丹沢/玄倉川檜洞沢

- GPS
- 10:56
- 距離
- 28.3km
- 登り
- 3,271m
- 下り
- 3,274m
コースタイム
- 山行
- 9:36
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 10:56
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
玄倉駐車場(無料)。08:00-17:00と利用時間が表示されているがその時間外でも出入りは可能。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山ポスト 玄倉バス停に登山ポストがある。 ◆道の状況 ・玄倉林道 玄倉からユーシンロッジまで2時間以上の歩きを強いられるが通行には問題無い。 8つのトンネルがあるが青崩隧道の通過はヘッドランプが必要。 ・石棚山から西丹沢県民の森 標高900m以上では踏み跡程度であり破線ルート並み。 ・中ノ沢林道 中ノ沢林道では割れ目が真新しい落石が数多く見られた。歩いている時も突然木が折れる音がしたりと極めて不安定な状態の様子であり、通行には注意が必要だ。 |
写真
感想
2週間前に途中撤退した檜洞沢を再訪し、純白の石英閃緑岩とエメラルドグリーンの美渓を堪能してきた。長い林道歩きを強いられるのが玉に瑕だけど、紅葉の頃、新緑の頃にまた訪れたいと思わせる美しさがある。しかも紛失したXperia Z Ultraを発見すると言うおまけ付き。
5:30前に13Kさんが平塚駅でT井さんをピックアップして玄倉へと向かう。全く2週間前と同じ。やや早く7:30前に玄倉駐車場を出発することができたが、前回はゲートまで行って引き返したと言うのがあるから。そこからユーシンまで2時間の林道歩きだ。2日前の大雨のためか玄倉発電所には「ダム放流中」のサインが出ていた。1時間歩いて青崩隧道に至り、小休止を取る。3番目のトンネルの石崩隧道を抜けると玄倉ダムだが、水門が全部上がっていた。つまりダム湖が無くなっていて河床まですべて見える状態になっている。これは初めて見たので貴重な経験とは言えそうだけど、ユーシンブルーを期待してハイクしてきた人たちはガッカリだろうなぁ。更に45分歩いてユーシンロッジに到着した。今日は天候も良くロッジの前のキャンプファイヤーゾーンでくつろぎながら沢支度を整える。
前回同様山の神に詣でて入渓点へと歩く。ロッジから10分で入渓点だ。陽光が入って白い石英閃緑岩がより白く映える。少し進むと沢は左に屈曲しF1に出合う。左岸をずっとへつって行くと卦蕕箸覆襪、前回はその一段下のバンドから容易に登ることができた。ところが今日はそこへ簡単にアプローチできない。釜は深く試みにT井さんが入ってみたが首まで浸かって諦めて戻ってきた。なので左岸を途中までへつり垂れ下がっていたトラロープの助けを借りてバンドに降りた。このトラロープの存在は前回は全く気が付かなかった。
その後小滝が続く。小滝はどこからでも楽しく超えられる。2つ目の小滝を超えたところで3番手を歩いていたT井君が何か声を上げた。何事?と近寄ると2週間前に僕が落としたXperia Z Ultraがそこにあったのだ。見る影もない姿になってはいたもののこの手に戻ってきたと言うのはちょっと奇跡を感じる出来事だ。皆さんに感謝したい。
次にチョックストーンの滝に出合う。前回同様に激しい水量だが予行演習は済んでおり水流沿いに進んで大岩に上がれば良いことは解っているので落ち着いてそのムーブをトレースした。CS滝上からは釜を湛えた小滝が目立つ。水と戯れるのが大好きなT井さんは早速釜に飛び込んで清涼感を満喫している。前回の遡行ではかつて遡行した石小屋沢の出合に気が付かなかったが今回は漸く気が付くことができた。澄んだ瀞とナメを楽しみながら進んでいくと下ノ魚止滝に出合う。天気が好いせいか今日はより白く高貴に見える。ここは前回同様に左壁のカンテから登り高巻き、滝上に降り立つ。そしてしばらく行くと吹割ノ滝だ。
吹割ノ滝の下のナメ滝がちょうどウォータースライダーっぽくなっていて先ずはT井さんが飛び込む。次に僕が行った。実の所着衣泳は初めて。ホンチャンの前に一度は経験しておかないととザックを置いて釜に飛び込み、数メートルだが泳いでみた。ゴーグル無しで水中で目を開くと言うのも何十年振りだろうか。初めての着衣泳の感想としてはかなり難しいもんだと言う所。これにザックを背負ってと言うのは、ウーン、現状無理だな。ザックが無い状態であれば平泳ぎよりクロールの方が進みは速いと言うのも解った。やっぱり場数が必要なようだ。僕が飛び込んだので続いて13KさんもAki-CLさんも飛び込んだ。もう夏も終わりに近いけどいかにも夏休みのアクティビティと言うところだね。
