう村の裏のサオラ峠っていう登山道にいるんですけど、なんか通行止めっぽいロープが張ってあって、先に行けないんでもう戻るしかないんですが、その場合水と食糧がもうないので峠まで戻るのが一杯いっぱいなんです」
「はい」
「で、もし通行止めで尾根筋まで戻れたとしても熱中症で最悪の場合救助要請する可能性もあるんです。でもその前に、ここが本当に通行止めかどうか、他に下りれるルートがないか、直降した場合に丹波の近くの車道に下りれるのか教えていただきたいんですが、そちらでなにかわかりますでしょうか」
「ちょっと待ってください」

しばらく待つ。
電池が気になる。

「その辺の登山道についてもしかしたら丹波の消防署でわかるかもしれないので転送します」
「お願いします」

しばらく待つ。
電池がすげー気になる。

「もしもし。丹波の消防のものですが」
もう一度状況を話す。

「んーと、そこに虎ロープあるんですよね」
「はい」
「それ張ったの私たちなんでよくわかりますが、峠から15分くらい下りたところですよね?」
「そうです、そうです!」
「じゃ、そのまま進めば下りられますよ」
「えー!でも登山道というか踏み跡もないですよ」
「そんなことないと思いますよ。そこから毎日みなさん下りてますよ」
「ちょ、ちょっと待ってください。空身で下りてみます」

ここで、空身で途中まで下りて虎ロープの三角形の下の頂点を覗いてみるが道はなさそうである。

「登山道らしきものは見当たらないんですが…」
「えーじゃあ変なところに迷い込んじゃったのかなぁ。そこって大きなつげの木があって、ちょっと越えるような感じになってるところで、新しい虎ロープが張ってあるところですか?」
「そうです。でも古い虎ロープがその手前にあって、下に向かって張ってあるんですけど、そっちに行くとこの新しいロープの方に誘導されて元に戻っちゃんです」
「んーそんなのあったかな。だれかいたずらしたのかなぁ」
「もうちょっと下ってみます」

もっと行って岩の向こうを覗いてみると…
なんと岩の後ろに踏み跡と別の古い虎ロープがあるではないですか!
ブラインドで全然見えなかった。。。

「あ、あー ありました、ありました!」
「そうですか。よかった」
「ありがとうございます」
「一応下山したら連絡もらえますか」
「はい。あ、でも携帯の電池がもうないんで連絡できないかもしれません」
「じゃ、役場に寄ってください」
「了解しました。もし10時までに役場に行かなかったら心配してください」
「わかりました」

ということで、下山再開。
その後は特にやばい箇所もなく、無事丹波村に到着。
役場で状況を説明して帰路に。
ちなみに役場で聞いたところでは、この辺は野生動物が増えちゃって獣道が登山道並に整備されてしまってるので、よく道迷いが起きているそうです。
ただ電話が通じるのが救いとのこと。

バスは1日3本くらいしかないので、タクシーを呼びました。
奥多摩駅まで7,100円かかりました。
いちいち書くのが馬鹿馬鹿しいくらい、反省するところの多い山行でした。

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コメント

無事帰還
kanemaruさん、初めまして。

道迷い遭難寸前に陥った生々しい手記ですね。
厳しい状況に陥っても冷静に状況分析されているのがすごいです。

自分では大丈夫問題ないと思っていても
「あれ?」と気付いたときには道を間違えているものなのだ、
いつも集中して気をつけなくてはならない、
と改めて思わされました。

それにしても、警察や消防をタライ回しにされている間に
携帯の電池が切れなくて良かった…。

このところ荷物を軽くするために非常食を少なめにしていましたが、
一日はもつように見直すことにしました
2010/9/3 1:59
コメントありがとうございます
melonpanさん、はじめまして。

コメントありがとうございます。

あれですね、踏み跡がないようなところは地図とコンパスを使って慎重に歩きましたが、完全に登山道ってわかるくらいしっかりしたところだと、変な思い込みで進んでしまうんですね。
多分疲労もあったんですが、仕事のこととか他のことを考えていたような気もします。
もしかしたら何も考えてなかったかも。。。

電池が切れていたら、水がもうなかったので、多分尾根筋まで登り返して動けなくなっていた可能性大です。電話の時点で既に30度くらいありましたから。

僕も次回から非常用に+1日分の食糧と、さらにザックを放棄しても携帯できる本当の非常用食糧ももう少し持っていくことにします。
あと、引き返す体力を考慮して1日に5時間以上歩く行程の計画はしないことにします。
2010/9/3 8:14
私も迷いました
kanemaruさん初めまして。

なかなか大変な山行でしたね。

私も先週、サヲラ峠からおりるときこの場所で
しばらく思案しました。降りる方にも、まっすぐの
方向にも虎ロープがあって、どうしようか迷いました。kanemaruさんのときと少し変わっていたかも
知れませんが、気になる場所でした。
何も考えずに下っていけば、なんとも思わない
場所かも知れませんが。
道標が欲しい場所ですね。

このルート歩いてみたいです。
2010/10/30 21:05
RE:私も迷いました
kurikuri8さん

どうもです。

分かり辛いですよね。。。
あそこまでずっと斜面をまいてきたのに、いきなり直降に近い勢いで下に降るなんて僕的には思いもよらなかったし、結構踏み跡とかも斜面沿いに続いていたので、本当に通行止めかと思いました。

現在、天平から上がって将監へ向かう「リベンジコース」を計画中です〜
2010/11/4 21:34
すんごい
リンク巡っておじゃまします。

感想/記録が面白くて(すんません)一気読みしちゃいました。

最初日程だけ見たら、3日も縦走するなんてすんごいなーと思ったら
別の意味ですんごい事になってたんですね。

私も一回迷ってビバークしたことありますが、
ここまで切羽詰まった事態になりませんでした。
(わかる地点まで戻った時点で日没)
とっても参考になります。

別の記録も読まさせていただきます。
2010/12/7 11:29
RE:すんごい
takaakaさん

どうもです。
このときに何が不安だったかというと水と食糧なんですよ。
特に汗かきタイプなんで結構簡単に脱水症状になったりします。
昔ジムで1日の練習で3Kg近く落としたことがありますが、ぶっ倒れました。
減量の場合は最悪脱落すれば水も飲めるしめしも食えますが山の中だと死にますからね…
2010/12/7 14:52
知りませんでした
kanemaruさんがこんなに壮絶な体験をされていたとは。遅ればせながらびっくりです。(2011年4月1日)

警察、役場、消防と電話する場面がスリリングですね。背筋が涼しくなります。

熊倉山の小平地、私も一泊しました。冬にお祭り・親川から天平尾根をたどって、飛竜山を目指して時間切れ。テントで一泊して、翌朝ひざが痛くて丹波へトホホの下山でした。
2011/4/1 15:00
RE:知りませんでした
おお、jinzaemonさんも熊倉山で露営しましたか!
あの辺りで幕営できるとことって、あそこしかないですよね。
前飛龍でもなんとかなるかな…

このとき丹波の地図も持ってなかったので、斜面を降りて車道に出れるかどうかもわからなかったので本当に進退窮まりました…めちゃくちゃ暑かったし

これもやはり権現様にお参りしなかったバチでしょうかね。

kanemaru
2011/4/4 13:07
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無雪期ピークハント/縦走 奥多摩・高尾 [2日]
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