完全氷爆に出会う 奥久慈男体山から袋田の滝への縦走コース
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 994m
- 下り
- 971m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
---|---|
アクセス |
(行き) ●戸頭 5:25発 ┃ 12分 関東鉄道常総線 (普通) 290 円 ○取手 5:37着 5:49発 ┃ 1時間9分 JR常磐線 (普通) ○水戸 6:58着 7:27発 ┃ 1時間7分 JR水郡線 (普通) 2,210 円 ■西金 8:34着 (帰り) ●関所の湯 ┃ 10分 タクシー 1060円 ●袋田駅 16:46発 ┃ 1時間15分 JR水郡線 (普通) ○水戸 18:01着 18:20発 ┃ 1時間28分 JR常磐線 (普通) 2,210 円 ○取手 19:48着 20:00発 ┃ 14分 関東鉄道常総線 (普通) 290 円 ■戸頭 20:14着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
男体山の健脚コースの鎖場は急登ではあるが、登りの落差が命を失うおそれを感じほどのものではない。甲斐駒や石鎚山の鎖場やハシゴ場の恐怖と比較すれば、恐怖感はない。 鎖場が終了するまでの登山道には雪はほとんどなかった。岩場後の休憩所以降は雪がかなり残っており、トレランシューズでは滑りやすく転倒しそうになった。階段上の段差でアイスバーン的に凍っている箇所などはアイゼンなしでの行動は慎重にならざる得ない。 男体山から月居山までの縦走路は、分岐が多いが案内板はしっかり付いている。見逃さないこと。また道が分かりにくくなる箇所は赤テープや赤スプレーもしっかりついている。迷うことは少ないと思う。(でも僕は一箇所間違えたがすぐに気が付き戻った。)縦走路のほとんどの部分は雪で覆われていたが、柔らかい雪のカーペットのようになっており、防水性のないトレランシューズでも濡れることもなく行動ができた。 月居山から袋田の滝までの階段は完全に凍結していた。袋田の滝までは。二つのコースがチョイスできるが向かって右側のコースはアイゼンなしでは行動不能との情報をすれ違ったハイカーさんが教えてくれた。僕らは左側のチョイスして下った。それでも少し凍結があった。 袋田の滝は川も滝も凍結していた。なかなか荘厳。 トイレ ・男体山登山ポストの先 ・袋田の滝周辺 自動販売機 ・男体山までの一般道に一箇所 ・袋田の滝周辺 温泉 ・関所の湯 |
写真
感想
奥久慈男体山は名山だと聞く。もちろん自分が住んでいるのが茨城県ということもあり、奥久慈好きな人が多いからかもしれない。でも、連続する楽しい鎖場、ユニークな形をした男体山は行った人の心を惹きつける何かがあるのだろう。
併せて、縦走コースで袋田の滝も満喫できる。冬は「氷瀑」と呼ばれる、滝が凍結する現象が発生する珍しい滝だ。日本三名瀑のひとつに挙げられ、日本の滝百選にも選定されている。
そしておまけに、奥久慈周辺は温泉地が多い。お肌がツルツルになる評判のよい温泉が多数揃っている。電車でのアクセスも容易なので、温泉&ビールのコンボも可能である。
トレラン・観光・温泉・ビールと四拍子もそろったこのコースはいつか行きたいと数年前から温めていたのだ。
行く前から不安点としてあったことが3点ある。(1)鎖場で死ぬことはないだろうか?、(2)縦走コースの分岐を間違えて遭難することはないだろうか?、(3)電車が片道3時間、往復6時間って長すぎて嫌になるんじゃないだろうか? これら3点の不安は、結局、杞憂に終わったわけだが、これから記す感想にて説明していきたい。
朝5時に起床して、素早く着替えを済ませて5:25発の電車に乗り込んだ。ここから片道約3時間の長い電車の旅が始まる。取手駅で勝田行の常磐線に乗ったのが5:47。すでに車内に人が多く乗っているのでびっくりした。座れないほどの混雑ではなかったのでよかったけど。
今回一緒に参加したぽにょにょさんと常磐線で合流する。常磐線は長距離列車なので飲食しやすいレイアウトになっている。車内で朝食のパンを食べながら水戸まで進む。水戸から水郡線に乗り換えてさらに1時間以上。この区間は睡眠と文庫本を読みながら過ごす。暇だと思っていた3時間の道のりも意外とあっさりと過ぎ去り西金駅へ到着した。
駅を降りるとトイレを済ませて、早速アップ代わりにジョグにて男体山登山口を目指して走りだす。まだ気温も低いので重ね着した厚着のままでのんびりと走る。
