春の愛宕山を愛宕山鉄道ケーブルカー廃線ルートで(SkyWalkingでGPSロギング)
- GPS
- 04:50
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,101m
- 下り
- 1,095m
コースタイム
- 山行
- 4:10
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 4:48
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:京都バス 清滝バス停 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ケーブルカー廃線ルート以外は特に危険箇所はなし。 ケーブルカー廃線ルートは登山のルートではなく、70年以上前に廃線となり放置されたケーブルカーの遺構を歩く危険なルートで、愛宕山山頂を目指すバリエーションルートのひとつ。第3トンネルと第5トンネルの内部が土砂で埋もれて通り抜けができないため、遺構トンネル脇の急登を高巻きするがトラロープが貼られている危険箇所があったり、最後の第6トンネルを過ぎたあたりから、風化したコンクリート柱だけで支えられて宙に浮いている橋梁部分があったりと、いつ崩落してもおかしくないほど風化が進んでいるので、おすすめできるルートではない。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
行動食
飲料
レジャーシート
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
保険証
サングラス
タオル
ストック
iPhone
SkyWalking
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感想
所用があり13時ごろに下山できる山行を検討したところ、自宅からほど近い愛宕山の以前から気になっていた愛宕鉄道ケーブルカー廃線ルートにチャレンジしてみることにしました。そのルートの存在は、以前から噂などで知っていたものの、私にとってケーブル愛宕駅舎跡の廃墟以外はまだ一度も足を踏み入れたことがない未知のルートでした。そう思うと、何やら探検心のようなものが湧いてきます。事前にヤマレコなどの山行記録で情報を収集したところ、廃線ルートはところによってはいつ崩壊してもおかしくない危険な状態であること、第3トンネルと第5トンネルは通れないので迂回する必要があることなど、先人諸氏の記録を参考にさせていただきました。
行きのバスで、関東から関西の山巡りに訪れているという登山者風の初老の男性の方とご一緒になり、愛宕山は初めてだそうで、表参道で山頂まで行くとのお話でしたので、ともに清滝バス停でバスを降り、表参道入り口の鳥居までご一緒しました。聞けば、昨日は比良の蓬莱山、一昨日は武奈ヶ岳と私にとって馴染みの深い山々を登られたようで、連続して毎日山を回っているというのはよほど山が好きなんだなと感服しました。
さて、その方の登山の無事を祈りつつ別れ、私は鳥居からほど近い清滝川駅跡からスタート。iPhone7のSkyWalkingを起動し、事前に仕込んでおいた愛宕山周辺のオフライン地図と参考GPXルートなどセットして、登山開始。SkyWalkingはネットに接続できない山岳地帯での道迷いを防止することを目的に私がフィールドテストを重ねながら改良を続けているiOSアプリです。ネットに接続できない山岳地帯でも使えるオフライン地図機能など、登山に必要な機能を持つアプリで、多くの方に利用していただいております。ご興味のある方は、SkyWalkingオフィシャルサイト( http://deepkick.com/skywalking/ )をご覧ください。廃線ルートに入ると、さっそく私有地立ち入るべからず的な柵や鉄条網がありましたが、どうしても今回廃線ルートを制覇したいとの想いには逆らえず(すみません。。。)、廃線の遺構を進んで行きました。途中、風化された柱を頼りに地上10mほどあろうかという深い谷にかかっている橋梁もあり、いつ崩壊するとも知れず、おっかなびっくりでしたが、刺激を与えないように静かに進みました。廃線ルートは、積雪期の比良に向かうのとはまた違った恐怖感があります。
