上高地→前穂→奥穂→涸沢→上高地
- GPS
- --:--
- 距離
- 26.0km
- 登り
- 2,058m
- 下り
- 2,059m
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
去年は悪天候で涸沢から引き返すことになった奥穂高攻略戦、8/9の夜行バスにて上高地へ向かい8/10にリベンジです。
今年はコースを逆にして、
(8/10)上高地→岳沢→重太郎新道→紀美子平→前穂高→紀美子平→吊尾根→奥穂高→穂高山荘
(8/11)穂高山荘→涸沢岳→穂高山荘→ザイテングラート→涸沢→横尾→明神池→穂高神社奥宮→上高地
以上のルートを設定。
5:30にバスが上高地へ到着して、準備を整え6:00前に岳沢へ向けてスタート。気温は低めで肌寒い。岳沢湿地を通過して登山口へ到着。ここから岳沢までは緩い勾配の登りで楽々と進む。すぐに暑くなってきたので着替えて、天然クーラーの風穴にて気持ち良い冷気に当たる。岳沢で水分補給と小休止をして、いよいよ重太郎新道に突入していく。
穂高周辺はヘルメット着用が推奨されており、ほとんどの登山者がヘルメットを持参していた。僕らも岳沢からは帽子を脱ぎヘルメットに代えて登る。予想どおりの急登の連続、ガレガレで足元もふらふら。はしごや鎖で岩を乗り越え進んでいく。だんだんと山頂あたりが雲につつまれてきた。岩場の登りでは、ついつい足の置き場や手の置き場を気にして目線が下がる。すると、ふとしたときにゴツンと頭を岩場にぶつけることがあった。ヘルメットしているのでノーダメージだったからよかったけど、あの角度の岩場で頭をゴツンと地肌でやったら、もしかすると流血するかも、あるいはヘタすると滑落するかもしれない。
紀美子平の手前あたりから、空気も薄くなり息が上がって、進みが遅くなる。それまで30分ごとに2分くらい休憩していたが、15分ごとになり10分ごとになりと休憩タイミングが短くなってくる。なんとか紀美子平に到着。ここで荷物をデポして前穂高に進む。登山地図では登り30分。予想を越える岩場の急登と呼吸困難から進みが遅い。40分近くかかってやっと山頂に到着。ガスにつつまれ展望はあまりない。前穂高から紀美子平に戻って、吊尾根へ。ここから奥穂高までも300m近く登りが残っている。
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(注意)
手元や足元の岩に目を取られてしまうとペンキで書かれた丸印や矢印を見失ってしまうことが多々あった。その結果、崩れやすいガレ場などに入ってしまったりするので、常に顔は上げて印を確認しながら行動すること、人の踏跡は全くあてにならない。踏跡ばかりみて歩くと、結果として丸印を見失うことが何度もあった。間違えた場合は引き返してマル印を探すこと。
はしごは、岩が邪魔になり足がつま先までしか掛けられない段が数十段のうち1,2段ある。一歩一歩慎重にはしごを登り下りすれば問題ないが、ちゃっちゃと進むと足を踏み外す危険がありそうだ。あとハシゴは手が汚れるからと足を乗せる場所を持たず、横の棒を持って移動すると、万一、足を踏み外した場合はジ・エンド。
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息も絶え絶えながらなんとか吊尾根を進む。途中で雷鳥の夫婦に遭遇。人間を怖がる様子もなく鳴いている。ようやく奥穂に到着。山頂は相変わらずガスの中。山頂の日本アルプスの総鎮守「穂高神社嶺宮」を参拝。
奥穂から穂高山荘までに下りは山荘が見えて来てからが恐怖の角度での下りになった。この区間が今回の山行では一番のチンさむポイントだったかも。
14:30頃に山荘に到着して、山荘内にてビールで乾杯をしていたら、突然の豪雨になり、バサバサと大雨が降ってきた。この豪雨があと20分ずれたら、あのチンさむポイントで食らっていた可能性があり、冷や汗が出た。
山荘は混雑しているようで、一つの布団で二人で寝るとのこと。結果としてはなんとか寝れた。
翌朝、5時に飯を食って、ご来光を見る。常念岳の上に太陽が登ってきた。荷物を山荘に置いたまま、早朝登山として涸沢岳をピストンしてきた。
涸沢岳から戻って荷物の準備をしたら、ザイテングラートを下って涸沢まで降りる。急坂ではあるけれど、ほどよく足場があり、それほど難しい下りではなかったけれど、ここを登るのは疲れるだろうな。
2時間ほどかかってようやく涸沢に近づいたとき、涸沢ヒュッテから大きな声が聞こえてきた。監視員らしき人たちが大声で叫んでいる。
「ラーク、ラーク・・・」
あ、落石かなと思って叫んでいる人が向いている方向、北穂高への斜面を見てみると、1mくらいの大きな石がすごい勢いで落ちてきている。
ドンドンドンドン・・・と石が地面と当たる衝撃音がこちらまで聞こえてくる。そして、石の落下方向に10数名の登山者がいる。
涸沢にいた登山者たちも気が付き、僕らも登山者たちといっしょに
「ラーク、ラーク・・・」と叫ぶ
落下先にいた登山者も気が付き逃げようとするが、石はイレギュラーバウンドを繰り返しながらものすごい速さで落ちてきている。これは当たるぞ、危ない、と思った瞬間、登山者の数センチ先をかすめて落石は落ちていった。
腰を抜かしたのか、小石があたったのか、その登山者がその場に座り込んでいる。
「大丈夫でーす」との声はあったものの動かない、涸沢ヒュッテからは救助員が無線機を抱えて、ものすごい速さで北穂方面の激坂を駆け上がっていく。
落石めちゃくちゃ怖い。ヘルメットのあご紐を締め直し、自然のすごさを改めて反芻した。
涸沢から横尾までのルートは緩い斜面であまり危険はない。10時頃に横尾に到着。休憩して、11kmのフラットな林道を上高地へ向けて出発。穂高神社奥宮に参拝したかったので、明神館で橋を渡り、明神池方面へ向かう。奥院に参拝して、御朱印をいただく。
その後、湿地帯を歩いていると猿の親子に遭遇。人間を恐れることも、襲うこともなく近くで母猿が子猿と遊んでいた。ようやく12時過ぎに河童橋に到着。上高地アルペンホテルで日帰り湯に入った。
そんなわけで、自戒の念も込めて反省すると、今回の山行では、いろんな経験を積んだことで、岩場に慣れたのかあまり恐怖を感じることはなかった。これで慢心するつもりはないけれど。ただし、体力的には消耗したので、もっとしっかりと鍛錬をしていくべきだった。あと、去年の風雨で涸沢で撤退した決断は、やっぱり正しかった。あのコースを雨で通りたくはないと改めて感じた。上高地の天気と山頂付近の天気は、全くことなるので天気に心配があるときは、各山小屋のスタッフのアドバイスや下山者の助言を受けるといいと思った。
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