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Yamareco

記録ID: 836211
全員に公開
山滑走
槍・穂高・乗鞍

奥穂高岳 扇沢

2016年03月26日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
14:00
距離
21.9km
登り
3,247m
下り
3,244m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
10:57
休憩
3:03
合計
14:00
距離 21.9km 登り 3,251m 下り 3,244m
3:29
11
スタート地点
3:40
27
4:07
4:11
39
4:50
5:00
61
6:01
6:29
11
6:40
6:47
193
10:00
11:18
40
11:58
12:31
68
13:39
128
15:47
16:10
69
17:19
6
17:25
4
17:29
ゴール地点
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2016年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
1月に乗鞍から撮影した扇沢
今回ここを滑った
2016年03月28日 16:53撮影
7
3/28 16:53
1月に乗鞍から撮影した扇沢
今回ここを滑った
ヘッデンでスタート
2016年03月26日 04:51撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
2
3/26 4:51
ヘッデンでスタート
未明のヌケド
2016年03月26日 05:29撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
2
3/26 5:29
未明のヌケド
素晴らしい一日のはじまり
2016年03月26日 05:39撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
4
3/26 5:39
素晴らしい一日のはじまり
Guten Morgen!
2016年03月26日 05:57撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
6
3/26 5:57
Guten Morgen!
沢を詰める
2016年03月26日 06:00撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
4
3/26 6:00
沢を詰める
板を脱ぎ
2016年03月26日 06:33撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
5
3/26 6:33
板を脱ぎ
滝を巻く
2016年03月26日 06:58撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
3
3/26 6:58
滝を巻く
高巻き完了
2016年03月26日 07:20撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
5
3/26 7:20
高巻き完了
西面はまだ日陰だ
2016年03月26日 08:26撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
3
3/26 8:26
西面はまだ日陰だ
詰めていく
2016年03月26日 08:32撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 8:32
詰めていく
近そうで遠い
2016年03月26日 09:18撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 9:18
近そうで遠い
振り返る
2016年03月26日 09:31撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 9:31
振り返る
UTMF目線
2016年03月26日 09:54撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 9:54
UTMF目線
僕目線
シールの限界だった
2016年03月26日 10:02撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
8
3/26 10:02
僕目線
シールの限界だった
涸沢滑りたい!
2016年03月26日 10:10撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 10:10
涸沢滑りたい!
トンネルを抜けると
2016年03月26日 10:20撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 10:20
トンネルを抜けると
そこは天国だった
2016年03月26日 10:27撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 10:27
そこは天国だった
しばしの休憩
2016年03月26日 10:34撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 10:34
しばしの休憩
行くしかない
2016年03月26日 11:10撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 11:10
行くしかない
核心部
2016年03月26日 11:17撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 11:17
核心部
抜けました
2016年03月26日 11:24撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 11:24
抜けました
マロリーとアーヴィンが見える
2016年03月26日 11:39撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 11:39
マロリーとアーヴィンが見える
燕でケーキ食べたい
2016年03月26日 11:47撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 11:47
燕でケーキ食べたい
遅ればせながら
2016年03月26日 11:52撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 11:52
遅ればせながら
奥穂山頂!
2016年03月26日 11:57撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 11:57
奥穂山頂!
槍方面
2016年03月26日 12:00撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:00
槍方面
ジャンダルム!
馬の背コワい
2016年03月26日 11:59撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 11:59
ジャンダルム!
馬の背コワい
カンテガと上高地
2016年03月26日 11:46撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 11:46
カンテガと上高地
降りる斜面
2016年03月26日 11:59撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
3
3/26 11:59
降りる斜面
行くしかない!
2016年03月26日 12:25撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 12:25
行くしかない!
カリカリです
2016年03月26日 12:35撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 12:35
カリカリです
横滑りしつつ降りる
2016年03月26日 12:37撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
6
3/26 12:37
横滑りしつつ降りる
しかしすごい斜面だ
2016年03月26日 12:39撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:39
しかしすごい斜面だ
マンダムだ
2016年03月26日 12:40撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:40
マンダムだ
UTMF
2016年03月26日 12:40撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:40
UTMF
疲れましたね
2016年03月26日 12:41撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:41
疲れましたね
カリカリだからね
2016年03月26日 12:44撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 12:44
カリカリだからね
西穂かな?山頂に人影
あっちも良いだろうなぁ〜
2016年03月26日 12:41撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:41
西穂かな?山頂に人影
あっちも良いだろうなぁ〜
落ちてゆく
2016年03月26日 12:46撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 12:46
落ちてゆく
吸い込まれる
2016年03月26日 12:47撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:47
吸い込まれる
扇沢と前穂
