【塩見岳・蝙蝠岳】土曜スペシャル!難所の先に素晴らしき世界を見た!
- GPS
- 15:34
- 距離
- 33.0km
- 登り
- 2,898m
- 下り
- 2,882m
コースタイム
- 山行
- 13:42
- 休憩
- 1:51
- 合計
- 15:33
天候 | 晴れ後曇り、にわか雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
同じ18kmだが、よくこれ作ったね…というくらいに遠く感じた。 駐車場のキャパは30台程度。高速降りた後コンビニは一軒。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■鳥倉駐車場-鳥倉登山口まで 舗装路歩き、約2.7km。時間的に30-40分程度。復路を楽に帰るために自転車を利用される方が多い模様(自分は歩きました) ■鳥倉登山口-三伏峠小屋まで 10-1、10-2…というような案内板があり、進行状況が分かりやすい。特に急でもなく歩きやすい道。10-5を過ぎた付近から凍結露が出現し、10-6以降雪道となります。チェーンスパイクが活躍。日の当たらない個所が多く、融雪には時間がかかりそう。水場は10-6と10-7の間にあり。細いが出ています。 ■三伏峠小屋-本谷山まで 小屋近くの三伏山は展望台。三伏山から150mほど下り坂。帰りは足に堪えます。その後200mほど登り本谷山。雪深く、小屋付近は踏み抜き跡が多数あり。 ■本谷山-塩見小屋まで ここから50mほど標高を落とし、その先の権右衛門山をトラバースするように進んでいく。標高を落とした後の登りでは幼木密集帯が現れる。踏み跡が錯綜気味なので道迷いに注意。本筋を外すと木々が密集しており進めなくなる個所あり。木々に阻まれ道狭く、枝がけっこううるさい。その先、権右衛門山をなめるように側面を進んでいくが、右折個所を間違いそのまま進んでしまい復帰に難儀した。雪面が固く、トレースも不明瞭で道がかなり分かりづらい(曲がるべき個所にはピンクリボンがしっかりついていた)正しい道も倒木や倒れた枝がかなり多く、歩行は大変で速度が出なかった。森林限界後、すぐに塩見小屋。 ■塩見小屋-塩見岳山頂まで 小屋から進むとほとんど雪が無かった。9割融雪。状況が分からないため皆アイゼン歩行しており苦労していた模様。ただし、危険なトラバースが一ヶ所あり、行きで雪が締まった時間帯ではアイゼン必要(帰りは緩くチェーンスパイクで問題なかった) ガレ、ザレで落石注意。ヘルメット推奨。 ■塩見岳山頂-北俣岳まで 核心部。うって変わって雪深き道となり、最初の下りではガッチガチの斜面と踏み抜きが混同している状態。ナイフリッジになっているので歩行には細心の注意が必要。 下りきるとアップダウンしたMIX帯を進む。高低差が激しく岩稜が出ている個所はアイゼンでの歩行が苦しい。ナイフリッジやトラバースが多数。尾根通しだけでは進めずルート取りに注意を払うこと。側面にいくつかルートのようなものが見えるが、あまり標高を落とすことはない。基本は尾根で。掴む岩は浮石だらけなので必ず動かないか確認すること。 ■北俣岳-蝙蝠岳まで 一転して緩やかな道となる。山頂付近ではハイマツの間と雪道を繰り返し進んでいく。風の通り道のようなので防風はしっかりと。 ★★★全体的に★★★ 塩見岳まではアイゼンの必要性を感じる個所がかなり少なく、チェーンスパイクで十分な気もしたが、必要と感じる個所が少しあり持参は必要。ピッケルは多分いらない。今回訪れるきっかけとなった寒気のおかげで、予想通り踏み抜きがほとんどなく快適に登ることができた。序盤と最後以外ずっと深い雪道。今後気温の上昇で踏み抜きが相当酷くなると予想され、辿りつくことが相当困難になる気がします。 蝙蝠岳に至る道は塩見岳とは比べ物にならないくらい難易度が高かった。 |