2kmほど通過したときにそろそろ汗をかきそうな予感が出てきたため、着替えをして少し薄着に変更。走っていれば寒さは全く感じない。
約4kmのロードを走りきり登山口への分岐ポイントになる登山ポストに到着した。ヤマレコで作成して印刷しておいた登山計画書をポストへ投函して、万一の遭難対策を行った。
登山ポストを左折して登山口を目指して走る。いきなり凍結した路面が現れて慎重に足を運ぶ。登山口前にもトイレあり。ここが最終トイレになる。トイレを済ませて凍結路面を慎重に走るという作業が登山口の看板を見逃すというアクシデントに繋がってしまった。5分ほど進んだのに登山口が現れてこないことを不信に思い印刷してきた地図を取り出し道のりを確認すると、さっきのトイレ近くの脇道を入ったところに登山道があったことが判明。急ぎ戻る。戻りの時間を含めて8分ほどのロスが出てしまったが、まぁすぐに気がついてよかった(笑)
登山口をしばらく進むと健脚コースと一般コースの分岐点が現れる。もちろん鎖場の連続が楽しめる健脚コースをチョイスして進む。しばらく茶畑の中を通り抜けるようなルートで、ここは静岡か?と錯覚してしまう。
森に入るとすぐに急登が始まる。しかしここはまだ鎖がない道、急といっても序の口に過ぎない。
ようやく鎖場に到着。細い鎖が1mから2mの高さで垂れ下がっている。たしかに鎖があることで楽に登れるが気合いがあれば鎖なしでも登れそうだ。しかも1箇所につき最大でも2m程度の高さを登るので、万一のことがあっても命の危険はなさそうだ。奥多摩の大岳山よりはきつく長い鎖場だけど、石鎚山や甲斐駒で経験したような50m級の崖登りではない。命の危険を感じなければ、案外と気持ちが楽になる。緊張もなくサクサクと鎖を楽しみながら登っていく。
予定していた40分よりは時間がかかってしまったが健脚コース分岐点から47分で岩場が終了して休憩所に到着。この休憩所からピークはすぐそこに見える。ここからピークまでの道は完全に雪が踏みしめられているが気温が低いため溶けることはなく、防水なしのトレランシューズでも濡れることなく雪を踏みしめながら移動することができた。時折、アイスバーン状になって滑りやすいところがあるので足を置く場所を見定めながら進み。6分ほどでピークに到着。
男体山のピークのパノラマは絶景だ。360度を見渡すことができ654mの山とは思えないような景色を堪能することができる。筑波山方面を見渡すと筑波女体山と筑波男体山をよく見ることができた。筑波山の男体山はすぐ近くに女体山が並んでおり、まるで男女カップルだ。筑波山はモテ男子リア充ぶりを発揮しているわけで、奥久慈男体山の非モテぶりが気の毒に思えてきた(笑)
山頂にある祠にお賽銭を入れて健康祈願をしてから下山開始。先ほどの休憩所を経由して、今度は袋田へ向けた縦走コースへ向かって足を進めていく。こちらのコースは完全にスノートレランコースになりそうだ。でも縦走路の道迷いを防ぐためのトレースもできるし、雪は溶ける様子がないので足が冷えることもない。むしろ雪のクッションが得られる利点が出るなどスノートレランの楽しさだけを感じることができそうだ。
袋田・月居山方面へ進み始めて最初の分岐点が出現。看板に「袋田方面→」と出ているもののこの分岐点の右・左どちらを指しているのか曖昧な角度の矢印だ。なんとなく左側の分岐ルートを指しているように見えるし、足あとも左側のルートの方が多い。右側のルートには少数の足あとがあるだけだ。しかし、左側ルートには赤テープが付いている。赤テープは登山道だよという印なので、別に右が袋田だよという印というわけではない。ここで、確認のために地図を開けばよかったんだけど省略して、赤テープに惹かれて右ルートをチョイスして進んだ。3分ほど進んで、やっぱり違和感が・・・。ここで地図を開く。この場所からは男体山山頂もよく見えたので地図の静置は簡単に行えた。ルートを確認したら、さっきの分岐は左が正解だったことが判明。危なかった。3分下ったので、登りは6分かかるわけだが、大したロスにもならずに先ほどの分岐点に戻ってきた。ふぅ、本日、2回目の道間違いだった。
気をとりなおして先へ進む。ここからの分岐点では、矢印が曖昧ということもなく明確だったので迷うことなく進行方向をチョイスできた。また道が分かりにく場所には的確に赤テープや赤スプレーがされており道をロストすることもなく進むことができた。
緩やかな下り、ちょっとした登りを繰り返しながら進んでいく。基本的にトラバース的な道なので踏み外すと危険はあるけど、まぁそこまで危険を感じる場所はなかった。雪で足場が若干悪いのでスピードは出さないようにして、気持ち良いスピードで走る。あまりハイカーさん達とすれ違うこともなかった。