2016年03月26日 12:48撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:48
扇沢と前穂
僕です
2016年03月26日 12:48撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 12:48
僕です
人がゴミのようだ(言ったのはムスカ)
2016年03月26日 12:49撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 12:49
人がゴミのようだ(言ったのはムスカ)
扇沢正面
ここは雪質良くないとムリ
2016年03月26日 12:49撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:49
扇沢正面
ここは雪質良くないとムリ
カンテガ
2016年03月26日 12:51撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:51
カンテガ
UT
2016年03月26日 12:52撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
3
3/26 12:52
UT
最狭部を見下ろす
2016年03月26日 12:54撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 12:54
最狭部を見下ろす
こんな感じ
2016年03月26日 12:52撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:52
こんな感じ
カンテガがゆく
2016年03月26日 12:55撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 12:55
カンテガがゆく
狭くて硬い
2016年03月26日 12:55撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
6
3/26 12:55
狭くて硬い
UTもゆく
2016年03月26日 12:57撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
4
3/26 12:57
UTもゆく
除雪しながらの僕
2016年03月26日 13:01撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 13:01
除雪しながらの僕
ふぅ
2016年03月26日 13:03撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:03
ふぅ
まだ続く
2016年03月26日 13:03撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
4
3/26 13:03
まだ続く
いよいよ狭くなる
2016年03月26日 13:05撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
6
3/26 13:05
いよいよ狭くなる
脱出!
2016年03月26日 13:07撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
3
3/26 13:07
脱出!
いい表情してますね〜
2016年03月26日 13:08撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:08
いい表情してますね〜
UTも抜けた
2016年03月26日 13:10撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:10
UTも抜けた
終わりが見えました
2016年03月26日 13:12撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 13:12
終わりが見えました
あとは滑るだけ
2016年03月26日 13:12撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 13:12
あとは滑るだけ
素晴らしい景色
2016年03月26日 13:13撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:13
素晴らしい景色
自然の偉大さを感じた
2016年03月26日 13:14撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:14
自然の偉大さを感じた
八右衛門沢もガタガタに見えた
2016年03月26日 13:20撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:20
八右衛門沢もガタガタに見えた
振り返って
2016年03月26日 13:22撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:22
振り返って
ここでカンテガが上高地へ
2016年03月26日 13:23撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:23
ここでカンテガが上高地へ
我々は登り返す
2016年03月26日 13:57撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 13:57
我々は登り返す
焼岳
2016年03月26日 13:24撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
4
3/26 13:24
焼岳
ふぅ
2016年03月26日 14:30撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 14:30
ふぅ
UTが遥か彼方へ
2016年03月26日 15:20撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 15:20
UTが遥か彼方へ
UTの上から目線
2016年03月26日 15:30撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 15:30
UTの上から目線
コルまでもう少し
2016年03月26日 15:33撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 15:33
コルまでもう少し
疲れたよ、僕は
2016年03月26日 15:47撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 15:47
疲れたよ、僕は
戻るのも良さそうだった
2016年03月26日 15:45撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 15:45
戻るのも良さそうだった
飛騨側も悪くない
2016年03月26日 15:49撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 15:49
飛騨側も悪くない
セルフタイマー失敗
2016年03月26日 15:54撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 15:54
セルフタイマー失敗
再び滑る
2016年03月26日 16:13撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 16:13
再び滑る
ん?
2016年03月26日 16:13撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 16:13
ん?
上手くなった!?
2016年03月26日 16:13撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 16:13
上手くなった!?
いつものUTで良かった!
2016年03月26日 16:17撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 16:17
いつものUTで良かった!
休憩です
2016年03月26日 16:21撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 16:21
休憩です
上部はなかなか良かった
2016年03月26日 16:24撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
6
3/26 16:24
上部はなかなか良かった
お決まりのデブリランド
2016年03月26日 16:28撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
4
3/26 16:28
お決まりのデブリランド
端をついて降りる
2016年03月26日 16:34撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
3
3/26 16:34
端をついて降りる
右が西穂かな
2016年03月26日 16:50撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
6
3/26 16:50
右が西穂かな
今日は完全燃焼!
2016年03月26日 16:57撮影 by  PENTAX K-5 , PENTAX
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3/26 16:57
今日は完全燃焼!
お疲れ様です!
2016年03月26日 17:46撮影 by  PENTAX K200D , PENTAX Corporation
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3/26 17:46
お疲れ様です!
結果こんな感じでした
ど真ん中は厳しいな、、、
2016年03月28日 16:53撮影
11
3/28 16:53
結果こんな感じでした
ど真ん中は厳しいな、、、