その他周辺情報 | 下界に降りた時間帯、あらゆる場所が閉まっとった… |
写真
感想
今回はnozaky88さんと唐松岳へ赴く予定でしたが、この時期としては低い気温の寒気が入るのと、午後から天候が崩れる予報で危うさを感じ中止。
どうも調べると南ア方面はよさそうな。この時期の低気温はチャンス(踏み抜き)と捉え、鳥倉林道も開通したばかりだし、以前から行こうとおもっていた塩見岳、蝙蝠岳への山行を決行してきました。
今回は仕事が結構後ろ倒しとなってしまい、睡眠時間は3時間ほど確保したく、登山口に到着したのが5時付近。あーあと2時間早く出たかったな…でも寝ないとバテてしまうから仕方ない。帰りは確実に夜になってしまうが織り込み済みということで。
登山口には結構な車の数、15台くらい?さすがGW。全然居ないとか予想していたけどそんなことはありませんでした。
30分くらい舗装路を歩き登山口へ。急でもなくよく整備された歩きやすい登山道です。半分くらい進んだところで凍結路を経てほどなく雪道となりました。
雪は固めです。気温も-5度程度。いいコンディションです、歩きやすい。
ほどなく三伏峠小屋に到着。日もすっかり上がりました。テントは10張りくらい。
当然ですが皆出発してるようです。特に休憩もせずそのまま進んでいき、数分で三伏山に到着。ここは素晴らしい展望台!甲斐駒と仙丈、小河内山、中ア、北アなど。そして目指すべき塩見岳が大迫力!しかし、周りこむような道になっており、目の前にありながらも、遠い印象。四国遠征で登った剣山からの三嶺縦走にそっくりです。
展望台はここで終わり、その後は樹林帯へ。いくつかのアップダウンを繰り返し、道なのかどうなのか木々の間を縫うように進んでいきます。
その後少しの道迷いを経て、権右衛門山の側道へ。ここも倒木や枝が凄まじい。
でもちゃんとリボンもついているし、歩いた跡もあるからとてもありがたい。感謝しながら進んでいきます。そして三伏小屋から2時間半ほどで塩見小屋に到着。
ついに塩見岳を眼前に捉えました。すごい、大迫力!周りを見回すと荒川三山と白峰三山もお出迎え!今まで見たことがない角度の景色でひたすら感動していました。
そして小屋以降夏道が出ており、ほとんど雪が無い!樹林帯との差に驚きです。
さて、そろそろアイゼンに履き替えようかと思っていた矢先でしたが、そのまま進むことにします。若干危ういトラバースと急登の雪稜にはチェーンスパイクな分、ピッケルをガッツリ効かせて安全を確認し、進んでいきます。
そしてついに…山頂に到着しました!絶景です。来てよかった!何だか思ったほど苦労せず登れたのは、路面コンディションがよかったのと、登り一辺倒ではなく水平歩行や下りもある道だったからだなと、通過した道を振り返り感じました。
しかし逆に考えるとこれは帰りに登り返しが多く、苦労するんだな…と、あらためておもいました。
山頂に登るとこれから目指す蝙蝠岳が姿を現しました。素晴らしい…北アの白馬から小蓮華岳を思い出すような道です。長大な尾根を目にして、不安と喜びの感情が入り交ざります。
一通り写真を撮り、山頂にいた1グループと少しだけ話した後、休憩せずそのまま進んでいきます。
当然ここからは人が入った形跡がありません。いきなりガッチガチの雪面となり、たまらず12本爪を装着します。しかしカリカリだったり突然踏み抜いたりで安定せず進むのに難儀します。
ナイフリッジとトラバースが出現し、一歩一歩慎重に進みます。
下りきって安堵すると次は岩稜と残雪のMIX帯です。高低差が激しいのでアイゼンは歩きづらい。尾根沿いに進むが雪が阻んでいたり、不明瞭だったりするため、自身でルートを探し進んでいきます。
側面に回ってみるが掴む石がポロポロ崩壊し浮石も多い状態で気が抜けません。しかも自分が通ったあと、時間差で岩が崩壊し目の前を1m近い落石が発生し、目の前を横切っていきましたΣ(゜Д゜;)あんなん当たったら即死やんけ!