第1トンネルと第2トンネルは無事にクリア。第3トンネルは崩壊しているとの情報でしたので、内部がどうなっているのか入ってみたところ、すぐに土砂で埋もれて塞がれていました。トンネルの右側急登にテープが張ってあるので、それを目印に迂回ルートを進みました。ルートが分かりづらいときは、SkyWalkingで参考ルートと現在位置を表示し、GPSでルートファインディングしながらロストしないように慎重に進みます。こういう初めてのルートを歩くときは、SkyWalkingは完璧に機能してくれました(SkyWalking制作者の自画自賛になっていますけど、これがないと方向音痴の私は怖くてルートファインディングが必要な山域に行けません)。
第4トンネルも無事に通過。第5トンネルも中が崩壊しているらしく、右側の迂回ルートを進みますが、ここはかなり急な斜度の足場の悪いルートとなっており、ありがたいことにトラロープが張ってありました。これをなんとか乗り越えると林道らしきルートにぶつかりました。位置的に表参道ルートに近いことが分かったので調査すると、五合目の休憩所の裏手に出ました。これは新しい発見でした。
再び廃線ルートに戻り、第5トンネルの出口の上に出て、さらに進みました。第6トンネルも通過しましたが、このあたりから地面がえぐれ、風化した柱のみでどうにか持ちこたえているような、悪夢のような橋梁が伸びている危険箇所がありました。私は今回直感的に判断して通過しましたが、なぜ崩壊しないのか不思議なくらい風化が進んでおり、正直他の人におすすめできない危険なルートだなと思います。もし通過中に崩壊すると無事ではすまないことは明らかな高さです。
緊張感のある廃線ルートも終わりに近づき、ケーブル愛宕駅の廃墟が見えてきました。この駅舎廃墟は以前からよく訪れているので、ここにたどり着いたときはこれで大丈夫という安心感と達成感がありました。しかしこの廃墟もいつ崩壊するか分からない危険な状態に風化しており、今回は屋上まで登る気にはならず、小休止した後、すぐに出発。廃線ルートでは、誰一人とも会いませんでした。愛宕山のルートとしてはもっともデンジャラスで避けるべきルートだろうと思います。多くの人が通過すればするほど崩壊する危険も増すことでしょう。私も再びこのルートを行く気になるかと問われたら、今はちょっと分かりません。ただ今回私は先人諸氏の情報を参考に実際に行ったわけですし、戦前に愛宕鉄道ケーブルカーというものが存在し、戦中に廃線となり(なぜ廃線とされたのかその理由も含めて)、戦後70年以上放置されたという歴史的事実を自分の目で見て考えるためにも、なるべく詳細な情報を残しておきたいと思った次第です。
その後は、いつもどおり黒門を抜けて、愛宕神社に参拝し、登山の無事やら家族のことやら仕事のことやら、いろいろ無理難題(?)を祈願し、早々に大杉谷コースから下山しました。途中、第2ベンチと第1ベンチの間で、廃線ルートと表参道につながるルートをを見つけようと右の脇道らしきところに入ってみましたが、崩落した土砂に埋もれてしまったようなルートらしきものがありましたが、谷に阻まれて行き止まりになっており、これ以上進むの危険と判断し引き返しました。このあたりのルートはさらに調査が必要かと思われます。
予定通り5時間で清滝に戻ってきて、今回の愛宕山山行は終了しました。麓の清滝のサクラは散り始めておりました。来週にはもう散ってしまっていることでしょう。
====== SkyWalking について ======
私の個人プロジェクトで開発している登山用GPSロギングアプリで、iOS端末(iPhone, iPadですね)で利用できます。国土地理院防災アプリケーション審査委員会が公募した防災アプリとして高い評価を受け、平成28年度防災アプリ賞を受賞したアプリです。山岳地帯など、ネットに接続できない環境での道迷いを防止することを目的として開発を続けているアプリです。そのためのさまざまな機能を備えております。機能制限版は無料で利用できます。気に入っていただければ、有料版にアップデートすることもご検討ください。
SkyWalking オフィシャルサイト
http://deepkick.com/skywalking/
私は、SkyWalking を使ってGPSロギングを楽しんでおりますが、完璧な動作を保証しているアプリではありません。単なる道具ですので、壊れることもあれば、使い方や条件次第では、期待どおりに動かない可能性もあります。ご利用については自己の判断の下でお願いいたします。バッテリー切れを起こさないためにも、充電用のモバイルバッテリーは必ず持っていくようにしてください。ご質問やご意見などがありましたらこちらのコメント欄などで直接私までお知らせいただくか、オフィシャルサイトからお問い合わせください。
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