厳しかった蛭ヶ岳登頂。 トレース無しの南稜から


- GPS
- 12:01
- 距離
- 26.4km
- 登り
- 2,159m
- 下り
- 2,152m
コースタイム
- 山行
- 10:28
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 11:42
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ゲートまでは雪は無いです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎1/24時点での積雪・コース状況です。 玄倉林道は石崩隧道・玄倉ダム付近から凍結個所あり、6号隧道付近から雪道になっています。熊木沢出合まで除雪しています。無雪期とほぼ変わらない時間で歩ける状況です。 熊木沢沿いの河原歩きは第二堰堤まではトレースがありましたがそれ以降は我が隊以外無いです。全体的に20センチ程度の積雪です。無雪期は55分程ですがこの日は1時間45分かかっています。 蛭ヶ岳南稜については、急斜面で南面なので意外と積雪は少な目になっています。風向きの影響で尾根の西側は雪が少なく、東側は吹き溜まっているので西側を歩きました。深い所では50センチ以上ありましたが、岩が露出している部分などは全く雪が付かない個所もあるので、うまくRFして登ると良いでしょう。登り始めて100mは物凄い急斜面、その後は木の根などを掴みながら登り、1400m付近から岩場が多くなり、1500m付近からはイバラが多くなります。1240mと1620付近がほんの少しだけ平らになっています。1620m過ぎの所に残置ロープが2か所あります。右に登って左に登るルートです。ロープを過ぎるとイバラ地獄です。夏道の場合、中央突破すれば血だらけになりますので、左(西)から巻くのですが、積雪期は滑落の危険もあるので多少棘が刺さったとしても中央を突破した方が良さそうです。イバラ道を抜ければ山頂はすぐそこです。 無雪期は1時間20分程ですがこの日は倍の2時間40分かかっています。 棚沢の頭尾根は弁当沢ノ頭を過ぎた標高1200m付近の植林帯まで踏み跡がありませんでした。吹き溜まりでは50センチほど。ワカンで降ったので無雪期とほぼ変わらない時間で降れました。 |
写真
これは助かった~。
でもそのトレースは我が隊が向かう西沢では無く、東沢方面に向かっていた、残念。
ありがたや~このトレースに(*^^*)
ついて行ったけどすぐにお別れ(g)
感想
月曜日に降った雪は丹沢でも40センチ積もりました。
蛭ヶ岳山荘の小屋番さんの話では木曜日にようやく一名の方が大倉方面から登頂して来たと。土曜日の宿泊客は14名の予約があったがすべてキャンセル(飛び込みで一名のみ)。その後も大倉方面から数名登頂があったのみで、姫次や檜洞丸方面からは未だにトレースが無い状態。姫次に降る木の階段は小屋番さんが雪払いをしたようですが、その先は全く踏み跡なし。檜洞丸方面の西尾根は積雪期に歩く人などいない。北の市原新道方面は早戸川林道が通行できないので当分無理。(小屋番談)
そんな厳しい状況になっているとは知らず「雪が降ったら南稜から登りたい」と前から決めていたので、予定通り玄倉林道から南稜を登る事にしました。
熊木沢では2名程のトレースがあり、ある程度標高の高い所まで踏み跡があったらいいのになぁと思って期待していたが、取付まで半分くらいの第二堰堤で無くなり、その後は踏み抜き地獄で体力を失う。すると突然、人間が作ったトレースよりも立派な「鹿のトレース」が現れる。これには助かりました。でもそのトレースは西沢では無く東沢方面に向かっていたのでたったの100mだけの快適区間でした。よほど快適だったらしく、goeは鹿の足跡に釣られて東沢方面に向かってしまう。
南稜取付に到着して改めて、登るか撤退か、話し合う。南稜は急斜面で夏道でも下るのは危険なので、我が隊は一度も降ったことがない。この尾根は登り始めたら、山頂まで登りきるしかないのだ。とは言え、標高差200mくらいならロープで確保しながらゆっくり降りられると判断し、標高1240m付近の「第一ほっこり平」までは登る事にした。
