硫黄岳 [硫黄岳山荘冬山登山教室]
- GPS
- 06:29
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 743m
- 下り
- 742m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
唐沢鉱泉、夏沢鉱泉分岐まで(ここで駐車) 夏沢鉱泉宿泊者は、ここから夏沢鉱泉まで送迎あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
赤岩ノ頭からオーレン小屋へのルートは、冬期単独入山禁止になっています。 今回はガイド登山のため入山しました。 |
写真
感想
3月5日、6日の一泊二日の「硫黄岳山荘ネイチャースクール」、硫黄岳冬山登山教室に参加しました。
5日昼過ぎに、唐沢鉱泉夏沢鉱泉分岐に車を停め、夏沢鉱泉の送迎車で今回の宿泊地の夏沢鉱泉に到着しました。
ネイチャースクールということで、初日は、夏沢鉱泉の付近で、アイゼンワーク、ピッケルワーク、足慣らしを兼ねて、スノーシューでのお散歩。
そして、夜には宿でビーコンの講習を受けました。
翌日、天気は晴れ。
夕方になるにつれ雲が増えてきそうですが、行動中はおそらくよいと思われます。
初めての冬山登山ということで、期待と不安でドキドキ状態で出発しました。
最初は、アイゼンにストックというスタイルでゆっくりゆっくり歩き始めます。
オーレン小屋前で休憩。
再び歩き始まますが、樹林帯の中にもかかわらず、木々が風で音を立てています。
森林限界を超えたら、この風はどうなるのだろうと不安がふくらみます。
夏沢峠を目前に、樹林帯の中で、装備を変更。
稜線対策に、目出帽、ゴーグルを装着し、フードをかぶり完全防備。
ストックをピッケルに持ち替え、準備を整え再びスタートです。
夏沢峠へ出ると予想通り強風です。
ガイドに導かれ、参加者は後に続きます。
しばらくは、かろうじてある木々の中を歩きますが、いよいよ森林限界を超え稜線に出ます。
すごい風です。
本格的な冬山初体験の私には、びっくりする風でした。
しかも、ジグザグに上るにつれ風はどんどん強くなっていきます。
風に飛ばされそうになりながら、時々よろめきながら一歩一歩進みます。
しかし今まで体験したことのないような風に、耐風姿勢をとりながら進みますが、一歩を踏み出すのが怖くなる瞬間もありました。
ガイドのいる登山なので、無謀なことをするはずがないと思いながらも、この風がいつまで続くのか分からない不安と風にあおられる感覚を味わい、「もうこんな冬山は私のレベルでは来るところではなかった。もう冬山はやらない。」と思ってしまうほどの、緊張感、恐怖感を味わいました。
ようやく岩の影で風をよけて休憩。
まだ先は続きます。
アイゼンをはき、慣れないピッケルを使い、耐風姿勢で体勢を低くして進んでいるため、ふくらはぎが異様に張りを覚え、腰に痛みを感じ、少し進んでは休むという感じでなんとか一歩一歩進むという感じになっていました。
ケルンを一つ一つ通り過ぎながら進むので、確実に頂上が近づいているのは分かるのですが、なかなか思うように進みません。
ガイドの「ここまで来たら、這ってでも頂上に行くぞ!」という言葉に励まされながら、頂上が近いということを感じ、ゆっくりではありますが、確実に歩を進めました。
そして、ようやく頂上に到着。
360度、雪のついた八ヶ岳連峰、遠くには中央アルプス、北アルプスまで見え、本当に最高の景色を見ることができます。
しかし、登ってきた斜面も強風でしたが、ここも強風です。
あちこちで雪煙も上がっています。
天気は、晴れで景色は素晴らしいものでしたが、長居できる状況ではありません。
記念撮影だけ早々に済ませ、頂上での達成感に浸っている余裕もなく下山開始です。
下山ルートは、赤岩の頭からオーレン小屋のルートです。
まずは、赤岩の頭に向け、下山開始ですが、すぐ近くにあるろうそく岩を回り込むと一気に風が弱まりました。
ここで改めて記念撮影。