装備

個人装備
ヘッドランプ(1) 予備電池(1) 1/25 000地形図(1) ガイド地図(1) コンパス(1) 笛(1) 筆記具(1) ライター(1) ナイフ(1) 保険証(1) 飲料(1) ティッシュ(1) タオル(1) 携帯電話(1) 計画書(2) 防寒着(1) シール(1) ストック(1) 時計(1) 行動食(1) 非常食(1) アイゼン(1) ビーコン(1) スコップ(1) ゾンデ棒(1) ピッケル(1) オーバー手袋(1) インナー手袋(1) 防寒用帽子(1) 目出し帽(1) ゴーグル(1) サングラス(1) 日焼け止め(1) 替え手袋(1) スキー板(ボード板)(1) スキーブーツ(1) カラビナ スリング(1) ハーネス(1) ヘルメット(1)
共同装備
ツェルト(1) ファーストエイドキット(1) 医薬品(1) カメラ(1) 車(1) ロープ8mm x 30m

感想

新年早々に乗鞍から見た扇沢のフェイスが素晴らしく、あそこをパウダーで滑りたい、と意気込んだ。2月1週目に涸沢岳西尾根経由でアタックしたが強風のため敗退。
今回は白出沢を経て奥穂からの扇沢滑降に再度挑戦し、成功した。西穂登頂も視野にいれたが、結果的にこちらは果たせず、天狗岩のコル経由で新穂高へ下ることになった。以下に詳細を記す。

前夜会社を終えてそのまま新穂高を目指す。カンテガは土曜の夕方に用があるので、上高地下山予定で車を坂巻温泉にデポ。3人で新穂高に向かい、右股林道終点に駐車する。準備していると西穂西尾根をソロで登るという女性に話しかけられた。しばらくするともう二人、今度は顔見知りで、今回は滝谷に行くそう。

準備を終え、3時半に出発する。今回は林道で一旦板を担ぎ、穂高平小屋にショートカットする。ここで西尾根の女性に追いつく。白出小屋で滝谷の2人としばし歓談。

最初は登山道沿いに緩い尾根を登り、途中で白出沢へ下りた。大滝手前でデブリがひどくなったので、一旦板を脱ぎ、高巻く。一箇所悪い場所があり、アルミアイゼンでは厳しく、ピッケルを出した。途中までスキーのものらしいトレースがあったが、高巻きで別れた。大滝を巻くと二股になるが、クライマーズライトの沢がシラダシだ。

ここはとにかくもう登るだけ。間大きな休憩を一度してあとはひたすら登った。雪崩も落石も予感は無かったが、ヘルメットはしっかりかぶった。僕は終始シール、カンテガとUTは時々板を担いで登ったが、コル直下が氷化しており、結局僕も最後は板を脱いだ。

2人に少し遅れて穂高岳山荘に到着。前回は冬季小屋が見つからなかったが、穴が掘られており、今回入ることができた。風が無いだけでこうも違うか、という感じで、まさに楽園だった。誰かのゴミが残置されていたことだけが少々残念。

