大菩薩嶺 丹波山からは遠くて暑かった・・・
- GPS
- --:--
- 距離
- 32.2km
- 登り
- 2,244m
- 下り
- 2,239m
コースタイム
- 山行
- 10:35
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 11:20
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません 川久保から大丹波峠への破線ルートは通らない方が無難だそうです |
写真
感想
天気が良さそうなこの週末。しかも暑くなりそうなので、どこか涼しい地域でテント泊をしたい…ところですが、残念ながら日帰りとなります。まだ登ったことがない北八ヶ岳あたりにしよう!と予定するも、3週間空いてしまったこともあり、テント泊用に身体に負荷をかけておきたい。
そこで代替案として浮かんだのは、黒戸尾根か丹波山からの大菩薩嶺でした。黒戸尾根は昨年に挑戦したので、安心して再挑戦することができます。一方で、丹波山からの大菩薩嶺は初めて歩くルートであり、介山荘に泊まることがあるならば…と計画したことはありましたが、情報もほとんどありません。
この時期の奥秩父は猛烈に暑いだろうな…秋になってから挑戦しようかな…と迷いに迷いましたが、暑くても何とかなるだろうと判断。行けるだけ行ってみてダメなら即撤退しよう、大菩薩嶺を諦める、大菩薩峠でピストンとする、などと極めて後ろ向きな姿勢で自宅を出ました。
地図では丹波山ローラーすべり台に駐車できるようですが、到着すると、丹波山村営無料駐車場(ローラーすべり台専用駐車場)と書かれていました。ん?これは、登山者は駐車してはいけないのかな?あとで注意されるのは嫌なので、道の駅たばやまに戻り、ここをスタートにしました。
スタートした4:45では、まだ気温は20℃でした。涼しいうちに距離を稼ごう!ローラーすべり台を超えて登山口が見えてくると、上の方からフゴフゴッという鳴き声とドドドッと走り抜ける音がしました。猪でしょうか?
クマ鈴を用意して登り始めると、ツタのような草が茂っていて、ここはほとんど人が歩いていないのかな?といきなり不安になりました。また、動物のフンだらけでたくさんのハエがブンブンと飛びまわっていて、早速嫌になってしまいました。
登山口からいきなり急登となり、越タワ上を超えたあたりから大量の汗が噴き出ました。心が折れそうになりながらも登り続けると開けてきて、高尾天平に到着。ここでは林業が行われているようで、休憩用の?東屋がありました。天平と言っても人工的で、丹波天平のような自然は感じられませんでした。林業用にここまで車で来ることができるようで、この先藤タワまでは、林道歩きに近い感じで下ります。
藤タワから先は、ほぼ平行移動のような感じで、ジワジワと標高を上げていきます。鴨沢からの雲取山といったイメージでしょうか。途中で渡渉を繰り返す沢沿い歩きとなり、ヒンヤリしてきます。高尾天平までにかいた汗が冷えて、若干楽になりました。このあたりは踏み跡が薄いので、ガスで真っ白の時は少し注意が必要かもしれません。
ユルユルと歩いて、追分(十文字)に到着。ここから先は、石垣で補強してある箇所や作業道との分岐(分岐では下り方面に入らないように)を超えて、さらにユルユルと歩いて開けてくると、そこはノーメダワでした。気持ちの良い場所だったので、ここで休憩にしました。正面に見える山が大菩薩嶺かな?まだまだ遠いなぁ。
休憩後、すぐに分岐となります。ここは右方面を選択してみました。ここまであまり登っていない分、ここから先は明確な登りが始まります。それでも、高尾天平までのような急登ではないので、気持ち的には楽でした。
ここまで静かな歩きであり、大菩薩峠まで誰にも会うことはないだろうと思っていましたが、年配のソロの女性が下りてきたので驚きました。おそらく小屋泊でしょう。挨拶を交わしただけでしたが、何時に出発したのか確認しておけばあとどれくらいで大菩薩峠に到着できるのか判断することができたかと思うと、少し反省。
グイグイ登って道がなだらかになり、また開けてくると、フルコンバに到着。先ほどのノーメダワと似たような雰囲気でした。地図ではここに水場があるようなので探してみましたが、踏み跡がありません。怪しい気配がすること、まだ先は長いので偵察は諦めました。
