記録ID: 1042208
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積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
焼岳−初の厳冬期北アは敗退
2017年01月07日(土) [日帰り]
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体力度
3
日帰りが可能
- GPS
- 07:34
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 1,295m
- 下り
- 1,285m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 7:02
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 7:34
距離 10.5km
登り 1,296m
下り 1,294m
駐車場に着くと富山ナンバーと品川ナンバーの2台が先着。東京からはフランス人の4人パーティ(♂×3+♀)が出発するところだった。(秀綱神社で追いついて少し話をした=日本語を話せる仏人)
中尾峠で下山中の富山ナンバーの人(ソロ)と話をして、山頂直下のトラバースが難関でその手前も簡単ではないことを聞く。
果たしてその通りで、トラバース手前からアイゼンの歯跡がうっすらつく程度の氷化斜面が続き、滑りそうで普通に立って歩けないので斜面に正対し、ピッケルを突き刺して足を2,3回蹴り込んで一歩一歩進む。今考えるともっとゆっくり歩けば先行者と同じように進行方向を向いて歩けたかもしれない。危険個所は早く通過したい気持ちが逸って普通(よりはゆっくりだが)に歩こうとしたのかもしれない。
あと50mくらいのところで、その先がさらに斜度がきつくなるように見えたのでこのまま行っても帰ってこれるか不安になり、迷っているうちに両太ももの内側が攣り始めた。撤退決定。
帰宅後にGPSログと地図で撤退地点を確認すると、北峰山頂まで平面距離にしてあと170m、標高にしてあと90mだった。
中尾峠で下山中の富山ナンバーの人(ソロ)と話をして、山頂直下のトラバースが難関でその手前も簡単ではないことを聞く。
果たしてその通りで、トラバース手前からアイゼンの歯跡がうっすらつく程度の氷化斜面が続き、滑りそうで普通に立って歩けないので斜面に正対し、ピッケルを突き刺して足を2,3回蹴り込んで一歩一歩進む。今考えるともっとゆっくり歩けば先行者と同じように進行方向を向いて歩けたかもしれない。危険個所は早く通過したい気持ちが逸って普通(よりはゆっくりだが)に歩こうとしたのかもしれない。
あと50mくらいのところで、その先がさらに斜度がきつくなるように見えたのでこのまま行っても帰ってこれるか不安になり、迷っているうちに両太ももの内側が攣り始めた。撤退決定。
帰宅後にGPSログと地図で撤退地点を確認すると、北峰山頂まで平面距離にしてあと170m、標高にしてあと90mだった。
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口へは駐車場からしばらく林道を歩く。登山口からは雪が少ないのでたぶん夏道をたどっていると思うが、中尾峠より上は氷化しており、先行者(1名)のアイゼンの爪跡がうっすら残っていたが消えているところも多々あり。 【登山口〜中尾峠】 危険個所はなく踏み跡がしっかりついていたので迷うことはなく進めた。 登山口からしばらく進んで白水の滝手前でまた登山口の標識がある。ここまでは何ともなかったが、二度目の登山口からは脚にきたり、呼吸が上がったりで結構大変だった。急登とは思わなかったが雪のせいなのか? 何度か滑ったので二度目の登山口で12本爪アイゼンを付けたが中尾峠までだったら雪が柔らかいのでチェーンスパイク程度でいいかも。 【中尾峠〜トラバース地点】 クラストというより氷化していてアイゼンの歯の跡しかつかない斜面が続く。中尾峠からの最初の斜面は藪が埋まっていればスキーにちょうど良いと思うのだが雪がカチカチなので残雪期でないと滑れないかも。 ここを登りきると涸れ沢(かどうかわからないけど岩がゴロゴロいていた)を登ったが(踏み抜き多し)、横断して反対側へ出るのが登山道のようだ。雪山では登山道は関係ないが。 沢を抜けてトラバース地点へ向かうあたりから滑ったらどこまで行くかわからない斜面になる。片手でピッケルをついて足を動かすことができなかったので(足が滑りそうで)両手で正面にピッケルを差して3,4歩登るという繰り返し。 トラバース地点より少し上へ出てしまったので下りようとしたがこれも一苦労。両手ピッケルで斜面に正対してキックステップで下りた。 【トラバース地点〜撤退地点】 ここが核心部で高度が上がった分ますますカチカチな斜面になっており、斜度もかなりあって滑ったらオシマイなところなので行こうかどうか迷ったが進んでみることにした。先行者は進行方向に向かってアイゼンの片側を使って進んだようなので同じように歩いてみたが爪が刺さらずとても不安定なのでここも斜面に正対して両手ピッケルでキックステップのカニ歩きで40mほど進んだ。 あと数10mでトラバースが終わりそうだったがコースタイムをオーバーしたことと、両足の腿の内側が攣り始めたので引き返すことにした。行こうと思えば行けたかもしれないが戻ってこれるか心配だった。実際引き返す時も行きのステップ跡があるにもかかわらずカニ歩きでしか動けずやっとこさ戻ってきた。 |
その他周辺情報 | ・新穂高の湯は冬季閉鎖中 ・100mほど先の「深山荘別館 槍の郷」で入浴。貸切露天風呂で\2,000/40分らしいが、一人だと\1,000だった。 貸切風呂は3つあり、選んだ「山伏の湯」の湯船から槍〜南岳の絶景が見える。シャンプー石鹸なし。 |