かなり下の段階から、「あそこに見えるのがろうそく岩で、あんなに小さく見えるけど近くに行ったら以外に大きい」という話を聞いていたので、本当にその通りだと思いながら大きな岩の影で、ガイドさんがそこから見える景色の説明をしてくれました。
下山していくと赤岳鉱泉から登ってくる何組かのパーティーとすれ違いましたが、「すごいね〜。みんな完全防備で、宇宙人みたいだね」と言われながら、「まぁ、私たちは、冬山入門教室ですから」と心で思いながら挨拶を交わしました。
そして、赤岩の頭に到着。
ここも、登りの時の風が嘘のようです。
ここで、少しゆっくりと休憩です。
ガイドさんが、この辺りの風の流れの説明をしてくれました。
それで、納得。
あの、夏沢峠からの登りの稜線での風とここでの風がなぜこんなにも違うのかが分かりました。
あの登りの稜線での風。
ガイドさん曰く、「風速20メートルくらいだったね。」。
やっぱり、少し命の危険を感じただけある風だったのね、という言葉でした。
思う存分、絶景の写真をとり、あたたかいものを飲み、おやつを食べ、良い天気の中で本当にピクニック気分になりそうでした。
ここからは、アイゼンをスノーシューに履き替え、ピッケルをストックに持ち替え、ビーコンのスイッチを入れ出発です。
ここからのルートは、冬期単独入山禁止ルートとなっています。
今回は、ガイド登山ということでガイドに従いルートを進みます。
一気に谷を下っていく感じですが、スノーシューで歩くには、最高でした。
どんどん高度を下げ、あっという言う間に森林帯に到着です。
ここでまた少し休憩。
登ってきた硫黄岳を振り返りながら、木々の植生についての話を聞きます。
登りに歩いていた稜線が見え、雪煙が上がっているのも見えます。
本当にあの時の風の強さはと、振り返ります。
そして、樹林帯の中に吸い込まれるように高度を下げ、樹林帯を歩き、オーレン小屋に到着です。
ここまで来たら少しホッとします。
ここでまた休憩をしながら、「これは、本当に入門だったのかなぁ」「あの風は、絶対入門じゃないよね」とみんな同じようなことを思っていたことを口にします。
あの時つらかったのは自分だけじゃなかった、ということを共有し、より団結を深めた感じです。
ここで、登ってきた硫黄岳をバックに最後の記念撮影。
そして、最後の道のりを、夏沢鉱泉に向かいます。
ここからは、スノーシューの醍醐味を味わいます。
登山道をショートカットし、急斜面を滑るように下っていきます。
しばらくアドベンチャーな感じで進み、最後は登山道を夏沢鉱泉に向かいました。
そして、到着。
初めての冬山登山、無事みんなで戻ってきました。
強風こそあったものの、天気にも恵まれ絶景を眺めることができ、終わってみればあの強風も、強風だっただけやりきった感は非常に大きく、後半の遊び要素も多かったスノーシューもすべてが、貴重な体験でとても有意義な山行でした。
最後に、夏沢鉱泉の温泉で汗を流し、身体を温め、おいしい昼食をいただき、帰途につきました。
無事帰ってこれると、やはりもう一度行きたいという欲求がふつふつと湧いてきました。
こうして、冬山にはまっていくのかなと思いながら、やはり冬山に向かうにはまだまだ体力不足だということを感じ、これから体力アップにもつとめ、ステップを踏みながら、経験を重ねていきたいと思いました。
ようこそ(≧∇≦)冬山ってなんだか死んじゃうイメージですが人間て意外に?強いな〜て思いませんか?あんなに寒くて凄い風が吹いているのに平気なんて不思議ですよね?だからついついもっと限界知りたくて冬山へ行ってしまうのです(-_-#)きっとQチャンさんもハマってしまうのでは?お互いに気をつけて素晴らしい世界を堪能しましょうね(*^o^*)
teteteさん、はじめまして
確かに、人間って以外に強いな〜とは思いました。
でも、やっぱりまだまだ冬山って死んじゃうイメージが強いのが正直なところですね〜。
まぁ、これも何回か体験することで、だんだん深みにはまっていってしまう気もするんですが
徐々にステップアップしていきたいなと思います
ほんとに、お互い気を付けて素晴らしい世界を堪能しましょう
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