すっかりビビリながらも1時間近くかかって何とか通過し安堵します。
しかし!残るこの先は最高の稜線歩きです。塩見岳、富士山、白峰三山、白峰南嶺、荒川三山と360度の絶景です。最高!!最高!最高…全然近づかねぇ…
最高ですがやはり距離があり、そして150mほどの登り返しもあったので最後はゼーハーいいながらの登頂となりました。
当然山頂は自分一人で、直近で人の入った形跡はなさそうな感じです。絶景山頂独り占め状態!しかし、感動というよりは戻りの道の長さ、再び難所を通過するのかという不安が感情の大半を占めており、最高の場所にいながらもネガティブな感情が頭を駆け巡っており、今思うともったいないなぁとあらためて感じました。
そして山頂はとにかく強風で寒い!休むことなんかできず、頑張って記念撮影をしてササッと逃げるように山頂を後にしました。
ここから塩見岳の登り返しが一番速度が出なかった…大変でしたが自分を奮い立たせて進みます。しかし行きで懸念だった難所は、帰りには全体を俯瞰でき行きでの失敗個所もわかりサクサク戻ることができました。あぁよかった…
しかし日光直射でナイフリッジが緩んで、行きより恐ろしくなっていたので慎重に進みました。
塩見岳まで戻ると、もう誰もいません。当たり前か。さすがの南でもよろしくない雲が出現し始めていたので急いで下山します。案の定、本谷山手前辺りで雪が降り始めました。にわか雪程度ですが気を抜かず進みます。
帰りは気温の上昇で踏み抜くか?と懸念していましたが気温を確認すると氷点下。
あぁよかった。踏み抜きは少なくてすみました。しかし、行きで覚悟していた何度もおとずれる登り返しが試練でした。最近はなぜか下山になると元気になるので大変ながらもサクサクと進みます。
日も暮れ始めるころ三伏峠小屋に到着。もう登らなくていいのかと思うと気が抜け安堵しました。
あとは消化試合、下るのみ。しかしヘッデンの明かりの中凍結路を進むのは少し怖かった。小屋から2時間ほど掛かって無事下山。
今回も達成感のある山行となりました。
今回は塩見岳すら登頂できるかどうか怪しかったが、当日のコンディションが当たり、計画通り蝙蝠岳まで登ることができた。
中途半端な時期だが冬季フル装備でこの距離を歩けたことは、
自身としても収穫が多かった。
そして山行中止となり、山行以外でも遊ぶことができたのだが、
心地よく送り出して頂いたnozaky88さんに多大なる感謝。
この日でなければ登れなかったな。
alsoさん こんにちは
またまた恐ろしい程の距離を日帰りで、、、、、
塩見岳だけでも相当なものだと思うのですが
更に蝙蝠岳まで行って日帰りで帰って来ちゃうって
只々呆然です(笑)。
それにしても塩見からの眺望は最高ですね。
驚異の歩きがあってこその景色ですね。
本当にお疲れ様でした。
akanetouchanさんこんにちは。
蝙蝠岳は案の定誰もおらず、眺望独占していい気分でした
蝙蝠から見る塩見は本当すてきでした。見る角度で山容がころころ変わるんですよね。
雪が思った以上に少なく、楽に登らせていただいた印象ですが、故に辿りつけたのかな〜という感じでもあります。
お互い北アの荒天を予想し、山を変更した所までは同じでしたね。
なんとなく、塩見までは予想してましたが、蝙蝠もGETとは・・・。凄すぎです。
alsoさんの感想にゼーハーの文字があるということは、相当、厳しかったのですね(笑)
私も蝙蝠には、ハロウィンの時期にコスプレか傘を持って登頂してみたいです。
お疲れ様でした!!
塩見はバレましたが蝙蝠は想定外だったでしょう?
稜線歩きが好きな自分としては、本当に理想的ないい場所でした。
帰りの登り返しはいつもゼハーですよ笑
黒いポリ袋加工して蝙蝠のポーズをしたかったのですが、強風でたぶん無理でした
イケさんこんにちわ!
