【八峰作戦】大谷原〜鹿島槍ヶ岳〜八峰キレット往復【甲67.3】
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- GPS
- 12:01
- 距離
- 22.4km
- 登り
- 2,658m
- 下り
- 2,650m
コースタイム
- 山行
- 10:36
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 12:02
天候 | 晴れ(朝は快晴、昼前から雲増える。) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
岩場の上り下りの他、片側が切れ落ちている箇所で足場の狭いトラバースが短い距離ではあるが複数ある。崩壊箇所上を通る危険箇所もあり。 |
その他周辺情報 | ゆーぷる木崎湖 650円 露天、内湯、泡風呂、水風呂、サウナ |
写真
感想
【いつやるか?】
不帰キレット、八峰キレット、奥穂高、鋸岳・・・。いずれもアルプスにおいて危険度の高い山域と言われている。いつか行きたいなと思いつつも、もはや向こう見ずなお年頃というわけでもないので、「無事踏破できるだろうか」という思いが先に立つ。上記山域の山行記録を予習として見るのも、手に汗握りながらという状況だが、いつまでも画像を見ながらウジウジ思い悩んでいるだけではダメだ。一歩踏み出さない限り世界は広がらない。ついに腹を決めて今年こそはいずれかを歩くこととした。
【山行区域の確定】
今年は梅雨明けが遅かった。そして、梅雨明け10日?微妙な天気の日が続く。そんな中でキラリと光る唯一の希望、8月7日に焦点を合わせて山行計画を練る。
しかし、「湿った空気の流入」、「大気の状態不安定」という懸念を拭い去ることは出来ず、山行地域の絞込みも出来ない。とりあえず、距離が長く時間がかかるもの、山小屋等が少なく万一の際の避難に難があるもの、開始・終了時間に融通が利かないものを除き、八峰、奥穂、南駒ヶ岳、鋸岳に絞って長野に向けて出発する。登山届は通常電子で出すのだが、決めきれなかったので、紙で4山域分持って行く。長野へ向かう電車内、17時30分まで天気予報を見極め、天気は南西方面から崩れると見て最北の八峰を歩くこととした。
【山行経過】
本格的な山行は西俣出合から。梯子の相次ぐ急登を、途中、日の出を仰ぎつつ登っていく。高千穂平に至ると一気に視界が開け、爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳の稜線が見える。谷間にガスが残っているが、上空は真っ青の快晴。
高千穂平から冷乗越の間は距離1000mで標高差400m。もっこりした尾根を次々乗り越える。所々崩壊地の上を通過せねばならず慎重に歩く必要がある。そんな中、中年女性に軽々と追い越されて軽くショック。冷池山荘への途上、大きなザックを背負った男性にも道を譲る。この山域はベテランが集うのだろうか。
赤岩尾根からみる布引山〜鹿島槍ヶ岳の稜線は標高差があまりないように見えたりもするのだが、実際に直前に立ってみると、いずれも大きく立ちはだかって、登るのに苦労しそうだ。その斜面を続々と人が降りてくる。山小屋に泊まって山頂で日の出を見るなどしたのだろう。布引山〜鹿島槍ヶ岳間はガレており、ゆっくり着実に歩を進める。稜線上からは立山連峰、後立山連峰をはじめとする北アルプスの名峰がずらり。南峰に着いた頃はまだ東側以外の空は晴れ割ったっており、十分に展望を楽しむことができた。キレット小屋も山頂から視認でき、残距離の長くないことを理解したが、この短距離間が曲者だ。ヒロシ氏に「これからが本番」と告げ、先へ進む。
【八峰キレット】
鹿島槍ヶ岳南峰より先は、道の態様がガラッと変わり、尖った岩の稜線となる。道中、残雪と戯れ、北峰に立ち寄ってからキレットへ向かう。最初は山腹を緩やかに巻く感じの道。ふーん、こんなもんか。しかし、だんだんと道が険しくなってくる。対向して登ってくる人達は超絶しんどそうだ。キレット小屋で休んできているはずなのに、こんなに疲れた感じで登ってくるとは、一体何が待ち構えているのだろうか。恐る恐るついた先、ついに八峰キレットに到達。足を置ける幅の狭いトラバース。ざっくり切れているキレット。怖さよりも訪れることができた興奮の方が勝り、鎖や梯子もサクサクこなすことができた。
キレット小屋で軽く食事を摂り、用を足し、またキレットを横断して帰途につく。常駐隊員の方が言うにはキレットを往復していく人は珍しいそうだ。まあ、やはり北から南、あるいは南から北に縦走する人がほとんどだろう。我々は今回、鹿島槍を経由地とし、八峰キレットを目的地とした。目的地なので、やはり満喫したい。ピストンということもあったが、往復は当然の結果であった。多分、縦走中であっても時間に余裕があれば、来て、戻って、また来てと、往復したであろうことは想像に難くない。そのくらい恋焦がれていた所に来ることが出来て感慨も一入である。
【総括】
というわけで、八峰キレット往復が出来ただけでなく、美しい鹿島槍の山肌、鹿島槍ヶ岳前後の稜線からは表裏の立山連峰に北アルプスの南側の展望を身体に感じ、心に留めることができた。この盛夏にあってはやや長めの行程中、雲が適度に熱射を和らげてくれたためバテることなく、かといって、暑い夏の日定番の雷雨にも最後まで遭うことなく無事下山することが出来た。これもまた、山と空が我が心意気に応えてくれたものと心得、ただただ感謝の誠を捧げるのみである。
〜おしまい〜
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