少し先に「ニワタシバ」という錆びた黄色の標識が道に置いてありました。ニワタシバ?何の芝だろう?よくわかりませんが、先に進みます。さらにグイグイ登って、空の色がだんだんと鮮やかになってきて、大菩薩峠に到着。ここまでのタイムを5:30と見込んでいたので、上出来でしょう。
少し休憩しようかな?でも、今なら上日川峠へのバス組がまだ登っている最中だから、大菩薩嶺は空いているはず。先に進むことにしました。
これまでに大菩薩嶺は3回登っているものの、雷岩から大菩薩峠への下りのみでした。今回は逆であり、見た目は結構登る感じ。結構疲れるかな?と思いながら歩いてみると、傾斜が緩やかであり、また富士山がうっすらと見えたので苦にならず、割とあっさり大菩薩嶺に到着しました。この暑さでもいつも通り撮影渋滞ができていて、記念撮影を終えた後すぐに大菩薩峠まで引き返しました。
さて、お待ちかねの休憩です。眺望を楽しみながら…なんて考えは一切なく、日陰で休憩したかったことと、牛ノ寝通りと川久保から大丹波峠までの状況を確認したいため、介山荘でコーラを購入しました。暑いせいか、かき氷が飛ぶように売れていましたが、大好物の「ガリガリ君」を下山後の楽しみに我慢、我慢。
もうこの時間になると続々と介山荘に登山者が到着してきて、売店は混雑していました。しかし、私の今回のルートを小屋番さんに示すと、接客をしながらも色々と情報を教えていただけました。
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元々荷渡し場で、小屋があった。水場があるからテントを張ることができた。今は鹿の影響で水場が汚染されているから、煮沸しないと飲用水としては適さない。
牛ノ寝通り
小菅の湯に抜ける方(特に宿泊者)が多いそうで、道は明瞭。モロクボ平で小菅方面とは異なる川久保へ下るなら、落ち葉だらけの道を下ることになるが、落ち葉の上を歩くことが楽しみひとつ。
川久保〜大丹波峠
車道沿いに進めば、大丹波峠に着く。地図上の破線は、今は人が歩くことはなく、鹿しか歩かないような獣道のため、道迷いが不安なら避けた方が無難。
ぢ領
甲州アルプスのように急なアップダウンがないから、ここから初狩駅まで歩くことができたのならば、牛ノ寝通りは問題ない。
以上、4つの情報を得て、元気が湧いてきました。予定よりも早く大菩薩峠に到着したこと、まだそこまで疲れていないこともあり、牛ノ寝通りで下山することにしました。
少し登って熊沢山を通過し、石丸峠へ下ってさらに少し進んで、牛ノ寝通りとの分岐に到着。3週間前は、下る道があるな…程度で特に気にすることなく小金沢山に進んでしまいました。
傾斜が緩めの下りが続き、長峰との分岐で松姫峠方面へ。この先、九十九折りの長い下りが続き、グングンと標高を下げます。九十九折りから真っ直ぐな道になると、榧ノ尾山に到着しました。榧ノ尾山は少し開けていて気持ちが良かったのですが、先が長いので休憩なしで進みます。
この先は、緩やかなアップダウンが数回あるものの、ほぼ平行移動に近く、体力の回復と温存をすることができました。地図上のショナメのあたり?で20名近いご年配の団体さんとすれ違いました。介山荘にでも泊まるのでしょうか?その後、さらに進んで棚倉に到着。年配のソロの男性が休憩されていて、これから予想される下りに備え、分岐の手前で私も休憩しました。
休憩中にソロの男性が松姫峠方面に進まれました。休憩後、私は小菅の湯方面へ。なだらかな道が続いた後に、九十九折りの下りが始まります。たいぶ標高が下がってきて暑さで汗をかきながら下り終えると、モロクボ平に到着。ここで川久保方面へ進みます。
多くの方がモロクボ平から小菅の湯へ進むのでしょうか、川久保方面は落ち葉が大量に積もっていました。しかし、黒川金山跡のように道がなくなることはなく、落ち葉が積もった九十九折りの道を下り続けます。車の音が聞こえてきて、沢沿い歩きを終えると、マスか何かの養魚場の裏手に出ました。目の前にはデーンとした山々が!あれのどこかが大丹波峠で、あそこまで登るのか…。
このあたりはどのように進むのかよくわかりませんでしたが、とりあえず小菅村役場方面を目指しました。旧青梅街道とぶつかる交差点に小菅駐在所があり、少し日陰になっていたので、これからの登りに備えて休憩しました。
