初夏の奥多摩ロングハイク(深山橋〜三頭山〜御前山縦走)


- GPS
- 10:01
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 2,447m
- 下り
- 2,645m
コースタイム
- 山行
- 8:48
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:58
天候 | 終日快晴(午前中は薄霞状態) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
復路は奥多摩駅近くのバス停より深山橋までバス移動、車ピックアップ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ムロクボ尾根コース、ヌカザス山手前の「オツネの泣き坂」はザレた急登、ロープあり。御前山(惣岳山)手前の痩せた尾根道、鋸尾根の岩場・ハシゴ区間は通行注意。 |
その他周辺情報 | 奥多摩駅近くに日帰り温泉「もえぎの湯」あり(週末・休日は混雑)。深山橋から大菩薩・大月方面へ車で約10km、日帰り温泉「小菅の湯」あり(道の駅併設)。午後6時で受付終了、売店も閉まるので要注意… |
写真
感想
今週末は、梅雨入り前の五月晴れの連続に誘われ、来週企画中の職場ハイキングの足慣らし+奥多摩エリアの赤線(足跡)繋ぎ兼ね、早朝から奥多摩三山2座を結ぶロングハイクに。奥多摩湖を半周し、最奥の深山橋を渡った先の陣屋旅館前の無料パーキングに車をデポ。長駆、奥多摩駅近くまで縦走、夕方バスで車を拾いに来る新パターンの作戦です。
三頭橋を歩いて渡り、朝8時まで通行止めの奥多摩周遊道路のゲート手前、標識に従ってムロクボ尾根コースへ。いきなりの急登ですが、次第に低く小さくなる深山橋を見下ろしながら、鮮やかな深緑の中、広い尾根道を登っていきます。やがて傾斜が緩やかになり、ソロ男性に道を譲り、やはり男性ソロのハイカーお二人とスライドしますが、好天の週末にしては静寂に支配されたルートです。
文字通り泣きの入る「オツネの泣き坂」のロープ場2区間をクリアすると、麦山のドラム缶橋からのヌカザス尾根ルートと合流、ヌカザス山頂に到着。ここで約25年前、長沢背稜〜雲取〜峰谷〜三頭山〜笹尾根と歩いた赤線ルートと足跡が繋がります。一旦下り、気持ちの良い新緑プロムナードの尾根道を2ピッチで、一転して家族連れなどハイカーで溢れる三頭山頂(西峰)到着。展望はほとんどありませんが、ツツジの花盛りということもあり、都民の森方面からのパーティて大賑わい。こちらは先も長いので、証拠写真を撮っていただき、軽食を済ませてそそくさと出発。
中央峰、東峰と三頭山の名の通りの3ピークを速攻で踏み、すぐ先の展望テラスから奥多摩三山の残り2座を遠望。遠くの山々は霞んでいますが、次のターゲット・御前山までもかなりの距離があり、改めて気合いを入れ直します。鞘口峠までは都民の森のバリエーションコースが多数あり、下から続々登ってくる夥しい数のハイカーとのスライドで、かなりの待ち時間を余儀なくされます。
立派な休憩デッキのある鞘口峠からは、一転して行き交う登山者も疎らな山腹巻き気味のルートへ。本日のラスボス・御前山までは、ここから更に多数の小ピークを越え、2つの顕著な峠を踏む約8kmのロングトレイルです。そうは言っても、ほとんどの小ピークには細いながら程よい緩やかさで巻き道が付いており、ほぼ水平移動の感覚で風張峠到着。ここからは、すぐ下に多数のラリー車やライダーの喧騒渦巻く奥多摩周遊道路を見下ろしながらの尾根歩き。峠道らしい物寂びた馬頭観音の石碑に賽銭を備え、道中無事を祈願して出発します。
途中、一度周遊道路の真横を歩く区間あり、場違い感を覚えながらも、月夜見山の手前で標識に従って尾根左側の山腹巻き気味の登山道に入ります。威圧感のある巨岩のあるポイントで写真など撮るうち、足下の通せんぼに気づかぬまま、か細い巻き道に迷い混みますが、行く手が閉ざされてルート外れに気づき、一旦戻ってようやく無人の月夜見山頂到着。地形的に見て、奥多摩湖の好展望を期待したのですが、実際には三角点があるのみでほぼ展望はなし。
日差しが避けられ、涼しく歩けるのは有り難いですが、今日は絶好の晴天にも拘わらず、山岳展望とはほぼ無縁の静かな尾根歩きが続きます。
休憩もそこそこに、深い樹林帯の尾根道を下ると、程なく周遊道路を横断、しばし気詰まりな路肩歩きの後、月夜見山第2駐車場へ。奥に御前山への縦走路入口があり、ここでやっと「文明世界」の喧騒から解放され、再び静寂の尾根へ。この区間も標識は少な目ながら、要所にピークを巻く脇道が出現、長丁場で疲れの溜まってきた我が身には大変有り難く、足に優しいルートです。
