蝶ヶ岳 〜 雷鳴と暴風 春山の教訓
- GPS
- 73:03
- 距離
- 23.0km
- 登り
- 1,321m
- 下り
- 1,312m
コースタイム
30日:徳沢ロッジ7:32 - 12:27長塀山 - 13:18(後続14:30)蝶ヶ岳ヒュッテ(泊)
1日:停滞
2日:蝶ヶ岳ヒュッテ8:00 - 8:50長塀山 - 11:20徳沢(昼食)13:35 - 15:35上高地BT
天候 | 29日:曇り 時々 雪 30日:曇り のち 暴風雨 1日:雨 強風 2日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト:上高地BTにあり ■道の状況: (上高地〜徳沢)雪はほぼ消えているが泥濘多い (徳沢〜蝶ヶ岳)徳沢から30分ほど登った辺りから積雪となる。急登の始まる標高1900m付近からアイゼンを装着した。トレースはあるが所々分かりにくい。 稜線に出てからは強風に注意。また山頂付近は平らなのでホワイトアウトすると目標を見失い易い。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
他のメンバーから少し遅れて頂上に続く稜線に出た時だった。
風が強くなり、頬に少し雨が当たる。
誰かがフラッシュを炊いたのか、と思った瞬間に大きな雷鳴。
ほぼ同時に黒い雲が稜線の向こうを横切って行くのが見え、今までとは違う途方もなく強い風が襲う。
全員伏臥姿勢を取り、暫く動けない。雨は冷たいミゾレ混じりとなって顔の左半面を叩く。
小屋はもうそう遠くない筈なのだが、雷の恐怖もあって進むべきかどうか迷う。
数年前の白馬での大量遭難の記憶が過ぎる。(ほぼメンバー全員がそうだったようだ)
上から下りて来た人に小屋がかなり近いと教えて貰い、前進を始める。
蝶ヶ岳の頂上付近で一瞬小屋が見えるが、強い雨風ですぐに見えなくなる。
度々前へ進めずに停滞しながらも、再び見えてきた小屋へ向かってできる限りのスピードで歩を進める。
小屋の入口に辿りついた時はほんとにホッとした。
後続の二人のメンバーの到着を心配しながら待っていると、1時間ほど遅れて無事到着。
風は我々の時よりさらに強くなっていて、這うようにして進んだと言う。
夕方近くになって稜線上で動けなくなっている単独登山者がいるという知らせが小屋に入る。
小屋の人が救助に向かい運び込むが、その後低体温症で亡くなったことを知る。
我々の置かれていた状況の深刻さを改めて認識した。
(1日目)
渋滞で大幅に遅れた他のメンバー6名と上高地で2時半に合流し、徳沢ロッジ泊。
(2日目)
晴天の予報に夕焼けの穂高の撮影を期待して長塀尾根を登る。
心配されたトレースはそれなりにあるものの、やや弛めの雪を踏んでの急登は予想以上にタフ。
長塀山には約5時間かかって到着し、さらに樹林帯を抜けて蝶ヶ岳を目指す。
--- この後、冒頭の記述となる ---
(3日目)
強い風と雨は治まらず、小屋ですることもなく停滞。
悪い天候の中でも新たに登って来る登山者はおり、転倒して腕を折った人もやって来る。
(4日目)
この日の朝になってようやく晴れ、風も大分弱まる。
日の出前から撮影に入るが、東の空には雲が残り、穂高から槍にかけても霞んでいる。
結局撮影には好条件とは言えないまま日が昇り、みんな満足できないままに下山することになる。
登って来た時に増して雪の状況は悪く、長い急坂を下るのはとても大変だった。
それでも全員揃って無事に上高地へ帰還。
油断できない春山の危険を痛いほど強く体験した山行となった。
この山行についての山岳写真ASAの会ブログ記事はこちら。
http://sangakuasa.blog130.fc2.com/blog-entry-36.html
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