蛭ヶ岳ピストン
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
コースタイム
塔ノ岳 0940/0955
丹沢山 1050
蛭ヶ岳 1235/1315
丹沢山 1445
塔ノ岳 1545/1555
大倉 1755
過去天気図(気象庁) | 2014年02月の天気図 |
---|
写真
装備
個人装備 |
靴:スカルパ・ミラージュ
|
---|
感想
金峰の次の雪山はいよいよ八ヶ岳の横岳―赤岳縦走にトライしてみようと考えているのだけど、いろいろ調べてみると厳冬期の岩稜を軽アイゼンで行くのはちょっと無理っぽく思えてきた。それならそろそろ12爪アイゼンを入手しようと決意したのだが、そうなると冬用登山靴も合わせて揃える必要が出てくる。で、勢いでスカルパ・ミラージュとグリベル・エアーテック・ニューマチックを買ってしまった。
となると、八ヶ岳の前にどこかで足慣らししたくなる。折りしも昨日(2/4)、首都圏で雪が舞った。たぶん丹沢ではそれなりに雪が積もったであろう。しかも翌日(2/5)は晴れ一本の予報だ。ということで急きょ休暇を取って丹沢で足慣らしすることにした。大倉尾根ではアイゼンの試し履きにはならないから、塔ノ岳以北、どうせなら蛭ヶ岳まで行ってみることにした。蛭は高校生のとき以来だ。
しかし運が悪いことに昨日は夜遅くまで仕事があって、帰宅できたのが午前1時。3時間だけ寝て5時に起きて、7時には現地に着くという強行だったのだが、本当はあと1時間早く出たいところだった。
東名を走っているときから雪化粧した丹沢がやたら格好良い。予想通り、大倉登山道入り口から雪が付いており、見晴茶屋以上では3〜5cmの積雪になっていた。花立手前で10cm程度、塔ノ岳山頂では09:30で10cm、−9.6度の情報あり。ちょうどこの頃、僕は大倉尾根では暑くてTシャツで登っていたのだが、そんなに気温低かったのか。積雪の影響か、2時間目標のところを30分オーバした。
塔ノ岳で12爪アイゼンを初装着、丹沢山へ向かった。この間の積雪は約15cm〜吹き溜まりで30cmといったところか。ゆるやかな稜線歩きなので12爪である必要はないのだが、付けたら付けたで結構便利だった。しかし足が重い。
丹沢山〜蛭ヶ岳は積雪約20cm〜50cmといったところ。トレースはあるものの薄く古そうで、何度も踏み抜いて膝まで埋まった。積雪の影響は甚大で、CT80分のところ105分もかかった。これでもか!とアップダウンを何度も繰り返すのには辟易した。
昼前から塔方面は厚い雲に覆われてきたのだが、正午過ぎになって蛭ヶ岳もガスり始め、僕が山頂に着いたときには残念ながらすっかりガスの中、眺望まったくなしだった。なかなか予報どおりにはいかないものだ。久々にコンロを持っていってカップラーメン作ったのだけど、お湯も沸騰しないのね…。湯を沸かすだけでも時間かかった。食べ終えると寒さに耐えかねてそそくさと下山開始。
自分のトレースを追えばいいのでホワイトアウトによる道迷いは心配していなかったものの、小雪まで舞ってきて天気が崩れる心配があったので、あまり馴染みのない道は早く通り過ぎて勝手知ったる塔ノ岳に早く戻りたかった。しかしまた上り下りの繰り返しという大きな壁が立ちはだかる。既に往路でバテていて、復路の登りにまともに対応できないのだ。登りになると数歩歩いては立ち止まってしまい、遅々として進まない。蛭→丹は全体的には下りのはずだが、それでも90分かかった。
塔ノ岳まで戻って一安心、しかしもう16時で、明るいうちに大倉に下りるのは絶望的になった。まあ大倉尾根は何度も通っているのでべつに暗くてもいいのだけど、積雪もあるのでなるべくなら急坂が終わる見晴茶屋までは明るいうちに下りておきたい。ということで塔でアイゼンを外してスピードアップして下り、目論見どおり見晴で日没になった。もっとも、金冷しから下では登山道から積雪がもう殆ど消えていて、駒止までは圧雪と、一回融けてまた凍ったような凍土状態で、その下ではほぼ完全に土が出ていた。早朝はあんなに積雪があったのに、大倉尾根の積雪はたった一日で消えてしまう。丹沢の雪は貴重のようだ。
★装備について
冬用登山靴はアイゼン装着のために全体的に硬く作ってあるそうで、僕がスカルパ・ミラージュを選んだ大きな決め手は、アッパーが比較的柔らかくて僕の幅広足にとっては他の靴より融通が利くことだった。断熱材なしなので比較的安いのもありがたかったが、断熱材がないことがどれだけ不利なのかはよくわからない。いずれにせよ今回の山行では冷えは問題なかった。しかし、硬い靴で歩くのには足が慣れておらず、とくに登り坂では踵が痛くなった。靴擦れはできていない。
12爪アイゼンはグリベル・エアーテック・ニューマチックだが、アイゼンは靴との相性が最も重要だそうで、ミラージュに合うものを店で選んでもらった結果だ。いわゆるセミワンタッチで、軽アイゼンよりも装着が簡単で、かつ靴にフィットする。アイゼンワークはこれから学んでいく必要があるけど、今日だけでも何度も爪をスパッツに引っ掛けて、転倒までは至らなかったもののスパッツに穴が開いた。歩き方が悪いのかもしれない。対策を講じる必要がある。
いいねした人