棒ノ折山〜高水三山
- GPS
- 07:43
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 1,304m
- 下り
- 1,319m
コースタイム
- 山行
- 6:33
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 7:43
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:沢井駅から青梅線 |
コース状況/ 危険箇所等 |
白谷沢は一瞬、本格的な沢登りか?と思わせる手軽で楽しいコースです。 ゴンジリ峠直前の木段が崩れて収拾がつかなくなっています。 全ルート中、ゴンジリ峠〜岩茸石山間は細かなアップダウンが続いて結構疲れます。 |
写真
感想
新調した登山靴で現れた55burbankこと幕吏クンと飯能駅で合流し、名郷行の満員バスに乗り込んだ。さわらびの湯でごっそりと下車する列に加わり、広場のようなバス停に降りたつ。強い日差しの中、彼とは半年ぶりとなる山行に出発した。
今回のコースは、都県境を越えて棒ノ嶺(棒ノ折山)と高水三山という著名な入門の山をまとめて歩いてしまうのが狙い。まずは「なんちゃって沢歩き」の白谷沢を目指して車道を有間ダムへと登った。カラッとしているが、暑い。後で知ったが、この日の風が東南から吹いていたため、山に遮られて風もなかったらしい。
というわけで、白谷沢へ向かう林の中の登山道でいきなり汗を絞られた。若いハイカーを先に通し、二人して大汗をかきながらようやく沢に到着。上流から吹き抜ける風でやっと一息ついた。
右に左に沢を飛び石で渡りながら詰めていくと、最初のゴルジュ地形が見えた。といっても、別段どうということはない。よく見ると岩がきちんと石段に積まれていたりする。そんな観察をしながらモタモタ歩いていたら、後ろから子供の声が迫ってきた。
もう一つの核心部と言える岩場で意外とちゃちな白孔雀の滝を見る間に小学生の親子連れを先に通し、さらに沢を詰める。風が弱まり、ちょっと暑い。幕吏クンがいささか苦しそうだ。土管から水が流れ出ていて少々幻滅を覚える白谷沢の源流部?を左に見て、林道横断地点に到着した。ベンチがあって先ほどの子供連れらが休んでいる。
林の中をわずか登ると道は東へほぼ等高線に沿って進み始め、間もなく岩茸石の尾根に着いた。お父さんが小学生に「この岩だ。登ろう」などと言っている。こちらは危ないことには近寄らず、素直に棒ノ嶺を目指す。あと少しでゴンジリ峠というあたりで、せっかくの木段が軒並みバラバラに崩れている区間に遭遇した。とても歩けないので並行する踏み跡が本道のようになっている。ここまで壊れる前に少しずつ補修することはできなかったのだろうか。
木段崩壊区間が終わるとゴンジリ峠。しばらく平らな尾根を歩き、今度ははっきり旧登山道を柵で通行止めにしてある植林帯の坂を登ると、ほどなく視界が開けて棒ノ嶺山頂に到着した。近くは大持山や武甲山、遠くは霞みながらも日光男体山や赤城山まで見えている。
景色を楽しみつつしばし休憩の後、腹も減って来たので昼食予定の黒山を目指す。老若男女が続々と登って来る中をゴンジリ峠へ引き返し、御嶽駅方面へ延びる関東ふれあいの道へ分け入った。人影はガクンと減ったので「黒山山頂は貸切か?」と期待したが、既に何組かが昼食休憩中だった。ベンチの一つにコッヘル2つと食材を置き、もう一つをテーブル代わりに占拠している3人組がいた。我々の他にもリュックを下ろした人がいるのだが、気にする風でもない。
