岳沢から奥明神沢・ダイレクトルンゼを経て前穂高岳(ガスガスだったけど奇跡的に微風)
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- GPS
- 27:23
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 1,713m
- 下り
- 1,698m
コースタイム
- 山行
- 2:05
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 2:11
- 山行
- 5:42
- 休憩
- 2:01
- 合計
- 7:43
岳沢小屋〜前穂高岳:12爪アイゼン+ピッケル+ハーネス+ヘルメット
天候 | 下界は晴天で暖かなのとは対照的に、両日とも強風が吹いてGWとは思えない肌寒さでした 4日:高曇りで夜は雪(テント付近でも3〜5cmほどの積雪) 5日:時折みぞれ、稜線上は終日ガスガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
沢渡から上高地はシャトルバス(往復2,050円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●上高地〜岳沢 ほぼ夏道歩きで雪渓は小屋の手前のみでした。ツボ足で問題ありませんでした。 ●岳沢小屋(テント場) 昨年GWは雪上テントサイトが区画割されて小屋受付が必須でしたが、 今年は少雪で区画割出来なかったようです。各自フリーで整地&設営でした。 たまたま小屋(トイレ)に一番近いスペースが空いていたので、そこに設営。 ●岳沢小屋〜奥明神沢〜前穂ダイレクトルンゼ〜前穂高岳 岳沢小屋から見上げる奥明神沢は垂壁かと思うほどの圧倒感がありますが、取り付いてみると、高度感にビビるほどの斜度でもなく、雪面も安定していたために危険を感じることなく山頂まで到達出来ました(もちろん12爪アイゼン&ピッケル必須、ヘルメット&ハーネス装着)。 核心部だった通称「ノド」部分も雪がしっかり付いていたのでロープを出す必要はありませんでした(たぶんロープを出す状況だったら、そこで撤退していたと思います)。 ガスガスで真っ白の山頂では、標識が雪に埋まっていて、どこが山頂だかわからずでした。反対側は雪庇になっているので、突っ込みすぎないよう注意。 ※雪面状況、天候、風などの条件によりこのルートの難易度は全く別ものになります。登高前に岳沢小屋で情報収集することをおすすめします。 |
その他周辺情報 | ●梓湖畔の湯(日帰り温泉) http://www.sawando.jp/ 駐車場に併設の温泉施設で駐車券割引あり(ひとり720円→620円) ちょっとした休憩処のある日帰り専用の温泉施設です。浴槽は屋内・露天それぞれひとつづつのコンパクトなお風呂ですが、湯加減は丁度よかったです。 ●食事処しもまき 梓湖畔の湯の向かい側にある飲食&おみやげ店。今回はここでおそばをいただきました。ここにも日帰り風呂があります(昨年はここのお風呂に入りました)。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
ザック
アイゼン
ピッケル
行動食
飲料
水筒(保温性)
食器
ライター
地図(地形図)
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
テントマット
シェラフ
ヘルメット
ハーネス
カラビナ
スリング
|
---|---|
共同装備 |
調理用食材
調味料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
テント
スコップ
ロープ
|
感想
2016年GW山行、昨年悪天候で断念した岳沢からの前穂高岳に挑戦してきました。
当初は岳沢2泊で西穂高沢からの西穂高岳(昨年と同じルート)と、奥明神沢から前穂ダイレクトルンゼで前穂高岳の雪渓ダブルピストン計画だったんですが、GW前半戦の大荒れ天気による穂高エリアでの大量遭難や大荒れ予報(3日夜から南斜面に暴風雨)を受けて、直前に計画を見直し・縮小。
寒冷前線通過後の4日昼に岳沢に入って、翌5日朝に前穂高岳に挑み、そのまま下山後にテント撤収して帰京の一発勝負に計画変更、果たして昨年の雪辱なるか、それとも次回に繋げる偵察山行で終わるのか?