一応、介山荘で大丹波峠までの情報を得ていたものの、やはり不安であったので、休憩中に通りかかった地元の方に確認してみました。すると…「大丹波峠までは、昔は車でキノコ狩りに行っていたから、道はあるはず。しかし、大丹波峠から先の道は、かなり前に無くなってしまい、今歩いている人はいないはず」とのこと。
あれ?おかしいな?山と高原地図をお見せすると「これ、いつの地図だい?ちょっと待っていて」とその場を離れ、すぐに戻られました。その手には小菅村の観光パンフレットがあり、その中のトレッキングコース付きのイラストマップを示されました。
「ほら、今川から大丹波峠に入ったあとは、鹿倉山を通過して深山橋に抜ける鹿倉山コースしか書かれていないだろう?」と仰います。また、「道の駅たばやまに行くなら、大丹波峠に入らず、この車道を進んだ方がいいよ」とも。
当初から川久保から先の道が不安であったので、この情報には参りました。とりあえず、大丹波峠に行ってみて、判断しよう。「ありがとうございました!」とお礼して出発です。
この先は、直射日光とアスファルトの照り返し、そしてかなりの登り返しで拷問でした。今日の気温はいったい何℃だろうか?右へ入る分岐を見落とさないように、右側を視野に入れつつ登りました。
車が結構なスピードでビュンビュン走っていましたが、もちろん車内は冷房が効いているわけで、独りでフラフラになりながら歩く私に浴びせる視線が一様に軽蔑的なものに感じました。
破線への入口をスルーし、さらに登り続けると分岐があり、不安なまま右へ入りました。舗装路から林道に変わりさらに登り続けると大丹波峠に到着。丹波山へ続く道がきちんとあったのでホッとしました。
丹波山へ向けて下ります。しばらくは林道関係者向けのように歩きやすい道でしたが、九十九折りに道が変化して、沢の音が聞こえてくると崩落気味な箇所が出現したりと、疲れた足には面倒な下りでした。それでも、正面にお城のようなローラーすべり台のスタート地点が見えてくると、下りはもうすぐ終了。このあたりから、犬の吠える声が遠くから聞こえてきました。
犬の吠える声が次第に大きくなってきて、作業小屋のような裏手に出ると、3匹の黒い犬が猛烈な勢いで吠えていました。2匹は鎖に繋がれ、1匹は小屋の中から私に向かって吠え続けます。かなり警戒しましたが、はちきれんばかりに尻尾を振っているのを見て、脅かしたりしなければ害はないと判断。同じく、尻尾を振って吠えていた農鳥小屋の甲斐犬を思い出しました。
3匹の犬に別れを告げて先に進み、マリコ橋を渡ると、ゴールはもうすぐ。ここでも暑さにうんざりしながらテクテク歩き、道の駅たばやまに到着。ゴールとなりました。気温を確認してみると、この時間でも32℃。時間的にもっと暑かったであろう川久保〜大丹波峠が拷問のようであったのが理解できました。
お手軽な百名山として有名な大菩薩嶺。丹波山からは遠かったです。しかし、距離は長くても歩きやすい道がほとんどで、体力回復・温存区間が半分以上であるため、傾斜のあるアップダウンが続き、最後は標高差1,100m以上を一気に下る甲州アルプスの方が疲れました。
今回は挑戦する時期を完全に間違えたため、余計な疲労と格闘する羽目になりましたが、涼しい時期ならばもっと楽しく歩くことができると思います。また、今回のルートは最後に大丹波峠を越えなければならないため、少し簡略化して小菅からの周回にすれば、もっと気楽に挑戦することができるのではないでしょうか。
こんにちは
以前大菩薩から下りで丹波山まで降りましたがそれでもダラダラ長かった記憶ですが、それを日帰りで別コースで往復とは…。体に負荷をかけておきたいとか、もう修行の世界か学生トレーニングかって感じですね。
楽々登山推進派の私は やはりkenboさんとは生涯ご一緒する機会はないなぁと思ってしまいます。
それにしても毎回ハードですね!
とにかく最近暑いので体調には気をつけて下さい!
( ´ ▽ ` )
猛暑を覚悟して挑戦したので、今回は修行でした。
特に川久保〜大丹波峠は、修行というよりも拷問でしたが…。
ちょうど3年前に鳳凰三山でlapipiさんたちにお会いしたとき、砂払岳から猛烈なスピードで先に進んで行かれ、体力はつけるべきだなぁと感じたのを覚えています。
lapipiさんが計画していただけるのであれば、今なら日帰りでもテント泊でも足手纏いにならない程度に対応できると思います。ただし、お酒は除きますが。
お気軽にお声掛けください。
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