吹割ノ滝はとても優美な姿を見せてくれている。その上はユーシン沢出合になる。さっきのウォータースライダーも休憩みたいなものだったけどここで再度小休止とした。小休止後、ユーシン沢を分けて檜洞沢に進むがすぐに4m滝に出合う。ここは右岸側を歩いて登れる。更に多段のナメ滝、3m樋状滝、4m滝と気持よく超えていける滝が続く。多段のナメ滝でははやりT井さんがウォータースライダーを楽しんだ。3m樋状滝は流芯を行ったが思いの外のシャワークライミングになった。4m滝を超えて行くとテーブル岩に出合う。一種名所であるけど休憩場所としては時間が早いので先を急ぐ。この少し先で1人の釣師に出逢った。
15分程登るとザンザ洞出合になる。ザンザ洞自体よりもそこに至る所がいかにもザンザと言う感じの滝音が流れている。出合を過ぎていくつかの滝を超えて1000m地点で小休止。そこからすぐに上ノ魚止滝に出合う。これも優美な滝だ。その上に多段のナメ滝がある。下三段は容易に越せるが最上段はツルツルに磨かれた岩壁で直登は難しい。右を見るとルンゼの先にトラロープが下がっているのが見えたのでこれを使わせてもらう。全部は登らずに3/4程度の所からトラバースの踏み跡が付いていた。その後も容易な滝が続き、1100m近くになると広河原状に川幅が広くなる。河床の岩質は石英閃緑岩と言うよりはより黒いものになるが一枚岩の河床が続く姿はなかなか素晴らしい。
経角沢を左に分けると水量はかなり減る。更に1240m出合の先で水は涸れる。なのでこの出合で沢装備を解いた。この先も沢筋を辿っていくが沢の延長そのままで金山谷乗越に出る。呆気無いほど楽な詰めに驚かされる。だがここから檜洞丸までは一般登山道で歩くこと自体は容易になったとは言え標高差で300mあるのでなかなか大変だ。青ヶ岳山荘が見えてきてホッとするがその前のあと150mと言う看板も有り難い。金山谷乗越からしばらく進むとトリカブトが見られた。ここだけに植生しているのかと思ったが登るほどに増え、青ヶ岳山荘から檜洞丸に掛けてはかなり群生していた。丹沢でも全然珍しい種では無かったんだ。
檜洞丸で大休止を取ってそれからの下りに備える。ここで15時だから暗くなる前に林道に出るだろう。かなり気が楽になった。とは言え玄倉まで3時間半位の行程だから楽ではない。しかも石棚山稜の登山道はアザミの密度が高くて…。石棚山を超えてすぐに箒沢と玄倉の分岐になる。ここには立派な道標があるのだが一歩玄倉側に踏み出すともう登山道は踏み跡レベルになる。途中で支尾根を分ける所で注意が必要だし、急斜面の下りはかなり滑りやすく神経を使う。900m位まで降りると漸く登山道だったと言う痕跡が見えてくる。がこのルートを利用する登山者はごく少ないのだろう。登山者が増えればもう少し登山道になっていく。この状態では「県民の森」を称するには余りにもひどい状況ではないだろうか。玄倉から歩かなくてはいけないようでは更に登山者や利用者は減ることになるし、もう看板を降ろした方が良いと思う。何も手が入っていないところをいかにも整備されているように誤解されるだけではないだろうか?
ともあれ県民の森の不確かな道標に惑わされながらも暗くなる前に無事に中ノ沢林道に出ることが出来た。穴ノ平橋から玄倉まで更に1時間林道を歩く。この林道は小川谷廊下のアプローチであり、Aki-CLさん、13Kさん、T井さんも6月に訪れているが新しい割れ目の落石がそこここに落ちていて穏やかには通過できなかった。途中で突然右手の斜面上で木が折れる音がしたりしてその時には疲れを忘れて20mダッシュした。幸い朽木も石、岩も落ちては来なかったが、非常に不安定な状態にある岩も散見された。長居は不要。通過には周囲に注意を払う必要があるだろう。
ともあれ2週間前の無念を払うことが出来た。檜洞沢を経て檜洞丸に登頂するのもなかなか良い。何よりも檜洞沢が美しい渓谷だと言う所に大きな喜びがある。違う季節、様相の時にもぜひ訪れてみたいものだ。
・吹割滝下のナメ滝で遊ぶ1
・吹割滝下のナメ滝で遊ぶ2
ユーシンブルーの淵で遊びながらの沢登り。
金山谷乗越への詰めは容易。
困難なところは少なく沢登りを楽しめる
(一か所お助けロープに引っ張り上げられた(^^;)
が、行動時間は長い。
ユーシンロッジまで車で入れると良いのだが・・・
13K
Aki-G3















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