いつもと違うのは、単独行ではなく健脚で体力のある山岳会若手メンバー2人と一緒なこと。最悪テント停滞で終わっても、仲間でワイワイ宴会&山談義、ついでに登攀技術の勉強も出来る。とにかく岳沢には入ろう。
天候や現地状況の事前情報ではほぼ途中撤退となる確率75%ぐらいかなあと覚悟しての出発でした。
初日は晴れの上高地を10時半すぎに出発(穂高の稜線はガスガスで風強そう)。昨年よりも全然雪の少ないルートをテント泊・雪山・簡易登攀の装備を背負って2時間半弱、午後1時すこし前に岳沢小屋到着。やはり小屋周辺も雪が圧倒的に少なく、昨年は雪上テント村用に造成してあった、小屋下の区画番号付き段々畑がありません(雑木林がむき出し)。稜線を見あげるとやはりガスがかかっていて飛騨側からは強風。
前夜の暴風雨予報でテントがほぼ無いのではと思っていましたが、意外と多く張られていて、それでも小屋のトイレ棟横の平坦地が1区画空いていて、その場所をラッキーにもゲットできました(昨年ソロテントを張った場所のすぐ斜め前)。
3〜4人用テントを設営し、中に入ってしまうと、もう外に出て偵察に出るのも面倒、実際に強風で偵察に出るにもコンディションが良くないというのもあり、そのままテント内で登攀装備やロープの確認・勉強会となり、その流れのまま宴会モード&YAMA555さん担当の美味しい食事の場に突入。こうして初日は岳沢入りしただけの簡単山行で終了。翌朝4時半起床として午後8時に就寝。
(外は時折強風がテントをたたいたり、降雪でフライに積もった雪が「サァ〜」と音を立てて流れたりで翌日を不安にさせるような状況)
翌日は予定通り4時半起床(3人のテントは温かくぐっすり眠れました)。
さあ前穂高岳に挑めるかどうか?
隣のテントはもっと早くから起きて出発準備していたしと、期待半分でテントから顔を出してみると、昨日よりもガスガスはかなり下まで降りてきてる。こりゃダメかも。いずれにしても前穂山頂まではコースタイムで4時間ほど、朝6時出発でも昼には戻ってこれるし、あせらずゆっくりと朝食&出発準備をし、雪面状況や強風状態を慎重に判断し、無理して突っ込まないこと、ダメなら次回挑戦のための偵察山行に切り替えようとメンバー3人で決め、6時半前に奥明神沢へ出発。
岳沢から見上げる奥明神沢は狭い雪の垂壁のように威圧してきますが、取り付いてみると斜度はそれほどキツイわけでも無く(昨年の西穂高沢や北穂高沢と変わらない)、雪面も前夜の積雪と冷え込みで、凍っているわけでもグズグズに腐っているわけでもない丁度良い状態。唯一心配な強風を心配しながら、3人で隊列を組んでスムーズなペースで先行者の踏み跡を追って登高。
行程のほぼ中間で小休止し、そのすぐ上にある奥明神沢から前穂ダイレクトルンゼに分岐する地点を草付場を横断して入り、見上げても真っ白ガスガスでルンゼ横の岩の具合で核心部ノド(このあたりが一番斜度がキツイ)を認識し、少し斜度が緩む上部雪原をさらに登り詰めると、左前方の岩稜帯脇に山頂まですぐの分岐標識を発見。心配した飛騨側からの風を直接受ける上部も奇跡的な微風状態。
やがて、もう登らない雪面となって、どこまでが雪面でどこからが雪庇の先か判別できない全面真っ白な空間に出て、これが山頂?な状態。もう少し先に本当の山頂があるかもと進むと、逆に少し下がる感じになったので、あわててGPSを確認すると、これが山頂?な部分が本当の山頂と判明して引き返し。
どうやら山頂標識は雪に埋まってて何も山頂を示すものが無い。幸い風が殆ど無くて山頂にいても苦にならない状況だったので、雪面に寝そべってみたり(羽生ごっこしたり)、上空のガスが切れてこないか凝視してみたりで10分ほど滞在。これで四囲の眺望があれば文句なしなんですが、今回は山頂に立てただけでも奇跡的、見事に昨年のリベンジを達成したことに感謝しつつの下山となりました。
下山も踏み跡にアイゼンの爪を程よく咬ませて、スムーズな下降。ガスガスで何も見えないぶん高度感もなく、踏み跡を辿るうちにノド部分も通過し、奥明神沢との合流地点まで来ると、ガスガスエリアは終了。相変わらず高曇りで肌寒いためにグズグズになっていない快適雪面をズンズン下って、11時に岳沢に帰着、無事の登頂を祝って3人握手となりました。
