(過去レコ)三国スキー場跡〜上ノ倉山〜稲包山
- GPS
- 06:40
- 距離
- 23.0km
- 登り
- 1,950m
- 下り
- 1,813m
コースタイム
天候 | 極上の快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
例年に比べ、雪稜には新雪に隠れたクラックが多かった。 3月11日の東日本大震災の影響が大きかったようである。 |
写真
感想
【山行記録投稿=2017年3月下旬】
今回の山行目的は当初から、志賀高原と谷川連峰をつなぐ最後に残っていた未踏区間を歩くことだった。**** 自分の心の中の大いなる自己満足の実現に向けて****
志賀高原の赤石山は熊の湯と野反湖から計2回行き、上ノ倉山は一昨年野反湖から行っていた。谷川連峰は、三国峠⇔稲包山間以外、登山道のある山や尾根は全て踏破していた。全て自宅からの日帰りで、登山口での前夜泊はない。
広大な志賀高原と谷川連峰をつなぐ構想は、最初からあった訳ではない。
次から次へと未踏の稜線や山頂に足跡を残す『赤線つなぎ』を繰り返すうちに、自然と芽生えた『山塊つなぎ』の構想である。
上ノ倉山⇔三国峠間が唯一の未踏となり、いつかは行かざるを得ない状況だった。
週間天気予報では、関東甲信越は月曜から木曜まで晴れ。
前日昼の予報では、九州から北海道まで晴れマーク一色。
早朝から夕方まで雲一つない快晴が予想され、実際そのとおりだった。
当初は甲州西部の山を予定していたが、年に数回あるかどうかの完璧な晴れ予報のため、取り敢えず三国スキー場跡から上ノ倉山往復でスタートし、稲包山はセバトノ頭付近まで戻った時点で行くかどうか判断するつもりだった。
実際は極力行きたかったが、ネットで三国スキー場跡→上ノ倉山→稲包山と周回した記録はなく、所要時間は予測が難しく12〜15時間は見込んでいた。
国道17号から国道353号へ入り、湯ノ沢に架かる橋を渡ると、左側に苗場プリンスホテルの廃棄物処理場があり、そこから奥は除雪されていない。
除雪された路肩の片隅に路上駐車し、5時23分にスタート。(標高約940m)
予定では5時前には出たかったのだが、ICから遠く少し遅れて着いた。
スキー場跡までアスファルトが出た所は全くなく、積雪は目測で50〜60cm。
途中に一ヶ所デブリもあるが、早朝の雪面はよく締まっていて靴で軽快に歩ける。
スキー場の駐車場だったのか、広くて平坦な所で10本爪アイゼンを装着。
ゲレンデには昨日わざわざここまで滑りに来たのか、単独者のスキー跡がある。
ゲレンデは圧雪されてなくても歩きやすく、上端(約1540m)から尾根へ出る。
20分弱で西沢ノ頭へ登頂。南と東側にはこのピークより高い山はなく、登頂数分前から素晴らしい展望が広がり、富士山も見えたのにはびっくり!
北西側へ少し下って登り返し、1852mPへの尾根に上がる。
ほどなく上越国境稜線に達して高度を上げるが、セバトノ頭には表示がなく、頂上付近は平坦で広く、針葉樹の疎林で展望も良くない。
ムジナ平も平坦な疎林帯で、スカスカの雪面は踏み抜くこともあった。
その先で、標高差150mばかりがとても急で、積雪期には大きな雪庇が出来るだろうと思われた。上がり切ったピークには大黒ノ頭と書かれた表示板有り。
もう、目指す上ノ倉山は指呼の間、一片の雲のかけらもないダークブルーの大空に
吸い込まれそうな気分であった。
上ノ倉山には三角点と最高点、二つのピークがある。
個人か山岳会が付けたと思われる表示板は三角点にある。
一昨年4月末のGWに野反湖から来た時は最高点までで、標石が確認できる訳でもなく、三角点へは行かず。
山名表示板は、本来なら最高点に取り付けられるべきだと思う。
コースタイムの欄で、上ノ倉山の着タイムは三角点へ着いた時刻で、発タイムは最高点から下山開始の時刻である。
本来なら茫洋たる山岳風景を楽しみながらゆっくり食事休憩したいところだが、稲包山へも行きたいばかりに、最高点では写真撮影で13分ほどいただけで、食事は歩きながらおにぎりをついばむことが多かった。
山に入り、身も心も山に溶け込む至福のひと時、小キジのあとのファスナーなどどうでもいいような気がする。山で解放感や奔放感に浸るには、浮き世のエチケットに拘らないことが肝要だろう。
セバトノ頭の下りで、もう三国スキー場跡へ下る選択肢はなく、ほとんど無意識に稲包山へ向かう。稲包本峰かと思って辿り着いたのは小稲包で、その下りはとても急。
尾根には、3月11日の東日本大地震に因るものかどうかヒドンクレパスが所々にあり、何度か落ちたが大事には至らなかった。
稲包山からの大展望は艱難辛苦を超越させる素晴らしい絶景で、我一人快哉を叫ぶ。
稲包山から北東へ下る急斜面には雪庇が崩落した雪壁となっていて降りられず、南側へ大きく迂回して尾根へ戻る。
そこには今日来たと思われる単独行の足跡があり、この雪壁が越えられず引き返したようだ。以後は日没が迫る中、時間との戦いでもあり、全く人に会わないでもこのトレースに勇気づけられる思いであった。
三国峠登山口で国道17号へ出る。
既に薄暗い時刻であり、車の駐車地点まで歩いたら更に1時間は掛かる。
ダメ元で、後ろから車が来るたびに手を挙げていたら、3台目が止まってくれた。
話をしながら、煙草でも買って下さいと言って札を差し出す。
人の良さそうな高年男性で、国道353号の駐車地点まで送ってくれた。
なので、ゴール地点は三国峠登山口とした。
天候にも恵まれ、生涯忘れ得ぬ素晴らしい山行を骨身に沁みて体感する山旅だった。
志賀高原⇔野反湖
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1987886.html
野反湖⇔上ノ倉山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1182584.html
上ノ倉山⇔三国峠(谷川連峰)
当該山行記録
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