文句を言っても始まらないので、幕吏クンと弁当を広げた。彼がコッヘルを持参してくれたのでお湯を作ってもらい、代わりに当方のフリーズドライスープを提供した。木々の葉はすっかり色濃く大きくなって山頂からの眺望はあまり利かないが、南の大岳山方面だけが透かし見えた。
さて、この後は標高842mの黒山から793mの岩茸石山へと下り基調の稜線となるのだが、間には小さなピークが多数あり、アップダウンは激しい。30分ほど歩いた時、南西側が開けて上日向の集落の上に大岳山から御前山の山稜が一望できたが、眺めが良かったのはこの時くらい。険しくはないものの、上がっては下りてを繰り返す林の中の尾根が続いた。
御影石のような黒く艶のある岩が三つに割れた所をすり抜け、手入れされた杉林を抜けたあたりで道が登り基調になり始める。いったん下った所が名坂峠で、最後にひと登りを頑張ると明るい伐採地が開け、急坂の上に岩茸石山山頂が見えた。
ここも北東側の伐採のおかげで眺めが良い。棒ノ嶺とその先の武甲山、そしてここまで歩いてきた尾根が見下ろせる。若干予定より遅れ気味なので、呼吸が整ったところで高水山への寄り道に向かった。いったん結構な急斜面を下って巻き道と合流。さすがメジャーなハイキングコースとあって整備は良く、途中のピークは巻き道でパスするようなコース取りで簡単に高水山頂に到着できた。
ここは眺望もないため、すぐ下の常福寺へ。正面に回ってみると、なぜか木で作った巨大な刀身のようなものが奉納されていた。車でも来られるので観光客らしきスタイルの人にも出会う。あまりゆっくりもできないため、裏のトイレを借りて頂上をパスする巻き道を直行、岩茸石山の下に戻るとやはり巻き道経由で惣岳山に向かった。
巻き道がなく忠実に尾根を辿る感じだったゴンジリ峠〜岩茸石山の区間と比べると、ぐんと歩きやすい。途中最大の723mピークも東側に迂回して通過し、どんどん歩みがはかどる。久々に南の視界が開け、大岳山と奥ノ院が重なり合うように見えた。じきに急坂が始まり、珍しく岩場をよじ登る。祠の赤い外壁が見えたと思ったら惣岳山の頂上だった。
広場のようになった頂上は、残念ながら眺望は利かない。太い丸太に腰かけて休憩してから、しめ縄をくぐって最後の下りコースに出発した。にぎやかな女性パーティーの声を背中に浴びながら植林帯の急坂を下る。少し足が疲れてきた。標高500m付近で年配の男女が休んでおり、座り込んだ女性は脹脛を傷めていたようだ。山は半年前に当方と歩いて以来という幕吏クンはと言えば、幸い快調に歩いている。
送電線をくぐって現在位置が知れた。何かで見た幕吏クンによると、送電線を3回くぐると御嶽駅前の登山口に着くらしい。そちらに向かうつもりで進んで行くと、ほとんど登り返しはあるまいとみていた道が、真っ直ぐ下りた先で逆にぐんと高度を上げているのが見えた。
参ったなと思っていると、幕吏クンが天佑のごとく「沢井へ」と書かれた道標を見付けた。前を行くカップルは果敢に登って行ったが、「もう、ちょっとあの坂は勘弁してほしいですね」と幕吏クンからも本音が漏れる。登り返した先では御嶽駅へ逆落としの急坂が待っている筈だから、当方とて異議はない。
というわけで左へ曲がり、沢井駅への道を辿り始めた。道はすぐに山腹を下って行く。雨で土砂が流れて溝状になっている区間があり、整備状態は多少落ちたが歩くのに困ることはない。ほどもなく下に民家の屋根が見え、集落末端の車道に下り立った。
青渭神社やきれいな竹林を左に見て急坂の舗装路を下って行くと、青梅線と並行する道に突き当たった。左へ橋を渡り、ぴったり線路に寄り添う道を東に辿る。4時を過ぎたが、右後ろから当たる日差しはまだ暑い。早く河辺駅で降りて温泉に浸かりたくなった。
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