気を取り直して奥穂を目指す。UT、カンテガの順で本日の核心部を登っていく。ハシゴ近辺が緊張する。ここはクライムダウンしたくない。2人に遅れて山頂へ到着し、セルフタイマーで記念撮影。

準備を済ませ滑降に入る。見た目でわかっていたが、かなりのアイスバーンで正面の最も急な斜面は滑れない。途中で話し合い、スキーヤーズレフトに巻くようにして滑る。雪は安定していたが、それでも湿雪スラフが出て、沢心を高速で流れていった。
扇状の広大な雪面を滑った後、振り返って正面フェイスを見たが、所々岩が出ていて、斜度も相当あり、ザラメかパウダーでないと危険だ。

扇は一箇所に集まり、後半は狭いルンゼになる。ここは外からは見えないが、三浦さんの記録を読んでいたので、つながっているのは知っていた。情報があるのとないのでは緊張感がまるで違う。無難に滑り、岳沢に飛び出した。素晴らしいザラメ面ツルで少し滑走し、高度を落とす。

扇沢の滑走動画です↓



ここでカンテガは上高地へ、我々は協議した結果、西穂高沢はデブリがすごいので、天狗沢を登り返すことにした。

これを登ると標高差が3千に達する。2千はよくあるが、3千はまだなかった。2千が丁度良いくらいで、それ以上プッシュしたことが無いのだ。午後になり、気温はこれから下がる。上高地へのエスケープは間違いがない。この機会に自分の限界を試す意味でも登り返すことにした。なお、UTMFは登りたくてしょうがない感じだった。

デブリを上手くかわしながら天狗沢を詰め、天狗岩下のコルへ登り上げる。UTが先行し、その跡を辿るが、シールが滑り難儀した。トレースを外した方がかえって楽だったようだ。UTにチョーオユーを履かせたら登りでは追いつけない。下りで体力を消耗してもらってやっと帳尻が合う。

飛び出したコルの景色は素晴らしかった。陽が傾き、前穂、笠の斜面が美しい。
来てよかった、生きててよかった、という瞬間だ。セルフタイマーで記念撮影するも後で確認したらなぜかすごい形相のUTしか写っていなかった、、、

西穂沢左俣は意外にもパウダーがあり上部は快適だったが、結局最後はデブリ。まぁ、先週の北股本谷に比べれば全然マシでした。あとは藪、林間をすり抜けるように林道へ出て、陽が落ちて固まりつつある林道を一気に帰った。目標の登り累計3千もクリアし、今日は間違いなく完全燃焼だった。

さて、この斜面、パウダーで滑ってこそみたいなことを以前うそぶいた。が、今回実際に扇沢を下ってみて、あそこを厳冬期に滑るのは本当に奇跡的な条件が重ならない限り無理だと改めて痛感した。滑走自体の難しさよりも地形的な危険度が高く、少しのスラフでも集まって沢心に流れたら逃れようがないし、仮に伝播でもしようものならまず間違いなく助からない。安全なポイントも少なく、ソロでもグループでも危険に晒される。

あの斜面に生命をかけて奇跡的なシュプールを描く、それは冒すだけの価値があるのだろうか。ある意味で、2月に強風で奥穂に登れなかったのは良かったんだと思う。

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コメント

お疲れ様!!
このコース、自分もずっと前から考えていましたがカリカリでエントリー出来ずその後もチャンス無く未滑走でした.Dr7が挑戦を試みて落石でこの世を去った因縁の扇沢でもありウルウルで読ませて頂きました.
2016/3/28 20:10
Re: お疲れ様!!
YSHRさん、こんばんは。完全燃焼でした!
ここはやはり南面なのでアイスバーンのことが多いんですかね。しかし、ここまで来て引き返すYSHRさんは流石です。Dr.7はあの日ここを狙っていたのですか。白出沢を登るときはしっかりとヘルメットをかぶりましたよ
2016/3/28 20:27
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無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
奥穂高岳/白出沢ルート/新穂高温泉起点白出沢穂高岳山荘経由
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [日帰り]
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5

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