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記録ID: 108349
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

蝶ヶ岳 〜 雷鳴と暴風 春山の教訓

2011年04月29日(金) ~ 2011年05月02日(月)
 - 拍手
Tad その他6人
GPS
73:03
距離
23.0km
登り
1,321m
下り
1,312m

コースタイム

29日:上高地14:20 - 15:14明神 - 16:10徳沢ロッジ(泊)
30日:徳沢ロッジ7:32 - 12:27長塀山 - 13:18(後続14:30)蝶ヶ岳ヒュッテ(泊)
1日:停滞
2日:蝶ヶ岳ヒュッテ8:00 - 8:50長塀山 - 11:20徳沢(昼食)13:35 - 15:35上高地BT
天候 29日:曇り 時々 雪
30日:曇り のち 暴風雨
1日:雨 強風
2日:晴れ
過去天気図(気象庁) 2011年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
沢渡駐車場からバス(1,200円 往復2,000円)、タクシー(3,200円)
コース状況/
危険箇所等
■登山ポスト:上高地BTにあり

■道の状況:
(上高地〜徳沢)雪はほぼ消えているが泥濘多い
(徳沢〜蝶ヶ岳)徳沢から30分ほど登った辺りから積雪となる。急登の始まる標高1900m付近からアイゼンを装着した。トレースはあるが所々分かりにくい。
稜線に出てからは強風に注意。また山頂付近は平らなのでホワイトアウトすると目標を見失い易い。
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ
上高地を出発
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
5/3 19:00
上高地を出発
梓川の河原。 若葉はまだだが、化粧柳が色付いてきた
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
5/3 19:00
梓川の河原。 若葉はまだだが、化粧柳が色付いてきた
徳沢ロッジに到着
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
5/3 19:00
徳沢ロッジに到着
2日目、長塀尾根に取り付く
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
5/3 19:00
2日目、長塀尾根に取り付く
アイゼンを装着し、雪の急登を進む
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
5/3 19:00
アイゼンを装着し、雪の急登を進む
長塀山の山頂(と、思われる場所)
2011年05月03日 19:06撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
2
5/3 19:06
長塀山の山頂(と、思われる場所)
雷鳴、突風、叩きつけるミゾレに襲われて伏せるメンバー。 その横を駆け下りる単独行の登山者
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
3
5/3 19:00
雷鳴、突風、叩きつけるミゾレに襲われて伏せるメンバー。 その横を駆け下りる単独行の登山者
下山日の朝、遭難者運搬の準備のために小屋上空でホバリングする県警のヘリ
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
5/3 19:00
下山日の朝、遭難者運搬の準備のために小屋上空でホバリングする県警のヘリ
遠くに霞んで見える霞沢岳(手前)と乗鞍岳
2011年05月03日 19:00撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
1
5/3 19:00
遠くに霞んで見える霞沢岳(手前)と乗鞍岳
正面にある穂高の峰々も霞む
2011年05月03日 19:00撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
2
5/3 19:00
正面にある穂高の峰々も霞む
槍はもっと霞んで見える
2011年05月03日 19:00撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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5/3 19:00
槍はもっと霞んで見える
常念岳と前常念の稜線
2011年05月03日 19:00撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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5/3 19:00
常念岳と前常念の稜線
小屋を出発し下山
2011年05月03日 19:09撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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5/3 19:09
小屋を出発し下山
穂高を前方に見ながら歩く
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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5/3 19:00
穂高を前方に見ながら歩く
徳沢まで戻って来た
2011年05月03日 19:00撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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5/3 19:00
徳沢まで戻って来た
河童橋から穂高を振り返る。観光客はやはり少なめの感じ
2011年05月03日 19:01撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
5/3 19:01
河童橋から穂高を振り返る。観光客はやはり少なめの感じ

感想

他のメンバーから少し遅れて頂上に続く稜線に出た時だった。
風が強くなり、頬に少し雨が当たる。
誰かがフラッシュを炊いたのか、と思った瞬間に大きな雷鳴。
ほぼ同時に黒い雲が稜線の向こうを横切って行くのが見え、今までとは違う途方もなく強い風が襲う。
全員伏臥姿勢を取り、暫く動けない。雨は冷たいミゾレ混じりとなって顔の左半面を叩く。

小屋はもうそう遠くない筈なのだが、雷の恐怖もあって進むべきかどうか迷う。
数年前の白馬での大量遭難の記憶が過ぎる。(ほぼメンバー全員がそうだったようだ)
上から下りて来た人に小屋がかなり近いと教えて貰い、前進を始める。

蝶ヶ岳の頂上付近で一瞬小屋が見えるが、強い雨風ですぐに見えなくなる。
度々前へ進めずに停滞しながらも、再び見えてきた小屋へ向かってできる限りのスピードで歩を進める。
小屋の入口に辿りついた時はほんとにホッとした。

後続の二人のメンバーの到着を心配しながら待っていると、1時間ほど遅れて無事到着。
風は我々の時よりさらに強くなっていて、這うようにして進んだと言う。

夕方近くになって稜線上で動けなくなっている単独登山者がいるという知らせが小屋に入る。
小屋の人が救助に向かい運び込むが、その後低体温症で亡くなったことを知る。
我々の置かれていた状況の深刻さを改めて認識した。


(1日目)
渋滞で大幅に遅れた他のメンバー6名と上高地で2時半に合流し、徳沢ロッジ泊。

(2日目)
晴天の予報に夕焼けの穂高の撮影を期待して長塀尾根を登る。
心配されたトレースはそれなりにあるものの、やや弛めの雪を踏んでの急登は予想以上にタフ。
長塀山には約5時間かかって到着し、さらに樹林帯を抜けて蝶ヶ岳を目指す。
--- この後、冒頭の記述となる ---

(3日目)
強い風と雨は治まらず、小屋ですることもなく停滞。
悪い天候の中でも新たに登って来る登山者はおり、転倒して腕を折った人もやって来る。

(4日目)
この日の朝になってようやく晴れ、風も大分弱まる。
日の出前から撮影に入るが、東の空には雲が残り、穂高から槍にかけても霞んでいる。
結局撮影には好条件とは言えないまま日が昇り、みんな満足できないままに下山することになる。

登って来た時に増して雪の状況は悪く、長い急坂を下るのはとても大変だった。
それでも全員揃って無事に上高地へ帰還。
油断できない春山の危険を痛いほど強く体験した山行となった。


この山行についての山岳写真ASAの会ブログ記事はこちら。
http://sangakuasa.blog130.fc2.com/blog-entry-36.html


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