43.大峰山 「祈りよ届け 風になれ」
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 1,043m
- 下り
- 1,036m
コースタイム
所要時間:6時間25分
天候 | 晴れなれど冬が逆戻りしたような強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車スペースが一杯の場合、多くの方が路上の隅に駐車されていたので、駐車場が一杯でも諦めることはない! と思います。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは行者還トンネル西口の登山口にありました。 危険箇所は聖宝八丁から弥山山頂直下と八経ヶ岳山頂直下に広範囲で残雪が残っていましたが、踏跡が残っていたので、軽アイゼンを持っていたのですが、使わずに通過しました。 下山後のお楽しみの温泉は天の川温泉。浴室は狭かったのですが、休憩室は広々としていました。自販機でノンアルコールビールが売っていたので、ドライバーにとっては嬉しい配慮であります。 |
写真
感想
第43座 祈りよ届け 風になれ
大峰山には実をいえば2年前から、登る予定を立てていたが、経済的な理由と身辺的な理由でなかなか計画が実行されずにいた。そして今年になってようやく登るチャンスが巡って来た。
5月1日の9時に家を出て、東名阪自動車道を通って最初は道の駅かわかみで車中泊しようかと思っていた。しかし、道の駅かわかみに15時ぐらいに到着したのだが、何かうまく説明出来ないが、車中泊出来るような雰囲気じゃないなと思った。逆に今から登山口の行者還トンネルに向かえば明るいうちに到着出来るんじゃないかと思えた。でもあそこにはトイレはないみたいだし・・・・。でも行動用水、炊事用水は充分に持っていたので、行者還トンネルへ向かう決意を固めた。
そう決意を固めると国道169号を通り、行者還トンネルまであと10キロとなったところで道幅が狭くカーブが多い山道に突入した。幸い対向車は2台しかなく、問題なく行者還トンネル西口に到着した。10台駐車出来る空き地には既に6〜7台停まっており、さらに離れたところの空き地には10台前後のクルマが停まっているのが見えた。皆、ここで一夜を過ごすのであろう。
日没も迫っているので、慌しくサイドシートを倒して寝床を作って、クルマの後ろで夕食作りに入った。この日のメニューはキムチ鍋である。一回戦は白菜、ねぎ、豚肉、トック(韓国の餅)を投入。トックは日本の餅よりも小さく、熱しても溶けないので入れて正解だと思った。二回戦はうどんとトックを投入して平らげているうちに19時近くになっていたので早々と寝ることにした。
5月2日は風が強くて少しクルマが揺れた。寝よう寝ようと思っても、なかなか寝ることが出来なかった。そうこうしているうちに次々に夜を徹して到着するクルマが到着しているなぁ〜と思っていたら、ほんの数時間であったが眠りに落ちた。再び目が覚めた時は空は明るくなっていて、準備が整った登山者が次々と登山口から山に入っていくのが見えた。
僕は早速昨日のキムチ鍋の残り汁に前もって仕込んでおいた白飯とトック、生卵を投入。雑炊にして完食した。それにしても風が強くて寒かった。
上はダウンジャケットを着込んで、6時15分に登山口を出発。平坦な登山道を通って、木の橋を通過すると急勾配の登り坂が続く登山道に入った。木の根が露出して登りづらくて、登っているこの1時間が長く感じた。と同時に奥駈道出合が遠く感じた。
7時10分に奥駈道出合に着いた。ここはちょっとした広場になっていて、登り坂に苦しんだ僕は当然のことながら、ここで一本立てることにした。ここからは稜線歩きとなり、今までよりは楽になった。あたりを見渡すと木々はまだ芽吹いておらず、新緑の季節はまだまだ先だなと思った。途中の弁天の森で目の前に登るべき山、弥山と八経ヶ岳がそびえているのが見えた。風が強いが晴れいているので、しっかりと見ることが出来た。
8時5分に聖宝ノ宿跡に到着。ここに理源大師聖宝の銅像が鎮座している。理源大師聖宝(832〜909)は平安時代初期の僧侶で、空海の孫弟子である。大峰山の修験道を整備した他、醍醐寺を建てた人でもある。醍醐寺といったら、豊臣秀吉が晩年におこなった一大イベント「醍醐の花見」がおこなわれた場所といえば、お解りになる方も多いかと思う。この先から弥山へ向かう急登が控えているので、一本立てようと思ったら、ダウンジャケットのファスナーが開かずに悪戦苦闘してやっと脱ぐことが出来た。
途中で何の芽だろう? ところどころで春の芽吹きが力強く生えていて、ここにも春の訪れを感じた。それも束の間、聖宝八丁に差し掛かると広範囲に残雪が残っていた。この時に備えて軽アイゼンを持っていたのだが、踏跡がハッキリしていたので、使わずに通過することにした。それでも滑らないように一歩一歩残雪を踏み締め登った。
9時10分頃に弥山小屋に着いた。鳥居をくぐって数分で弥山山頂に着いた。ここに天河辨財天奥宮の社があったのでお参りした後、八経ヶ岳へ向かった。このあたりはオオヤマレンゲの自生地だが、まだ裸木の状態であった。ここでもシカの食害から守るためにネットが張り巡らされており、その扉を自分で開けてさらに先を進んだ。八経ヶ岳山頂直下でも残雪が残っているが、聖宝八丁の残雪で慣れてしまったので苦にはならなかった。
9時45分に大峰山の最高峰であり、近畿地方最高峰でもある八経ヶ岳に着いた。標高は1915メートル。僕はここで「がんばろう! 日本」のゼッケンを胸に掲げ記念撮影をした。そしてコンパスで東の方角を確認し、東北地方へ向けて掌を合わせた。ここで一句。
掌を合わせ なむあみだぶつ 東(ひむがし)へ 黄泉まで届け 我が祈り
これで僕が住む一宮市から西の百名山は白山を残すのみとなった。その後弥山小屋に戻ってカロリーメイトとソイジョイとスニッカーズの昼食を食べた。
10時40分に弥山小屋を出発。聖宝八丁の残雪を登り以上に慎重に踏跡を確かめながら、下山した。11時15分に聖宝ノ宿跡通過。11時55分に奥駈道出合に到着。ここでへばって来たので一本立てた。後は行者還トンネル西口へ向かって下山するだけだが、急勾配で落差が大きく感じて難儀した。それでもここまで転倒らしい転倒がなく、12時40分に行者還トンネル西口に到着した。ここでまた一句。
寒いから ダウン(ジャケット)を着たら 暑かった
その後、天の川温泉へ向かう途中、すれ違うクルマが多くて、バックするときにとうとう、左後ろのバンバーをガードレールで擦ってしまった。このあたりは河釣り目的で入るクルマが多かった。距離が思ったより短いからいいなぁと思ったのだが・・・・。天の川温泉で汗を流し、休憩室でノンアルコールビールで乾杯した。その後、長距離ドライブに備えて仮眠した。
今回の登山は冬が逆戻りしたのが想定外で、念のためにダウンジャケットを持ってきたのだが、その判断が正解だったと思った。ただ、長距離ドライブと渋滞で体調不良になって、途中のICで一旦降りてコンビニで休憩した。回復して高速道に復帰したが、渋滞が緩和された高速道は容赦なく飛ばすクルマ、あおるクルマで運転中生きた心地がしなかった。うーむ、体力は鍛えれば何とかなるのだが、ドライビングテクニックは如何ともし難いなと感じた。
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