その後はテントを撤収し、昼前に岳沢を発し、1時間半ほどで河童橋に下山、橋のたもとの休憩処で計画達成をビールで乾杯して、大満足な2日間の山行を終えました。
計画に参加・牽引してくれたYAMA555さん、y_hashimoさん、本当にありがとうございました。今回は単独じゃなかったからこそ計画完遂できたんだと思います、ホントに感謝してます。
そしてYAMA555さん、前穂で国内3000m峰全制覇、おめでとう(^O^)/
昨年kazさんが岳沢からアタックしたレコを見て、前穂高リベンジとのことぜお願いして一緒に行くことになったのが今回の山行。残念ながらGW前半の悪天による前穂付近の遭難や私らが行くGW後半の荒天予報により、行程自体を1日縮小して西穂は諦めざる得ず、前穂も微妙ながら挑むことになりました。
1日目は予想外に好天でこれは失敗したかと思ったが、強風のためおそらく厳しかったかと思う。岳沢に到着後、少し偵察をしようかとの話も出たが風が強くて結局萎えてしまい、テント内でマッタリ装備の使い方話したりした後は、たっぷり担いできたお酒で山談義に花を咲かせてしまった。
2日目、朝起きると積雪有り曇天(若干雪も降っていた)で風も強い。これは無理かとテンションダウンしたが、見ると5:00の段階で偵察に向かっている人がいた。せっかく来たしリーダーのkazさんの判断で登れるとこまで行こうとなり決行。
奥明神沢は見上げるような沢だったが、登り始めると意外に大丈夫(滑ったら止まらんかも)。
結構緊張したのはダイレクトルンゼへ取り付いてから。ここからノド辺りは傾斜40度はあったと思う。落ちたら滑落停止でも止まらないだろう。それでも以前GWで登った霞沢のP1,P2に比べると緊張度合いは少なかったか。現に下りはバックステップで下りてくることは無かった(雪が適度に締まっていたのもあるか)。
ダイレクトルンゼに入った辺りから重くのしかかっていた雲の中に突入。ここから先は視界ほぼなし。岳沢で懸念していた強風も意外になくて無事に登頂することができた。山頂は道標も埋まっていて前穂のピークを踏んだ証拠が全く無いのが残念。それでも平らな山頂ではkazさん、hashimoさんとガッシリと握手を交わし、登頂を喜び合った。
帰りの車の中で山の話をしていたら、今回の前穂登頂で3,000m峰を全て登頂できたことが発覚。事前に知っていたらピークで祝杯交わしたのにこれも残念だったか。
kazさん、hashimoさん、良い感じで足が合う仲間と出会え、更にステップアップした登山が出来そうな手ごたえを感じ純粋に嬉しいですね。これからもよろしくお願いします。
GW前半の北岳に続き、後半戦は残雪の前穂高岳に挑戦。
KAZUさん、YAMAさん、お誘いありがとうございました!
上高地は3年ぶり2度目になりますが、やっばりどこを切り取っても綺麗な景色。
テンションが上がります!
北岳のダメージがやや残っていたものの、初日の上高地〜岳沢は気持ち的にも余裕を持って登れました。
翌日アタックの好天を祈りつつこの日はルート偵察(×)→宴会(○)
やはりYAMAさんの山めしは間違いなしでした!
願いも空しく翌朝は鉛色の空模様…風も断続的に強く吹いており、厳しそうなコンディション。それでもいけるところまでとアタック開始!
奥明神沢の傾斜を一歩ずつ慎重に登って行きます。
始めは高度感にビビリながらの登攀でしたが、雪質が安定していたので自分の技術でもなんとか登りきることができました。
ダイレクトルンゼ〜核心部「ノド」を越えたあたりから落ち着いてきた風のスキをついて一気に頂上へ。そして前穂高岳登頂成功!
視界は真っ白でしたが、登頂の達成感は自分でも満足のいくものとなりました。
これで今シーズンは雪山納めとなりますが、来シーズンはより安全に雪山登攀ができるよう技術の習得を目指したいと思います。
楽しい山行、ありがとうございました!
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