月居山手前の第二展望台と書かれた場所にてランチタイム。展望もよく風も少ないので休憩ポイントとしてはなかなかよい。しばらく休んだら、先へ進んで第一展望台に到着。こちらはベンチなどもあった。ランチはこちらの方がよかったかも。
第一展望台を過ぎたら、名もなき小山のピークで景色を堪能するルートと月居山方面への分岐が出てきた。せっかくなので小山へ登ってみる。小山の上には一組の中年夫婦がハイキングを楽しんでいた。地元の方のようで、このあたりの山に詳しい。温泉地や袋田近辺の話をいろいろ伺うことができた。月居山から袋田の滝へのセメント階段のルートがコチコチの氷状になってるから、アイゼンないと危ないよと忠告をうけた。さてどうしようかな・・・。
小山を降りて、月居山への最後の登りを越えて月居山へ到着。月居山からの下りは急なので鎖をつかみながら慎重に降りる。このあたりの足あとはアイゼンの跡が多数。この先が不安になってきた。袋田の滝へ向かう道は途中で二手に分かれる。右に進んでも、左に進んでもどちらも袋田の滝近くに降りれる。どちらにすべきか。
ちょうどすれ違ったハイカーの方が僕らの装備をみて、後ろから呼び止める声が聞こえた。
「アイゼンないなら右コースは無理だよーーー。左から降りるといいよ。」
おぉ、親切にありがとうございます。看板が右が袋田の滝と書いてあったので危うく右をチョイスするところだった僕らは、このアドバイスに従って左ルートをチョイス。こちらも若干はアイスバーンが残っているもののなんとか走って降りることができるレベル。無事に袋田の滝登山口に降りることができた。
ここから滝の見学へ。滝を見るには入場料300円がかかる。お金を払って崖の中に掘られたトンネルに入り滝の方へ回り混んでいく。最近できたばかりのエレベータに乗って崖の上に一気に出て雄大な滝を眺める。
運良く袋田の滝は「氷瀑」状態でカチコチに固まっている。滝に流れる水がそのままの形で氷ついており、まるで時間が止まっているかのような印象を受ける風景に見入ってしまう。
滝の見学を終えのんびりと歩きながら茶店街を通りぬけ温泉地への道を進む。途中で寒くなってきたので走ることにして温泉へ進んでいく。予定では、「思い出浪漫館」でお風呂に入るつもりであったが15時で日帰り入浴が終了してしまうとのことだったので、少し離れるが「関所の湯」まで走っていくことにする。帰りはタクシーでも呼べばいいさ。
14:30に関所の湯に到着。カウンターでタクシーのことを聞いてみると袋田駅にはタクシーは2台しかないとのことで、帰りの電車を決めたらすぐに予約した方がよいとアドバイスしてもらった。16時46分発の電車に乗ることにして予約をしておいた。
関所の湯は、奥多摩のつるつる温泉のようなお湯質で気持ちいい。ヌルヌルとした湯沢りを実感しながら入ることができる。ただし、洗い場が6個しかないので、少し混雑してくると洗い場前で行列ができてしまうのが難点だ。
内湯、露天、水風呂をじっくりと1時間ほど堪能して、食堂へ移動する。
生ビールは1杯600円。まぁ観光地価格としては許容範囲か。適当につまみなどを頼んで、締めにアツアツの名物の軍鶏肉が入ったほうとううどんを食すが、タクシーが来る5分前にほうとうが届き、食べきれるか微妙に・・・。
舌がやけどしそうになるのを我慢して、ほうとうを口に放りこんで食べる。じっくりと味わうことができず無念だったがタクシー乗り場へ向かう。
送迎タクシーに乗ること10分ほどで袋田駅に到着。送迎費込みで1060円だった。
帰りの電車は酔いもあり爆睡モード。終点の水戸まで眠りながら進む。水戸のキオスクで常磐線用にビールとつまみを追加。常磐線の白電に酒は必須アイテム(笑)再び酔いどれながらの復路の電車となった。そんなこともあり3時間の電車の旅も退屈することはなかった。
予定どおり、トレラン・観光・温泉・ビールと四拍子を満喫した本日の山行であった。
★奥久慈男体山から袋田の滝への縦走コース概要 16km★
西金駅→40分(ジョグ)→登山ポスト→13分→健脚・一般分岐→(健脚コースへ)→47分→岩場後の休憩所→6分→男体山山頂→3分→岩場後の休憩所→85分→第二展望台→7分→第一展望台(後山・鍋転山)→23分→月居山→15分→登山口(袋田)→袋田の滝見学→45分(ジョグ)→関所の湯→10分(タクシー)→袋田駅
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