取付から登り始めてすぐ、谷筋の吹き溜まりにハマって普段の3倍近くかかってしまうが、それでも頑張って登る。高度計のデータでは10分間で50m登っている。このままいけば山頂に12時には着くはず。ならば急斜面を降りるリスクを考えると、時間がかかっても登ってしまった方がいい。
熊木沢の踏み抜き地獄で体力を消耗した自分に代わって、goeが先頭に立ってトレースをつけてくれた。夏道の南稜では一度も先頭に立つことは無いのに、この日のgoeはとても頼もしかった。1400m付近から岩場が多くなり、そこからは自分が先行してルート取りをする。山頂直下1620m付近の第二ほっこり平を過ぎてから一気に急斜面になり、残置ロープが2本ある。あの急斜面をロープ無しで登るのは大変だ。ロープが雪で埋まっていないか心配だったが、幸いにも半分露出していたので、掘り起こして使う事ができた。ここからは気の抜けない急斜面が続く。持参したザイルでお互いを結び付けて10mずつ交互に進んだ。最後の「イバラ道」を回避する横トラバース経路は滑落の危険もあるので、イバラ道を中央突破する事にした。幸いな事に雪でイバラが半分埋まっていて、棘が刺さって痛い思いはせずに済んだ。そしてイバラを過ぎると山頂はすぐそこ!
厳しかった分だけ喜びも大きい。南稜は何度も登ってるが、今までで一番辛くて嬉しい登頂だった。
山頂にはこの日蛭ヶ岳に一番乗りと言う方が一人居るだけでした。ほとんどの方が丹沢山までで引き返す中、蛭ヶ岳まで来る人はほんの数名のみ。やっぱり丹沢の中でも最も厳しい山なんだなと改めて感じましたね。
下山ルートはトレースのある大倉に降るか、踏み跡の無い棚沢ルートを降るか迷ったが、車の回収が大変なので棚沢ルートにしました。ゲートに着くころにはもう脚がパンパンで痛い。当分の間、厳しい山行はお休みしたいです。
雪の後の蛭ヶ岳へ行こう!
最初は大倉尾根からで考えてましたが、やっぱり昨年同様南稜から登る事にしました。どれだけの雪があるか予想がつかないので撤退する時は潔く戻ろうと。
南稜の取り付きまで来て空を見上げると不穏な雲が。それに加えてチラチラする雪も。このまま天気下降かなぁ?と思いながらも取り付きまでは予定通りでしたので
先に進みました。要所でisと相談しながら上を目指します。
西の空を見ると青空が。もうこの時点では下る方が怖い状態。
とにかく焦らずゆっくり進むことにしました。
最後の急坂のロープが出ていたので助かりました。あるのとないのとでは更に怖さが増します。
昨年よりは脚力ついてるかな?と思うけど雪が多くなかなかタフな登りになりました。でも山頂に着いた時はその疲れを忘れるぐらい嬉しい瞬間(^^)v
昼食休憩の時点では「棚沢にトレース無ければ大倉へ下って車は翌日回収しようか?」と話してましたが様子をみてトレース無くても下山出来ると判断しました。
ノートレースの綺麗な尾根でワカンの効果も確認でき、いい雪山歩きになりました。
コメント
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isさんgoeさんこんにちは。
昨夜に蛭ヶ岳のレコを探しても、鬼ヶ岩迄の情報だけだったので登山道がどうなってるか気になっていましたが、なんともう南稜を行かれましたか!相分からず凄いです
蛭ヶ岳の雪化粧した姿がかっこ良すぎてウズウズしておりますが、明日(火曜日)はあまり時間が割けないので行けるとしても来週です。単独で入るのはやや怖いですが、この景色と雪の日ならではの達成感を味わってみたいです
ホバークラフトワカンの威力は相割らずのご様子で
お疲れ様でした!
fumihikoさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
fumihikoさんなら今日(火曜日)あたり南稜から登るんじゃないかなと、ゴエとも話していました!
