初冬の木曽駒ヶ岳・宝剣岳
- GPS
- 24:00
- 距離
- 4.2km
- 登り
- 467m
- 下り
- 479m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
現地ホテル〜バス〜しらび平〜ロープウェー〜千畳敷 |
コース状況/ 危険箇所等 |
アイゼン・ピッケルは必携 宝剣岳周辺は積雪少ないがミックス帯であり、引っ掛け注意 以下写真 Nikon D70 SIGMA 18-125mm f/3.8-5.6 DC OS HSM |
写真
感想
2005年度初めての冬山登山。冬山としての難度は高くない木曾駒ケ岳(中央アルプスの最高峰で百名山)にチャレンジ。危険箇所が多い宝剣岳は、雪や凍結の具合を見てアタックするかしないかを判断することでUDAと合意。ある程度の降雪があり気温も-10℃を下回ったことで「冬山」となった事を「ようこそこまがねへ」HPで確認し有休をとり出かけた。
ロープウェーで2600mの千畳敷まで行けるため前日にふもとの駒ヶ根に宿泊することに。金曜なのでテキトーに現地でビジネスホテルをとるつもりだったが、目当てのホテルは満室。しょうがないのでちょっとボロいが安いホテルにとまる事にした。夕食に外へ出たがいい店がなかなか見つからず。駒ヶ根名物のソースカツ丼はあまり食べる気にならず駅周辺を散々はしりまわった結果、駅前のごくふつーの食堂でとりわさ丼を食べたら意外とおいしかった。
宿に戻り装備の確定とパッキングを済ませ温泉に浸かった後就寝。初の冬山だった八ヶ岳の時とは違いよく眠れた。
6:50に起床。山登りにしては遅いがロープウェーの始発が9時と遅いためだ。8時過ぎのバスでしらび平駅へ。登山客が多く始発には乗れなかったため次発に乗る。標高差日本一(950m)のロープウェーは7分半で2612mの千畳敷駅まで連れて行ってくれる。え?そんなとこまで行けちゃうの?ほとんど登らないじゃない?・・・そう言われると何も言い返せない(笑) 確かにそのとおりでこのロープウェーがあるがゆえに千畳敷は一般の方に馴染みやすい日本でも有数の高所となったのだ。これが出来る前の木曾駒ケ岳は、日本でも屈指の大登りを強いられたとの事。ロープウェーがあるのにわざわざ登山道を行くような余裕がないのはサラリーマンアルピニストにはしょうがないところだ(笑)。。
千畳敷につき駅の外に出ると、宝剣岳が圧倒的な存在感を示し眼前にそびえ立っている。木曾駒ケ岳はここから見る事は出来ない。寒さもいよいよ冬山という感じで、-5℃を下回りさらに下がっていく。駅の前は雪が踏み固められた上の冷え込みで凍りつきカチンカチンの状態。登山が目的ではない一般の観光客はふつうの靴で滑ってバランスを取るのが難しそうだ。景色に見とれ何枚かの写真を撮った後早速登山準備、アイゼンを装着する。1月の八ヶ岳以来の10本爪はシャリッシャリッと耳に心地よく「いよいよ冬山だ!」という子供のようなワクワク感・緊張感が沸いてきた。
休憩はほとんど取らず乗越浄土を目指し上っていく。その間すばらしい景色の連続で何枚か写真に収めた。富士山もかなりくっきり写るくらい空気がすんでいる。若干風が強くなり積もった雪が粉雪のように舞ってキラキラしている。気温は-10℃。これ以下の温度になると雪は乾燥雪となり握って固めようとしても出来ない。服にも張り付くことはないサラサラ具合だ。そうこうしているうちに乗越浄土を過ぎ、宝剣山荘に到着。伊那前岳が目の高さで光を浴びて綺麗だ。トイレ休憩をした後ルートを考える。先に宝剣岳を目指すか、それとも木曾駒にするか? いろいろ考えた結果木曽駒を先にする事にした。宝剣岳に先にいった場合は、時間的にみて上りと同一ルートで降らざるを得ないからだ。後に行けば雪の状況次第では宝剣岳南稜〜極楽平経由で降る事が可能だ。まずは木曽駒の手前にある中岳を越える事にした。中岳は巻道をトラバースしていくルートもあるが、写真のような看板があり積雪期は通行禁止となっている。トレースはついていたが、危険は避け通常ルートで進むことにした。同じロープウェーで来た客はほとんど宝剣岳に向かったようで木曽駒方面へいったパーティーは他に一組くらいしかいなかった。
中岳を越えるとようやく木曾駒ケ岳が姿を現した。のっぺりした感じであまり格好のいい山ではない、という印象だ。少なくとも宝剣岳のようなインパクトは感じられないが中央アルプスの主峰には変わりはない。中岳を少し降りた後頂上を目指して登っていった。右手後方には伊那前岳、後方には宝剣岳が雲の中に浮き立ち素晴らしい景観だ。登りはきつくなく難所も全くなしでかなり物足りない感じ。程なく木曾駒ケ岳の頂上についた。風もほとんど吹いておらず冬山の厳しさは感じられなかった。眺めはなかなかよく、中央アルプス主稜線の方向、檜尾岳や空木岳であろうか。きれに見ることができた。とりあえず記念写真を撮りいよいよ宝剣岳に向かう事にした。
宝剣岳の取り付きにくると、あいかわらずダイナミックな山容であることを認識させられる。正直「かっこいい」と思えるのだ。登山者に人気なのも素直にうなづける。ただし中央アプルスでは一番の事故発生箇所である事に変わりはないので、関心してばかりもいられず緊張させられる。ただ、夏に登っているので危ないところはわかっているしいけるだろう、そう思って進みだした。アルペンムードが色濃いここら一体は正に岩場の連続。初冬なので岩場の雪もそう深くはなく場所によってはアイゼンがガリガリ音をたててかなり歩きにくい。ただし、もちろんはずすわけにはいかない。時々氷化した雪があり、そこに足を乗せなければならないのだ。アンザイレン(ザイルでお互いを結ぶ事)してるわけではないので、UDAはかなりいい勢いで進んでいくが自分は慎重になりペースはかなり落ちた。とはいっても写真はぜひとも撮りたいので下のような作品はしっかり残せた。少しは山岳カメラマンらしくなってきたか!?そしていよいよ待望の頂上が見えてきた。。。
頂上の大岩のあたりはほとんど雪が風で飛ばされて、夏と変わらない雰囲気だ。UDAは例によって、お賽銭。景色を楽しみ5分後には出発。結局、この雪なら南稜へ行けるだろうと判断し、極楽平へ向け出発。今回のルートの核心部である。ここはやっぱり怖かった。完全なミックス帯でアイゼンを岩に載せる箇所が多く、いい気持ちがしない。3点支持で慎重に進み、時折鎖も使い無事突破した。極楽平付近まで来るともう安全地帯だ。時間もあるのでここで紅茶を沸かして飲むことにした。水は持ってきてないので雪でつくった。
後は普通に夏道ルートで下りるだけだ。写真を撮りつつゆっくり下り、駒ケ岳神社付近でカップラーメンを作って食べた。
今回は、雪が多すぎず自分達のレベルにマッチした雪山だったかな、という印象。いつかは、主稜線方向への縦走もしてみたいものである。
了
(文章はstk)
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