写真
はっきり跡がついているところ(斜面に正対して2、3回蹴り込んだ)までが自分のトレース。先行者の跡は進行方向を向いたままでついていた。斜度は写真よりよほど厳しい。滑ったらアウト。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
ツェルト
ナイフ
カメラ
ヘルメット
|
---|
感想
今年は雪が少ないのでBCは当分諦めて前から行きたかった焼岳へ。
ただ、厳冬期に森林限界を超えた山行経験はない。3月下旬に1度西穂山頂まであと少しのところまで行ったくらいだ。
中尾峠までは雪山初心者にちょうどいいな、なんて余裕をかましていたが、森林限界超えの稜線に出てからはカッチカチの斜面が続く。凹部を横断してからは斜度も上がりカッチカチ度が増す。オーバー目に言えばアイゼンの爪跡も付かない。
そこそこ風も吹いており、いつものことながら風の音にビビった。
https://youtu.be/T6cj2K-k-q8
(うまく組み込まれないようですね)
滑落の恐怖、予定時間オーバー、両太ももの攣りで撤退したが、出発時間が早い遅いの問題ではなく単なる技術不足ということだ。雪であればトラバースできたと思うが氷化斜面は無理だった。
あのまま進もうと思えば山頂まで行けたような気もするが、こうやって山行記録を書いている自分はいなかったかもしれない。
初めての厳冬期北アルプスで比較的標高の低い焼岳なら行けるかもしれないと思ったのだが、まったくもって甘い考えだった。森林限界を越えたらどういうものなのかというのを身をもって知った。もっと標高の高い山はさらに氷化が進んでいるんだろうな。山頂は踏めなかったがいい経験だった。
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コメント
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正月の鳳凰や八ヶ岳は麓は全く雪がなかったので、駐車場から雪とは北アエリアは雪が多いですね。
僕が登った1か月前とはずいぶん状況が違いますね。氷化斜面のトラバースなら同じく退散してたかも。(アイゼンの前爪とピッケルのピックが刺さるなら登ります)
冬山は森林限界を超えると別世界ですよね。NishidenさんやYamaさんと登った時はビックリしました。
今シーズン機会があれば再チャレンジしようかな
お疲れさまでした
ピックは刺さり、足も2,3度蹴り込めば刺さりますが、進行方向を向いたままでは態勢は保てませんでした。下山直後はリベンジを躊躇しましたが、一日経ったらやっぱり厳冬期に再挑戦したくなりました。でも、天気がよほどよくないと自分には無理。今度はいつ晴れるかな?
レッズさん、やはり確保なしでは無理でしょう。また行けますよ。お疲れさまでした。
写真で見ると、左側をトラバーするより、右に回るか岩を登るかのほうが行きやすいように見えるんですが、現地ではその見極めをする余裕はなかったです。
厳冬期北アなので強風等による途中撤退も最初から念頭にあり、まあ想定内というところですかね。
自分の時を思い出してドキドキしながら拝見しました。
僕の撤退地点はもう少し先だったようです。
冬の焼岳、手強いですね。・・・と言うか、僕の場合は勇気と技術が足りないだけですが^_^;
何はともあれご無事でなにより!
あのまま不格好でも斜面に正対して足を蹴り込み確実に足場を確保しながら横歩きしてたら行けたと思うのですが、帰りも同じ道を戻るのかと考えたら危険が2倍になるので撤退しました。
北峰の直下をトラバーしていたんですね。地図とGPSを読み違えて南峰が北峰だと思って、トラバースが終わってもまだ先があるなと勘違いしたのも戻ってきた理由の一つです。あの上だとわかっていたら進んだかもしれませんが、勘違いが幸運だったかもしれません。
もっと冬山(森林限界超え)での経験を積み重ねる必要性を感じました。
はじめまして、中尾峠でご一緒させて頂いた者です。
上部の状態はけっこうシビアだったので、大丈夫かな?と心配していたのですが、ご無事でなによりでした。
緊張ではなく恐怖を感じたら、そこが撤退のポイントと、いつも自分自身に言い聞かせております。
普段はもっぱら「見るレコ」専門なのですが、今回は私も簡単なレコをアップしましたので、もしよかったら覗いてみて下さいね〜!
kakehiさん、おはようございます。コメントありがとうございます。
中尾峠から見るトラバース箇所はさほどには見えなかったのですが、お話のとおり大変厳しいところでした。行きは良くても帰りで詰まったらどうしよう、という思いでトラバース途中で引き返しました。
アイゼンの跡(片側の1本の線(^-^;)を見ると進行方向を向いて歩いておられましたが(山慣れした方だなと思いました)、自分には不安定さが怖くて斜面にへばりつくように正対してしか動けませんでした。
これからレコも読ませていただきます。
私も先月ほぼ同じ箇所で撤退しました。
しかも吹雪いていたので降りてから中尾峠までも大変でした。
あの急斜面、すごかったですね。
今月杣添尾根で横岳に行きましたが、こちらの山頂直下の急斜面は焼岳に比べたら楽でした。^_^
コメントありがとうございました。
天気のあまりよくない日に行かれたんですね。僕の時は天気が良くもっと雪があったのでトラバース地点まではさほどの危険は感じませんでしたが、やはりあそこは途中で気持ちがなえました。いつかは再挑戦したいですが、もっと難易度の低いところから経験を積んでいこうと思っています。
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