来週ですか?週末また雪が降りそうなので楽しみですね
南稜は陽当たりのよい南面で、雪つきの良くない急斜面なので雪は少なめですけど、融けて表面が固まると一気に危険な状態となりますから案外雪が降ったらすぐ登った方が良さそうですね。
レコ楽しみにしてます
isさん、goeさん、こんにちは。
流石、南稜を歩き慣れてるお二人ですね。凄い。
私も制限時間を決めて道志側から目指しましたが、届きませんでした。
やはり13時には富士山の雲が取れていたのですね。
写真も素敵です、全拍手させて頂きました。お二人の最高です。
millionさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
焼山の下見レコ見ていましたので、蛭の山頂でお会いできるかなと期待していましたが、北からのアクセスは相当厳しかったようですね。
「あのmillionさんが途中撤退するくらいなので北は相当厳しいぞ!」二人で話していました。でも時間制限がなければ蛭まで行けましたね
南は北に比べて半分くらいの積雪なので、たまに踏み抜く程度で済みました。それに二人で先頭を交代しながらだったのも良かったです。ありがとうございます
相変わらず凄いことやってますね。
恐れ入ります。
檜洞でお会いした時はこんな凄い人達だとは知らずに軽くお話しして大変失礼しました(今更)。
私は楽しくスノーハイクです(笑)。
そうか、檜洞方面も姫次方面もトレースないんだ。
こうなると丹沢もレベルの高い山になりますね。
またレコ楽しみにしています。
hakkutuさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
hakkutuさんのスノーハイクレコ見ました。相変わらず楽しそうで羨ましいです
いつかはhakkutuさんの様にゆとりのある山行がしたいのですが、せっかちなもので
姫次方面は小屋番さんも下山しましたし、他の方のレコも上がっていたので24日にはトレースが付いたみたいです。でも檜洞丸方面はまだの様です。あちらは檜洞丸抜けるのに6時間以上かかりそうです。西と北は当分厳しいです
isさんgoeさん
お疲れ様でした
熊木沢からの主峰
見た事ない程 素晴らしい眺めですね
黒いチェーンアイゼン
塩水橋から往復されたbaruさんの落とし物ですね
kazikaさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
kazikaさんにはいつも丹沢の素晴らしい景色を紹介して頂いてるので、写真を褒めて頂けると素直に嬉しいですね(あまり写真を誉められたことが無いので
そろそろ早戸川からアクセスして白馬尾根を歩きたいですけど、林道歩きが長くて厳しいですかね。kazikaさん今週末あたり歩いてみてくれませんか?
ご迷惑をおかけしました。チェーンアイゼンの持ち主ですσ(^_^;)
蛭ヶ岳山荘で玄倉からって聞こえた時は耳を疑ってしまいましたが南陵だったんですね!