コースタイムを短縮気味に小河内峠へ到着すると、久々の二人組登山者に遭遇。先方もこのすれ違いハイカーの出現はやや意外と見え、「どこから歩いてきたんですか?」とのお問いかけ。ここぞとばかり、深山橋から三頭山を越えてきた旨応えると、次の質問は「熊は大丈夫でしょうか」。昨秋の奥多摩湖畔下降路でのクマ出現情報を心配されていたようですが、途中1〜2ヶ所クマの掘り返しと思しき痕跡を目撃したことには触れず、「クマ鈴があれば大丈夫ですよ」と応答しておきます。
この先は最終ターゲット・御前山への厳しい登り。痩せた尾根道は、本来快適なお楽しみ区間ながら、さすがに長歩きの疲労が噴出し、四周の景観と雰囲気を楽しむ余裕もありません。トレランの方に道を譲りつつ、コースタイムをオーバーし、ヘロヘロ状態で惣岳山到着。ここからは最後の新緑プロムナードに励まされるように登り詰め、14時半過ぎ、ついに樹林に囲まれた御前山頂に到達。この時間でも、さすがに奥多摩三山の一座だけあり、数組のハイカーがゆっくり休憩中で、三頭山以来の山頂証拠写真を依頼します。
昼食の残りと2座踏破のご褒美、フルーツゼリーを平らげて、下りの余力を確かめ、当初想定した境橋へのショートカット下山路でなく、鋸山〜奥多摩駅ルートへと勇躍足を踏み出します。この時点で既に歩行距離は20kmに迫り、細かいアップダウンにスピードダウンを余儀なくされ、コースタイムをややオーバーして鞘口山到着。残る区間の所要時間から見て、駅始発の丹波行き最終バスに何とか間に合う計算ながら、鋸尾根の厳しい道程を勘案すると、ほとんど余裕のない状況です。折悪しく、鞘口山の手前で右の山靴に違和感を覚え、靴底を見てみると、ロングウォークの衝撃によるものか、何とソールのゴムが一部剥がれてます!補修する余裕もなく、何とかゴールまで持ってくれ、と念じつつ、この先は更なる衝撃を抑え、騙し騙し下ることに。
大ダワへ下り着くと、消防車や救急車など多数の緊急車両が林道終点に集結しています。夏場に備えた訓練か、はたまた現実の遭難者救助か、と大変気になるも、確認する術もなく、そそくさと林道先の鋸山コースへ進入。程なく、登山道のすぐ前に野生のシカが出現。スマホで撮影するこちらの気配にも全く動ぜず、一向に道を譲る気配なし。こちらは先を急ぐのですが…とそろそろ気が急いた頃、やっと左側の山腹へと下っていきました。救急車両の方々も、急にシカが飛び出してきたらビックリポンだろう、などと気になりながらも、鋸山を巻くルートを進みますが、予想に反して結構な傾斜の登り坂、しかもハシゴあり、岩場ありの険しい道のりにスピードダウン。
やっとの思いで登り返しをクリアし、本格的な下りに入りホッとしますが、残りコースタイムと駅までの距離を勘案すると、奥多摩駅でのバス乗車はかなり厳しそうな雲行き。急遽作戦変更し、林道出合から舗装道をバスルートへとショートカットすることに。ここへ来て、ようやく石尾根・主稜や本仁田山方面の展望が開け、一息つきながら、残る気力・脚力を振り絞って、無事に林道へ降り着きます。この時点でバス発車まで20分弱、まだまだ安心できずに、ゴムの剥がれた靴と痛む脹ら脛を引きずりながら、足に響く舗装道路を全力でバス通りへ。すぐ左に「弁天峡」バス停があり、バス発車まで10分の余裕で何とかゴール。冷えたペットボトルのジュースを飲み干し、意外にも満員の丹波行きバスに乗り込んで、朝出発した深山橋へと移動します。
9時間余りも頑張って歩いた距離を、路線バスは僅か30分でアッサリと走破。夕暮れの深山橋から今日歩いてきた長い稜線を感慨深く眺め、長く待たせた我が愛車の駐車場所へと18:00前に帰り着きます。当初予定の奥多摩・もえぎの湯行きを変更し、先日大菩薩から下って「お気に入り」となった小菅の湯へと向かいますが、事前のリサーチ不足で、18:00に本日の入浴受付は終了…。仕方なく、トイレで汗まみれの山服を着替え、新装開通の松姫トンネルを抜けて、上野原インターから渋滞フリーの中央道を快走、長い日帰りツアーを終えました。
美しい深緑の中、久々の20km超のロングウォークで、メジャーな奥多摩三山とは思えない静寂の山旅を楽しむことが出来ました。4月末の大菩薩〜牛ノ寝ルートと併せ、奥多摩界隈の足跡はかなり繋がってきましたが、これからの暑い時期、尾根歩きはやはり涼しくて展望の良いアルプス方面へ出かけたいところです。奥多摩周辺の未踏区間には、また紅葉や冬枯れの好展望の時期を選んで繰り出そうと思います。
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