厳冬期・錫杖岳(大木場の辻経由)
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 1,840m
- 下り
- 1,833m
コースタイム
- 山行
- 9:28
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 10:30
3.36 1350m 大木場の辻東尾根難所
8.15 2232m 大木場の辻
8.40 2232m 大木場の辻発
9.03 1600m 笠谷右股1600m
11.05 2080m 錫杖岳北鞍部
11.25 2158m 錫杖岳着
11.55 2158m 錫杖岳発
12.28 1250m クリア谷渡渉点
12.50 960m 中尾温泉口駐車場
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大木場の辻東尾根1350m付近は大岩多し、この尾根日当たり良く下部の賞味期限は短い 錫杖岳山頂は1坪ほど雪庇踏み抜き注意 |
写真
感想
岩の要塞錫杖岳、厳冬期にピークに立った人は果たして何人いるだろうか?槍ヶ岳よりは遥かに少ないだろう。9年前に一度3月にピークを踏んだことはあるが厳冬期はまだだ、深い雪と雪崩のリスク、ずっとチャンスを伺ってはいたが果たせずにいた。今日ついに名人と千載一遇のチャンスを得ることができた。完璧に近い山行であった。
深夜23時自宅を出た。興奮して眠れなかった。新穂発は深夜3時と約束してある。金沢を出てずっと小雪が舞っていた。高速も雪走行であった。神岡を過ぎると月が見えた。これはラッキーだ。深夜2時過ぎに新穂に着くと名人号は止まっていた。
仮眠することもなくすぐに支度をして駐車場を出た。駐車場には車が5台ほど土曜に入山して壁に張り付いているのだろう。槍見温泉登山口からトレースがあった。クリヤ谷に向かっていた。僕たちはすぐに大木場の辻東尾根に取り付いた。この尾根日当たりが良いので雪の多い年でないと下部は岩が出て難儀するが今年は大丈夫だ。ガンガンヘルベントでラッセルしていく。ガリの上に新雪が乗るが結合は良く雪崩の心配はなかった。
急な斜面を交代でルートを探っていく。雪は多いのでコース取りは楽だった。しかし1350m付近は大岩がゴロゴロで難儀した。ここを超えるとあとはひたすら何も考えずにラッセルするだけだった。標高2000mを超えてようやく薄明るくなってきた。青空もチラホラ見える。今日は晴れるはずだ。
2000mを超えた大斜面は滑っても楽しいだろうと思った。さあ正面に大木場の辻がドーン、振り返ると焼岳が西穂がドドーン、素晴らしい眺めだ。今日も来て良かった。空はドンドン晴れていった。マンダムだ。モンスター群をくぐり抜けて大木場の辻に着いた。ここから尾根伝いに錫杖岳につながっているが雪庇や急な片斜面でとても行けない、これは一旦沢を滑って安全な沢を登り返すしかない。大展望を楽しんで山頂から笠谷右股1600m地点まで600m滑り込んだ。素敵なパウダーであった。
1600m地点から沢を登り返して錫杖岳北鞍部2080mを目指す。山頂まで標高差550mの登り返し。雪崩の心配のない樹林の沢であった。さすがに疲れて来たので交代でラッセルした。無事鞍部に来て残り100m弱、畳1畳ほどの狭いピークだった。山頂からは槍から焼岳までがよく見えた。大木場の辻も見える。今日も頑張って良かった。厳冬期錫杖岳、感無量です。大展望を楽しんだらあとは滑るだけ、山頂から北鞍部さらに広い沢を一気にクリヤ谷へと滑りこんだ。良い雪でしたがさすがに下部に下るとガリってきた。
錫杖岳の岩壁を見上げながらガンガン降ってクリヤ谷に合流した。ここからは消化試合、日陰の斜面を選んで槍見温泉まで一滑りだった。駐車場へは歩いて到着、しめて10時間半の完全燃焼だった。
コメント
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YSHRさん、はじめまして。前回の槍+飛騨沢滑降、今回の錫杖+滑降の超ど級レコに唖然としてます。
自分も冬季に槍と錫杖に行きました。2月下旬に錫杖の左方カンテを登攀しましたが頂上まで行ってません(登攀終了地点から懸垂下降で戻りました)。
およそ40年前のことでよく覚えていませんが、左にクリヤ谷をみながら尾根伝いにアプローチしました。クリヤ谷の北側を巻いたかと思います。
私が評価するのは僭越と重々承知してますが、スキル(登攀+スキー)、体力、気力、判断力など全てにおいて最高レベルが必要ですね。
このように書きますと、私自身を自慢しているようになってしまいますが、実際にこの時期に錫杖に行った自分の率直な感想として、10時間30分で頂上往復とは、、、、。唖然。
因みに、自分らは2人で行き、初日は岩壁基部で幕営。2日目に登攀で3日目に戻りました。
これからも、YSHRさんの超ど級レコに何回も唖然としますね。
メールありがとうございます。
スキーは魔法の翼でスキーを使えば不可能と思われる山行も可能になります。
冬季水晶岳ワンディ、涸沢岳西尾根経由涸沢岳ワンディなんかスキーでしかできない山行ですね。これからの若い人たちにも冬季登山するならスキーをとオススメしています。
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