今度は、塩見さんのところへ訪問されたんですね!
すばらしい変態どMな体力ですね(笑)
僕のエネループ電池では、塩見小屋で充電しないと往復できそうにないルートですわ!
GW中に南アルプスへ行きたいけど天気悪い日が続きそうですね!
お疲れ様でした🍺
マルさんこんにちは。
最近、南づいてますが、その中でよく視界に入る塩見がどうしても気になっていたので
今回お邪魔しました。コンディションが当たったので思った以上にスイスイと登ることが
できました。登り一辺倒ではなくアップダウンが多くて、行く分には黒戸とかより楽なイメージでした。帰りは逆に疲れますけど…
是非お越しください!
お近くにいらしてたんですねー(´▼`) 塩見は わたしの一番すきな
山なんですー(´▼`) わたしも 以前
蝙蝠岳まで 日帰りに 挑戦したとき たしか 登山口 夜中12時頃出発した記憶が・・・・(笑) 正月に 塩見まで いきましたが この時期は 踏み抜きやらで歩きづらく とても 蝙蝠まで行こうとは 思いません(笑)さすがです!!
tomy825さんこんにちは。
近くにお住まいでしたか!塩見、いいですよね。遠くで見てもよかったけど、登ってみてさらに好きになりました。また来ます!
正月登られているとはすごい。ゲートも封鎖されてるはずですし
自分は無理ですよ!
蝙蝠も日帰りしていたのですか。
12時スタートだと塩見山頂がご来光という感じでしょうか。感動しそう!
やはり凄いですね!
alsoさん、こんばんは。
またまた凄い距離。
そして蝙蝠岳。読めない💦(笑)
勉強になりました。
しかも大鹿村に行くまでのルートもすごくないですか?
以前青いケシの花を見に行ったことがあって、
普通の道でさえも狭い道が多いところですよね。
夏になったら塩見行ってみたいです。
hapiraさんこんにちは。
今回もまた遠かったんですが、一番に思ったのは登山口に至るまでの道路を
作ったことが本当に凄くて、歩いている距離なんて微々たるものだなーと
感じました。大鹿村も結構奥地ですけど、辿りつくと急に開けて驚きました。
塩見に登ってみて南アルプスの奥深さをすこーしだけ垣間見ることができました。
ぜひhapiraさんもきてみてください
5月の中に蝙蝠岳と北荒川岳の百高山2座に登りたいと計画中です。
参考にさせて頂きます。ありがとうございます。
分岐あたりでビバーグする予定ですが、出来そうな場所 風除け出来そうな場所ありそうですか?
また、北荒川岳に行くルートの着雪等の状態をご存じであれば教えて下さい。
masashi0430さんはじめまして。コメントありがとうございます。
分岐は北俣分岐ですよね?付近は開けて平坦ですが、風が直撃している感じがしました。
少し北側に下るか、南に進めばありそうですが…それほど注意してみていないので
あまりわからないかも、すみません。
北荒川岳方面(というか周辺全体的に)東側に雪が残っている状態ですが、登山道にほとんど雪はないようにみえます。あっても問題になる感じはしませんでした。
あんま役に立たない情報ですみません。
参考になりました。
ありがとうございます。
4月に塩見行こうと思ってます。
蝙蝠は端から目指してませんし、どうあがいても届きません(笑)
勿論一泊刻んでです。
alsoさんのように軽快でもなく馬力もありませんので本谷前後から権右衛門のトラバース辺りで難儀しそうだなとレコ見て改めて認識しました。
三伏小屋早い時間に出て雪締まってるうちに塩見小屋を通過した方が良さそうですね、去年の4月の聖も余裕こいて聖平付近の樹林帯、陽がかなり上がってから差し掛かってズボズボ踏み抜き地獄に嵌ってしまい敢無く撃沈しました
レコ拝見すると黒戸よりかなり体力使いそうな印象を受けます。
あっちは登山道整備されていて倒木ほとんどありませから。
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