しかも弁当沢ノ頭経由で降りるなんてびっくりです。
棚沢ノ頭の道標、今週末に行ってみます。
ありがとうございましたm(_ _)m
baruさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
チェーンアイゼン、持ち主が見つかってよかったです
山頂で宮ヶ瀬湖方面のベンチで休んでいた方ですよね?憶えています。この日お会いした数少ない登山客ですから
isさん、goeさん、こんばんは。
そんな近くにいたのですね。計画通りだったら会えたのに残念でした。お二人は計画どおり南陵から登って周回したのですね
まだ雪が多くて暫くは丹沢で雪山が楽しめそうですね。goeさん、ちゃんとワカンを持って行ったんですね。次回は僕も見習って持って行きます
Futaroさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
Futaroさん達と蛭で会えるかな?と期待していましたが、あの雪の状況では登頂なんて無理ですよね。南稜の雪はそれほどでもなかったので時間も普段の2倍くらいで済みました。ただ急斜面の岩場なので怖かったです。ましてや降ることなどできません
<fumihiko_onoさん>
蛭ヶ岳はホントどこから見てもかっこ良いですね~。
今回の雪化粧の姿にまた惚れ直しました
熊木沢歩きではワカンの調子がイマイチで。ただの荷物になるところでしたが、
棚沢では絶好調!雄姿を見て欲しかったです
isもびっくりしてました(^^♪
<millionさん>
前日の下見レコを拝見し、我隊も頑張ろう!となりました。
2:30出発との事でしたので、ニアミスかな?と話ながら登ってたんです。
やはり北は雪が深いですね~
蛭山頂では雲がかかっていた富士山も下山途中で見る事ができ、
また元気が出ました
<hakkutuさん>
「踏み跡も無いだろうし疲れるなぁ~」と思いながらも、
このコースを選んでしまいました
朝の不穏な雲が一転して青空+富士山に元気もらって登れました。
ホームセンターのグローブ!効果また教えて下さいね。
(グローブを散財してしまった私です(笑))
<kazikaさん>
この日の主峰、ホント真っ白で綺麗でした(^^♪
熊木沢からの雄姿を見ると、毎度「つらいなぁ~」と思いながらも
再訪してしまいます(笑)
第2案で臼南尾根下山も考えてたんですが今回は全然無理でした
いつになったら行けるかな?!思案中です
<baruさん>
宮ケ瀬湖方面のベンチで休憩されていた方ですね!
持ち帰りレコでアップしようかと悩みましたが、ユーザーさんじゃないと見ない
だろうし、探しに戻るかも?と思いましたので置いておきました。
無事にお手元に戻りますように
<Futaroさん>
isと「Futaroさん今頃どの辺りかな?」と気にしながら登ってました!
やはりそちら方面とは雪の量が違いますね。
そろそろ滝見に行きたいのですが、今週末も雪の予報なので益々厳しくなり
そうです
楽しく降りてこれましたよ(^^♪
isさん goeちゃん こんばんは。
熊木沢から見上げる蛭さま素敵っ
白く化粧した勇姿に惚れちゃいました(*^_^*)
トレースをつける男前なgoeちゃん カッコいいです
丹沢であって丹沢じゃないみたいな景色にうっとり
素敵なレコありがとうございました。
雪の蛭ヶ岳日帰りはハードル高いのでしばらくお預けかな。。。
鹿になって雪の丹沢を縦横無尽に歩いてみたい
823さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
823さん達も姫次方面からmillionさんのトレースを辿って蛭に向かってるんじゃないかと、期待していましたよ
今週末もまた雪になりそうですね~
今回はgoeにだいぶ助けられました
鹿のトレースは人が作った蛭ヶ岳~棚沢ノ頭の稜線よりも立派な歩きやすいトレースでした
823さん、コメントありがとうございます。
真っ白な蛭ヶ岳、本当に綺麗でした(^^♪
いつもカッコイイなぁ!と思っていますが、惚れ直しましたよ
今回は南稜取り付きまでisが殆ど先頭を歩き、序盤楽させてもらったんです。
そのおかげで雪の斜面は結構余裕ができました。
先頭担当!結構好きかも
is 4:6 goe ってのが良いですね。goeちゃんに新雪を譲ったわけだ(笑)
それにしてもホバークラフトワカンいいよなぁ~
※以前話していた古い丹沢ガイド、実家から発掘してきたよ
山と渓谷社 アルパインガイド「丹沢(道志山塊・三ツ峠)」57年度版 でした
kagetsuさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
その通り!
goeには新雪の感触を楽しんで欲しかったのです
(と、言う事にしておいてください
おお、古い丹沢書物ですか?しかも34年前
是非とも期間限定で貸ししてもらえると(もしくは譲ってもらえると)嬉しいです
kagetsuさん、ご無沙汰してます。
序盤の熊木沢歩きはisに譲って、いい雪質を率先して歩きました。
いいとこ取りです
古書、さすが!興味深い本お持ちですね~
さっそく調べてみようと思います(^^)v
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